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「浜のえび店」で生涯現役

【周南(新南陽)】新南陽マリンレディースが全国表彰
 周南市の県漁協新南陽支店の女性部の活動から生まれたグループ、新南陽マリンレディース(佐伯ユサ子代表、12人)が1、2日に東京で開かれた第23回全国青年・女性漁業者交流大会の地域活性化部門で「加工場『浜のえび店』で生涯現役!」と題して発表し、農林中央金庫理事長賞を獲得した。
 この大会は5部門あり、地域活性化部門の発表は9件。農林中央金庫理事長賞は上から3番目の賞。マリンレディースは1月に開かれた県漁村青壮年女性活動実績発表大会を経て出場した。

加工場に立つ佐伯さん(右)ら=右側下が「えび天」

加工場に立つ佐伯さん(右)ら=右側下が「えび天」

 「浜のえび店」は福川漁港に2004年にオープンした同グループの店舗兼加工場。小エビのかき揚げの「えび天」など底引き網漁でとれた魚介類を使った総菜を土曜の午前7時半から販売している。
 交流大会では佐伯代長(70)が発表し、新南陽の底引き網漁は夫婦で出漁しているが、以前は値段が安いため小エビや小魚は持ち帰らず海に戻していて「食べればおいしいのに、もったいない。何とかして活用したい」という思いからこの活動が始まったと述べた。
 その思いを生かし、全漁連のシーフード料理コンクールで農林水産大臣賞を受賞した看板商品で、店名にもしているエビ天などの総菜を作り、地元のイベントで売り始めたことが加工場開設につながったと話した。
 そして国、県の補助を受けて漁具倉庫を改修して現在の加工場・店舗ができ、ハゼの南蛮漬け、コノシロの酢漬け、ハモのすり身の天ぷらや、やはりハモのすり身を使った魚ロッケなどの新商品を次々に開発し、最近では戸田の道の駅「ソレーネ周南」の鮮魚売り場で食べ方を教えるようになったことも報告した。
 毎週、エビ天300枚、パック詰めの総菜200個を作り、年間300万~400万円の売上があり、経費を差し引いた利益は少ないが「えびで温泉に行こう!」を合言葉にしていることや、世代交代が課題であることなどを訴えた。
 佐伯代表は受賞を機に活動を振り返って「いい経験になった。いろんな人と出会い、仲間づくり、勉強になった」と話している。同店は予約もでき、電話は0834-64-0255。

高品質の豆を直接買い付け

中米へ従業員全員で【周南(徳山)】ミルトンコーヒーロースタリー
 周南市花畠町のコーヒー専門店、ミルトンコーヒーロースタリー(田中大介代表)は年に一度、おいしいコーヒーを求めて中南米の農園での豆の直接買い付けを続けている。今年も2月15日から3月2日までの約2週間、全従業員が産地を訪れて高品質のコーヒー豆を仕入れた。
 直接買い付けは素材の見極めと、生産者との信頼関係を築くために10年以上続けており、その間は本店と久米の久米店も閉めている。
 今回はコーヒーの国際的な品質審査制度「カップ・オブ・エクセレンス」の審査員でもある田中さんを含む従業員4人と、初めて客2人も同行して計6人で中米のニカラグアやエルサルバドルの5カ所の農園を訪れた。今年はあいにくの雨であまり多く収穫できなかったが、直接来てくれてうれしいと感謝されたという。

コーヒー豆の審査=ミルトン提供

コーヒー豆の審査=ミルトン提供

農園を訪れたスタッフ=ミルトン提供

農園を訪れたスタッフ=ミルトン提供

ミルトン本店

ミルトン本店

 コーヒー豆は評価基準に基づいて高得点の「スペシャルティコーヒー」と呼ばれるものだけを試飲をしながら選定。12種類ほどを1年分購入した。
 同店では自家焙煎(ばいせん)してから5日以内の豆だけを販売しており、生産者の写真も張られた各コーヒー豆の説明文には「ネーブルオレンジのような」「マロングラッセのような」と味の特徴も記載し、来店客の好みも聞いて販売している。店内の喫茶コーナーで飲むこともできる。
 スタッフの中村凜さん(26)は「農園ごとに味が違う。それぞれの農家さんのコーヒーを楽しんでほしい」と話している。
 本店は午前10時から午後6時までで、木曜定休。電話は0120-563-610。

