ヘッドラインニュース

「健幸都市しゅうなん」

徳山大学「健幸(ウェルネス)都市しゅうなん」の拠点へ
文部科学省の研究ブランディング事業に

 周南市の徳山大学(岡野啓介学長)の「健幸(ウェルネス)都市しゅうなん」構築に向けた研究・活動拠点の創設が文部科学省の私立大学研究ブランディング事業に採択された。事業の期間は2017年度から5年間で、教職員が一体となって地域と連携した生涯スポーツの実践などで健康で豊かな生活、介護が必要な住民には“充実した介護支援”の実現に向けた研究拠点を学内に構築する。

岡野学長

岡野学長


 研究ブランディング事業は全国で188の大学が応募し、60大学が採択された。各大学には5年間、年2,500万円が助成され、初年度はこれとは別に準備のための補助もある。
 学長のリーダーシップで取り組む必要があるため、徳山大学では事業のスタートに合わせて岡野学長(68)を本部長とする「ブランディング推進本部」と学長がセンター長の「生涯スポーツと福祉情報研究センター」をすでに設置している。
 同大学は経済学部と福祉情報学部があり、経済学部ビジネス戦略学科にはスポーツマネジメントコースがある。学生からはオリンピック選手を輩出、全国レベルで活躍する学生も多く、健康運動指導士養成校の認可も受けている。また福祉情報学部は「福祉情報」の名称を冠する全国で唯一の学部で、ICT(情報通信技術)を活用した福祉サービスの効率化、高質化に向けた研究をしている。
 事業では両学部の特質を生かし①幼児・児童・生徒対象の「健康と生涯スポーツ」②中高齢者対象の「介護予防と生涯スポーツ」③「介護支援の充実と福祉情報」④「健幸度の評価」の4つの研究に取り組む。
 「健康と生涯スポーツ」では、健康寿命の伸長を目指し、市教委などと連携して幼稚園や保育園児の体力運動能力を測定、幼児教育現場でのスポーツ指導のマニュアルを開発する。児童・生徒を対象にした体力向上プログラムも開発、モデル校で実施する。
 「介護予防とスポーツ」では市民向けに多彩な講座がある同大学エクステンションセンターと協働し、中高齢者の体力を測定、分析して介護予防プログラムの開発、提供、効果の検証と、中高齢者スポーツ指導者を育成するための基礎講座の開発や講座実施などを計画している。
 「介護支援の充実と福祉情報」の研究は、市社会福祉協議会とともに、介護が必要になった人への日常生活支援の体制を構築するもの。
 企業と提携して最先端のICTを活用した福祉現場でのコミュニケーションの促進、介護の記録情報の標準化やイラストなどにするピクトグラム化と、これを基盤として構築される福祉ネットワークを介した介護支援の効率化、外国人などを含む介護専門職員の育成にも取り組む。
 岡野学長は「福祉、経済学を総動員して大学が地域に貢献できるようにし、地域から認められ、自立できるようにしたい」とこれまでの活動も生かした地域との連携に期待している。

FCV指標を下方修正

周南市水素利活用計画
 周南市水素利活用協議会(会長・稲葉和也山口大学大学院教授)が7日、徳山保健センター健診ホールで約50人が参加して開かれ、市水素利活用計画の基本目標に掲げる燃料電池自動車(FCV)の指標を2020年度末に670台としていたのを200台と3分の1以下に見直した。

あいさつする稲葉会長

あいさつする稲葉会長

 この協議会はコンビナート企業から発生する大量の水素を生かしたまちづくりを推進する市の方針を協議して今回が8回目。
 利活用計画は15年度から20年度まで6年間が期間。当初の指標では計画の折り返しとなる今年度末はFCVなど水素を燃料にする乗用車数を70台としていたが、1月末時点の実績は27%に当たる19台にとどまっており、国が昨年末に策定した水素基本戦略の普及目標台数を参考に指標を修正した。
 市によると昨年末時点でFCVは全国に約2,300台あり、国は20年度に4万台を目標に掲げている。
 また市の計画ではエネファームなど定置用燃料電池の実績も309件と今年度末の指標600件の約半数となっているが、20年度の指標は当初の1,400件から変更していない。
 指標では市が進めている水素関連産業参入事業者数の項目を新たに追加し、市場投入された水素関連機器の製作などに携わる市内の事業者を20年度末までに20事業者と設定した。
 この日は15年9月から17年3月まで市地方卸売市場で取り組んだFCフォークリフトの実証実験の結果も報告された。主に夜間の青果の荷卸し作業などに使って353日、1,782時間稼働し、CO2排出量は約1,012キロでエンジンフォークリフトに比べて約8,654キロ削減でき、燃料費も近くの水素ステーションで充てんして25万9,236円とエンジンフォークリフトから10万5,881円を削減できたという。
 同市場では17年4月からは環境省委託事業として2台のFCフォークリフトが使われている。

