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「軽減税率」導入へ周南地域の準備は?

[金曜記者レポート]
事務煩雑 痛税感緩和の間で
来年10月から軽減税率
国庫補助の新レジ導入進む

 消費税率が来年10月に現行の8%から10%に引き上げられるのに伴い、外食を除く食品類や新聞に税率8%を適用する「軽減税率」が導入される。政府は「低所得者の負担軽減」としているが、複数の税率が存在することで商業者には事務負担が増し、商品の線引きの難しさも指摘され、導入へ向け税務署など主催の説明会やセミナーも開かれている。周南地域の準備の実態を探った。(山上達也)

店舗は適用品把握とシステム改修

 軽減税率は2014年12月の衆議院選挙で公明党が「いまこそ軽減税率を」と訴えて大勝したのを追い風に、翌年末に政府・与党が導入に合意した。
 財務省は軽減税率による税収減を毎年1兆円前後見込んでいるが、政府与党は生活必需品を中心に税率を低くすることで低所得者の負担軽減の効果があるとして、予定通り来年10月から導入する。
 軽減税率の対象は酒類や飲食店などでの外食を除く食料品や飲料品、定期購読契約された週2回以上発行する新聞。食品はレストランなど店内で食事をするか持ち帰るかでも変わり、たとえばスーパーマーケットで買った食品を店内のフードコートで食べた場合は対象にならないなど複雑。
 コンビニエンスストアは店内のイートインコーナーを「休憩施設」と位置づけて客に飲食の自粛を求めることで飲食品はすべて軽減税率の対象にする見通し。
 店側は個々の飲食料品の適用税率を把握して、複数税率に対応したレジの導入やシステム改修が必要だ。

カード利用者増に運転資金減少を懸念

 中小企業庁はその対策に、中小の小売業者が複数税率に対応したレジの導入や改修をする場合に最大20万円の助成制度を創設。各商工会議所や法人会、各税務署が地元説明会をこまめに開いて周知を図っている。
 徳山税務署管内の周南市と下松市で活動する徳山周南法人会(有田建二会長)は11月10日に下松市のくだまつ商工まつりに設けた「軽減税率クイズ」コーナーで「軽減税率の対象は次のどれ?」など7問のクイズを出したが、軽減税率導入に不満を漏らす商業者が多くいた。
 下松市北斗町のヤマウチスポーツ(山内宏文社長)はすでに軽減税率対応のレジをリースで導入したが、国の補助を活用しても年間リース料が従来の約1万5千円から約7万6千円と約5倍になった。国は増税対策にカード利用者にポイントで還元することを検討しており、山内務会長は「カード利用者が増えると店舗側は手数料の負担が増し、日銭の入りが減るため運転資金の確保が厳しくなる」と頭を抱える。

徳山税務署の軽減税率説明会=6日・スターピアくだまつ

徳山税務署の軽減税率説明会=6日・スターピアくだまつ

「生活者の暮らしを守る制度」理解求め

 消費者側はどうか。下松消費者連絡会の林佳都子会長は「生活必需品が安く買えることは消費者にはうれしいこと。でも、線引きが複雑で店側の負担が増えることには心が痛む」という。
 軽減税率の導入を公約した公明党の桝屋敬悟衆院議員(中国比例区)の山口市の事務所は取材に「事務処理の負担増という商業者からのご指摘には、軽減税率の役割や趣旨、当面は簡素な“みなし課税”が可能なことなどを説明し、ご理解をいただくしかない。税率引き上げに伴う家計の痛税感を和らげ、生活者の暮らしを守る制度として理解してほしい」と話している。

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