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地域貢献の原点に立脚

徳山大学
学長 高田 隆さん(65)

【PROFILE】たかた・たかし
神戸市生まれ。広島大歯学部卒。同大学院修了。
同学部長、副学長を経て4月1日より現職。

 ―学長就任の記者会見で建学精神の「地域貢献」に立ち返ると述べました。

 徳山大は1971年、当時の徳山市と市議会の要請で創立しました。建学の経緯に照らせば地域発展のために存在する大学と言えます。
 地域活性化には若い人の力が必要です。大学は若者の集合体。地域に根差し、貢献し、信頼され、輝く大学を目指します。

 ―若者の地元定着には何が必要ですか。

 ポイントは2つあります。1つ目は「人的つながり」です。地域の人と日常的にどれだけ関われるか。「この人とだったら一緒に仕事したい」と思えば地元定着が進みます。人との接点があれば化学反応が生まれます。2つ目は経済的な基盤。卒業生が充実した生活が送れる仕事が地元にあるかどうかです。
 徳山大には学生が主体的に地域に出て学び、地域活動を通じて課題解決を図るプログラムが充実しています。地域と学生、教職員の距離が短く、地域密着型の連携を促しやすい有利性があります。

 ―学生の地元就職を促すには「企業が欲しい人材」に育てなければなりません。

 周南地区はモノづくり産業でまずは理系の人材に需要があり、人文系学部中心の徳山大は一見不利に思えます。しかし、企業経営はマーケティングやコンサルティングなど人文系部門が少なくありません。近年はSDGs(持続可能な開発目標)に代表されるように課題解決には文理融合型の取り組みが必要で、人文系
の人材が活躍できる場は広がっています。
 個人的には地元の徳山高専との連携を深めたいと思っています。モノづくりの技術を持つ高専と経済、経営を教える徳山大の両高等教育機関が手を取り合い、企業にとって魅力的な人材を育てたいと考えています。

 ―教員の指導力が問われますね。

 学長として最初の仕事は教員一人一人との面接です。地域、企業の求める人材、需要に応えられる学内資源をどう生みだすのかについて認識を共有し、同じ方向を向いて歩みたいと思います。

 ―大学改革も考えていますか。

 学生の中で最も多いのがスポーツ特待生でその多くが経済学部に籍を置いています。現状の学部、学科構成で分かりにくくなっていないかどうかを検証したいと思います。
 大学の資源を活用して地域課題を地域と共に解決し、地域創生や「健幸都市」周南づくりに貢献している姿勢の見える大学にしたいと考えています。

 ―徳山大は2年後に創立50年を迎えます。

 次の50年に向けて長期ビジョンと短期目標を策定します。目標は数値化し、タイムラインも示します。これまでは目標を現状に合わせるきらいがあったかもしれませんが、今後は大学の理念やビジョンに基づいた運営をより一層強化したいと思います。