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市民の心つかむのは?

[周南市長選・市議補選]
争点希薄“ワン・ニャン”選挙!? 木村氏VS藤井氏

 周南市長選が告示される4月14日(投票21日)まで1カ月になった。これまでに出馬を表明したのは現職で3期目を目指す木村健一郎氏(66)と8日に4期務めた県議を辞職した藤井律子氏(65)。両陣営とも地区ごとに集会で支持を訴えている。市民の批判が強い「しゅうニャン市」や災害時の対応、職員の官製談合法違反など課題を抱える中での市長選。争点は何なのかを探った。(延安弘行)

“共に”への共感求める

 10日に菊川市民センターで地元の小林雄二市議会議長らも参加して開かれた木村氏の市政報告会。50人の参加者を前に、スクリーンに映像を映しながらの木村氏の報告は謝罪や疑問視されてきた政策についての説明から始めた。

「ガンバロー」の木村氏

「ガンバロー」の木村氏

支持者と握手する木村氏

支持者と握手する木村氏

 入札前に設計金額を業者に漏らしたとして職員が官製談合防止法違反に問われている事件では「私の指示で警察に相談したことが事件の発覚につながった。再発防止は市長である私の使命」と強調。
 死者も出た昨年の7月豪雨災害で災害対策本部を設置しなかった問題では災害対応で21項目を見直したことや、4月に防災情報収集伝達システムが稼働することを説明して「全国でも最高のシステム」とした。
 公設民営の徳山駅前図書館の指定管理料として年間1億4千万円を支払っていることには人件費、高熱水道費を含み、365日開館、周辺ではイベント開催など新しい動きが出ていると説明した。
 シティプロモーションの「しゅうニャン市」プロジェクトでは4,600万円を投入したが、ふるさと納税が以前の20倍になったのはこのプロジェクトによるものと主張した。
 ボートレースからの繰入金を積み立てる子ども末来夢基金の創設、基金を使った中学生までの医療費無料化、年中無休で高齢者などからの相談に応じる「もやいネット」、地域の夢プラン作成などを実績として取り上げた。国とのパイプも作ってきたとも述べた。
 今後の事業では市民館跡に国の合同庁舎を建設、市民ホールを入れることも検討していると述べ、バイオマス材生産モデル事業を取り上げて「まちが大きく動き始めた。加速させるのは現職の市長だからできる」と強調。選挙に向けたスローガンの「“共に”挑む。」への共感、理解を求めた。
 最後は「ガンバロー」三唱で盛り上げ、参加者の帰り際は木村氏夫妻が握手して見送った。

「市民の声に推されて」

 この日、久米市民センターでは「藤井律子を励ます会」が開かれた。藤井氏を支援している市議の青木義雄、福田健吾、古谷幸男氏も参加し、115人が集まった。
 藤井氏が最初に語ったのは、なぜ市長選に鞍替えしたのか。昨年12月まで県議選に向けた後援会活動をしていたが、支持者を回る中で「しゅうニャン市」への不満から市長選への出馬を求める声を多く聞いた。官製談合法違反による逮捕の影響でこの声は1月になっても高まるばかり。この市民の声に推されて1月16日に決意し、2月2日に記者会見した。

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支持者と握手する藤井氏

支持者と握手する藤井氏

 責任感、正義感、使命感から「私自身が決めたこと」とし、政策ではまず「誇りと品格のあるまちを取り戻したい」と述べ、「しゅうニャン市」を批判。7月豪雨災害発生後の全国キャラバンは取りやめるべきだったと述べた。
 次に「公平公正で透明性のある市政」で官製談合が起こらないようにしたいと述べ、県、国とのパイプを生かして産業基盤を整備、経済を元気にしたいと述べた。
 続いて強調したのが「人の意見を聞く市政」。具体的には子育てにやさしいまちにし、障害者や高齢者など弱者を大切にし、中山間地を守りたいと述べ、特に「すべての子どもが幸せになる、家庭の喜びを知ることができるまちにしたい」と述べた。
 市民の声を聞く例として野犬問題を指摘。県と市の役割分担をきちんとし、捕獲は県、えさやりの摘発は市が担当することや、巣穴をなくす太華中そばの竹林伐採も紹介した。16年間、県議として活動した経験を活かして「次のステージに進み、住みやすい周南市を作りたい」と訴えた。
 最後は「ガンバロー」コールで締めくくった。帰り際の握手では集会の興奮からか藤井氏に抱きつく支持者もいた。