下松市の安い水道料金は維持

東洋鋼鈑が契約水量1割減へ
2027年度まで現料金で

 下松市に唯一の生産拠点がある東洋鋼鈑(隅田博彦社長)が市に使用量に関係なく年間契約で払ってきた上水道料金が新年度から4年間、段階的に削減される見通しになった。同社の支払い分は市の水道料金収入の51%を占め、全国813市区で5番目に安い水道料金を可能にしているが、この削減でも一般家庭の水道料金は上がらない見通しだ。(山上達也)

 同社は東豊井の下松事業所(荒瀬真事業所長)がブリキ基板など製品の洗浄に1959年から市の上水を購入。年間使用量は約680万トンだが、81年以降800万トン分の5億3,600万円を支払っている。
 自社で浄水設備を整備することもできるが、当初の地域貢献の考え方から市の上水道を大量購入してきた。
 しかし時代も変化して実際の使用量とすることが懸案となり、昨年の夏から市上下水道局と協議し、契約水量を1割カットの720万トンとし、激変緩和策として新年度から4年間、毎年20万トンを削減していく形に落ち着いた。
 現在、平均家庭の1カ月の使用量は1,505円で、光市は2,220円、周南市は2,840円で大幅に安い。
 市上下水道局によると、2021年度からの1割カットで年額5,360万円の減収になるが、水道事業会計が良好なため影響は小さく、少なくとも27年度までは現在の料金が維持できる見通しという。
 上水道料金に連動している下水道料金も同市は中国5県で最も安いが、これも当面値上げの動きは見られない。

高齢者複合施設ひかり苑完成

【光】ショートステイは県内最多のベッド数
 光市の社会福祉法人ひかり苑(河野亨理事長)が光ケ丘のひかりソフトパークに建設していた高齢者複合施設ひかり苑(小蓑貴史所長)が完成し、10日、完工式をして祝った。短期入所生活介護のショートステイ光ケ丘(42室)、通所介護の在宅リハビリテーション光ケ丘(30人)、ひかり苑居宅介護支援事業所で構成し、体力の維持やリハビリで高齢者の在宅生活を支援する。事業開始は26日。

完成したひかり苑

完成したひかり苑

玄関前でのテープカット

玄関前でのテープカット

 同法人は岩狩で障害者支援施設、三井で特別養護老人ホームを運営。今回完成した施設は2019年度に開院する市立光総合病院の向かい側で、市から購入した敷地4200.74平方メートルに建てた。鉄骨2階建て延べ2546.51平方メートル。総事業費は約9億1千万円。設計は巽設計コンサルタント、施工は大和ハウス工業。
 ショートステイの42室は県内最多。入浴は個浴と機械浴を設けて状態に応じた入浴が可能。在宅リハビリは理学療法士や作業療法士を配置してリハビリに特化し、食事は毎日15品目以上をバイキング形式で提供する。居宅介護支援事業所は医療や障害サービスに精通した6人のケアマネジャーがいる。
 リハビリテーションルームには血行促進効果があるウオーターベッドや、霧状の温風による“足湯”もある。中庭にはニシキゴイの飼育が趣味で県大会で優勝経験もある河野理事長の鯉を泳がせている。

あいさつする河野理事長

あいさつする河野理事長

 完工式では河野理事長や市川市長、県知事代理の大谷恒雄県商工労働部長ら9人でテープカット。河野理事長は「住み慣れた自宅で生活が続けられるよう、体力の維持をリハビリで導きたい」とあいさつした。
 同施設の電話は0833-74-1200。同施設の進出で、ひかりソフトパークの未分譲地は1区画だけになった。

ついに無投票?

【金曜記者レポート】
下松市議選 4月1日告示・定数20に20人

 任期満了に伴う下松市議会議員選挙(定数20)は4月1日の告示まで1カ月を切ったが、8日現在で立候補予定者は20人で、無投票という事態も現実味を帯びてきた。前回もぎりぎりまで定数しか出馬の声があがらず、告示3日前になって無投票阻止へと1人が立って選挙戦となったが、今回も見通せない状態。同市は市長選挙は2期連続無投票で、このままいくと県内の市議選では昨年11月の柳井市以来、4例目の無投票となりそうだ。(山上達也)

新人5人、次々見送り?

