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バイオマス発電に商機

徳山海陸運送社長
山田多加司さん(60)

周南市

【PROFILE】やまだ・たかし
周南市生まれ。法政大経営学部卒。
1981年入社。営業部長、常務、専務を経て2018年7月から現職。

 ―新年度に新規事業としてバイオマス発電の燃料輸送に本格的に乗り出すそうですね。

 防府市にバイオマス発電所が完成し、新年度に稼働します。出力11.2万キロワットでFIT(固定価格買い取り)制度を使って電力会社に売電(うりでん)します。われわれはその発電所に燃料のヤシがらと石炭を納めます。納入量は年計45万トンに上ります。
 これまでも愛媛県松山市のバイオマス発電所に燃料を運び、ノウハウを蓄積してきました。周南コンビナートではバイオマス発電で売電する動きが活発化し始め、将来的に全国有数の拠点になるでしょう。それに伴って燃料輸送部門も商機になると考えています。

  ―港湾荷役や海運など本業への波及効果がありそうですね。

  ヤシがらは東南アジアから貨物船で徳山港に運ばれてきます。船が港に着いてからがわれわれの出番で港湾荷役、保管、輸送に関わります。これらの仕事はすべてリンクし、ヤシがらという新しい取扱品が増えることによって本業に利潤をもたらします。

 ―徳山海陸運送は昨年7月、㈱トクヤマの完全子会社となり、再始動しました。

 業務自体は体制変更前と変わっていません。取引高は㈱トクヤマ関連より他社の方が多いのですが、㈱トクヤマも「これまで通り取引先を拡張せよ」という考えなので、その傾向は変わらないでしょう。

 ―山田社長も体制変更に合わせてトップに就きました。

 風通しのいい会社にしたいと思っています。自由に意見を言い合って提案を酌み取る。私がもともとプロパーである強みを生かし、現場に下りて社員とコミュニケーションを取ることを心がけています。
 社員に権限もどんどん持たせたい。全社員は387人で、うち本社事務職は90人弱。その中で管理職は40人と半分近くを占めます。そうして責任と権限を持たせてやる気と自覚を促したい。通関業務はすべて女性社員で固めるなど女性登用も進めています。

 ―体制変更を機に創業以来の企業理念を再確認するなどあえて原点に立ち返ったそうですね。

 「合力仁愛」「愛品安全」「全速前進」。3つの社訓を改めてかみしめています。社員に「失敗を恐れるな、スピード感を持って取り組もう」と呼びかけていますが、これも「全速前進」の精神です。社訓を継承し、今の時代に合うようにかみ砕いて社員に伝え、発展させたいと思います。