一言進言

被災者の生の声を聞いてみたら?

~体験者しか恐怖はわからない~

いは忘れたころやって来ると思いきや、忘れる間もなくやって来た。昨年は西日本大豪雨、今回は千葉県中心に襲った台風15号が後遺症を残したまま、19号で東北一帯が大惨事になった。九州は熊本地震に始まりいたるところが被害を受けた。枚挙に困らないほど全国で痛い目にあった。自然の猛威に日本列島は疲れ切っている。
水温度が上昇し、水蒸気が空にたまり、一気に雨となって降り注ぐ。わかりきった話だが、世界が一致して温暖化対策に取り組むことにならない。米国のトランプ大統領に遠慮してか、日本もそのグループに属さない。温暖化対策を最重点にするのではなく、まだ原発に望みを残しているようだ。中国など10億人をはるかに超える人々が車に乗り出し、地球上の排気ガスはうなぎ上りに増えている。確かに日本だけが頑張っても地球はきれいにならない。
間の営みが、この大災害の大きな原因とすれば、輪廻転生と言うべきなのか。世界中の異常気象は止まることを知らない。便利さとお金に目がくらんだ人間の所業は、自然への挑戦状だった。応えて自然は闘いを挑んできた。勝てるわけがない戦いに挑戦している。堤防を高くしたり、地下にとてつもない排水路を作ったり。
と昔前、日本列島は公害で揺れていた。光化学スモッグ情報が連日話題になった。水俣病が引き金になって、公害は社会悪として認知された。地球温暖化は目に見えにくかったが、災害で初めて体験することになった。地球規模だけに厄介だ。夏の猛暑だけでは意識が高まらない。未だに温暖化は問題ないと言う国家があるから、余計厄介だ。社会悪に認定されるまで、この現象はひどくなるばかりだ。
ゃあどうすれば良いのか。仕事を終えて車で帰宅途中の妻は、必死で夫に助けを求めるが、濁流にのみこまれた車に近づくこともできない。「もう危ないから来ないで」を最後に妻は流されていった。かって経験したことがないことには人間は無力だ。戦争の語り部のように、罹災した人たちの経験談を聞くことでしか、我がことのように災害を受け止めないだろう。
ザードマップももちろん大切だが、これだけの災害を経験した人がいるのだから、その恐ろしさを伝える語り部を呼ぶことだ。生の声を聞くことで、わしらは大丈夫だ、と安全を疑わない多くの人たちの意識を変えることだ。「命を守る行動をしてください」懸命に呼びかけるアナウンサーの声に反応しない人がいかに多かったか。生の声を聞いたことがないからでは。(中島進)