ふるさと納税“収支”

[金曜記者レポート]
周南市、下松市は“赤字”に
周南3市のふるさと納税“収支”
流出超で悲鳴

 生まれ育った故郷など、応援したい自治体に寄付すると住民税などが軽減される「ふるさと納税」制度。全国的に利用が急増しているが、昨年度、周南3市に寄付された金額と、市民が市外に寄付することで流出した市民税の金額を比べると、周南、下松市は「赤字」、光市は「黒字」と明暗が分かれた。ふるさと納税をめぐる3市の現状を追った。(安達亮介)

ふるさと納税のウェブサイト

ふるさと納税のウェブサイト


下松は返礼品後発

 ふるさと納税は任意の自治体へ寄付することで2,000円を除いた額が国に納める所得税、地方に納める住民税から一定の限度額まで差し引かれる仕組み。限度額は年収や家族構成で変わり、実際に住民税が控除されるのは翌年度になる。
 ふるさとへの応援や、税収の異なる自治体間格差の是正などを目的に2008年度に始まった。当初はあまりなかった返礼品も各自治体で取り入れるようになり、豪華な品も扱われて、これらを比較する書籍や専用のサイトもあり、納税が返礼品目当てになって本来の趣旨からはずれているという批判もある一方で被災自治体への納税が増えた例もある。
 周南では周南市と光市は15年度、下松市は16年度に返礼品を導入し、市外在住の寄付者に対して特産品などを贈っている。

周南は大幅赤字、光は黒字に

 周南市の15年度の個人からのふるさと納税収入は1億789万3,000円で、市外の自治体に寄付したことによる市民税の控除額は3,313万円(寄付額7,773万3,000円)で、7,476万3,000円の黒字。しかし16年度は収入が大幅減の448万円、控除額は増加して6,026万6,000円(寄付額1億3,992万2,000円)で5,577万8,000円の赤字になった。
 16年度は、15年度に大口の寄付があったことに伴う収入の減に加えて市外への流出が2倍近くに増えたが、市広報戦略課は「理由がわからない」と困惑。今年度は返礼品の品数を従来の25品から100品以上に増やして収入増を図っている。
 下松市は返礼品のなかった15年度の収入が74万円、控除額がおよそ430万円(寄付額は日本赤十字などと重複があり不明)で約356万円の赤字、返礼品を導入した16年度は収入が359万5,000円へと増えたが、控除額はおよそ970万円(同)で約610万円の赤字だった。
 光市は15年度の収入が1,576万5,000円だった一方、控除額は1,059万5,000円(寄付額2,793万)で517万円の黒字。16年度も収入が2,439万2,000円、控除額が2,072万6,000円(寄付額4,729万8,000円)で366万6,000円の黒字に。16年度は返礼品の購入費やシステム使用料、送料などの経費790万5,000円を含めるとマイナスになるが、返礼品増による地域経済へのプラス効果を考慮すれば一概に赤字とは言えないだろう。

180209h
地域活性化策になるか

 全国各地で返礼品競争が過熱して「寄付の奪い合い」になっている現状。ふるさと納税制度による税収減のうち75%は交付税として国から補てんされ、中には返礼品を廃止している自治体もあるが、税収の確保は各市の重要課題。いかにふるさと納税を増やし、それを地域活性化に結び付けるか、対策が求められる。

下松市新年度予算案

一般会計3.8%増の217億円
下松市新年度予算案・基金残高は半減

 下松市は6日、新年度の当初予算案を発表した。一般会計は過去2番目の規模の217億円で、前年度比3.8%増。基金積立金は1993年以降で最低、地方債は最高額になった。国井市長は「市民の安全安心の確保を最重点に組んだ」と方針を説明した。予算案は15日開会の3月議会に提出される。

