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外国人実習制度に風穴

建設加工業「アイワテクノ」社長
石田誠志さん(40)

周南市

【PROFILE】いしだ・せいじ
1978年下松市生まれ。
建設会社勤務を経て2007年アイワテクノ(個人経営)設立。09年法人化。

 ―初の海外拠点となる韓国支社を設けたそうですね。

 梁山(やんさん)市に1月に創設しました。当面は現地の人材を日本国内に受け入れる窓口の機能に特化します。

 ―外国人労働者の受け入れとなると、外国人技能実習制度を利用するのが一般的です。

 この制度には疑問を持っています。当初の目的は外国人労働者を受け入れて技術を習得し、母国に持ち帰って現地の経済発展に貢献する国際的な人材育成だったはずです。
 ところが、実態は日本企業の人手不足を補う役目でしかなく、趣旨とかけ離れました。実習生も現地の送り出し機関に高いお金を支払わされ、われわれ受け入れ側も細かい規制に縛られる上、受け入れ窓口の監理団体に手数料を納めなくてはなりません。

 ―低賃金も問題になっています。

 多くの企業が最低賃金(山口県は時給802円)で雇っています。ベトナム人を初めて雇用した時、時給1,000円と決めたら、外国人労働者を受け入れる他の経営者から「そんな高賃金で雇う会社などない」と驚かれました。
 日本人なら時給1,000円は今は当たり前。外国人にも同じように当たり前のことをしようとしてもできません。

 ―韓国支社を通じ、技能実習制度を使わず独自に人材確保を図るのですね。

 超売り手市場の日本と違い、韓国は目下、買い手市場で、求人を出したらすぐ応募が舞い込みます。韓国の労働力事情を調べたら優秀な人材が多いことが分かりました。日本の国内産業界は低賃金を最優先に考えて東南アジアに目を向けています。韓国は東南アジアより賃金は高いとはいえ、魅力的な人材市場だと思います。

 ―受け入れた韓国人は自社で技術を学び、母国に帰って生かすのですね。

 将来的には韓国に工場を立て現地注文、現地生産の体制を整えたいと思っています。ただ、目的はそれだけではありません。

 ―と言いますと。

 外国人労働者を受け入れるシステム自体を事業化しようと考えています。日本の国内企業はどこも人手不足で頭を抱えています。技能実習制度を用いない受け入れビジネスが確立したら、他社、他業種にも送り込むことが可能になります。
 このビジネスモデルを韓国で軌道に乗せ、将来的にベトナムやフィリピンでも事業展開する構想を持っています。われわれは今は建設業ですが、他分野への事業拡大を考えていて、今回の外国人労働者受け入れビジネスをその一歩にしたいと考えています。