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野犬にも「住みよい街」?

【金曜記者レポート】
下松市・野犬対策強化の周南市から流入増か
対策は捕獲おりだけ

 人にとっても犬にとっても下松市は“住みよい街”なのか。周南市で野犬対策が本格化する中、同市と平野続きの下松市で野犬の姿が増えており、市民から「人口が増えるのはいいが、野犬まで増えては困る」の声や「周南市から野犬の侵入阻止に、米トランプ政権の国境の壁のように市境にフェンスを設けて」と本気とも冗談ともつかない切実な願いが増え、行政の対応が問われている。(山上達也)

野犬対策の強化を訴える自治会長(8月20日・花岡公民館)

市境越えて野犬が「大移動」

 8月20日夜、花岡公民館で開かれた花岡地区自治会連合会(風井啓二会長、56自治会)主催の自治会長と地元市議・警察との懇談会で、自治会長の一人が「野犬が増えて困る。まるで周南市の野犬対策が本格化し始めたためとしか思えないぐらいだ。市はどんな対策をとっているのか」と切実な声をあげた。
 同地区は周南市久米地区と市境を接しており、国道だけでなく道幅の狭い数多くの市道も両地区にまたがっていて、車や自転車、人の行き来も多い。人間でさえどこが市境がわからないほどで、野犬の移動はごく自然なものといえる。
 金藤哲夫市議は「市は環境推進課でこの問題を扱っており、野犬捕獲用のおりも貸し出している。ぜひ連絡をとってほしい」と提案していた。

華陵高に野犬出没、生徒「怖い」

 一方、8月22日に市議会が本会議場で開いた「高校生との意見交換会」でも、花岡地区にある華陵高の岡村泉珠生徒会長が「学校のグラウンドに野犬の集団が現れて怖い。犬のフンで部活動に支障が出ている」と訴え、里親制度の充実などを提案した。
 議会側は「皆さんが安心して学校生活が送れるように執行部に対策を取るよう伝える」と答えていた。
 市環境推進課によると市は野犬捕獲おりを18台保有し、うち14台を現在貸し出している。おりは個人でも自治会でも貸し出しを請求できるが、設置する土地の所有者の了解が必要。貸出期間は1カ月だか延長も可能。
 毎月おりで4~5頭ほど捕獲できるが、大半は警戒心のない子犬で、成犬がかかることはまれ。おりにかかった野犬は県が引き取って里親探しなどをしている。ネコなど犬以外の動物がかかった場合は「目的外の動物」として放している。

当面は「地道な対策」

 昨年は周南3市で962頭の野犬が捕獲されたが、うち135頭は下松市内。市内で最も野犬が多く見られるのは花岡地区のほか、以前から野犬が住み着く下松第2ふ頭周辺、捨て犬の多い笠戸島。とくに笠戸島は愛犬家がえさやりに来るケースが後を絶たない。
 下松市は県内の市町では唯一、人口の微増が続き、東洋経済新報社の「住みよさランキング」では全国815市・特別区の中で22位という“地方都市の優等生”だ。しかし野犬にとっても「住みよい街」では本末転倒。
 今後はどんな対策が考えられるのか。華陵高のように差し迫ったケースもあり、市環境推進課は「おりの設置など地道な対策で野犬の増加を抑え込むしかない」と話している。

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