 立候補予定者は現職16人、新人4人。1月の県議会議員補欠選挙出馬のため森繁哲也さんが辞職し、浅本正孝議長や内冨守、山本朋由議員が高齢を理由に引退を表明している。浅本議員は後継に実弟を擁立するが、ほかの3人は後継者の指名や擁立はない。
 2月14日に市選管が開いた立候補予定者説明会には現職16、新人9の計25陣営が出席したが、その後、実際に出馬を表明したのは出馬表明ずみの女性1人に加えて男性3人だけだった。
 このほかで説明会に姿を見せた新人5陣営は全員男性で、切山と東陽の2人は「家族の理解が得られない」と出馬を断念。知人を出したいと出席した笠戸島の男性も「擁立は難しくなった」と言い、「様子を見に来ただけ」と出席した別の笠戸島の男性は「支援者がいないと勝てない」と出馬は難しそうだ。
 態度を明確にしていいないのは末武上の男性だけだが、本人も、周囲にも出馬に向けた動きは見られない。

公明、共産は現職擁立、幸福は初議席狙う

 こうした中、現職陣営はあいさつ回りを重ね、新人もあいさつ回りや辻立ちで浸透に懸命。しかし、ある新人は「あいさつに回っても、市議選があることを知らない人が圧倒的に多い」と話す。
 政党関係では候補者の上積みを検討していた公明、共産両党が新人擁立を事実上断念し、ともに現職2人に落ち着いた。新人1人を擁立する幸福実現党は、当選すれば党公認の地方議員としては県内初、全国では18人目になる。

選挙公報発行など公営枠拡大を

 市選管事務局にはすでに立候補予定以外の人から立候補の問い合わせの電話すらないという。
 全国的には人口が減少した町村を中心に、地方議会議員のなり手不足が問題となっているが、ここまで立候補の動きが低調なのは、かつての合併問題のような市を二分するような争点がないこと、暮らしの利便性が高く人口増が続く現状が、市政への関心の低さにつながっているともみられる。
 市議会は前回も無投票に近い結果だったのにも関わらず人口増を理由に定数削減を見送った。ただ減らせばいいというものでもないが、魅力ある議会へ、その存在意義が問われている。
 さらに市は市長選や市議選で選挙公報を発行していない。これは県内では同市と美祢市だけで、選挙公営の枠を他市並みにすることも求められる。
 同市の議員報酬は月額37万7,700円。これとは別に支払われる政務活動費は月11,000円。6月と12月に期末手当も出る。25歳以上で市内に3カ月以上住んでいれば立候補できる。供託金は30万円だが、得票が法定数(有効得票総数を定数で割った数の10分の1)を上回れば当落に関係なく返還される。前回市議選の法定得票数は103.39票だった。

180309h

約8割「行っていない」

【周南】新徳山駅ビルアンケート
関心は高く、利用はこれから?

 2月3日にオープンした周南市の新徳山駅ビルの徳山駅前賑わい交流施設は入館者数が10日間で10万人を突破し、1カ月で23万人を超えるなど連日にぎわいを見せている。新周南新聞社はオープンから約3週間たった25日に新駅ビルについて周南3市の小学生を持つ父母らを対象にアンケート調査した。

スターバックス前の入り口

スターバックス前の入り口

 「徳山駅前賑わい交流施設に行きましたか」の問いに約8割が「いいえ」と答えたが、一方で「興味のある施設は」では98.5%以上が新駅ビル内のいずれかの施設を選び、関心の高さをうかがわせた。

180308h

 アンケートは25日に下松市内で開かれた新周南新聞社主催のミニバスケットボール交歓会の会場で実施し、137人から回答を得た。回答者は男女別では女性が123人で9割、男性14人。年代は30歳代50人、40歳代76人で全体の9割を占め、20歳代3人、40歳代、50歳代は各4人。
 地域別では周南市81人(59.1%)、下松市37人(27%)、光市19人(13.9%)だった。
 「徳山駅前賑わい交流施設へ行きましたか」では「はい」が18.2%の25人、「いいえ」が79.6%の109人、無回答が2.2%の3人。まだ行っていない人が8割を占めた。計画時の徳山駅の利用者が多く訪れるという想定通り、幅広く来訪者を集める施設にはまだなっていないことが推測される。
 しかし「はい」と答えた人への「もう1度行きたいですか」の質問では「はい」が88%の22人、「いいえ」が8%の2人、無回答が4%の1人で、2度以上訪れた、訪れたいと思わせる施設であることがうかがえる結果となった。
 「興味のある施設は」では①徳山駅前図書館②蔦屋書店③スターバックスコーヒー④フタバフルーツパーラー⑤市民活動支援センター⑥交流室⑦駐車場⑧特にないの中から複数回答してもらった。
 そのうちスターバックスコーヒーが8割近くの108人と最も多く、次いで図書館が75人、フタバフルーツパーラー65人、蔦屋書店55人、1時間無料の駐車場25人の順で、県内ではまだ出店数の少ないスターバックスコーヒーへの関心の高さが目立った。

