トップインタビュー

差別化で生き残り図る

リフォーム・内外装業「イシン」社長(周南市)

藤井文雄さん(62)

【PROFILE】ふじい・ふみお
1957年周南市生まれ。東京理科大理工学部情報科学科卒。’83年入社。
専務を経て’96年から現職。創業者は祖父の故三吉氏。


―経済活動における「過剰」について問題意識を持っていると聞きました。

 衣食住すべてで過剰供給が目につきます。「食」で言えば恵方巻きで注目を集めた食品ロスの問題。われわれの関わる「住」も空き家問題などは少子高齢化、核家族化を見越せていない住宅・マンションの過剰供給が根底にあります。
 高度成長期の「大量生産大量消費」の時代は終わり、その弊害も教訓として学んだはずなのにわれわれは再び同じ過ちを繰り返しています。
 コンビエンスストア「セブンイレブン」の生みの親、鈴木敏文氏が以前に著書で「売り切れを喜んではいけない。売り切れは実は『販売ロス』。もっと在庫があればもっと売れたのだから」と述べています。その時はその考えに共鳴しましたが、今は時代が違います。「過剰イコール無駄」。当社は今年創業90周年を迎えますが、過剰と無駄の抑制を経営に取り込む考えです。

―企業経営にも「過剰」「無駄」は見受けられますか。

 例えば受注の時期的な偏りです。繁忙期と閑散期が入り混じると、人員の不足、余剰を繰り返し、非効率になります。移動時間のロスもあります。現場が遠いとそれだけ移動に時間がかかり、生産性が落ちます。味の素が会議と移動を「時間泥棒」と見なし、会議の絞り込み、「直行直帰」の奨励に取り組んでいる記事を見ましたが、参考になりました。

―ただリフォーム・内外装業は請負業ですから基本的に顧客の都合が最優先になり、仕事の時期や場所を主体的に選びにくいのではありませんか。

 そういう側面は確かにあります。官公庁から受ける仕事も年度末に集中するし、お世話になっている元請け会社が遠隔地で仕事を取ったら付いていかなくてはなりません。そうした中でも無駄を省いて生産性を上げる方策を考えなければなりません。

―具体的には。

 同業他社との差別化を図り、他社が入ってこられないような参入障壁を高めたいと思います。工場や事業所の床の改修工事は主力事業の1つですが、下地処理から表面仕上げまで他社にない多様な技術を持っています。下地材や仕上げ材・工法・それらの組み合わせに独自のノウハウがあり、モルタル塗りなら仕上げまで1週間かかるところを、特殊樹脂材の組み合わせで、ひと晩で仕上げることができます。
 過剰、無駄の抑制も他社との差別化もすべて生産性向上につながります。社員には安定した雇用、安定した収入を提供したいと思っていて、その「安定」をいかに継続させるかに心を砕いています。