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利益は社員と地域に

建材販売業「ニッシンイクス」社長(周南市)

加藤 洋さん(72)

【PROFILE】かとう・ひろし
1946年広島県呉市生まれ。高校卒業まで周南市で暮らす。
日進工業(下松市)常務。同社建材事業部を発展的解消し2000年創業。


―社員待遇は大手企業と肩を並べる水準で社員を大切にする印象があります。

 社員の平均年齢は38歳(平均勤続年数5.8年)で平均年収は600万円に迫ります。
 手当も家賃補助が東京赴任なら家族同居で月10万円、単身で月7万円です。単身なら家賃手当と別に月12万円を補助します。
 長期入院した場合、国が基本給の6割を補てんしますが、残りの4割を会社が持ち、基本給全額を保証します。子育て支援として1人出産で3万円、2人目で20万円、3人目で50万円を支給します。育児休暇は2年半取れます。教育手当も子が小中学生なら月3,000円、高校生なら月5,000円、大学生なら月1万5,000円を出します。
 持ち家支援として新築住宅購入で月1万3,000円、中古住宅で月6,000円ずつローン返済が終わるまで支給します。

―厚遇は優秀な人材を確保する手段と位置づけられています。

 社員に安心して働ける安定した生活基盤を提供すれば一生懸命仕事に打ち込んでくれます。定年は65歳で最長で75歳まで働けます。働き方改革も進め、月の平均残業時間は10時間に抑えています。
 かつて女性従業員を準社員で雇いましたが、「同じ仕事をしているのに待遇に差が付くのはおかしい」と思い、正社員に引き上げました。「同一労働同一賃金」という言葉がなかったころの話です。

―「利益の循環」を企業思想に掲げています。

 商品をお客さまに買っていただくことで社会から利益をいただき、それが報酬となって社会に還元され、寄付となって社会に還元する。それで私たちはまた新たな経済的恩恵を受けられる。利益は循環し、人々に幸せが行き渡ります。

―そのためには企業としてもうけなくてはなりません。

 主力商品は無垢(むく)の床材、パネル材などの高級建材です。デザイン力が強みで高付加価値の商品を開発し、収益性を高めたいと思います。デザインはすぐ陳腐化し、常に市場の一歩先を行く商品を提案し、差別化を図りたい。
 主要市場は東京で売り上げ全体の5割を占めます。東京は五輪を控え、再開発ラッシュで高層ビル、大型商業施設が次々に建設されています。商品を納める飲食店や販売店の入店が相次ぎ、見通しは明るいと考えています。

―東京が主戦場なら本社を向こうに移した方が有利でしょう。

 私は徳山で育ちました。古里に恩返ししたい。「利益は社員と地域に」が基本的な考えです。地元の人間を雇って地域経済に貢献したいと思っています。