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山間部の情報伝達課題

【金曜記者レポート】
周南市の防災無線新システム

 今春、スタートした周南市の防災情報収集伝達システムで、熊毛、鹿野地区に屋外拡声スピーカーがほとんど設置されていない問題が9月議会の一般質問で取り上げられた。両地区には旧町時代にアナログ式の防災無線のスピーカーが設置されているが、国の法令改正でアナログ式は2022年11月30日までしか使用できない。市は防災無線に代わって防災ラジオの普及を進める計画だが、それで十分なのか、議論となっている。(延安弘行)

アナログ式はあと3年

 この問題を取り上げたのは熊毛地区の尾崎隆則議員(一心会)。アナログ式のスピーカーは熊毛地区に33カ所あるが、デジタル式の新システムのスピーカーは避難所となる学校などの8カ所、鹿野地区はアナログ式は45カ所にスピーカーがあるがデジタル式はコアプラザかのの1カ所だけ。避難の呼びかけなどの情報はスピーカーの周囲しか聞こえず、アナログ式がこのまま使用できなくなることに尾崎議員は「高齢化世帯が中心の山間部は切り捨てるのか」とただした。
 これに対して山本敏明行政管理部長はアナログ式からデジタル式への切り替えはすべての機器の取り換えが必要でポールも老朽化していることや、新システムでは高潮や津波などの危険がある沿岸部に集中的にスピーカーを整備し、豪雨、土砂崩れなどの危険性が高い山間部は屋内にいる人が情報を得やすい防災ラジオの配置、購入を促進していることを説明した。

アナログ式のスピーカー=大河内市民センター

「防災ラジオを無償で」

 防災ラジオはFM放送を受信するもので、緊急時に自動的にスイッチが入って大音量で避難情報などを聞くことができ、昨年、750台を公共施設に配置し、民生児童委員に貸与した。今年4月からは市民に市が補助することで2千円で購入できるようにして購入者を募集、千台の募集に対して2千台の応募があった。このため千台は計画通り、希望者に購入してもらい、購入できなかった千台と追加の千台を合わせて2千台分の予算を補正して9月2日から30日まで再募集をしている。
 これに対し、尾崎議員は山間部の高齢者世帯に無償で配備するよう提案。「市長の政治判断が期待されている」と迫り、藤井市長は「システムがスタートしたばかりであり、システム運用について意見、要望を聞いて見直しを検討したい」と答弁した。
 尾崎議員は今回の答弁を昨年の6月議会の木村健一郎市長時代の答弁とほとんど変わらないと指摘し、12月議会までに市長、副市長がアナログ式のスピーカーが立つ現地を訪れるよう求めた。
 同市の防災情報収集伝達システムは16億8千万円をかけて整備した最新のシステム。しかし運用は始まったばかり。訓練を重ねるとともに、新たな技術の進歩も取り入れて改良を加えることが不可欠。また同市の世帯数は6万8,260世帯(7月31日現在)。今後、防災ラジオをどう普及させるのかも課題と言えそう。山間部には本当に防災無線のスピーカーは不要なのかも含めて開かれた場での議論が求められている。

【きょうの紙面】
(2)周南市が観光ビジョン2020策定へ
(3)防長交通が10月から路線バス運賃改定
(4)斎藤さん支援のチームが鈴鹿8耐決勝進出
(5)徳山中央病院で防災学ぶ市民講座

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