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新斎場建設大きな反対なく

【金曜記者レポート】
御屋敷山斎場整備費計上
清掃工場跡地へ

 下松、光市と周南市の徳山、熊毛地域を対象にした火葬場、下松市西豊井の御屋敷山斎場は、修繕や改修では対応が困難なほど老朽化が進み、一方で近い将来、火葬件数の増加が予想されることから新しい斎場の整備が急がれている。運営する3市の周南地区衛生施設組合(組合長・国井下松市長)は下松市末武下の旧下松清掃工場跡地を移転候補地に決め、地元に説明、理解を求めてきたが、大きな反対の声はなく、7日に開いた組合議会には2018年の一般会計当初予算に基本設計策定などの新斎場整備費9050万円が盛り込まれた。(山上達也)

御屋敷山斎場

御屋敷山斎場

移転候補地の清掃工場跡地

移転候補地の清掃工場跡地


・市広報で特集、反対意見なく
 御屋敷山斎場は1971年に完成し、年間約2500件の火葬を受け入れている。しかし老朽化した上に国道188号からの進入路も急角度で狭く、駐車場も不足し、利用者のニーズに十分な対応はできていない。
 移転候補地は昨年3月に選定。かつては塩田で、現在は更地になっており、市道より約3メートル高い。下松市は規則で火葬場は「住宅、学校、病院などから220メートル以上離れている」としているが、候補地から220メートル以内にわずかにかかる西市沖自治会(45世帯)と中島町自治会(110世帯)には秋から5回の説明会、2回の先進地視察をしている。
 また昨年11月の市広報に2ページを割いて斎場の現状や移転の必要性を説明した。これに市民からは1件の反応もなかった。直後の12月議会でも一般質問で取り上げられることもなく、3月議会で1人が経過や今後を問う予定。

・最新鋭施設の視察で理解深化
 地元の2自治会が視察したのは広島市や大阪市の最新鋭の斎場で、周囲に煙や異臭が漂うことはなく、外観も美術館のようなモダンさで、旧来の負のイメージが薄いことが反対の声が表だって出ない理由と見られる。
 斎場とともに迷惑施設とされる旧下松清掃工場の建設に際しては、計画が発表された1971年に地域を挙げた反対運動が起きた。
 市史によると1万117人の反対署名が出され、一部反対派が山口地裁に清掃施設の位置決定処分の取り消しの訴えも起こしたが、組合と市が厳しい公害防止協定を締結するなどで決着した。

・周南、光市長も早期推進要望
 組合は新年度から基本計画策定や測量地質調査、生活環境影響調査を進めることになるが、一昨年策定した新斎場整備基本構想では、事業着手から供用開始まで5年前後を予定し、総事業費は同規模の斎場を参考に28億千万円を見積もっている。
 7日には木村周南市長と市川光市長がそろって下松市役所を訪れ「新斎場建設の早期推進を」と要望書を國井市長に提出して地元対策も念頭に「協力はできるだけのことをしたい」と申し入れた。
 これには高齢社会が進展し、いわゆる団塊世代も人生の晩年にさしかかっていく中、火葬施設の整備は待ったなしの状況に陥るという危機感がみてとれる。
 組合の内山教雄事務局長は「タイムリミットは設けていない。地元のご理解がいただけるように全力を尽くしていく」と話している。