固定資産税ゼロ条例を検討

【周南市】中小企業の設備投資促進へ
 周南市は中小企業の新たな設備投資を促すため、新設備の固定資産税をゼロとする特例措置のための条例案の検討を始めた。6月定例市議会への提出を目指している。
 国が2月9日に閣議決定した「生産性向上特別措置法案」で、年率3%以上の労働生産性の向上を見込む計画認定を受けた中小企業の設備投資に対し、自治体が固定資産税特例率を3年間、ゼロ以上2分の1以下にすることが可能になることを受けて取り組むもの。
 特例率をゼロとした自治体にある中小企業は国の「ものづくり補助金」など各種補助金の優先採択の対象にもなる。
 市には製造業を中心にものづくり産業が集積しており、中小企業がコンビナート企業の生産活動と地域雇用を支えていることから、新設備投資と“生産性革命”を促して中小企業振興、地域経済活性化を図る。
 今後は同法案の成立、施行後、速やかに議会に提出するとしている。

地域産品売り込みへ

【千葉】SMTSに県内45社
山口県ブースが人気

日本最大級の食の商談展示会“第52回スーパーマーケット・トレードショー(SMTS)2018”が2月14日から16日まで、千葉県の幕張メッセで開かれ、山口県からは周南の8社を含む45社が山口県ブースを出して関心を集めた。

山口県のブース

山口県のブース

 この展示会は新日本スーパーマーケット協会の主催で、スーパーをはじめ百貨店、ホテル、コンビニエンスストアなど食品流通業界の買い付け担当者などが参加し、入場者は3日間で88,121人。
 生鮮、加工食品、菓子・スイーツ、飲料・酒類などの部門があり、県ブースはやまぐち産業振興財団が取りまとめ役になって地方・地域産品のゾーンに出品。「角打やまぐち」と看板を掲げた日本酒の試飲コーナーも作った。

周南の出展者のコーナー

周南の出展者のコーナー

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 周南からは周南市のカン喜、シマヤ、鹿野ファーム、徳山ふくセンター、光市の三井ヘルプと、周南地域地場産業振興センターのコーナーで初出品の珈琲豆専門店コーヒー・シティー、ミニヨン手作り工房カワムラ、スタンド製麺を紹介した。
 シマヤの長州みそに鮮魚や肉を漬け込んだ「長州漬」や、スタンド製麺と高校生が開発した「周南ラーメン」、カワムラの卵や乳製品、小麦不使用のクッキーなど特色ある製品が並んで、訪れる人も多かった。
 周南地域地場産業振興センターからは徳原慶二事業課長補佐と原田伸夫係長が商談にも助言するなど売り込みを支援した。同センターでは、このほかの展示会への出展も支援しており、徳原さんは「周南から情報を発信していきたい」と話している。

ロボットスーツ「HAL」

歩行機能改善へロボットスーツ「HAL」
【周南(徳山)】徳山医師会病院で導入
ALSなど8疾患に

神経や筋肉の難病で歩けなくなった患者の治療用に開発されたロボットスーツ「HAL(ハル)」が周南市東山町の徳山医師会病院(森松光紀院長)に導入された。症状の進行の抑制や歩行機能の改善が期待されている。