接点も多く、重なる地盤

 木村氏と藤井氏。いずれも周南市で生まれ育ち、経歴を見ると似通っている点も多い。
 木村氏は1952年8月生まれ。旧徳山市の中心部で育ち、徳山高、早稲田大学法学部を卒業、81年に司法書士を開業した。徳山青年会議所や徳山商工会議所青年部で活動、周南市が誕生した2003年4月に県議会議員に当選した。
 1期務めたあと市長選に転じ、2度目の挑戦で11年5月に市長に就任。15年に再選を果たしたが、戦いの相手はいずれも現在は市議の島津幸男氏だった。島津氏は今回も立候補の動きを見せたが藤井氏支持に回った。
 藤井氏は1951年8月に中山間地の須金で生まれ、徳山高に進学。木村氏の後輩になる。卒業後は広島大学医学部付属看護学校を卒業、同大学病院に勤務していたが、79年3月に徳山市議だった藤井真氏と結婚。藤井氏はその後、県議会議員選に当選して副議長にも就任したが2001年9月に死去した。
 真氏の後継者として03年4月の県議選で初当選。木村氏と同期になる。藤井氏は県議を続け、選挙では4回連続してトップ当選。自民党県連の副会長でもある。
 4年前の市長選では終盤、保守系の国会議員や県議が木村氏を支援して大差での当選に貢献。藤井氏もその一人だった。木村氏、藤井氏とも今回の選挙では自民党に推薦願を提出している。これまで市長選は木村氏、県議選は藤井氏を応援していた市民も多く、地盤が重なっている。
 保守系同士となりそうな市長選。産業振興、中心市街地活性化、中山間地振興、防災対策、子育て支援など人口減対策、高齢になっても住み続けられる地域づくりなど、政策面では両陣営にまだ大きな違いは出てきていない。
 争点は政策以前の「しゅうニャン市」プロジェクトの受け止め方や、野犬対策への不満など市民の声、感覚をどう施策に反映させるか。リーフレットに木村陣営は「“共に”進めよう。」、藤井陣営は「市民の声を大切に」とある。どちらがより多くの市民の心をつかむか、市民の判断が注目される。

【きょうの紙面】
(2)しゅうニャン市の費用削減求め、修正予算案
(3)21~25日・ゆめタウン下松でラーメン博
(4)周南市の新上迫自治会に河川愛護表彰
(5)太華中で櫛浜婦人会が郷土料理「つしま」指導

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[16年目の視座~周南市の課題~]

しゅうニャン市プロジェクト
ぬぐえぬモヤモヤ感

 岡山県のご当地菓子の写真を載せた周南市の公式ツイッターを見て市内の60代の無職男性は目を覆った。
 「デリカシーがない」
 周南市の愛称「しゅうニャン市」を広めようと全国を回るキャラバン隊が岡山県入りしていた。菓子の名は「晴れの国岡山」。隊員の市職員が土産にでも買っ
たのだろう。当日は雨だったようで「晴れの国なのに雨。誰が雨男なんだ」とコメントを添えている。
 ツイッターの日付は昨年9月8日。大きな被害をもたらした西日本豪雨の発生から2カ月しかたっていない。岡山県ではその時点で61人の死亡が確認され、400人以上が避難している。
 ツイッターの写真から隊員の浮かれっぷりが伝わる。被災者の心情を察したら、同じ周南市民として合わせる顔がなかったという。
 「そんな暇があるなら泥かきでも手伝ってこい」
 しゅうニャン市プロジェクトは市を全国に売り込む「シティープロモーション事業」の目玉として2017年度に本格的に始まった。猫の鳴き声を掛けた造語を発信し、知名度を上げる。2年間で事業全体で4,100万円の市費を投じた。

