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周南市のシンボルに定着

《金曜記者レポート》【周南(新南陽)】永源山公園のゆめ風車
 周南市の永源山公園の山頂にある「ゆめ風車」は高さ24メートル、羽根の直径24.66メートル。オランダ製の8角形の本格的バルコニーつきの粉ひき風車では日本最大規模を誇り、手作業で帆を張って羽根を回転させる。旧新南陽市時代の1995年に完成して20年以上が経過したが、夜のライトアップも続けられ、山上のランドマーク、周南市のシンボルとして定着している。改めて概要や管理方法などを聞いた。(安達亮介)

デルフザイル市との交流から誕生
 ゆめ風車は90年に東ソーの関連会社の縁などから旧新南陽市とオランダのデルフザイル市が姉妹都市提携を結んだのをきっかけに、国際交流の場と機会の提供、地域活性化へデルフザイル市に実際にある風車「エオリス」をモデルに建設されたもので、名称は全国に公募して決めた。

a=標高89メートルの山の上にあるゆめ風車/b=1階のストリートオルガン/c=オランダの衣装や日用品が並ぶ2階の展示室

a=標高89メートルの山の上にあるゆめ風車/b=1階のストリートオルガン/c=オランダの衣装や日用品が並ぶ2階の展示室

 鉄筋コンクリート造で特注のレンガタイルなども使われ、部品をオランダから輸入し、オランダの職人も訪れて現地で組み立てる方式で93年9月に着工、95年3月に完成し、8月から供用開始された。建設費は2億7,295万円。
 直径約1.5メートルの石臼が2基あり、粉ひき部屋で1日に1基当たり約1トンの穀物の粉をひく能力も持つ。しかし同公園では、偏西風の風力が得られるオランダのように安定的に羽根を回すことは難しいため、実際に粉をひいたのは完成当初に試行した時くらいだという。

回転は休日に、風まかせ
 維持・管理は同公園の指定管理者、グリーン環境協同組合(藤井東総括責任者)が担当。指定管理料は年間約5,000万円で、広大な公園内の樹木のせん定や夏のプールの運営などもしている。ゆめ風車にかかる費用は定期的な点検など人件費以外は駆動部に塗る油代など軽微だという。

羽根に登っての点検作業=グリーン環境協同組合提供

羽根に登っての点検作業=グリーン環境協同組合提供

 開館時間は午前10時から午後3時まで、火曜と年末は休み。羽根が回るのは土、日曜、祝日の開館時間だけで、風車守が羽根に登って風の向きに合わせて帆も張っているが、風が弱い時はそれでも回らないこともある。
 内部の1階にはオランダ伝統のストリートオルガンがあり、後ろにあるハンドルを手で回すと日本やオランダの曲が流れ、イベントの時などにも演奏している。2階には20世紀初期のオランダの衣装や日用品を集めた展示室もある。
 毎日、日没から午後9時までライトアップもされ、国道2号など周辺道路からも目を引く。

市内外に人気広がる
 風車はオランダでも19世紀には全土で9,000基を数えていたのが約1,000基ほどに減り、保護文化財として保存が進められている貴重な建造物。永源山の山頂に立つ姿は目を引き、最近では広島から来た人がゆめ風車を見かけたことで同公園に訪れるなど、市内外に人気が広がっている。
 藤井さん(62)は「全国でも珍しいオランダ製風車。市のシンボルとして守っていきたい」と話す。
 同公園には年間約27万人が訪れるが、ゆめ風車まで来る人は、山の上という立地のためかその一部。しかし風車のそばには展望台もあって市街を一望でき、ゆめ風車に至る歩道は緑に囲まれてウオーキングにぴったり。
 オランダのもう1つの名物、チューリップも、姉妹縁組で球根が贈られたのを始まりに、毎年、園児らの手で植えられており、春にはチューリップが園内や風車のある国際交流広場を彩る。
 身障者や高齢者などは同公園管理事務所に連絡すれば乗用車で山頂まで登ることもできる。オランダの雰囲気を感じに訪れてみてはいかが。同事務所の電話は0834-63-7899。