説明する国井市長

説明する国井市長


市債残高は過去最高
 市長は市役所で開いた記者会見で「安全・安心対策に特化し、ハードとソフトの両面から事業を加速化する予算編成に取り組んだ」と説明し「地域力の向上、にぎわいの創出、魅力度の充実に向けて諸施策を進めたい」と述べた。
 一般会計は前年比8億円増。2016年度の224億円に次ぐ規模になった。
 歳入では法人市民税が伸びて市税全体で2.1%増の93億4,040万円だったが、そのほかの税収の伸びは鈍化。基金からの繰入金は5.3%増の17億5,928万円、市債は臨時財政対策債を合わせると23億3,830万円で12.4増。
 この結果、基金残高は21億5,963万6,000円で、前年比17億302万2,000円の減。最高額だった13年の80億1654万円から5年間でほぼ4分の1に激減した。市債の残高は過去最多の333億4,444万3,000円になる。
 財政指標は依然良好で、実質公債費比率は県内13市中、最良の3.2。しかし、経常収支比率は101.7と依然100台を切れていない。

栽培漁業センター建て替えに15億円
 新規事業は30件。主な事業のうち笠戸島の栽培漁業センター新種苗棟建設事業は新年度分に8億1,000万円を計上。総事業費は15億円で19年度に完成。魚介類の種苗の安定供給と笠戸島の観光交流拠点化を図る。
 プレミアム商品券発行事業は2,750万円。「子育て支援」を主眼に18歳以下の子どもがいる子育て世代を中心に販売することを検討する。
 保育士の保育現場復帰を後押しするため短期間のパート勤務で職場体験してもらう保育士トライアル雇用制度を27万9,000円で創設するほか、私立保育園や使用規模保育施設の保育士就業促進を図る。
 約100台の公用車のうち、まず20台にドライブレコーダーを40万円でとりつけ、安全運転と防犯対策の向上を図る。
 ザ・モール周南中央広場の屋外ステージ屋根設置は5,516万6,000円。玉井哲郎企画財政部長はザ・モール周南の西友からイズミへの経営譲渡もこの事業には影響ないと説明した。
 国井市長も経営譲渡問題にふれ「西友は経営状態が変わったころからいつかは撤退するのではないかと思っていた。中国地方で一店という中でよくやっていただいた。今後はイズミと一緒に街づくりを進めたい」と期待を込めた。
 そのほか教育関係では下松小建設1億3,920万円、中村小体育館改築2,500万円、スターピアくだまつ改修3億6,000万円、旧消防庁舎跡地の防災棟新築5,551万6,000円などを計上した。
 公共下水道整備は花岡広石、浴地区を中心に24億7,043万1,000円で進め、人口普及率は87.5%になる。

特別会計は7.8%減
 特別会計は国民健康保険が55億円▽介護保険(保険勘定)が50億9,700万円▽同(サービス勘定)が1,400万円▽後期高齢者医療が9億3,800万円▽国民宿舎が7,800万円で、総額は116億2,700万円で7.8%減。
 各事業の企業会計は水道が23億2,196万1,000円▽工業用水道が2億3,316万4,000円▽簡易水道が2,659万円▽公共下水道が24億7,043万円。
 主なその他の新規事業次の通り。
 [ハード]
 認定こども園(末光幼)建設補助5,385万円▽納骨堂の旗山閣のトイレ移設170万円▽第2花岡児童の家設計470万円
 [ソフト]
 公共交通網形成計画推進730万円▽米川地区コミュニティバス試験運行220万円▽路線バス運賃減額実験56万円▽バスロケーションシステム負担金67万円▽犬の散歩をする人に地域パトロールを委託する“わんわんパトロール隊”募集78万1,000円▽家庭児童相談システム導入192万円▽健康ウオーキング50万円▽産婦健康診査375万円

下松市教委が公民館整備計画発表

20年度完成を想定してまず笠戸、花岡講堂 
米川は22年度、末武は23年度の完成を目指す
下松市教委が4公民館整備計画発表
総事業費は13億4千万円

 下松市教委は5日、地域防災の拠点ともなる公民館10館のうち、耐震性が不足している末武、笠戸、米川公民館と花岡公民館講堂の整備計画を発表した。笠戸公民館と花岡公民館講堂は2018年度から現在地での新築を想定した基本計画の策定に着手する。4館の概算事業費の合計は13億4千万円を見込んでいる。

