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目の前のことに全力尽くす

甲子園へ優勝目指したが…
南陽工高・硬式野球部

練習を見守る山崎監督
練習を再開した部員たち

 新型コロナウイルスの感染防止のため日本高校野球連盟は5月20日、甲子園で開かれる夏の全国高校野球選手権大会の中止を発表した。これを受け、6日に県高野連が独自の代替大会を7月11日開幕で開くことにした。
 これまで春夏通算8回の全国大会出場を誇り、故津田恒実投手を輩出した周南市の南陽工高硬式野球部(山崎康浩監督、50人)は、休校明けの5月25日から普段通り全体練習を再開した。
 今回の大会中止の決定について就任16年目の山崎監督(58)は「予想していたこととはいえ残念」と一言。今年のチームは甲子園出場の手ごたえを感じさせるという。
 昨年秋の県体育大会は準決勝で敗退。これをきっかけに指導方法を見直し、監督やコーチのトップダウン方式から、練習のメニューや目的を部員が自ら考え実践する方針に転換した。
 自主性を発揮する部員の顔つきが徐々に変わっていき、プレー技術が日々向上するのを山崎監督は目にした。
 吉井謙二郎主将(17)は打撃力の向上を図り、飛んでくるバドミントンのシャトルを打ってミートの感覚やタイミングをつかむ練習メニューを考案。ひたすらバットを振り打撃に磨きをかけてきた。
 2月27日からの休校で部活動も休止となり部員は自主練習を余儀なくされたが、4月初旬に全体練習を実施した時、休校前よりも野球が上手くなっている部員の姿に、山崎監督は「子どもに備わる自分で伸びていく力を実感させられた」という。県予選の山場と想定した強豪高川学園の攻略法も万全だった。
 現時点では代替大会に向けて、目の前のやるべきことに全力で取り組むのみ。その先にあるのは優勝の2文字だ。吉井主将は「絶対に勝ちにいく」と言葉に力を込める。
 山崎監督は「部員たちが成長する姿を見るとワクワクする。一人のファンとしてこのチームと接しているような感じで、こんな気分は長年監督を務めて初めてだ。このメンバーと一緒にもうちょっと野球をやっていたい」と代替大会を待ち望んでいる。

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「最後に試合をやらせてやりたい」
「練習が大きな力に」

 広島カープで活躍した故津田恒実投手を擁した南陽工高と、その後、光高で監督として甲子園に導いた坂本昌穂さん(75)は、甲子園での大会がなくなっても「練習は大きな力になる」と話す。

 甲子園は高校球児の夢であり希望。そこにたどりつきたいと目標にしてきたのに、その目標がなくなってしまうことは言葉に言い表せない、かわいそうに思います。
 何かの形で甲子園の大会に代わるものを開いて気持ちにけりをつけさせたい。県大会もいいし中国大会でもいい、危険でないところで、気持ちにけりをつけられないものかと思います。
 試合で実際に打ったり投げたりする感触は一番の思い出。バットから手に伝わってくる感触、これが思い出になる。最後の試合をやらせてやりたい。
 甲子園に出るため、3年間、あるいは中学のときから何年にもわたって努力してきたことが貴重です。甲子園のメダルよりもっと輝いています。このメダルが大事です。これを思い起こして、3年間やった経験を思い出すことで人生を切り開いていけます。3年間、苦しい練習は大きな自信になります。

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