一言進言

消費税にも無関心?

~1億総ミーハー時代に~

「山が動いた」―社会党の土井たか子委員長は胸を張った。売上税導入をめぐり、社会党が一気に議席を伸ばし、参院選で自民党が過半数を割り、与野党逆転になった。国民は怒り、自民党にお灸をすえた。平成元年のことだった。あれから30年余りが経ち、国民は消費税で怒ることはなくなった。不祥事は後を絶たないが、怒ることはなくなった。
貧富の差が激しくなったとマスコミは書き立てるが、怒りの声が大きくなることがない。派遣が広がり、フードバンクが登場するなど低所得者は急増しているはずだが、怒りの矛先は政府に向かない。若者はいまの生活に満足しているとのアンケート結果もある。
だからか、あらゆる選挙の投票率が激減している。怒らない日本人は、現状で満足しているのか。国政選挙のみならず、地方選挙も投票者が少なくなった。関電の3億5千万円ものお金の還流事件にも無関心なんだろう。高い電気代を払っているのに、その一部が関電の偉い人たちに渡されていたが、怒る国民は少数なんだろう。
その結果、ざっとだが、最近は有権者の4分の1の人に選ばれた人たちが国会議員になり、県知事になり、市長になる。国や地方の最高権力者たちが、だ。前から1億総ミーハーになったか、と書いているが、大げさすぎるが歯がゆい状況に変わりない。
消費税増税で、巷は大混乱だ。カード決済すれば5パーセント戻るとか、お店によっては2パーセントだけがあったりでわけがわからない。確かなのはやたらレシートが長くなったことか。買ったものを店内で食べると10パーセントとか、従来の生活パターンでは理解できなくなった。試しにpaypayで買い物してみたが、店員さんも戸惑い、返金やら何やかんやで、1時間ぐらい騒動した。
でも国民は怒らない。お年寄りは鼻からカード決済をあきらめている、こんな複雑で小手先のサービスを振り回す政府になぜ怒らない。いつの間にか介護保険料も上がった。現場の介護士の待遇は改善されたのか。一体国の外郭団体はどれだけあって、どのくらいお金を使っているのだろうか。無駄はないのか。
長いこと地方紙を作ってきたが、こんなに地域に関心を持つ人が激減した現象は想定外だ。政治にも、行政にも興味を持たない。公務員そのものが、地域に関心を持たなくなってきた。淡々と目の前の仕事をさばくだけの行政マンがこんなに増えることも想定外だ。ラグビーワールドカップであれだけ熱狂できる日本人が、政治や地域には冷めきっている。やっぱり1億総ミーハーか?。(中島 進)