周南市役所新庁舎建設現場を囲むフェンスに描かれたしゅうニャン市のロゴ。キャンペーンの賛否は分かれている

周南市役所新庁舎建設現場を囲むフェンスに描かれたしゅうニャン市のロゴ。キャンペーンの賛否は分かれている

 「モヤモヤしている」
 猫を飼っている周南市の飲食店経営の女性(35)はすっきりしない思いがぬぐえない。
 なぜ猫なのか。周南市に猫に由来することはこれといってないのに。
 猫で街おこしをするとか具体的な取り組みがあるのかと思いきやそれもない。
 知名度を上げたとしてそれを市勢向上につなげる施策も見えない。
 モヤモヤ感は市議会も抱き、事業の白紙撤回を求める予算修正案を2年連続で提出した。修正案は両年度とも否決され、市は計画通りに事業を進めている。
 16年度450万円。17年度3,800万円。18年度8,700万円。
 市はしゅうニャン市効果として市の受けたふるさと納税の寄付額を挙げる。事業が本格始動した17年度から目に見えて増え、「知名度アップの成果」と強調する。
 市は17年度に返礼品をそれまでの25品目から130品目に拡大した。返礼品の額も従来は3千円程度が上限だったのが、寄付額に応じてより高価な品を受け取れるようになった。これらの返礼品効果も寄付額を押し上げた一因になっている。

「出」は2億円超え

 ふるさと納税は周南市が他市町村の住民から受ける「入り」があるのと同時に、周南市民がよその市町村に寄付する「出」がある。
 「出」は16年が1億9500万円、17年が2億1,200万円で「入り」より大幅に多い。「入り」と「出」は算定基準が違って単純比較はできないが、流出が流入を上回っているのは確かだ。
 市は事業規模を小さくしながらも新年度もしゅうニャン市プロジェクトを続ける考えで、シティープロモーション事業全体で1,690万円を組んだ新年度予算案を市議会に提出した。
 市議会側は一部議員が議会最終日の15日に修正案を出す動きがあり、同じ事業に3年続きで見直し要求が突き付けられる異例の事態を迎える。
 「周ワン市」
 しゅうニャン市が話題になる時、よくセットで出るフレーズだ。
 周南市は野犬が異常に多く、「野犬王国」の汚名が知れ渡っている。17年度の県周南環境保健所管内の犬の捕獲数は1,032頭で全県の6割を超す。今年度は住民が野犬にかまれる被害が市内で4件起きた。
 「猫より先に犬」
 野犬対策は喫緊の課題で、今度の市長選の論点に野犬対策を挙げる市民は少なくない。
 野犬の増える主因は自然繁殖だが、それを促しているのは人間の餌やり行為だ。野犬も元はと言えば飼い主の飼育放棄で捨てられたペットが野生化したものだ。
 17年度に全県で捕獲された犬のうち200頭前後が殺処分されている。
 しゅうニャン市が批判の的になると、市側は「猫に罪はない」と言う。
 犬にも罪はない。
(井藤進吾)

【きょうの紙面】
(2)戦争の悲惨さ次の世代に、戦没者遺族大会
(3)永岡鋼業が75周年記念で下松市に75万円
(4)がんばろう日本フェア!で「防災フェア」
(5)児玉神社で例祭、先人の偉業しのぶ

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がんの治療に支障?

新設の放射線科は常勤医不在
光総合病院が完工、5月開院へ

 光市が光ケ丘に建設していた新しい市立光総合病院(桑田憲幸院長、210床)が2月28日に完工、新しい元号が始まる5月1日に開院する。ところが新設の放射線科で常勤医師が確保できず、開院してもがんの放射線治療が十分にできないままスタートを切る可能性が大きい。

交渉していた教授が異動

 新病院は現在の13科体制に放射線科、総合診療科を加えて15科体制とし、急性期医療の中核病院に位置づけ、がん治療に力を入れる。大規模災害に備えたスペースを確保し、ヘリポートも設けた。