笠戸公民館

笠戸公民館

花岡公民館講堂

花岡公民館講堂

 笠戸公民館は1954年に笠戸島本浦の旧笠戸小の講堂として建てられた木造平屋242.99平方メートル。校内に併設される形で校長が館長を兼務していた。4年前に同校が閉校して教室棟は解体された。地元から「他地域と同等の公民館にしてほしい」と新築を求める声が出ていた。
 花岡公民館講堂は79年の建設。鉄筋コンクリート平屋建ての353.41平方メートル。地区の人口の増加で手狭になり、耐震性の確保と建て替えを求める声が強くなっていた。隣の公民館本館は耐震性の基準を満たしているため整備の対象になっていない。
 両施設とも20年度の完成を想定。笠戸公民館は1億6,600万円、花岡公民館講堂は2億9,500万円の事業費を見込んでいる。
 米川公民館は旧米川村時代の54年に米川小校舎として建てられた。鉄筋コンクリート2階建て815.56平方メートル。末武公民館は73年建設で、鉄筋コンクリート2階建て890.02平方メートル。ともに19年度に建て替えに着手し、米川は22年度、末武は23年度の完成を目指す。
 市教委生涯学習振興課は「地域の声をよく聞いて、喜んでいただける施設になるよう整備したい」と話している。

海底トンネルも提言

徳山―下松港長大橋プロジェクト
徳山高専学生が1年間の成果発表

 周南市の徳山高専専攻科の環境建設工学専攻2年生7人による「徳山―下松港 長大橋プロジェクト~コンセプト編」の成果発表会が2日、同校メディアホールで開かれた。産業道路(県道徳山新南陽線)の東進へ海上に橋を架ける2つの案を約50人を前に発表し、海底トンネルを組み合わせたものもあって関心を集めた。
 長大橋は市街地を大型トラックが通り抜けるという現状の解消や、災害時の緊急輸送道路の創出、橋による観光シンボルの形成が目的。建設には莫大な予算が必要で、地域の共感や盛り上がりが求められることから、徳山商工会議所が学生に基本コンセプトの提案を依頼し、同高専テクノ・アカデミア(勝井優会長)の20周年記念事業として1年をかけて取り組んできた。

発表する学生たち

発表する学生たち

示された橋、海底トンネルの模型=左下が蛇島

示された橋、海底トンネルの模型=左下が蛇島

 学生は小島風太、中原啓太、山門健人、塩田洋輔、原田哲志、山根達郎、小山諒子さん。原隆教授、海田辰将准教授と進めてきた。
 発表会では産業道路から櫛浜地区まで橋を架ける「海上ルート」と、産業道路から晴海町を経由して蛇島(さしま)まで橋を架け、蛇島から櫛浜地区までは海底トンネルを設ける「蛇島ルート」を模型も展示しながら提案。
 海上ルートは蛇島ルートより3.5キロ短く、工場夜景に近いため景観に優れている一方、蛇島ルートは主航路が海底トンネルのため船舶が安全に航行でき、かつては海水浴場や旅館があった蛇島の活用も可能になる点をメリットとしてあげた。
 橋を急こう配にしない工夫や、蛇島ルートでは施工例の少ない、下部がアーチ状になる上路式吊床版橋を設定するなどデザイン性も重視した構想が来場者の関心を集めていた。
 海田准教授によると2案の総工費はそれぞれ1,000億円以上になることも考えられるという。7人は今春卒業するが、今後は後輩がプロジェクトを引き継いでいく予定。
 徳山商議所の前会頭でテクノ・アカデミア顧問の小野英輔さんは「ずっと懸案だった問題で、ありがたい案を出してくれた。ぜひ後輩に意思を引き継いでいってほしい」と話していた。

