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銀行マンから駅長へ

道の駅「ソレーネ周南」(周南市)
駅長 小野 拓二さん(55)

【PROFILE】おの・たくじ
1964年下松市生まれ。西南学院大経済学部卒。86年山口銀行入行。
阿武支店、福川支店長。防府市の自宅から通う。

 ―道の駅「ソレーネ周南」の駅長に今月1日に就きました。前駅長の二重在籍問題で駅長が2年8カ月間空席の続く異常事態がようやく解消されました。

 (前駅長在任中の)2015年度に赤字が出ました。しかし、翌年には黒字に戻り、それ以降も黒字経営を続けています。経営的には立ち直ったと受け止めていて、「火中のクリを拾う」といった悲壮感はありません。
 業績は今期も好調で来場者、売上高とも80万人、6億7,000万円だった前期を上回り、過去最高となる見通しです。
 15年度も売り上げは上がっていましたが、コストコントロールできずに赤字を招いただけで構造的に赤字体質だったわけではありません。現状では黒字で引継ぎましたし、従業員のコスト意識も高く、基本的にはこれまで通り続ければ大丈夫だと考えています。

 ―山口銀行福川支店(周南市)の支店長からの転身です。

 道の駅は支店管内にありますが、取引はありませんでした。当時支店として湯野温泉の活性化に取り組んでいて、その中で「道の駅と連携できないか」という話が検討課題として出ました。年80万人の集客力を誇る施設は地元観光業界にとって魅力的です。そんな折に駅長の話が舞い込み、「逆の立場にはなるが、地域活性化に貢献できる」と引き受けました。

 ―来場者増の理由をどう見ていますか。

 1つ目は幹線道の国道2号に面している地の利です。2つ目は主要施設の産直所の充実です。野菜のほか、鮮魚、精肉があり、生鮮3品がそろい、観光客だけでなく、地元住民が日常使いとして訪れます。

 ―ソレーネは「休憩」「情報発信」「地域連携」の道の駅基本3機能のほか、「福祉機能」に取り組んでいます。

 ヤマト運輸と協定を結び、宅配便のトラックが産直所に出荷する農家の農作物を集荷する事業を実践しています。農作物を運び込めない中山間地の高齢農家のための対策です。全国初の試みで、このシステムでグッドデザイン賞を受けました。
 移動販売も福祉機能の1つです。湯野・和田、鹿野・須金、大津島の3エリアに定期的に出向いています。
 平日には駅舎に看護師が常駐し、地域住民の健康、介護、生活相談に乗っています。

 ―トップとして将来的にどういう駅を目指しますか。

 道の駅は来場客、出荷者、納入業者、取引先、地域住民、従業員とさまざまな人に支えられています。そうした人々が幸せになれる魅力的な施設にしたいと思います。そのためにはコミュニケーションが欠かせません。コミュニケーションを密にして全員同じ方向を向いて進みます。