完成した新しい光総合病院

完成した新しい光総合病院

 2月26日の市議会一般質問でも新病院を取り上げた大田敏司議員(こう志会)に西村徹雄病院局管理部長は「病棟を東と西に分けて、それぞれの病棟の中心にスタッフステーションを設けて患者の見守りに配慮するとともに、施設全体をバリアフリー、ユニバーサルデザインとし、患者中心の満足度の高い利用が提供できる施設になっている」と特徴を説明した。
 一方で市を悩ませているのが放射線科の医師が開院当初から不在なことだ。がん治療では手術による外科療法、抗がん剤による化学療法、放射線療法が三大療法。
 しかし一般質問の答弁で西村部長は「放射線治療医の派遣の交渉を進めてきた山口大学医学部の放射線腫瘍学教室の教授が他大学に転出し、予期せぬ事態になった。開院とともに(放射線関係の)治療ができないことを心苦しく思っている。新しく就任する教授が決まり次第、一刻も早く交渉し、早期に放射線治療が開始できるように努力する」と説明して理解を求めた。

24日に完工式、内覧会

 新病院は一昨年7月に着工し、総事業費は96億7千万円。ひかりソフトパーク内の市有地3万1,385平方メートルの敷地に、鉄筋コンクリート4階建て1万8463平方メートルを建設。昭和・巽設計共同企業体が設計し、戸田建設・時盛建設・末延建設特定建設工事共同企業体が施工した。
 開院と同時に中国バスネットサービスの市内循環便「ひかりぐるりんバス」をはじめ、防長交通や中国ジェイアールバスの路線バスも病院前に乗り入れて、車を持たない患者や来訪者の足を確保する。
 24日に完工式を開き、一般公開の内覧会は午後1時から4時まで。問い合わせは病院局(0833-72-1000)へ。(山上達也)

【きょうの紙面】
(2)下松名物「ゆず味噌」を復刻、商品化へ
(3)周南物語に「肉みそ酒粕入り」発売
(4)米川小児童が滝の口河川公園にヤマモミジ
(5)山口狛犬楽会に地域再生大賞

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首都圏市場見据え

赤坂印刷 愛知の工場を買収

 周南市の赤坂印刷は愛知県安城市の印刷工場を買収した。首都圏市場を見据えた生産拠点の拡張で、4月1日に三河工場として稼働を始める。
 三河工場は敷地面積4350平方メートル、建物2900平方メートル。伝票や帳簿などの帳票印刷用の輪転機7機、加工機5機を備える。安城市の印刷会社から4億円で買い受け、1月に合意書を交わした。

赤坂印刷が買収した工場=愛知県安城市

赤坂印刷が買収した工場=愛知県安城市

 従業員は売却元から25人を受け入れた。顧客も帳票印刷部門を中心に受け継ぐ。赤坂太郎常務が統括責任者として指揮を執る。
 赤坂印刷は首都圏の官公庁や企業から帳票印刷を受注している。同社の売上高は年約30億円で、このうち首都圏関連が4割を占め、最大の取引先になっている。
 印刷物はこれまで周南市の徳山工場から首都圏まで陸送していた。距離は約93キロあり、運送業界の人手不足と名神高速道の一部区間での降雪で翌日配達が難しくなり、同社の売りにする「短納期」の経営戦略が万全とは言えなくなっていた。
 三河工場からは首都圏まで約340キロに縮まる上、雪の心配がなく、翌日配達が履行できる。新工場の買収で全体の供給力が上がり、生産力の問題からこれまで断っていた注文も受けられる。
 三河工場は帳票印刷で年4億円の売り上げを目指す。同社は年商を来期までに35億円にする経営計画があり、同工場の稼働で達成を見込む。将来的には東京支店を増強し、首都圏での取引を事業の柱に据える考えだ。
 赤坂徳靖社長は「工場買収を首都圏での事業拡大の足掛かりにしたい」と話している。

【きょうの紙面】
(2)光市が無料入浴の「お礼金」、周防大島町に寄付
(3)㈱トクヤマが特殊品部門の組織改正、異動も
(5)周南少年少女発明クラブが発明品発表
(6)周南フィルが16日、周南市文化会館で定演

