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鉄道車両製造に高い技術

「現代の名工」に渡辺さん(日立笠戸)
安全、品質、効率向上に尽力

 卓越した第一線の技能者を賛える今年度の厚生労働省の“現代の名工”に周南地域から下松市の日立製作所笠戸事業所(三浦淳事業所長)の車両製造部主任、渡辺智二さん(54)=光市三井=が選ばれた。表彰式は11日、東京都新宿区のリーガロイヤルホテル東京で開かれる。
 現代の名工は最高水準の技能労働者を表彰するもの。県内では渡辺さんら2人、全国では150人が受賞。これで県内の受賞者は計62人になった。同事業所では2016年の大谷時博さん以来16人目の受賞。

受賞を喜ぶ渡辺さん

 渡辺さんは下松工高電気科を卒業した1984年に入社。光の自宅から下松工高に通学する電車の窓から見える同事業所の姿に「ここで働きたい」と意欲がわいたのが入社のきっかけだった。
 入社直後、電気溶接を勉強して85年の技能五輪に出場し、4位入賞。しかし翌年、腰を痛めて出場を断念したのを機に溶接から鉄道車両の内装に職場を移って16年間務めた。さらに塗装も5年間経験し、その後は車両生産ラインの増設を担当する部門に就いた。
 当時は英国や台湾から鉄道車両の大量受注で生産量の増加が求められていた時期。渡辺さんは「溶接、内装、塗装を経験したからこそ生産ラインの増設を現場の目線で計画できた」と振り返り、宮崎県にあった日立のテレビ工場から配置転換で笠戸事業所に来た約30人を技術者に育てる先生役も務めた。
 その結果、安全、品質、効率面の水準を向上させ、工場生産能力も2倍に引き上げた。
 現在では全社でもわずかな技術者最高の称号の“工師”に認証され、25人の生産組長を介して技能者約800人を指揮する立場だ。
 受賞に「鉄道は迅速、快適、正確に人や物を運ぶ最高の交通手段。多くの先輩、上司、同僚の指導や協力なしには受賞できなかった。これからは昔のように“俺の背中を見て覚えろ”ではなく、若い世代に親身にていねいに技能を伝承し、誇りある鉄道車両の製造のバトンを渡したい」と話している。

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