一言進言

AIは人間を幸せにするのか?

~感性が大事な世界へ~

年明けの新聞などの特集に必ず登場するのがAI(人工知能)時代の到来だ。何もかも便利になることが最優先時代だ。車の自動運転から始まり、婚活までがAIで決める時代になった。そのため多くの企業が希望退職者を募り、中高年社員のリストラを始めているという。AIが理解できる若者を高額で採用するためだという。

25年前、携帯電話が出始めたころ、かかってきた相手に「おう!ようここにおるのがわかったの」と応えている仲間に、一同大笑いしたのは大昔の話のようだ。そのうちスマホが登場、電話と言えない機能が満載で、パソコンを持ち歩くことと同じ状態になった。

確かに企業は将来的にも収益を上げることが一番の目的だ。AIの波に乗り遅れることがあってはならない。だが、そこに人間の感性を求めない企業は本当に楽しいのか。便利さだけを追求する世界は本当に人間を幸せにできるのか。遺伝子操作で食べ物を作ることが素晴らしいことなのか。

カフェでカップルが、目の前の相手とラインなどで会話しているのを見て、楽しさを共感できないのは、アナログ世代の悲哀なのか。確かに機械は発達するが、人間力は同時に発達するとは思えない。家に帰って「テレビ」と言えばテレビが点く、何もかも自動だ。ニュースだって勝手にスマホに入ってくる。家の明かりもたまには暗くしたいときもある。

「日刊新周南」のような小新聞は、アナログ世界が主流だ。パソコンで編集しているが、取材は全て人間が出向いてする。取材先の選定も感性の赴くとこで決まる。もちろん記事も記者の感性が大きく左右する。配達も人間の足でしかできない。配達する人も人の子、たまに入れ忘れたりする。お叱りを受けて購読中止になったりもする。

孫が載っていたとおじいちゃんが新聞をと来社する。行政、政治のここがおかしいと指摘する。そのうち是正され市民が喜ぶ。感性だけが頼りの新聞づくりは楽しみ方が違う。AIでは味わえない世界がある。手間ひまが膨大にかかり、儲かることがない仕事だが、アナログ世界は不滅だ。


(中島 進)