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福谷被告に有罪判決

山口地裁 「入札の公正害した」

 周南市の官製談合事件で公契約関係競売入札妨害罪に問われた同市の建設会社「福谷産業」元社長、福谷徳三郎被告(66)の公判で、山口地裁は7日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。
 桂川瞳裁判官は市都市整備部次長兼区画整理課長の国沢智己被告(60)=官製談合防止法違反の罪で公判中=が市発注工事の設計金額を入札前に福谷被告に漏らした犯罪事実を認定。福谷被告に「設計金額に基づき圧倒的有利な条件で落札し、市の競争入札制度の公正を害し、社会の信頼を損ねた」と述べた。
 その上で「国沢被告が市財政部技監兼検査監になった2016年4月以降、繰り返し入札予定工事の設計金額を事前に聞いていた」と設計金額の漏えいが常態化していたことを指摘した。
 一方で「福谷産業は県と市から指名停止処分を受け、福谷被告も社長を辞任し、社会的制裁を受けた」と執行猶予を付けた理由を挙げた。
 福谷被告は保釈中でグレーのスーツで入廷し、うなだれ気味に判決文の朗読を聞き入った。閉廷後は記者の問いかけに応じず、裁判所を立ち去った。

事件の舞台となった徳山動物園北園広場

事件の舞台となった徳山動物園北園広場

 判決によると、福谷被告は16年11月24日に入札のあった周南市発注の周南緑地メーンエントランス整備工事の条件付き一般競争入札で、当時技監の国沢被告から工事の設計金額(2760万6千円)を前もって教わり、それに基づいて判断基準額を割り出し、判断基準額と同額の2447万3540円で落札した。
 17年12月6日入札の徳山動物園リニューアル北園広場工事でも国沢被告から設計金額(8901万9千円)を聞き出し、判断基準額に近い8015万280円で落札した。

【きょうの紙面】
(2)周南市が「保育士魅力発見フェア」
(3)光市の光スポーツが中央に移転・オープン
(4)周南市の山道さんが鉛筆削りで日本1に
(5)久米小で指導、見守りの地域住民に感謝の会

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入札監視委が防止策

[官製談合事件]
設計金額の繰り上げ処理
技監と検査監の兼務解消

 周南市入札監視委員会(松田悦治委員長、5人)は6日、官製談合防止法違反容疑で職員が逮捕、起訴された事件について、木村市長から諮問されていた再発防止策を答申した。防止策は5点で、コンプライアンス(法令順守)研修の充実と公益通報制度の周知徹底、技監と検査監の兼務を解消する組織体制見直しなどを提言している。

答申書を渡す松田委員長

答申書を渡す松田委員長

 答申書はこの日、松田委員長(72)が市長に手渡して「早く市民の信頼を取り戻してほしい」と要望、市長は「再発防止、信頼回復にしっかりとスピーディーに取り組みたい」と述べた。
 この事件は2017年12月の「徳山動物園リニューアル北園広場修景工事」と16年11月の「周南緑地(メインエントランス)整備工事」の条件付一般競争入札で当時、技監兼検査監だった職員が落札した業者に入札前に設計金額を伝えていた疑惑がもたれ、昨年11月19日に動物園の工事、12月10日に周南緑地の工事に関する同法違反で業者とともに逮捕、起訴された。業者は容疑を認めている。一方、職員は容疑を否認している。
 このため、同委員会では前技監の行為や事実関係は公判で明らかにされるものとし、再発防止のために入札制度を検証、課題を抽出、「いまできる最善の策」を提言した。このため昨年12月25日から2月25日まで5回の会合を開いた。
 同委員会は学識経験者などが委員で、松田委員長は県建築士会所属。委員は次の通り。
 目山直樹さん(徳山高専)、秋山和正さん(秋山公認会計士事務所・税理士)、坂本勲さん(徳山大学)、橋野成正さん(橋野法律事務所・弁護士)