スタバに200人の行列

【周南(徳山)】徳山駅前賑わい交流施設オープン
 周南市の徳山駅前賑わい交流施設と徳山駅前図書館が3日、オープンした。図書館や蔦屋書店、フタバフルーツパーラーなどに大勢の人が訪れ、周南地域初出店の大手コーヒーチェーン、スターバックスコーヒーには開店前に約200人が行列を作った。
 3階建ての同施設は建設費や開始準備を合わせて約54億円かけて整備。年中無休で、営業時間は午前9時半から午後10時まで。スターバックスと蔦屋書店は午前8時から、パフェなどを提供するフタバフルーツパーラーは11時から(土日祝は10時から)。1時間無料で125台収容の駐車場も併設している。
 まず3階交流室で開館記念式典があり、木村市長が「市民の新たな居場所、交流の場となり、さらなるにぎわいに広げたい」と述べ、高村正大衆院議員、江島潔参院議員もあいさつ。
 続いて2階入り口で岐陽中吹奏楽部が演奏したあと指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブの武田宣社長らを交えてテープカットし、くす玉も割ってオープンを祝った。
 来訪者はスターバックスコーヒーで買った飲み物を手に約6万冊ある図書館の本を室内やテラスのベンチなどで読んだり、2階の部屋が独立したキッズライブラリーを親子で楽しみ、3階の学習スペースで勉強に励む人も多かった。
 2日には市民向けの内覧会もあり、午前中の2時間だけ開放して約1200人が利用した。
 周南の玄関口となる駅ビルと駅周辺の整備は合併前の徳山市時代から長年にわたってそのあり方が市の大きな課題として議論されてきた。常に賛否の声がある中で、合併後、15年近くたってようやく新しい顔が完成した。

テープカットしてくす玉を割る市長ら

テープカットしてくす玉を割る市長ら

スターバックスにできた行列

スターバックスにできた行列

にぎわう施設内

にぎわう施設内

キッズライブラリー

キッズライブラリー


【期待の声さまざま】オープン初日と内覧会の来訪者の声から
 和田格(いたる)さん(18)=聖光高3年、周南市=
 「(スターバックスコーヒーに一番乗りして)朝の2時くらいから並んだ。この施設をきっかけに隣の県に負けないくらいになってほしい」
 田頭尚子さん(34)=周南市一番町=
 「(5、2、0歳の子どもと訪れて)キッズライブラリーが子どもだけで音などを気にしなくていいのがいい」
 村中厚子さん(65)=岩国市=
 「人がたくさんいてびっくり。本がたくさんあるのはいいけど、遠くにいて気軽に借りられないのが残念」
 菅田芳正さん(82)=周南市徳山=
 「本好きの家内の付き添いで来た。私が若いころに比べ商店街はさびれているが、ここを拠点に、にぎわってほしい」
 藤井チヅ子さん(74)=周南市下上=
 「(内覧会に一番乗りして)図書館に興味があり、いろんな本を読むことやスタバも楽しみ」
 宮本信次さん(68)=周南市代々木通=
 「コーヒーを飲みながら本を読めるのがいい。近くで来やすい」
 岡本夏実さん(19)=YICキャリアデザイン専門学校1年、広島県大竹市=
 「広島の図書館より料理などの本の種類が多く、ここにできてうれしい。通うと思う」
 渡辺猛さん(52)=カメラのワタナベ専務=
 「商店街を歩く人が増えることに期待する。市役所仮庁舎も商店街からなくなるので、最初だけでなく継続して増えてほしい」

[金曜記者レポート]新南陽駅周辺整備

[金曜記者レポート]
周南市の副都心、新南陽駅と周辺整備に強まる要望

 周南市の徳山駅前賑わい交流施設が3日にオープンするが、徳山駅周辺と同様に整備の期待が高まっているのが市立地適正化計画で副都心として位置付けられている新南陽駅周辺。新南陽商工会議所が中心となり、その核となる新南陽駅のバリアフリー化やトイレの整備を求める声が高まっている。(延安弘行)

新南陽駅

新南陽駅


・トイレ整備、バリアフリー化から
 新南陽駅は周防富田駅として1926年4月に開業。76年に現在の駅舎に改築され、新南陽市の発足から10年後の80年に新南陽駅に改称した。「新南陽市史」には駅名の改称は市民の悲願で、民間推進団体の「新南陽駅名改称推進協議会」を中心に進められ、85年ごろの乗降客は1日4,000人だったと記されている。
 2016年3月に策定された「市地域公共交通網形成計画」では徳山駅、徳山港を広域交通結節点、新南陽駅、ゆめプラザ熊毛バス停、須々万中心部、コアプラザかのバス停を主要交通結節点に分類。新南陽駅は西部エリアの中心と位置付けている。
 17年3月策定の「コンパクトシティ+ネットワーク」の考えをもとにした都市機能、公共交通のマスタープラン「市立地適正化計画」では新南陽駅周辺を副都心と位置付け、商業、医療、行政、交通の拠点としている。
 しかし、新南陽駅の現状は正面の出入り口は階段でスロープはなく、トイレも和式で身障者が利用しやすい多目的トイレや洋式便器もない状態。しかし、JR西日本の基準ではバリアフリー化は乗降客3,000人以上の駅が優先され、現在、2,600人の新南陽駅を整備する計画はない。

