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看護学科、情報科学科設置

周南地域から入学30%、就職40%
徳山大学が「改革及び将来像」公表

会見する池田理事長(左)、高田学長

 周南市の徳山大学の高田隆学長と同大学を経営している徳山教育財団の池田和夫理事長は4日、同大学で記者会見して改革の取り組みなどをまとめた報告書「徳山大学の現状と大学改革及び将来像」を発表した。改革は地域貢献が柱。市立大学に移行させる公立化の意義、公立化後の看護学科のある人間健康科学部、理系学部の情報科学部創設、周南地域からの入学者を増やし、周南地域に就職する卒業生を増やす方策などを示している。

ロードマップ作成へ

 同大学は旧徳山市の支援で誕生した経緯もあり、昨年、公立化を周南市に要望した。今回の報告書もすでに市に提出。市は市議会議員にも配布した。市は今年度予算に公立化検討事業費1,384万7千円を計上しており、近く有識者会議を設けるなどして公立化について調査、検討を本格化させる。
 報告書はA5判32ページ。①大学の現状②大学の課題③将来像に向けた大学改革④公立化の意義⑤経営の見通しを記述している。
 改革の期間について、公立化は2021年の「設立50周年あたり」をめどとしており、新学部設置はその2年後。改革全体も「5、6年のうち」と説明し、現在、実現に向けたロードマップを作成している。

マネジメント強化

 大学の現状では学生数の推移、「知・徳・体」一体の教育など特色ある教育活動、地域ゼミなど地域貢献活動、経営・財務、建物の状況も説明。大学の課題として、周南地域からの入学者、就職者が少ないこと▽地域連携活動に対する認知度が高くないこと▽経営面ではスポーツ競技優秀者、留学生への奨学金負担が大きいことなどを挙げている。
 「将来像に向けた大学改革」では教学や事業運営のマネジメントの強化、教育、研究活動による地域貢献、産学連携の強化、大学院の施設などを列挙。このうち、マネジメント強化のための学長補佐任命、徳山大学地域共創センターの設置はすでに4月に実施している。

入学定員280人→400人

 学部、学科は現在の経済学部現代経済学科、ビジネス戦略学科、福祉情報学部人間コミュケーション学科の2学部3学科を、公立化後に経済経営学部経済経営学科、人間科学部スポーツ健康科学科、福祉学科、看護学科、情報科学部情報科学科の3学部5学科に再編。入学定員も現在の280人を400人に増やす。
 4年制の看護師養成機関は日本看護協会の重点政策だが、県内の4年制の養成機関は3大学しかなく、看護学科が実現すれば県東部では初となる。
 独立した情報科学部も山口県で初。情報科学分野の専門的人材に加えて、情報科学のわかるビジネスパーソンや医療・福祉人材を育成する。産学連携を情報科学部が中心となってリードし、地域創生の原動力にもなると位置付けている。

地域推薦枠、インターン必修

 同大学の2020年度の入学者のうち、周南市からの入学者は新入生の4.3%▽周南、下松、光市からは8.7%▽19年度の県内から入学する学生の比率は30.3%にとどまっている。報告書ではこれを周南地域から30%にする。
 就職も周南市内への就職率は18年度の場合で10.5%、県内は30.1%。これを周南地域で40%にする。記者会見では地域からの入学、地域への就職を増やす取り組みは今年度から着手し、「4、5年のスパン」で結果を出したいと述べた。
 このため、入学者増加策では高校との連携を強化し、高校生に大学での1日を体験してもらったり、ウェブ講義の参加などで大学の活動にふれる機会を増やす。公立化に伴っては地域推薦枠を設定する。
 魅力アップのために首都圏、近隣都市、海外の大学とのジョイントプログラムを開設し、オーストラリアの周南市の姉妹都市、タウンズビル市のジェームズクック大学との姉妹校提携も進める。
 卒業生の地域定着促進では、地域連携プログラムの強化▽学生が企業で実習するインターンシップの必修化▽地域業界別キャリアアドバイザープログラムの実施▽「産学連携 周南創生コンソーシアム」の活用などに取り組む。

中心部にサテライトキャンパス

 公立化の意義では、「公立大学ブランド」と学費の低減で受験者が増加し、より優秀な学生が集まること▽地域の発展につながる人財育成や産学官連携を強化できる▽優秀な〝人財〟の流出を抑制し、周南市への若者の流入、定着を増やせる▽市のシンクタンク機能をこれまで以上に果たせるなど社会インフラ(公共財)として強化されることを挙げている。
 経営の見通しでは、公立化後は国から市に地方交付税が交付され、市から大学に運営交付金が交付される形になるが、外部資金の獲得にも努めるとしている。保健系や理科系の学部ができることも早期の経営安定につながると見ている。
 施設整備はすでに収容定員1,600人に合致した施設があるが、新学部設置に必要な施設整備案を作成し、市中心部へのサテライトキャンパスの設置も検討する。

【きょうの紙面】
(2)スターピアくだまつが制限つきで利用再開
(3)徳山周南法人会が総会、租税教育に成果
(4)徳山RCが三作神楽の保存会に衣装寄贈
(5)田中さんが「私的地名考」自費出版


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