 再発防止策
 「コンプライアンス研修の充実と公益通報制度の周知徹底に努めること」
 研修の対象者を広げ、習熟度チェック、欠席者のフォローなどで組織をあげて徹底した取り組みを図る。職員が守るべきルールの明文化。公益通報では職員が通報に消極的にならないよう、制度の周知徹底。
 「技監に係る組織体制の見直しを検討」
 建設技術の指導や設計積算の最終チェックをする技監と工事の検査をする検査監の兼務は疑義が生じており、兼務を解消。技監に多くの入札情報が集まることから職員間で業務に対する相互牽制が機能する仕組みの検討。
 「設計金額の適切な管理に務める」
 設計図書のチェック体制や管理保管方法を見直し、設計金額を関係職員以外の職員や第三者に漏えいさせない仕組みづくり。円単位までの正確な設計金額は伏せた形で、切り上げ処理した金額での回付方法の検討。
 「多様な入札制度の検討」
 価格のみを評価する入札は設計金額を聞き出そうとする、職員への不当な働きかけの動機づけになることから多様な入札制度を検討。特に総合評価方式について公平・公正性に注意しながら対象工事を拡大。
 「入札後のチェック体制強化」
 低入札価格調査制度では不落札と落札の境目の判断基準額を目指した応札になる傾向があることから、判断基準額を切り上げ処理するなど調整する。また入札執行結果調査制度では、設計積算の最終チェック者の技監が入札結果をチェックする手続きに関与する矛盾があるため、この問題点を解消。

【きょうの紙面】
(2)9、10日、大正の雰囲気の市長公舎見学会
(3)マックスバリュが24時間廃止、営業短縮
(4)島田小6年が裏山にタイムカプセル埋設
(5)家族支える小学生、阿米顕彰会が3人を表彰

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16年目の視座~周南市の課題~

 任期満了に伴う周南市長選(4月14日告示、21日投票)が近づいてきた。4年に一度の市長選は市政のありかたを見直す機会でもある。特に今回は合併特例措置が2018年度で終了することを受けての市長選。2003年の合併から合併特例債で大型施設を次々に建設し、新市庁舎も間もなく完成する。しかし、合併時から言われてきた課題が解消したわけではなく、新たな課題も浮上する。何が問題なのかを追う。

中山間地振興
人口減少、高齢化続く
目指せ、新たな産業育成

大津島は10年で半減

 バレンタインデーの2月14日、周南市で若者たちの注目を集める徳山駅前図書館1階。市の共創プロジェクトで誕生した発泡酒「島麦酒SUDAIDAI」の発表会が開かれた。大津島のかんきつ類、スダイダイを使い、昨年は330ml入りで6千本作ったが、今年は1万8千本に増やした。みなみ銀座の「まちのポート」では1本650円で販売。同図書館でも扱う。
 発表会では2年前に大津島に移住したデザイナーの松田翔剛さんと大津島コミュニティ推進協議会の安達寿富さんが島の魅力を解説した。徳山港から船で20分ほど。石切り場跡など知られていないスポットも紹介した。

「SUDAIDAI」の発表会

「SUDAIDAI」の発表会

 離島の大津島。支所や市民センター、大津島ふれあいセンター、回天記念館などに加え市は2013年に体験交流施設「海の郷」も開設した。大津島巡航の赤字補てんも続けている。生活面では道の駅「ソレーネ周南」の移動販売車を派遣する買い物支援にも取り組んでいる。
 それでも人口減少に歯止めがかからない。大津島は05年の国勢調査では人口459人だったが15年は244人と10年で半減した。今年1月末の住民基本台帳による人口は238人。64歳以下はそのうち46人。

中山間地プロジェクトの成果

 同市では大津島を含む11地区が中山間地と位置付けられている。大津島のほかは鹿野、和田、三丘、高水、八代、中須、須金、須々万、向道、長穂。周南市の面積の約7割、人口の約12%を占める。人口減少、高齢化が市域全体より進む地域。その衰退を抑制できるのか、市の課題となっている。
 15年度から19年度まで5年間の第2次まちづくり総合計画・前期基本計画の7つの主要プロジェクトの一つに「中山間地域振興プロジェクト」を掲げ、各地区の実情に合わせて多様な事業を展開している。
 地域の夢プランづくりと実践、地域の拠点づくり、生活交通の確保、地域産品のブランド化、6次産業化推進、UJIターンの促進、新規就農者など担い手の確保などの施策が並ぶ。 
 取り組みの結果、新規就農者は28年度からの3年間で67人。「トマト・わさび・ホウレンソウ・イチゴ」の産地化を進める。
 そのために技術研修と農地の確保、温室などの機械・施設、住居の確保までを一体にした「パッケージ支援」制度を創設。温室など施設の経費負担の不安を解消、若者たちが農業に取り組みやすくしている。鹿野地区では以前から特産であったわさびのブランド化へバイオ苗生産施設「あぐりハウス」で育てた苗の提供などに力を入れている。
 移住促進のための「里の案内人」の配置や交通弱者対策として生活交通システムも導入し、新年度からは須金地区と須々万地区の間でも始まる。
 鹿野地区には地域の将来計画の夢プラン策定を支援する集落支援員を配置している。コアプラザかのを増改築して鹿野総合支所を統合する計画も進んでいる。しかし鹿野地区でも05年の4,122人が15年は3,270人へ千人近く減少した。