・組織一元化、積極姿勢を
 これに対し、新南陽商工会議所では市に対する要望の第1項目に「新南陽駅等および関連施設の整備」を掲げ、「リニューアルされた徳山駅とのアクセス度を高めるためにも、新南陽の駅舎のバリアフリー化やトイレの美化、駐輪場の拡充といった駅関連設備の整備について特段の配慮」を求めている。
 佐伯哲治会頭は徳山駅のサテライト駅としての新南陽駅整備の必要性を説き、徳山商工会議所とも連携して新南陽駅の整備促進を訴え、「ようやく市に取り上げていただけるようになってきた」と前向きの検討を期待し、出入り口やホームのバリアフリー化、トイレの整備から手掛けてほしいと話している。
 これに対し、市の立地適正化計画は計画期間が20年間の長期計画で、計画に盛り込まれた施設整備などの具体化は担当課に委ねられている。地域公共交通網形成計画は都市政策課が担当しているが、庁内で検討しながらJR西日本と協議をしている段階という。
 一方で、市消防本部の西消防署の改築は来年度から現在の庁舎の解体に入る。これに伴い、新南陽総合支所は8月ごろに古市のイオンタウン周南内の仮庁舎に移転する計画。同総合支所のあり方については同総合支所地域政策課が担当、検討が進められている。
 新南陽駅の整備は徳山駅周辺を訪れる人を増やし、今回の整備の効果をより大きくするためにも必要であり、段差やトイレの現状を見れば、緊急の課題であることがわかる。JRへの働きかけと同時に乗降客数がバリアフリー化の基準に達しないのであれば、3,000人に近づくよう市を挙げての取り組みが求められる。
 徳山駅周辺整備では、市は中心市街地整備部を特設した。新南陽地区の整備も副都心としての位置づけからは縦割りではなく、副都心整備部といった部署を特設、一元化し、総合支所のあり方や商工振興も含めて取り組む積極的な姿勢が求められそうだ。

地域連携、魅力発信に意欲

[この人に聞く]
「街に3回来てもらえる企画を」地域連携、魅力発信に意欲
周南市立徳山駅前図書館長 桜沢 圭一さん(39)

180201n

 3日に周南市立徳山駅前図書館を含む徳山駅前賑わい交流施設がオープンする。図書館のほか蔦屋書店、大手コーヒーチェーンのスターバックスコーヒー、東京の老舗フルーツ店のパンケーキやパフェなどを提供するフタバフルーツパーラーも入り、指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が開館準備を進めている。CCCの社員で、徳山駅前図書館長、賑わい交流施設の施設責任者でもある桜沢圭一さんに運営方針や地域連携の考えなどを聞いた。(聞き手・延安弘行)

