ヘッドラインニュース

周南市は県外業者に「丸投げ」

特別定額給付金支給

光、下松市に10日以上遅れ

下松市の発送作業で激励する国井市長(12日)

 日本に住んでいる人に10万円を支給する特別定額給付金の申請書類の発送が始まった。周南市は29日(金)の発送を予定しているが、作業の大半を随意契約で県外の業者に委託する「丸投げ」で作業を進めていることがわかった。このことは市議会でも詳細な説明はなく、13日現在も取材に対し、業者名も委託金額も明らかにしていない。

市役所はオンライン申請だけ

 申請書類の発送は下松市では13日に終了し、光市も15日(金)に予定。下松市では市民体育館で2日間、延べ90人の職員が人海戦術で約2万7千世帯に送る書類の封入作業を終えた。
 周南市の支給対象は約6万8千世帯。4月21日に政府が日本に住む人に10万円を給付する方針を決めてからすぐに作業方法の検討に入り、1日には特別定額給付金・緊急対策室(室長・久楽隆之総務課長)を設置し、市役所2階に執務室を確保した。
 同室によると、一方で、作業に必要なスペースを市役所本庁内に確保できない、職員の感染拡大を避けたいとして郵送による申請・給付作業の大半を外部に委託した。市役所内ではマイナンバーカードを持っている人が対象のオンライン申請だけを扱うことになった。

申請書作成からコールセンターも

 委託内容は申請書の作成・送付、返送されてきた申請書のチェックと申請者への連絡、苦情を受け付けるコールセンターの設置など広範囲。
 データ入力の部門で市に登録されている全国の110業者に依頼をかけたが引き受け手はなく、インターネットで探した登録もしていない市外の業者を見つけて依頼した。対象になる業者は1社だけで随意契約となった。
 業者は給付金支給を請け負った経験があり、個人情報の管理もできる会社で、外部委託が正確に、早く給付するための「最善」と考えたという。
 業者との契約は8日。この日、給付金交付のために専決処分した補正予算143億8,090万円が市議会臨時会に報告、承認されたが、その審議の中でも委託内容の詳細は明らかにされなかった。説明しなかったのは「聞かれなかったため」という。

個人情報保護、感染予防もチェックできず

 実際の作業は申請書作成に必要なデータを業者に送り、業者のシステム上、必要な番号も付けて申請書を印刷し、業者から各世帯に申請書が送られる。申請書は市役所に返送されるが、市役所では開封せずに封筒のまま、県外の業者に送る。
 申請書には世帯員の氏名や口座番号などが記入されているが、業者は開封、チェックし、記入漏れなどがあれば市民に連絡する。苦情もコールセンターで受け、手に負えない場合だけ、市に連絡先などを通報し、この場合は職員が対応する。
 業者が整理したデータは市に送られ、市が金融機関に支給決定通知を送り、給付金が口座に振り込まれる。発送が29日のため、申請を受け付けるのは6月からで、期間は8月までの3カ月間になる。
 個人情報保護では、申請書を県外の業者に送るときは「セキュリティ便」を使う。作業を進める中での個人情報の漏えい防止や作業中の感染防止も業者に要請しているが、県外のため、職員が訪問してこれらをチェックする予定はない。

業者名、契約金額明かさず

 スペースについて、結果的には本庁舎内に比較的広い部屋を確保できたが、給付金支給が決まった当時はめどが立たなかったという。しかし総合支所などは検討外だった。
 業者の選定では、すべてを一括して委託するため、受託が可能かを確認したのはデータ入力の業者だけで、市内の印刷会社などには声を掛けなかった。
 契約金額は、8日に審議された補正予算の予算書には「特別定額給付金給付業務委託料」として4,400万円を計上しているが、14日現在、業者名も金額も庁内の「事務取扱要領に基づいて公表する」としている。
 すでに発送の段階で下松市や光市と10日以上の差が出た周南市の作業。円滑な作業が進むのかだけでなく、新型コロナウイルス感染拡大で経済的に大きな影響を受けている市内業者をかえりみることなく、県外に発注した市の姿勢も問われそうだ。

【きょうの紙面】
(2)日本精蝋が開発研究センター新築へ
(3)ウェブ会議で中国市長会総会
(4)収束願い、光市にマスク2万1千枚寄贈
(5)徳山東R.C.がIMAYAに20万円贈る


▼紙面の購読:試読の方はこちら
https://www.shinshunan.co.jp/contact.html
▼電子版購読はこちら
https://www.shimbun-online.com/latest/shunan.html