一言進言

今年1年ありがとうございました

~常に変化する周南地区を願う~

「令」が今年の漢字なら「新」がわが社の漢字だろう。高齢化社会に突入して、65歳以上が成人の半分以上になった。AIとか何とかで、世界は総デジタル化を目指している。しかしシニア世代はアナログの中で育ち、老いてきた。情報過疎化がどんどん進んできた。行政情報も、店舗情報もみんなホームページ見てくださいとなった。


今年7月、わが社のスタッフと外部のスタッフが集まりR70プロジェクトを立ち上げた。そして9月末、「R70」をついに創刊した。多くの地元企業、大手企業からの支援も受けた。全国でも珍しいシニア世代向けのフリーペーパーだ。財政も緊迫、地方自治体も高齢者に今までのような対応はできない。お金で助けるのが難しい。「R70」をもって、情報でシニア世代を応援することにした。


この新たな企画に、行政も、警察も、医師会も、社会福祉協議会も、老人クラブも賛同し、実に多彩な情報をペーパーで届けることが可能になった。近鉄松下百貨店が無くなり、シニア世代が街中を歩くことがめっきり減った。街中のイベントも若者対象が多かったが、これからは一部シニア世代向けも投入できることになった。


もう一つ新しい出来事は、周南市長が新しくなった。藤井律子市長誕生で変化が生まれる可能性が出てきた。望むべきことは行政の体質を変えてくれることだ。合併によっていびつな人事が16年間続いた。副市長はほとんど旧新南陽市出身者が占め、幹部は全てと言っていいぐらい旧新南陽市組が握った。長く地方自治を取材してきた身からは、確かに弊害が加速度的に発生した感はいなめない。


副市長も県職員出身で、しがらみが無い。新しい風が吹くことは間違いない。周南地区で最も大規模な組織の周南市だけに、一挙に変えることは難しいが、仕事ができ、頭がシャープな人物が管理職につく、当たり前のシステムになれば、職員の意識も変わるだろう。


令和元年も終わる。平成の30年間で最も変化したのが下松市だった。地域格差は顕著だが、人口を増やした変化はあっぱれだった。しかし、周南地区で言えば、毎年1,500人もの人口減であえいでいる。常に変化し続けることが大事だ。これからの30年間で、周南3市が画期的な連携を組み、周南地区で働きたい、生活したい市民を増やすために大胆な改革ができれば、と願うばかりだ。合併騒動から16年。2万人を超える市民が消滅した。特に若者が。


今年1年、「日刊新周南」ご愛読ありがとうございました。私たちも常に変化して、生活に必要な情報を提供し続けます。よろしくお願いいたします。

(中島 

シティープロモーションより先に

~実情をしっかり把握せよ~

シティープロモーションが大流行(はや)りだ。全国の自治体が「シティープロモーションを」と言い出した。中身を聞くと、もともと各自治体が取り組んできたことをカタカナに言い換えただけで、別に目新しいことではない。誇りが持てるわが町を、もっと認知度を上げることが大切だ、などを「シビックプライド」「シティープロモーション」と言っている。カッコよさを狙ったのか。

周南市は前市長時代に「しゅうニャン市」キャンペーンで大金を投じた。しかし市民の間で賛成派と、市の誇りを馬鹿にしたとの反対派に分かれてしまった。この時点で「シビックプライド」を語れなくなった。専門家によれば「シビックプライド」はシティープロモーションの欠かせない大切な要素だ。

下松市も光市も負けじとシティープロモーションに取り組んでいる。光市は「おっぱい宣言」で愛情いっぱいの子育ての大切さを訴えたり、市民ぐるみのウエディングで街を盛り上げた。下松市は日立の英国向け車両を日中に公開出荷して3万5千人もの見物客が訪れ、ものづくりの市として全国的に名を広めた。

皮肉にも周南市は野犬がのさばっている街として有名になった。民放各局が取り上げて、全国版になって、猫のように自由に歩ける街として展開した「しゅうニャン市」キャンペーンは、今春の市長選と共に消滅した。しかし、周南市の認知度は上がった。テレビの持つ力を改めて思い知らされた。逆に、上手なパブリシティの使い方で、シティープロモーションできることも示された。

地方都市の課題は明白で、若者定住と少子化対策だ。そのためのシティープロモーションはどうあるべきか考えることだ。1歳になる子どもを抱えた人から嘆きの声が届いた。新南陽地区だが、職場復帰しようにも保育園はすでに8人待ちで入所できる可能性は薄いという。たちまち生活に困窮すると訴える。これでは若者にふるさとに帰れと言えない。窓口職員のつれなさも怒りの対象だ。

待機児童ゼロと言うのはどこの根拠から言えるのか。庁舎の豪華さを競うより、目の前の子育てに悩む若者を救うことが先決だ。熊毛地区の保育園では雨漏りが激しく、父母の悩みは大きい。誇りの持てる故郷にすることが肝要だ。それが「シビックプライド」を育む。働くこともままならない現実に行政の壁は厚すぎる。先ずは実情をしっかり把握することだ。シティープロモーションはそれからだ。


(中島進)