 ――館長の仕事はどういったものですか。
 桜沢
 図書館の運営責任を負うとともに、にぎわいを創出する賑わい交流施設の施設責任者でもあります。2013年に周南市と弊社が連携協定した時から携わらせていただいたこともあって、せん越ながら館長を務めさせていただくことになりました。
 ――賑わい交流施設は商店街、中心市街地、県東部のまちづくりの拠点施設として作られました。どのような役割があると思いますか。
 桜沢
 周南市立徳山駅前図書館は中心市街地にある図書館で、しかも中央図書館から800メートルという近距離にあり、役割は大きく違ってくると思います。図書館として本を提供していくことに加え、来館者、徳山駅を利用する方に対し、街なかにどれだけ回遊していただき、街をより好きになっていただくか。そういったことを大切にしていきます。
 ――マルシェなどのイベントも計画していますね。
 桜沢
 図書館に置く6万冊はすべて新しく購入し、1つ1つが魅力的で資料的価値があるものですが、本だけでない、人から学ぶという図書館でありたいと思っており、マルシェなどもその一環です。体験型ワークショップや無料の講演会などもできるだけ多く開き、そこに集う、同じ興味を持った人たちが知り合うことで新たなコミュニティーや仲間が発見できる、そういう場になっていければと思っています。
 ――商店街への回遊や観光面の貢献への期待もあります。
 桜沢
 私も周南市に5年近く通い、最初に来た時は徳山駅周辺に閉まっているお店がたくさん見られるのが悩ましく思いました。しかし回数を重ねて通うにつれ、実はすごく面白い、魅力的なお店、または産業、特産品など他市にないものがたくさんあるな、と個人として発見できました。1回来ただけではわからず、2回、3回来ることで街のことが好きになる自分がいましたので、この街に3回来てもらえるような企画ができないかということを、街の方々とお会いした時もお話しさせていただきました。賑わい交流施設としてもそういうことを目指してやっていきたいです。
 ――街の魅力を伝えるためにどのようなことを考えていますか。
 桜沢
 1つはフタバフルーツパーラー。周南のフルーツなどを市民はもちろん、市外の人にも食べてもらい、周南市を再発見していただけるような機会になればいいと思います。そういう意味では蔦屋書店の方で販売する物産品などでも周南市のよさ、魅力を発信できればと思います。
 ――まちづくり団体などと一緒にまちづくりに参加してほしいという期待もあります。
 桜沢
 できるだけ接点は多い方がよく、駅と街の協議会の立ち上げに参加させていただきたいと思っております。各団体と交流施設の活用について協議し、どういうことができるか建設的に議論して実行に移す場にできればと思います。
 ――こちらで働く人は何人くらいですか。
 桜沢
 施設全体で約70人のスタッフがいます。その中には弊社の東京や地方から集まってきた10人強もいますが、それ以外は基本的には地元で採用したスタッフです。
 ――どういう人を採用していますか。
 桜沢
 弊社のほかの図書館と同じように、東京本部の人間が来て地元で採用というスタンスは基本的には変わりませんが、我々の会社の特徴としては、正社員も早くからその地域に住んで地域に溶け込み、生活者としての視点で企画にしていくので、立ち上げ後もその街の一員として住み続けることを前提にしています。新しく採用したスタッフは10代から60代までおり、これだけの雇用を生む公共施設はあまり多くない。そういう中で女性や男性、子育て中、ダブルワーク、定年退職などいろんな立場、年齢の人を広く採用しており、それぞれで貢献できる領域を見つけていただき、賑わい施設運営を担っていけるように鋭意トレーニングしています。
 ――地域への情報発信はどういった方針で進めますか。
 桜沢
 市民の新たな心地の良い居場所と情報発信が役割で、積極的に取り組みたいです。我々はまだ周南市に身を置いて短いです。しかし、スタッフは何十年と住んでいる人もおりますので、街の情報はそういった所からも得られます。スタッフ1人々々がただ働くのではなく、情報のアンテナであり、発信するスピーカーである、そういう方針でやっていきます。また市内に元々ある5館の図書館との連携の中で各地域のさまざまな情報がキャッチできるとも考えており、図書館ネットワークとして各地域の特色やイベントなどをできるだけ情報交換し、この駅前でも発信してより多くの人に知っていただけるようにもしたいです。
 ――地域のいろんな動き、情報をどう広げていきますか。
 桜沢
 この図書館でいつも何かをやっているという期待感を作っていくことが大事で、新しくホームページも立ち上げました。催しごとを積極的に発信していき、興味を持っていただいた方には、まずそこにアクセスしてもらい、情報が取れるという形にはしたいです。あとはできるだけファンになっていただくことで、家族や友人に勧めてもらうなど、そういう広がり方が望ましいですね。
 ――改めて意気込みを聞かせてください。
 桜沢
 弊社の図書館としては5館目ですが、これだけ街と一緒に企画しているのは今までにありません。新たな街と連携する1館目と位置付けており、微力ながらやっていきたいです。

【プロフィール】
 群馬県沼田市出身。関西大学文学部卒業後、カルチュア・コンビニエンス・クラブに入社。ツタヤの店長やエリアマネジャーなどを経験。2012年に図書館事業部に移ってから同社が運営する佐賀県武雄市、神奈川県海老名市、宮城県多賀城市、岡山県高梁市の図書館すべての開館に携わり、立ち上げ後の責任者も務めた。徳山駅前図書館長には図書館事業部長から着任した。