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須磨小児童が15人に急増

【金曜記者レポート】【周南(徳山)】
8年前の5倍、さらなる移住へ課題も

 周南市北部の須金地区にある須磨小(原田貴司校長)は8年前は3人しかいなかった児童が地区外から子育て世帯の移住が相次いで、今年度は15人になっている。就業の場となる観光農園の存在などがその要因だが、来年度以降は児童数が増える予定はなく、今後の対策が課題。4月からは市初の「小規模特認校」となって市内どこからでも入学、転入できるようになり、さらなる児童数増を目指している。(安達亮介)

・里の案内人も尽力

 須磨小は明治8年(1875年)の開校。1941年度に548人いた児童は75年度から100人を切り、2009年度には3人に減って14年度まで一ケタが続いていた。15人以上となるのは16年ぶり。
 小さい子どものいる世帯の移住はUターン、Iターンを含めてこの5年間で5世帯あり、そのうち3世帯はナシ、ブドウ農園で就業。東日本大震災をきっかけに移り住んだ家族もいる。

全児童での木工教室=2月27日

全児童での木工教室=2月27日

休校中の須金中と併設の須磨小

休校中の須金中と併設の須磨小

 こうした移住を増やすべく、市は15年度から住民ボランティア「里の案内人」を設けており、須金では現在、認定を受けた10人が地区内に多くある空き家を、持ち主に交渉するなどして住んでもらえるように掘り起こし、移住希望者に地域の良さを紹介するなどの活動に取り組んでいる。
 1月21日に東京の東京ビッグサイトで開かれた「JOIN移住・交流&地域おこしフェア」にも同市からは須金の案内人の吉安輝修さんと11年に千葉県から移住してきた須田浩史さんの2人が参加してPRした。

・紅白戦、雲海太鼓も

 児童数が増えたことで地域と合同の運動会で紅白対抗戦ができるようになったり、児童が地域の祭りなどで披露する地域の伝統芸能の雲海太鼓も盛り上がっているといい、原田校長(53)は「年の近い子どもの多様な意見を聞けるようになり、考え方が広がる」と喜ぶ。
 5年の広実采世(あやと)君(11)は、13年4月に入学した時は4人しかいなかった児童が増えたことに「遊ぶ友達が増えてうれしい。みんなでサッカーや鬼ごっこするのが楽しい」と話している。

・市内初の小規模特認校に

 現在は7家族の1~5年生がおり、来年度は15人のままだが、新たな移住などがない限り再び減っていくことが予想される。そこで市教委は同校を小規模特認校に指定し、保護者が送り迎えすることや地域活動が盛んな同校の方針に賛同することなどを要件に市内の他地区から通学することも可能にした。
 小規模校ならではのきめ細かな教育や、グラウンドのイチョウの木を使ったツリークライミングや綱渡りのスラックライン体験、ナシやブドウ栽培の袋かけや収穫体験、広島のめがひらスキー場でのスキー教室など、自然環境や立地を生かした特色があり、原田校長は「ぜひ来てほしい」と呼びかけている。
 須金地区の人口は昨年4月1日時点で221世帯371人。18年度からは市が「地域おこし協力隊」1人を配置して生活支援システム構築、観光商品開発などの仕組みづくりを支援する。