生かしたい潜在的な力

 中山間地プロジェクトに掲げる目標は人口減少の中でも「安心して誇りをもって暮らし続けられる地域」と「人・自然・経済が循環する活力あふれる地域」。活力をもたらす新たな産業を育てることが求められている。
 旧新南陽市は1996年、米光企業団地、住宅団地を完成させ、和田小中の児童生徒数の減少を食い止めた。旧鹿野町は石鍋工業団地を造成し、町独自に住宅団地も造った。
 スダイダイやワサビ、高瀬茶や須金のナシ、ブドウなど全国に発信できる産物もある。一方で食品加工や精密機器など製造業の企業も立地し、潜在的な力は大きい。これを生かす方法はないのだろうか。

(延安弘行)

【きょうの紙面】
(2)“総選挙”で選ばれた周南市のポスター完成
(3)アクト・サイキョウが小学生バドミントン教室
(4)40人が歴史博士、周南市の検定合格
(5)光市大和地区で老人クラブが「仲間のつどい」

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新駅長に元山銀の小野氏

ソレーネ周南
2年8カ月の空席解消

 周南市の道の駅「ソレーネ周南」の新駅長に元山口銀行福川支店長の小野拓二氏(55)が就くことが分かった。就任は4月1日。前駅長が二重在籍問題で2016年7月に辞めてから2年8カ月間続いた空席状態が解消される。
 小野氏は下松市生まれ。1986年に山口銀行に入行し、阿武支店長を経て15年8月から福川支店長。今年2月末で同行を退職し、周南市の指定管理者としてソレーネ周南を運営する「周南ツーリズム協議会」の2月理事会で承認を得て3月1日に採用された。駅長に就くまでの1カ月間、一般職員として業務に当たる。
 前駅長は協議会職員として駅長を務めながら埼玉県桶川市職員の身分を持つ二重在籍が発覚し、駅長を辞任した。協議会は後任を募り、複数の人が候補に挙がったが、最終的に同意を得られず、空席状態が続いていた。
 ソレーネ周南は14年5月にオープンし、前駅長は開業時から駅長を務めた。倉庫の新設や移動販売車の購入などの過大投資が響き、15年度に赤字に転落した。翌年度に黒字に転換し、その後、黒字経営が続いている。

【きょうの紙面】
(3)光市の「はんぷ工房『結』が6周年記念祭
(4)ゆめタウン下松などで「がんばろう日本フェア」
(5)今宿婦人会が望みの家に3万円寄付
(6)9、10日、高水ふれあいフェスタ

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武居さん映画監督デビュー

武居さん(下松出身)映画監督デビュー
「劇場版ウルトラマンR/B~セレクト!絆のクリスタル」
4月からMOVIX周南で上映

 下松市出身の武居正能(まさよし)さん(40)が監督を務める映画「劇場版ウルトラマンR/B(ルーブ)~セレクト!絆(キズナ)のクリスタル」が全国で上映される。武居さんはウルトラマンのテレビシリーズで監督を重ね、映画監督として今回初めてメガホンを取った。周南地区では4月12日に「MOVIX周南」で封切られる。

