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大和総合病院の一般病床で火花

[光市長選]コロナ禍で試される市民の「目」


市川氏「黒字化達成した。守る」
磯部氏「存続は難しい。見直す」

 光市長選の告示日の18日まで2週間を切った。報道各社は9月29日に現職の市川熙氏(73)▽30日に新人の磯部登志恵氏(61)を共同で取材したが、その中で市立大和総合病院の一般病床の扱いが争点として急浮上した。さらに両陣営の政党の推薦問題も表面化した。(山上達也)


黒字転換の実績か、将来的な不安か

 共同取材は市川氏が市役所で開いて新聞7社、テレビ4社▽磯部氏は室積新開の磯部氏の事務所で開き、新聞7社、テレビ3社の記者が参加した。
 両者のインタビューで違いが際立ったのが二つの市立病院問題。市川氏は大和総合病院の機能分化の際に、当初は全廃の予定だった一般病床を住民の強い要望から40床確保したことを強調し、今後も「守って行く」と明言した。さらに合併当時は赤字だった大和総合病院の経営を黒字に転換させ、同病院の存続の基礎を作り上げた実績も強調した。
 磯部氏は厚生労働省が同病院など全国の公立・公的病院に求めた再編統合は「一般病床の実情の検討を求めたもの」とし「今の状態で(大和総合病院の一般病床の)存続は難しい」とした。記者の「難しいとは大和総合病院の一般病床を見直すことか」の問いに「そうです」と答えた。
 しかし磯部氏は記者のさらなる問いに「市長になってすぐには(大和の一般病床見直しは)実行しない。職員にデータを示して自分の提案をしていきたい」と含みを残した。

磯部氏の ユーチューブ動画が波紋

 政党や労働組合の推薦問題も過熱し、両陣営間の神経戦が展開されている。
 市川氏は8月20日の出馬表明の記者会見で「連合山口には推薦申請をするが、政党には推薦を求めない」とした。しかし磯部氏が9月18日に出馬表明した直後、自民党県連と公明党県本部に推薦を申請。すでに両党とも市川氏推薦を決めた。
 磯部氏はそこを問題視。動画投稿サイトのユーチューブの“いそべとしえチャンネル”で「ええ?現職の市長は連合にだけは推薦をいただくと言われていましたが、今回、自民党や公明党にも推薦願を出されたんですか。まさかまさか。はあ?」と市川氏を批判。
 さらに映像の別のバージョンで磯部氏は「自民党国会議員さん、自民党県議さん、公明党の皆様、連合関係者の皆様のご支援に対し、心より感謝申し上げます。私は光市民党の推薦をいただいていますので…」と強調した。
 市川氏は当初は否定していた政党推薦を申請したことに「自民党と公明党にはいつでも推薦をいただけるようにお話しはしていた。(磯部氏の出馬表明で)選挙戦の見通しになったので、より多くのご支持をいただくために両党に推薦依頼を出した」と説明した。
 磯部氏はユーチューブの内容に「自民党の国会議員、県内の県議からご支援をいただいており、個人的なおつき合いで公明党や連合の人もいる」と説明。“光市民党”は幅広い市民の支持を表現した「形容詞」だとした。

為書きでも両陣営の現状浮き彫り

 共同取材の前日まで磯部事務所に張ってあった自民党県連会長の岸信夫衆院議員、林芳正参院議員からの「祈必勝」の為書きを、急きょ撤去したことに磯部氏は「市議候補としていただいたものだったのではずした」とした。9月18日の出馬表明後も張り続けていたことには「取りに来られるわけでもなく、いただいたものを張らないのも失礼だと思っていた」と釈明した。
 現在、磯部氏の事務所には自民党の山田宏参院議員(比例)、元横浜市長の中田宏氏の為書きを張っている。
 一方で市川氏の事務所には安倍晋三前首相や衆院議員の岸信夫、高村正大両氏、参院議員の林芳正、江島潔、北村経夫、阿達雅志各氏や、地元の自民党の河野亨県議、連合山口や傘下の労働組合からの為書きがぎっしり。
 新型コロナウイルス感染症の影響で両陣営とも大規模な集会は自粛している。同時選挙の市議選の立候補予定者との連携も微妙な一面があるなど告示日に向けて情勢の不透明感が増しており、市民一人一人の「目」が試されていると言える。

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