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野犬問題その後〜遠い解決〜

[金曜記者レポート]
譲渡にはSNSが貢献
繁殖続き、減らない!

 周南市の周南緑地公園などに野犬が数多く出没するようになって久しい。県周南環境保健所は市と連携しながらパトロールや捕獲、その後の譲渡活動に努めている。しかし対策に本腰を入れる前ほどではないとみられるものの目に見える形で減らすまでには至っておらず、昨年に続いて今年も住民が野犬にかまれる事件も起きている。野犬対策の取り組みと現状を追った。(安達亮介)

県外への譲渡多数

 県周南環境保健所は巣穴周辺や情報提供があった場所を職員2人体制でほぼ毎日、パトロールしており、網やおりを使って捕獲に取り組んでいる。下松、光市も管轄しているが、捕獲場所はほとんどが周南市となっている。
 捕獲は職員5人が担当しているが、ほかの業務もある中での取り組みで、対応しきれない場合もあり、市職員ともパトロールなどに連携して進めているという。
 捕まえた野犬は県動物愛護センターのホームページに写真や大きさなどの情報が1週間掲載されたあと同センターに移送され、その後も引き取り手が見つからない場合は殺処分される。
 2016年度の捕獲数は858匹で、そのうち737匹が譲渡。17年度は1,032匹を捕獲して894匹は新たな里親が見つかった。地元の個人や愛護団体が里親になるほか、フェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で情報が拡散され、関東など遠方から引き取りに来るケースも多いという。

5月に散歩中の女性かまれる

 昨年8月には緑地公園内の市野球場付近でランニング中の女性が野犬の群れに囲まれてかまれる事件があった。今年5月には久米で散歩中の女性も4匹の野犬に追いかけられた末にかまれた。それぞれ軽傷だった。
 市は現在、久米の現場近くにおり状の捕獲器を設置。捕獲器は自治会や市民へ数カ月貸し出し、17年度は42件、今年度は8月末までで14件の利用がある。
 しかし夜におりに入った野犬は吠え続けることから、近隣には騒音となり、地域の理解が得られないと設置そのものが難しいという課題もある。
 市には「追いかけられた」「子どもが生まれている」など野犬への苦情や相談も多く寄せられ、17年度は野良猫に関するものも含めて282件、今年度は8月末までで166件にのぼっている。

むやみな餌やりは禁止だが…

 周南緑地公園は広く森林などもあるため住みかが確保され、車で訪れることもできるため、犬を遺棄したり、むやみな餌やりをしやすい環境にあり、多くが繁殖で増えていると考えられている。

周南緑地公園東緑地の野犬の群れ

周南緑地公園東緑地の野犬の群れ

 市は「市空き缶などのポイ捨てその他の迷惑行為禁止条例」でむやみな餌やりを禁止しているが、今も餌やりをしている人を見たという情報も寄せられている。
 市環境政策課の山田将之生活衛生担当係長は「地域の理解も得ながら、良好な生活環境に向けて保健所とも連携しながら取り組んでいきたい」と話している。

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