一言進言

あるビジネスマンの市議挑戦

~勉強しようもっとどん欲に~

投票にいかなかった人に聞くと、「興味が無い」「誰がなっても変わらない」が圧倒的に多い。全国的だが、最近の投票率の低下はどうしたもんか。国政選挙だけでなく、身近な地方選挙も毎回投票率を下げている。各市の選挙は全て同じ傾向なのが恐ろしい。

この日曜日は光市の市長、市議選挙だ。わが社もこの1カ月、相当の紙面を割いて選挙がらみの記事を掲載してきた。しかし、反応の鈍さはどうだろうか。光市の知人に聞いても盛り上がりを感じない。市議選では「応援したい人がいないんですよ」と冷ややかだ。

正直申し訳ないが、周南市をはじめ、小さくても光る新人市議会議員候補が少なくなった。ある人は「就職活動と思ってるんじゃないか」とこっぴどい感想を語る人もいる。しかしはっきり言って勉強不足のそしりは免れまい。地域のこと、社会の仕組み、目標とすべきこと、もう少し自分の言葉で語って欲しいものだ。

近く日本地域研究所から「ビジネスマンよ議員を目指せ!-セカンドキャリアのすすめ-」の題で一冊の本が出版される。もともとIT業界のビジネスマンだった筆者(51)が書いた。市議会議員を目指したのは「やりがいがあって、定年がないから」だった。営業や管理などビジネスパーソンのスキルは地方議員に有効だと思った。

見事初当選するが、「マーケティング」として選挙戦略を立てた。ターゲットは党派や主義より「人物本位」で選びやすい40~50代に絞った。リーフレットの配る場所、何時に配るかまで考えた。1千軒を一度回るより、300軒を3度回るほうがはるかに有効だと解析した。働く層がターゲットだけに「通勤の利便性改善」を政策の柱においた。

選挙公約を見たらどの程度考えて立候補したかがわかる。「安心・安全な町作り」「みんなが幸せになる地域に」金太郎飴のような公約だらけだ。東日本大震災の後、一人の市議が注目を浴びた。彼だけが10年以上「避難道路を作ろう」と訴え続けた。おかげで道路は完成。多くの市民の命がその避難道で救われた。

就職活動でも良い。市議会議員になった以上、「市民にとって不足しているもの、市民が困っているものは何?」と聞かれて即座に答えが出せるよう、勉強を怠ることが無きように。

(中島 

19億円詐欺の謎!

~何が彼女をそうさせたのか~

会えば必ず数日以内に感謝の葉書が届いた。丁寧で上品な物言いで、決して押しつけがましい勧め方をすることもなかった。何よりも断られることで嫌な顔をするわけでもなく、むしろ熱心に顔を出すことに精を出した。彼女は瞬く間にトップセールスの座に就いた。

彼女は多額の詐欺で告発される身となった。彼女を知る人は一様に驚いた。「なぜ、あの人が」と。何年前だったか、彼女は第一生命のセールスウーマンの鏡だった。それは多くの顧客が集い、第一生命の幹部も周南を訪れ、大きなお祝いのパーティーが催されたことで、多くの人が知った。

彼女と何回も会ったが、彼女が国内で有数のセールスウーマンになった秘密を探ろうと、いろいろな話を聞いた。ある団地に越してきた子づれの家を訪れたら、困っていることを聞き、手書きで周辺のお店情報の地図を作って持って行った話とか、親戚が生保を扱っているからと一言で断られても、毎月一回は顔を出してあいさつだけしていたら、数年後、先方から「親戚と関係が悪くなったから」と呼び出されて成約になった話など、実に楽しい話が続いた。

医師の顧客が多かったが、年収3千万円だとか、破格の高給取りの社員だった彼女がなぜ?と誰もが耳を疑った今回の騒動だった。19億円ものお金を集めたが、対象が20数人と聞いても驚かない。彼女が話せば信用しただろう。私の周りにも何人か信用した人はいた。しかし、第一生命がそのほとんどを弁済するとなって、なぜかほっとした。

「30%の利息が付く」と言ってお金を出させたわけだから、れっきとした犯罪で許されるものではない。いろいろな話を聞くと、どうやら彼女は神戸あたりの新興宗教にのめり込んだ節がある。だましたお金はその宗教団体にほとんど捧げたのかも知れない。それなら彼女の行為に納得がいく。数年前から変な感じだったらしい。

何年も前からその宗教団体の話は聞いたことがある。周南では信者がそこそこいるのは知っていた。私の推測でしかないから、不確かなことだが、オウム真理教も私の身近なところで信者がいた。本も何冊かもらった。心の隙間に入り込むことは、今の時代、容易なのかも知れない。あの彼女にも心の隙間があったのかも。

(中島 

地域主義の宣言を

~地元のお店を救え~

徐々に人の動きは活発になってきた。週末にはほぼ満席のお店もある。若い人が中心で、年配客が多い店は、まだまだ苦戦をしている。人と会うとほとんどが「一体いつまで続くんかね」があいさつ代わりになった。コロナ禍の行方は未だ誰にもわからない。年を越すのは間違いなさそうだ。

今年の年末は今までの感覚とは全く別物になりそうだ。忘年会はまさに典型的な例で、まったく様変わりの忘年会になりそうだ。20人も、30人もが一堂に集まった忘年会は絶望的だ。リモート忘年会など、自宅滞在の忘年会になるのだろうか。飲食店への影響が心配だ。一年で一番売り上げが期待できる期間だけに、そのダメージは想像を超えるかも知れない。

毎年数百万人と言われる明治神宮の参拝客はどうなるのだろうか。この近郊の神社への参拝はどうすればいいのだろうか。さすがにお正月は帰省する人は多いだろう。都会から帰省すると家族間のクラスターも心配だ。行政は国にならって、5千人を超える集まりもオーケーとした。なら初詣もオーケーなのか。正月の帰省も大丈夫なのか。

結局は個人の判断で動くことしかない。多くの規制が解除され、何が正しいか決断は自由になった。一方、まだまだ自粛する人が多い中、地域の飲食店などは、年末までの閉店を考えている店主も多い。結婚式も葬式も自粛ムードは消えない。地域経済のダメージが大きい。ここは正念場だ。行政も、商工会議所も地元経済をどうしたら支えられるか、知恵の出しどころだ。

先ずは地元のお店を利用することを訴えることだ。全国チェーンのお店ではなく、できるだけ地域のお店を支える市民を増やすことだ。徳山商工会議所では岡田幹矢会頭時代、地元のお店で買い物をと呼びかけていた。近鉄松下百貨店が閉店するとき、多くの市民が「無くなったら困る」と嘆いた。日頃郊外のショッピングモールや、広島や博多に買い物に出かけていたのにだ。

トランプ大統領の自国主義が話題になっている。この周南地区は地域主義で生き残ろう。全国チェーンは儲からない、とすぐに撤退する。儲けは全て本社だ。行政も、各商工会議所も歩調を合わせ、地域主義を高らかに宣言しよう。プレミアム食事券などは地元の店だけに通用するので良い。グローバリズムなどくそくらえだ。


(中島