ロボットスーツを装着して歩く職員

ロボットスーツを装着して歩く職員

 HALはサイバーダイン(本社・茨城県つくば市)が開発したロボットで、県内の医療機関での導入は下関市の安岡病院に続いて2例目。レンタルで、導入費用は月々の保険請求額によって変わる。
 装着者が体を動かそうとする時に脳から送られる電気信号を、足やお尻など計18カ所に張ったセンサーで読み取り、関節部のモーターが動く仕組みで、実際に足が動いたことが脳に伝わることで生体信号の流れの再構築を促進する。
 せき髄性筋萎縮(いしゅく)症(SMA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー、封入体筋炎、遠位型ミオパチーなど保健適用されている8つの疾患で利用でき、体重40~100kgていど、身長150~165cmていどの人が対象。現在、同院では1人が訓練予定だが、対象に該当する外来患者は8、9人いるという。
 まず1回60分の装着を5週間で9回したあと、効果が期待できれば週1回の装着を6カ月ていど続ける治療を想定しているが、使用回数は症状や身体機能によって異なる。治療費は所得に応じて1カ月最大3万円ていどを見込んでいる。
 2日に同病院で森松院長が記者会見して導入を発表し、同院職員が実際にHALを装着してウオーキング器具の吊り下げ式トレッドミルを使って歩いてみせた。

記者会見する森松院長(左)と高岡センター長

記者会見する森松院長(左)と高岡センター長

 HALは現在、脳血管障害に対しても適用に向けた治験が筑波大学で進められており、高岡浩リハビリテーションセンター長(60)は「もっとたくさんの疾患に使えるようになるのが課題だが、少しでも改善などの希望が持てるようになることを期待している」と話している。
 問い合わせは同センター(0834-22-5363)へ。

須磨小児童が15人に急増

【金曜記者レポート】【周南(徳山)】
8年前の5倍、さらなる移住へ課題も

 周南市北部の須金地区にある須磨小(原田貴司校長)は8年前は3人しかいなかった児童が地区外から子育て世帯の移住が相次いで、今年度は15人になっている。就業の場となる観光農園の存在などがその要因だが、来年度以降は児童数が増える予定はなく、今後の対策が課題。4月からは市初の「小規模特認校」となって市内どこからでも入学、転入できるようになり、さらなる児童数増を目指している。(安達亮介)

・里の案内人も尽力

 須磨小は明治8年(1875年)の開校。1941年度に548人いた児童は75年度から100人を切り、2009年度には3人に減って14年度まで一ケタが続いていた。15人以上となるのは16年ぶり。
 小さい子どものいる世帯の移住はUターン、Iターンを含めてこの5年間で5世帯あり、そのうち3世帯はナシ、ブドウ農園で就業。東日本大震災をきっかけに移り住んだ家族もいる。

全児童での木工教室=2月27日

全児童での木工教室=2月27日

休校中の須金中と併設の須磨小

休校中の須金中と併設の須磨小

 こうした移住を増やすべく、市は15年度から住民ボランティア「里の案内人」を設けており、須金では現在、認定を受けた10人が地区内に多くある空き家を、持ち主に交渉するなどして住んでもらえるように掘り起こし、移住希望者に地域の良さを紹介するなどの活動に取り組んでいる。
 1月21日に東京の東京ビッグサイトで開かれた「JOIN移住・交流&地域おこしフェア」にも同市からは須金の案内人の吉安輝修さんと11年に千葉県から移住してきた須田浩史さんの2人が参加してPRした。

・紅白戦、雲海太鼓も

 児童数が増えたことで地域と合同の運動会で紅白対抗戦ができるようになったり、児童が地域の祭りなどで披露する地域の伝統芸能の雲海太鼓も盛り上がっているといい、原田校長(53)は「年の近い子どもの多様な意見を聞けるようになり、考え方が広がる」と喜ぶ。
 5年の広実采世(あやと)君(11)は、13年4月に入学した時は4人しかいなかった児童が増えたことに「遊ぶ友達が増えてうれしい。みんなでサッカーや鬼ごっこするのが楽しい」と話している。

・市内初の小規模特認校に

 現在は7家族の1~5年生がおり、来年度は15人のままだが、新たな移住などがない限り再び減っていくことが予想される。そこで市教委は同校を小規模特認校に指定し、保護者が送り迎えすることや地域活動が盛んな同校の方針に賛同することなどを要件に市内の他地区から通学することも可能にした。
 小規模校ならではのきめ細かな教育や、グラウンドのイチョウの木を使ったツリークライミングや綱渡りのスラックライン体験、ナシやブドウ栽培の袋かけや収穫体験、広島のめがひらスキー場でのスキー教室など、自然環境や立地を生かした特色があり、原田校長は「ぜひ来てほしい」と呼びかけている。
 須金地区の人口は昨年4月1日時点で221世帯371人。18年度からは市が「地域おこし協力隊」1人を配置して生活支援システム構築、観光商品開発などの仕組みづくりを支援する。