劇場版ウルトラマンR/Bのポスター (C)劇場版ウルトラマンR/B製作委員会

劇場版ウルトラマンR/Bのポスター
(C)劇場版ウルトラマンR/B製作委員会

武居正能さん

武居正能さん

 あらすじは主人公の湊兄弟の兄のカツミ(ウルトラマンロッソ)に謎の存在、ウルトラマントレギアが接近し、異星に飛ばす。弟のイサミ(ウルトラマンブルー)は家族の絆のために立ち上がり、奇跡を起こす。
 武居さんは下松小、下松中、光高卒。子どものころからウルトラマンと映画が好きで映画監督を志し、東京の日活芸術学院に進学。在学中からウルトラマンのテレビシリーズに助監督として制作に携わった。
 2016年からはテレビ「ウルトラマンオーブ」「ウルトラマンジード」の監督を担った。昨年7~12月に放映されたテレビ「ウルトラマンR/B」のメーン監督を務め、本作で映画監督デビューを果たした。
 映画は全国的には3月8日に封切られ、周南地区は約1カ月遅れで上映が始まる。
 武居さんは「中学時代からの夢だった映画監督になることができた。夢をかなえるには家族や仲間の支えが大きい。作品を通じて夢を諦めないことと、家族や仲間の大切さを知ってほしい」と子どもたちにメッセージを送っている。

【きょうの紙面】
(3)市制70年映画「くだまつの三姉妹」試写会
(4)引っ越しへ、徳山動物園のゾウ舎に輸送箱
(5)光高定時制で卒業式、3人を祝福
(6)茶道や着付けのひなまつり国際交流会

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進まぬ野犬対策

[金曜記者レポート]周南市長選の焦点に

 周南市で今年度、住民が野犬にかまれてけがをする事案が4件起きている。周南地区は保健所による犬の捕獲数が全県の6割を超す「野犬王国」。行政の対応は成果を上げられず、増加に歯止めがかからない。野犬対策を地域課題に挙げる市民は多く、4月の市長選で焦点の1つになりそうだ。(井藤進吾)

周南緑地の駐車場をうろつく野犬

周南緑地の駐車場をうろつく野犬

 駐車場を取り囲む草むらから「カサカサ」と草の擦れる乾いた音がする。目を向けると野犬が群れをなしてうろついている。
 周南緑地公園。市民のスポーツと憩いの場も近ごろは野犬の巣窟(そうくつ)の悪名で知れ渡るようになった。
 昨年5月~今年1月、久米政所の路上で住民が野犬に脚をかまれる被害が3件発生し、70代女性ら男女3人がけがをした。平原町の住宅街でも2月21日、60代女性が襲われて足を負傷した。現場はともに緑地公園から半径1.5キロ圏内で、緑地に生息する野犬が行動範囲を広げた可能性がある。
 市に寄せられた野犬に関する苦情は昨年4~11月で223件に上る。地区別では桜木30件、秋月29件、岐山、久米が24件ずつと緑地公園周囲の地区が目立つ。
 県周南環境保健所管内の犬の捕獲頭数はグラフの通り。昨年度は1032頭で全県(1680頭)の5分の3を占める。年度別でも増加の一途で特に2016年度は前年比175頭増、昨年度は174頭増と200頭に迫るペースで増えている。

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 増加の最大の原因は自然繁殖だ。緑地で定期的に餌を与える個人、グループがいて増殖を促している。彼らは善意で餌やりをしていると思われるが、その行為は結果的に住民に迷惑をかけ、不安がらせている。けが人の出る局面に発展した以上、迷惑で済む話ではなくなった。
 市は緑地公園の餌やり現場は4カ所とみている。保健所と協力して巡回を重ねているが、行為者の特定に至っていない。
 市は11年、迷惑行為禁止条例でペット以外の動物への餌やりを禁じ、違反者には氏名を公表する制裁を科すと定めた。だが、条例化後8年間1度も適用されたことがなく、空文化している。
 制裁適用の前提となる餌やり行為の現認もなく、監視の甘さが指摘されている。保健所も人的被害のあった現場におりを仕掛けて捕獲を試みているが、危害を加えた犬はまだつかまらず、不安は解消されていない。
 50代の男性会社員は「野犬対策は一義的には保健所を持つ県の仕事なのだろうが、市も無関心ではいられないはず。今度の市長選の候補者がどう考えているのかを知り、投票行動の判断材料にしたい」と、野犬問題が市長選の焦点になるべきだと考えている。

【きょうの紙面】
(2)深浦公民館体育館が「倒壊の恐れ」
(3)徳山高専が日本技術士と連携協定
(5)聖光高3年生が「創造」発表会
(6)7日から下松市で全国公募写真展「光展」

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