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地域連携、魅力発信に意欲

[この人に聞く]
「街に3回来てもらえる企画を」地域連携、魅力発信に意欲
周南市立徳山駅前図書館長 桜沢 圭一さん(39)

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 3日に周南市立徳山駅前図書館を含む徳山駅前賑わい交流施設がオープンする。図書館のほか蔦屋書店、大手コーヒーチェーンのスターバックスコーヒー、東京の老舗フルーツ店のパンケーキやパフェなどを提供するフタバフルーツパーラーも入り、指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が開館準備を進めている。CCCの社員で、徳山駅前図書館長、賑わい交流施設の施設責任者でもある桜沢圭一さんに運営方針や地域連携の考えなどを聞いた。(聞き手・延安弘行)

 ――館長の仕事はどういったものですか。
 桜沢
 図書館の運営責任を負うとともに、にぎわいを創出する賑わい交流施設の施設責任者でもあります。2013年に周南市と弊社が連携協定した時から携わらせていただいたこともあって、せん越ながら館長を務めさせていただくことになりました。
 ――賑わい交流施設は商店街、中心市街地、県東部のまちづくりの拠点施設として作られました。どのような役割があると思いますか。
 桜沢
 周南市立徳山駅前図書館は中心市街地にある図書館で、しかも中央図書館から800メートルという近距離にあり、役割は大きく違ってくると思います。図書館として本を提供していくことに加え、来館者、徳山駅を利用する方に対し、街なかにどれだけ回遊していただき、街をより好きになっていただくか。そういったことを大切にしていきます。
 ――マルシェなどのイベントも計画していますね。
 桜沢
 図書館に置く6万冊はすべて新しく購入し、1つ1つが魅力的で資料的価値があるものですが、本だけでない、人から学ぶという図書館でありたいと思っており、マルシェなどもその一環です。体験型ワークショップや無料の講演会などもできるだけ多く開き、そこに集う、同じ興味を持った人たちが知り合うことで新たなコミュニティーや仲間が発見できる、そういう場になっていければと思っています。
 ――商店街への回遊や観光面の貢献への期待もあります。
 桜沢
 私も周南市に5年近く通い、最初に来た時は徳山駅周辺に閉まっているお店がたくさん見られるのが悩ましく思いました。しかし回数を重ねて通うにつれ、実はすごく面白い、魅力的なお店、または産業、特産品など他市にないものがたくさんあるな、と個人として発見できました。1回来ただけではわからず、2回、3回来ることで街のことが好きになる自分がいましたので、この街に3回来てもらえるような企画ができないかということを、街の方々とお会いした時もお話しさせていただきました。賑わい交流施設としてもそういうことを目指してやっていきたいです。
 ――街の魅力を伝えるためにどのようなことを考えていますか。
 桜沢
 1つはフタバフルーツパーラー。周南のフルーツなどを市民はもちろん、市外の人にも食べてもらい、周南市を再発見していただけるような機会になればいいと思います。そういう意味では蔦屋書店の方で販売する物産品などでも周南市のよさ、魅力を発信できればと思います。
 ――まちづくり団体などと一緒にまちづくりに参加してほしいという期待もあります。
 桜沢
 できるだけ接点は多い方がよく、駅と街の協議会の立ち上げに参加させていただきたいと思っております。各団体と交流施設の活用について協議し、どういうことができるか建設的に議論して実行に移す場にできればと思います。
 ――こちらで働く人は何人くらいですか。
 桜沢
 施設全体で約70人のスタッフがいます。その中には弊社の東京や地方から集まってきた10人強もいますが、それ以外は基本的には地元で採用したスタッフです。
 ――どういう人を採用していますか。
 桜沢
 弊社のほかの図書館と同じように、東京本部の人間が来て地元で採用というスタンスは基本的には変わりませんが、我々の会社の特徴としては、正社員も早くからその地域に住んで地域に溶け込み、生活者としての視点で企画にしていくので、立ち上げ後もその街の一員として住み続けることを前提にしています。新しく採用したスタッフは10代から60代までおり、これだけの雇用を生む公共施設はあまり多くない。そういう中で女性や男性、子育て中、ダブルワーク、定年退職などいろんな立場、年齢の人を広く採用しており、それぞれで貢献できる領域を見つけていただき、賑わい施設運営を担っていけるように鋭意トレーニングしています。
 ――地域への情報発信はどういった方針で進めますか。
 桜沢
 市民の新たな心地の良い居場所と情報発信が役割で、積極的に取り組みたいです。我々はまだ周南市に身を置いて短いです。しかし、スタッフは何十年と住んでいる人もおりますので、街の情報はそういった所からも得られます。スタッフ1人々々がただ働くのではなく、情報のアンテナであり、発信するスピーカーである、そういう方針でやっていきます。また市内に元々ある5館の図書館との連携の中で各地域のさまざまな情報がキャッチできるとも考えており、図書館ネットワークとして各地域の特色やイベントなどをできるだけ情報交換し、この駅前でも発信してより多くの人に知っていただけるようにもしたいです。
 ――地域のいろんな動き、情報をどう広げていきますか。
 桜沢
 この図書館でいつも何かをやっているという期待感を作っていくことが大事で、新しくホームページも立ち上げました。催しごとを積極的に発信していき、興味を持っていただいた方には、まずそこにアクセスしてもらい、情報が取れるという形にはしたいです。あとはできるだけファンになっていただくことで、家族や友人に勧めてもらうなど、そういう広がり方が望ましいですね。
 ――改めて意気込みを聞かせてください。
 桜沢
 弊社の図書館としては5館目ですが、これだけ街と一緒に企画しているのは今までにありません。新たな街と連携する1館目と位置付けており、微力ながらやっていきたいです。

【プロフィール】
 群馬県沼田市出身。関西大学文学部卒業後、カルチュア・コンビニエンス・クラブに入社。ツタヤの店長やエリアマネジャーなどを経験。2012年に図書館事業部に移ってから同社が運営する佐賀県武雄市、神奈川県海老名市、宮城県多賀城市、岡山県高梁市の図書館すべての開館に携わり、立ち上げ後の責任者も務めた。徳山駅前図書館長には図書館事業部長から着任した。