一言進言

住みよくなっていない周南市

~まちづくり総合計画いかに肉付けするか~

周南地区はコンビナートのお陰で、比較的豊かな地域だ。いわゆる上場企業に勤めていれば、安定した生活ができる。しかし、下請け、孫請け企業に働く若者は、夫婦共働きでないと、子どもを大学に進学させるのは難しい。そして全国がそうであるように、大半は下請け、孫請けで働く若者だ。専門学校でも少々のお金がかかる。3人の子どもを抱えるのは大層な覚悟が必要だ。教育費を考えるとちゅうちょせざるを得ない。
■各自治体も子育て支援をと、あの手この手を考える。相談室を作ったり、保育園の待機児童ゼロを目指したり、医療費の無料化を促進したりと、そこそこに対応するが、少子化の波は中々収まらない。しかし、全国の自治体の中には、出生率を上げたり、若者定住を増やしているところもある。なぜか?
■先ずは、金太郎飴的な子育て支援から抜け出したサービスを展開している。所得制限なしで中学校卒業まで医療費無料にしたり、共働き夫婦が安価に生活できる公的住居を提供したり、三世代同居家庭へ援助策を講じたり、中には帰郷して参加する人が2割以上の同窓会に、1人2千円を補助する自治体まである。
■「周南市まちづくり総合計画・後期基本計画」(素案)を見た。どこの自治体でもありそうな計画で、いかにも総花的だ。これから肉付けするというが、協議に参加する人たちの中に、どれだけこの地域を知っている人がいるのか、どれだけ全国の例を勉強している人がいるのか、アイデア豊富な人が参加しているのか、地方自治を語れる人は数少ないだろう。
■ほとんどの審議会がそうであるように、市役所のプランが大幅に変わった審議会は皆無に近い。シビックプライドを高める、とある。要するに質の高い周南市にすることのようだ。主な取り組みとして、「日常をときほぐす観光」とある。なるほど。さあ!みなさんご意見を!
■市民アンケートの結果が出た。「わが市は、総合計画にのっとり粛々と実践してきたのであります」行政の答弁は予想できる。結果はこの5年間で、まあ住みよいと答えた人は減った。住み続けたい人も減った。効果は少なかったわけだ。審議する人たちにお願いしたい。もっと頭が一つも二つも飛び出した、突出した総合計画案の作成を。きれいな文章だけでは、地域は救えない時代だ。総合計画・前期計画は、はっきり言って成功していない。(中島進)

少子化対策は何番目?

~自慢話と批判ばかりの選挙にするな~

1974年、元NHKアナウンサーだった宮田輝さんが、参議院選挙全国区に出馬、259万票の最高得票を獲得して当選した。タレント候補の先駆けだった。全国を巡回した「ふるさとの歌まつり」で有名だった。以来、参議院選挙で多くのタレント候補が出馬、毎回話題はそこに集中した。

 タレント候補がすべて悪いわけではない。中には長く国会議員を務め、それなりの論陣を張る人も少なくない。参議院は良識の府と言われてきた。党の言いなりではなく、その個性を大事にして、様々な考え方を披歴する場所として政党人でないタレント候補に期待する向きもあった。

 最近の国会は残念ながら、各党のコピー担当のような議員ばかりになった。参議院不要論まで出てくる始末だ。今回も掲げる公約は政党の枠からはみ出さない。はみ出さないばかりか、国難と言われる少子化対策は誰も真剣に触れていない。各政党もどうしたんだろうか。与党は自慢話ばかり、野党は批判ばかり。

 年金だけでは2,000万円足りる、足らない話は意味が分からない。富裕層のお年寄りと、貧乏なお年寄りがいるのは分かっている。国民年金では生活なんかできないのも分かっている。若者は少なくなって、負担が重くかかるのも分かっている。いつの間にやら年金の支払いはどんどん増えているが、国民は怒らない。みんな承知している。

 百年安心な年金制度は、今のままではあり得ない。子どもを増やし、年金支払者を将来増やさない限り、年金制度は持たないのも分かっている。株を買って儲けると言うが、百年上がり続けると言うのか。とにかく、子どもを増やさないと何もかも夢物語だ。驚くことは、この少子化でも経済の発展は可能だと語る候補者が多いことだ。

 人口が激減しても経済は発展し続けると語る根拠は、私には分からない。どの政党も少子化対策は付け足しのようだ。1人若者が増えると、生涯で平均でも5,000万円保険料など含め税金収入が増えると聞いている。地方は特に深刻だ。子どもを増やし、労働人口を増やすことが一番の課題だ。20年後を見据えた施策がなぜ出ない。3人目の子どもを産んでもなんの援護策もない我が国は、衰退の道しかないと思うのは国賊か?それとも反日か?

 オーストラリアでタクシードライバーに聞いたことがある。子どもを3人作れば働かなくても何とか暮らせる程度の援助があると。先にフランスの例を書いたが、シングルマザーだと子ども1人で月18万円の援助があるという。経済大国と威張るなら、少子化対策で大国を目指せ。北朝鮮や中国の脅威対策も大切だが、将来の国内の脅威に先ずは立ち向かおう。(中島進)

繰り返すミスは何故か?

~教訓はどこに?~

周南市は官製談合事件を受けて昨年、文化会館で2回に分け、全職員対象にコンプライアンスの講演会を開いた。内容も講師も秘密で、これがコンプライアンスかと思ったが、案の定、職員にはその趣旨は届いていなかった。コンプライアンスは危機管理、法令順守など基本的なことをしっかり守ろうというものだ。
■久米の道路工事で、区画整理課が積算したが、先ずは入札前に間違いが見つかり、入札を延期した。その後チェックしたからと今度は公開入札を実施した。渡辺建設が落札、やれやれと思っていたら、他の業者から間違いを指摘され、落札を取り消した。
■官製談合事件では、積算間違いを見つけながら再入札は問題が大きくなるからと、そのままスルーした。民間業者でも見つけられる間違いをスルーした結末は、職員逮捕だった。あれだけの大事件の直後に、また同じ過ちを繰り返す周南市は、いったいどうなっているのだろうか。公務員は狭き門だ。優秀な人材がそろっているはずだ。
■緩んでいる。職場の雰囲気はどうなんだろうか。指導する立場の管理職が緩んでいるからか。血税を使っている緊張感に欠けているのか。勉強不足か。チェック機能が働かないのは何故か?これは今回積算した区画整理課だけの問題か。周南市全体の問題か?
■ここ数年、周南市では市長が陳謝する問題が多発した。藤井市長は就任早々頭を抱えることになった。市長として取り組むべき問題は、職員の意識改革だろう。新聞も読まない行政マンも急増している。市民がどんな活動をしているか、どんな感覚で行政を見ているか、まずはキャッチすることも大切だ。市民の目を意識した行政マンにならないと、共助の精神は生まれない。「共に」は職員同士のなれ合いを目指すものではなかったはずだ。
■ミスは誰にでもあるが、ミスを防ぐためにチェックリストを作成したり、民間は最大限の工夫をしている。民間に学ぶことも肝要だ。管理職の役割も大きい。元は優秀な人材の集団だ。副市長を中心に、庁内改革のプロジェクトチームを早急に立ち上げることも必要だ。藤井新市長も頭を休める暇がない。(中島進)