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青年海外協力隊員でパプアニューギニアへ

小学校の英語、算数指導
帰国の山縣さんが大学で出前講座も

 オーストラリアの北にあるパプアニューギニアに昨年7月、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として周南市二番町の山縣亮介さん(24)が赴任した。新型コロナウイルスの影響で今年3月に帰国して現在は待機中だが、開発途上国の小学校で英語や算数を教えた約7カ月の経験を伝える活動に取り組んでいる。


独自の工夫で授業

 山縣さんは山口大教育学部を昨年の春に卒業してすぐに青年海外協力隊員に応募、採用された。2年間、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーから飛行機で30分のオロ州の州都、ポポンデッタの6歳から12歳までの子どもたちが学ぶ「ベトルコミュニティスクール」で活動する予定だった。
 出発前は就学前の子どもたちに英語を教える予定だったが、現地に到着してみると予定は変更され、9~10歳の「グレード3」の子どもたちに英語と算数を指導した。
 日本と違い、教師向けの指導書はあるが教科書はなく、教師が黒板に書いたことをノートに書き写すことが中心。図書館などもなく、子どもたちは英語は話せるが書いたり、読む機会があまりないことから、語いが少なく、スペリングも苦手なことがわかった。
 このため山縣さんは日本の英会話スクールで子どもたちを教えていた経験も生かし、持参していた絵と英単語が書かれた「絵辞書」や、英語の歌を使い、子どもたちが楽しみながら学べるように工夫。現地の先生も興味を持ってくれたという。
 算数も数の概念が日本と違い、数を量としてではなく、順番としてとらえているため、足し算がうまくできないことがわかり、教材を自作して指導した。

独立記念日のイベントにも

 授業以外では9月16日の独立記念日には、800もある民族がそれぞれの伝統的な踊りを披露する大規模なイベントが開かれたが、地元のチームに参加して3週間前から練習を重ね、当日は頭にヒクイドリの羽根の飾りを付けるなど民族衣装で伝統的な太鼓を手に踊った。勉強を教えにきていることへの感謝の気持ちからか、豪華な衣装を身に付けさせてもらった。
 宿泊先でもあった教会の感謝祭では、指導している子どもたちがダンスを披露した。クリスマスもパプアニューギニアで過ごし、パプアの伝統的な鶏の料理を振る舞われ、お返しにトンカツを作って好評だったという。
 授業でも英語、算数以外に日本の文化の紹介として、子どもたちに新聞紙でカブトを折らせたり、日本から持っていったたこ焼きプレートでベビーカステラを焼いて子どもたちを大喜びさせた。近くの高校でコンピューターを教えている先輩隊員の出前授業では、ものづくりの体験として黒板消しを作った。
 これらの様子は月1回ていど、「パプア通信」として周南市にも送り、プリントして市役所ロビーで配られ、市のホームページの「姉妹都市・国際交流」のページにも掲載された。
 帰国後はこの体験を社会に還元しようと、6月29日には山口市の県立大の国際文化学部の1年生130人に体験談や国際協力について話した。その中では、異文化理解は「もやもやすること」で、自分で見たり聞いたり行動してわかる「経験の目」と、客観的な数値などで状況を把握する「数値の目」が必要なことなどを説いた。
 今後は県内で英語の教師を目指すが、任期半ばでの帰国、待機に「自分のキャリアを見直す機会になった。活動についてほかの人に伝えるため考えをめぐらすこともできた」ととらえている。
 大学生だけでなく、小学生、中学生、高校生向けにも出前講座をしたいとも考えている。講演依頼などの問い合わせは山口市の県JICAデスク(083-925-7353)へ。

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