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空き家市場を活性化

みゆきはうす(周南市)代表

泉 美由紀さん

【PROFILE】いずみ・みゆき
北九州市生まれ。
周南市で工務店、不動産買い取り会社勤務を経て2009年起業。


 ―空き家の増加に懸念を示しているそうですね。

 空き家は全国的に増加傾向にあり、周南市も例外ではありません。古い数字ですが、周南市の2013年の空き家は1万150戸で全住宅に占める空き家率は14.1%。10年前の03年より2,940戸増え、率も3.0ポイント上昇しました。
 山口県内では空き家は12万7,000戸(18年)あります。空き家率は17.6%で7軒に1軒が空き家に当たる計算です。

 ―増加の理由は核家族化の進展です。

 それは日常の取引を通じても感じます。今は基本的に子世代は親世代と別居しています。親が亡くなったら遠方に住む子世代が実家を維持できず、売りに出すケースが多く見られます。

 ―空き家問題は社会問題化しています。

 住人を失って手入れの行き届かなくなった庭木が隣家の敷地や道路に伸びてきたり、軒下にハチの巣ができたりで近所迷惑になる場合があります。防犯上の問題もあり、無視できない地域課題になっています。

 ―周南市も07年度に空き家バンク制度をスタートさせて対策を講じていますが、これまで登録106軒のうち売買成約が4分の1に満たない26軒にとどまっています。

 空き家にどう付加価値を付けられるかだと思います。ただの中古物件の売買では買い手の触手が伸びません。
 当社は自社で買い取って再販する住宅は基本的に本格リフォームし、既存住宅瑕疵(かし)保証保険制度の適用を受けています。引き渡し後、雨漏れなどの事故が発生した場合に修理費などを保証する制度です。
 制度の適用を受けるには厳しい審査をパスしなければなりません。建物にわずかな傾きがあったり、基礎にひびが入っていたりしたらリフォームのやり直しを求められます。合格したら「優良中古住宅」のお墨付きを得られ、買い主に自信を持って引き渡せます。

 ―安全・安心を付加価値にするのですね。

 3階建てのテナントビルを一戸建て住宅にモデルチェンジし、売却につなげたこともあります。ビルはJR徳山駅近くにあり、立地は申し分なかったのですが、老朽化してテナントが入らず、売りに出されていました。
 周南市は分譲マンションは苦戦していますが、一戸建ては立地が良ければ底堅い需要があります。商業ビルとしては展望は開けませんでしたが、「一戸建てで売り出せば商機はある」と踏み、本格改造し、成約にこぎ着けました。これも商業ビルを住宅に変身させる付加価値を付けた成功例です。
 空き家物件の取引には積極的に取り組んでいます。空き家市場を活性化させ、結果として空き家問題の軽減に貢献したいと思っています。