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県教委、検証委の結論否定

[金曜記者レポート]
周南市の高2生いじめ自殺
教諭の言動「いじめに当たらず」

 周南市の県立高2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、県教委は、当時の部活動顧問教諭の言動をいじめと事実上認めた県いじめ調査検証委員会の報告書と異なる見解を示し、教諭の懲戒処分を見送った。法的機関に当たる第三者委員会の結論を否定したと受け取れ、委員会制度の趣旨が骨抜きになる可能性がある。(井藤進吾)

 顧問教諭の言動とそれを巡る検証委と県教委の結論は表の通り。検証委が教諭らの5つの言動を「いじめに類する行為に当たる」と認定したのに対し、県教委は教諭の処分を決める調査で「いじめに類する行為に当たらない」と否定する結論を出した。
 県教委は7月、教諭の懲戒処分を見送り、生徒が熱中症で気分を悪くした時や他の運動部から転部してきた際に保護者、管理職への報告が不十分だったとする別の理由で厳重注意とした。 
 県教委は「検証委の報告書は尊重するが、複数の教職員に聞き取り調査をして得た証言に基づき、県教委の指針に照らし、懲戒処分には至らなかった」と述べている。
 検証委はいじめ防止対策推進法に基づいて村岡知事の付属機関として設けられている。委員は学者ら識者5人で知事が任命した。今年2月、生徒が同級生らからいじめを受けて自殺に追い込まれたと認定した上で教諭の言動を事実上いじめと認める報告書をまとめた。
 県教委の判断が検証委の認定と食い違うことについて、県教委、県とも「調査の目的が異なる」として矛盾しない立場を崩していない。
 関係者の一人は「法律の要請で設置された知事の付属機関の出した結論が、県の教育行政を担う県教委に否定され、第三者の意見を行政に反映させる委員会制度が形骸化し得る」と指摘する。
 報道によると、生徒の遺族も「報告書で指摘された教員への処分がなく、憤慨している」とするコメントを発表した。
 生徒は2016年7月、JR櫛ケ浜駅で線路に飛び込み、列車にはねられて死亡した。当時の校長(60)は監督責任を問われ、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とされている。

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