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水素STのコスト減、安全性向上

高圧配管配管溶接の新技術
周南市の松田鉄工所が開発、全国展開へ

 周南市港町の機械加工業、松田鉄工所(松田充史社長、25人)は水素ステーションの低コスト化や安全性向上につながる高圧配管溶接技術を開発した。中四国地区で初めての高圧ガス保安協会による認定も受けており、今後、全国展開を図る計画で、需要の拡大が期待されている。
 水素ステーションに使われている配管は通常、ねじによって機械的に接続されているが、水素が漏れる危険性があることや、年1回の法定点検時に100~150カ所の継ぎ手を分解する必要があり、保守費用の負担が大きいことも課題だった。

溶接された配管を持つ松田社長

溶接された配管を持つ松田社長

 そこで同社は鋼材をもろくする水素に耐性を持つ、あるメーカーが開発したステンレス系の新規材料を使い、ねじではなく溶接で配管同士をつなぐ技術開発に昨年度から取り組んできた。
 この新規材料はJIS(日本工業規格)になく、さらに水素ステーションの配管に溶接をすることは認められていないため、使用には国の特別な認定が必要なことから、9月に高圧ガス保安協会の認定を受けた。
 従業員が全国でさまざまな溶接を学んだ末に確立した技術で、ねじ部品やねじでつなぐための加工が必要ないことに加え、鋼材の厚さも4割削減でき、材料費や運搬費の減少にもつながるという。
 県の昨年度の「水素サプライチェーン技術開発支援補助金」に採択された、県内企業5社が展開する「革新的再エネ利用水素ステーションパッケージ製品開発」事業の一つにもなっており、まずは代表申請者の山陽小野田市の長州産業が展開する再エネ由来水素ステーション「SHiPS」に近くこの配管が導入される予定。
 同事業では周南地域から下松市の日立プラントメカニクスが「水素冷却用膨張タービンシステムの開発」、周南市の㈱トクヤマが「アルカリ水電解式水素製造システムの開発」で参画している。
 国は2030年度までに900カ所の水素ステーション設置を目標に掲げている。今回の技術は設置の追い風になり、それに伴って燃料電池自動車の普及につながることも期待される。松田社長(40)は「水素産業の需要は待つより掘り起こさなければならず、そのスタートラインに立つことができた。新規建設のインセンティブ(動機付け)にしていきたい」と意欲を見せている。

【きょうの紙面】
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⑶ロコモティブ学ぶ講座に230人
⑷漢陽寺で酒井さんの「台湾万歳」上映
⑸下松市の普門寺で晋山式

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