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[この人に聞く]

市民が必要とする商業施設に
来年秋に駅前棟開業

徳山駅前地区
市街地再開発組合理事長


小野 嘉久さん(50)



 周南市の徳山商店街で進められている徳山駅前地区市街地再開発。第2期市中心市街地活性化基本計画の中心的な事業でもあり、市民の関心は高い。2023年春ごろの完成が目標。来年秋ごろの一部施設の開業を目指して着々と事業を進める同再開発組合の理事長、小野嘉久さんにまちづくりに対する思いを聞いた。

(聞き手・延安弘行)

今後は積極的に情報提供


―理事長を引き受けることになった経緯を教えてください。

小野 父がみなみ銀座で歯科医院を開いていてこの街で生まれ育ちました。若いころに大阪に出てバンド活動をしたり、東京でオーケストラの事務局と指揮者のマネジャーの仕事をしていました。ただ指揮者がニューヨーク在住ということもあり、コンサートの機会も少なくなってきたことからUターンを決意しました。

―大阪、東京で働いていた時期以外はこちらにいたわけですね。

小野 そうですね。Uターンしてから勤めた飲食店で責任者として働いていたころに腰を痛め、整骨院に通ったことがきっかけで15年ほど前から整体、整骨の仕事をするようになりました。資格も取得し、現在はみなみ銀座で父が歯科医院をしているビルで整骨院を開いています。

―いつごろからまちづくりに関わり始めたのですか。

小野 この街に帰ってきたころから、街にもう一度、活気を取り戻したいという気持ちがありました。ニチイ、ダイエーの時代を知っていて空き店舗が増えたことに寂しさを感じていました。
10年以上、自分自身が整骨院を経営していますので、商売を良くしていくためにも街に元気を取り戻す必要性を強く感じていました。

―2013年ごろから今回の再開発に向けた活動が始まったんでしたね。

小野 最初は積極的には参加していませんでしたが、しばらくたってから勉強会などに誘っていただくようになりました。今年1月に県から再開発組合の設立認可を受け、総会を開催する機会に理事長に推挙されました。自分にできるか悩みましたが、頑張ってこの事業を実現しようと理事長を引き受けました。

―どんなまちにしたいと思っていますか。

小野 活気を取り戻すため、市民の皆さんが集まり、楽しめるところを作りたいと思います。

―そのためにも市民に情報を公開し、意見を聴くことが大切ですね。

小野 その通りです。先日はこの街でイベントを開いている人に集まってもらってワークショップ形式で意見をうかがいました。中心市街地活性化協議会や市には積極的に説明していきたいですし、市民向けにホームページや組合だよりなどで情報を発信したいと思います。

11月に権利変換計画認可へ


―ホテル誘致はどのていど進んでいるのでしょうか。

小野 ホテルの選定は組合と、施設の完成後に所有者となる周南パークタウン開発で進め、組合設立後に仮契約のようなものを結ぶところまで来ました。進出を前提に設計や仕様を詰めているところです。

―ホテルがどこになるのか、期待が大きいと思いますが。

小野 11月までには権利変換計画の策定、認可申請を目指していて現在、地権者や金融機関も入れて調整中ということもあり、まだ公表していませんが、なるべく早くホテル名やそのほかの施設の概要も公表したいと考えてタイミングを見ているところです。

―組合の設立に続いて、権利変換計画をまとめて県の認可を得ることが大きなポイントになりますね。

小野 組合員でもある地権者、借地権者を合わせて、法人も含めて26人います。現在所有している土地などを提供してもらい、これに見合う権利を取得していただきます。土地の所有権、施設の区分所有、マンションの部屋という形や、転出し金銭給付を受けるといった方法があります。今、この調整中です。 

―権利変換計画が認可されればいよいよ着工が可能になります。一部ではテナントの移転なども始まっているようですね。

小野 7、8月ごろからテナントの移転などが始まっていますが、業種も開業の時期も違い、個別に話し合いながら進めています。

―工事の準備も進んでいるのでしょうか。

小野 設計や工事を担当する業者は公共性の高い事業でもあり、原則として公募、入札で選ばれます。工事の大部分を担当する特定業務代行者、これはゼネコン(大手建設会社)になりますが、すでに公募して応募があった企業を選定委員会で評価して推薦をいただいたところです。現在は決定に向けて協議中です。

―商業施設はどうなっているのでしょうか。2月の組合設立時の資料では「約1万平方メートルの専門店複合商業施設、グルメコート、ライフスタイルショップ、飲食ヴィレッジ、サービス・情報発信」とあります。

小野 商業コンサルタントの協力で、消費者の動向調査などを進めてきました。私たちのコンセプトで来てくれるのか、早めに声をかけていくことはしないといけないと考えています。その前に重要な部分は確定させたいですね。

―物販以外のサービス業も入るようになるのでしょうか。

小野 物販にしぼるというわけではなく、市民が必要とするもの求めるものを提供できるようにします。一階は生鮮と飲食、2階が物販というイメージですが、5年、10年先、改装もできるものとしていきます。

―新型コロナウイルスの影響もあり業種をどうするのか、入居を希望するテナントがあるのか、条件がどうなるのか、難しい判断になりそうですね。

小野 最終的に皆さんに喜んでいただけるものを目指しています。

―長く利用する施設であり、まちづくりは事業の終了後も続きます。今日はどうもありがとうございました。

徳山駅前再開発事業

 銀座、みなみ銀座の1.2ヘクタールが対象。計画では徳山駅に隣接する駅東側駐輪場の北側に6階建て約2,500平方メートルの駅前棟、旧近鉄松下百貨店跡などに商業施設、12階建てのホテル、18階建ての分譲マンションの集合住宅を建設する。
 再開発組合は26の地権者、借地権者の法人、個人と、完成後に施設の一部を所有する予定の徳山商工会議所、大和ハウス工業が参加組合員。総事業費は約109億円で、市、国から30億円の補助がある見込み。
 今年11月末までに権利変換計画の認可を目指している。来年秋の駅前棟開業、2023年春の商業棟・集合住宅の開業を目標にしている。
 駅前棟は徳山商工会議所などが入居する。集合住宅のマンションは大和ハウス工業が担当して分譲する。ホテル、商業施設は地元の企業などですでに作られている㈱周南パークタウン開発が取得する。同社とは別に商業施設などの運営会社が開業までに設立される見通し。
 再開発組合は事業終了後に清算、解散し、周南パークタウン開発と運営会社が引き継ぐ形になる。

【きょうの紙面】
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(4)中特グループがブランドマーク
(5)行方不明の女性発見の神田さんに感謝状
(6)周南フィル「夏の小さなコンサート」魅了



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