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緊急通信事業に進化

周南マリコム(周南市) 社長
堀  学明さん(50)

【PROFILE】ほり・たかあき
1968年下松市生まれ。99年入社。常務、専務を経て2017年8月から現職。
創業者は父で会長の信明氏(74)。

 ―緊急通報事業で新システムを開発したそうですね。

 独居高齢者や高齢者のみの世帯などを対象とした安否確認システムです。そばで見守る「ソバミー」と名付けました。機器をテレビなどの家電製品につなぎ、12時間以上連続で使用するか24時間以上連続で不使用になっているとセンサーが感知し、離れて暮らす家族の携帯電話に情報を通知します。

 ―緊急通報事業では従来「早助(サスケ)」システムを実用化しています。

 利用者が端末機のボタンを押せば電話回線で自社のサポートセンターにつながります。センターには、看護師などさまざまな資格を持ったオペレーターを配置し、緊急時の救急車要請時は、迅速に対応いたします。また、健康・生活相談や各種生活支援を目的に、タクシーの手配なども行います。

 ―新システムと従来のシステムの違いは何でしょう。

 早助は利用者とオペレーターのやり取りですが、ソバミーは家族に知らせて情報を共有できます。早助も声掛けによる安否確認を月1回行っていますが、ソバミーはテレビの長時間使用、不使用による間接的な安否確認で毎日見守ります。
 早助とソバミーを併用すればオペレーターの対応、緊急時の人員派遣、家族への通知、24時間365日体制の安否確認がすべて満たされます。

 ―従来のシステムは着々と実績を積んでいます。

 早助は現時点で中国、九州地方の7県の57市町村と契約し、約12,000人が利用しています。
 当社の売上の70%は緊急通信事業で占め、主力事業に成長しました。

 ―それに新システムが加わるのですね。

 ソバミーは8月に運用を始めます。初年度は2,000人2,200万円、2年目は5,000人4,500万円、3年目は1万人1億5,700万円の売り上げを見込んでいます。
 将来的には利用者の脈拍、血圧、体温などのバイタル情報や温度、室温情報もクラウドに蓄積してビッグデータ化し、AI(人工知能)を使って体調の異変などを事前に予知して注意を促し、予防を図るシステムに発展させる計画です。

 ―緊急通報事業は港湾通信事業の蓄積を生かして派生させた印象を受けます。本業に無関係の新規事業だと危なっかしさを感じることもありますが、本件は本業の実績に裏打ちされて安定感があります。

 本業の軸をぶらさずに常に新しいことに挑みたいと思います。従来のやり方が正しいと思ったら成長は止まり、現状に満足した瞬間衰退が始まります。「1つのビジネスモデルは持って20年」と聞きます。新しいことにチャレンジして成し遂げたとしてもそこに立ち止まらず、次の一手に進まなくてはなりません。