一言進言

伝え方はもっと工夫を

~心に響く表現を~

菅(すが)内閣の評判がガタ落ちしている。気のせいか菅首相の目がうつろになった感じがする。たまたま惨事の時の首相はある意味、気の毒だ。阪神淡路大震災は村山富市首相、東日本大震災は菅(かん)直人首相だった。村山首相は自衛隊への出動要請が遅すぎたと随分責められた。菅(かん)首相は原発事故対策など自民党からこっぴどく攻撃され、しばらくして政権を明け渡した。その時その時の政権は必死で対応していただろうが、国民の目からは不十分だと感じることは必至だ。

直接聞いたわけではないが、ドイツのメルケル首相の演説はやたら人気がいい。人々の心を打つ演説で、あれだけ感染が広がっても、批判はメルケル首相に向いてこない。ニュースでその場面を見たが、誰かさんのように台上の原稿を読み上げている姿と大違いだ。映画のワンシーンを見ているようだ。

菅首相は、給付金であれだけ世間を騒がすほど多額の税金を使った電通がお友達だ。なぜ電通に頼まないのか。ショービジネスを知り尽くした電通なら、首相の話し方、目のやり場、顔の表情、いくらでも指南してくれるだろうに。内閣府のまわりにプロデューサーはいないのか。政治家は発する言葉も大きな武器だ。国民の痛みを共有している言葉、態度が今こそ大切なことはない。

私はこの地方選挙でもボイストレーニングに励んでいた立候補者を何人か知っている。安倍前首相は当初「アベノミクスで国の経済を再生させる!」と台本なしで熱く語っていた。国民の心を引き付ける力があった。高い支持率は政策の中身より、語り掛け方だったような気がする。大平正芳首相の時代は新聞全盛の時代だ。「アーウー」と何を言っているかわからず、ぼそぼそと語っていたが、信頼は強かった。活字では話し方は伝わらなかった。

もちろん、語り方より政策の中身が一番大事なのは当然だ。しかし、政策の中身を詳しく知る有権者は少ない。新聞を読む人が激減して、わずか100文字程度の情報で判断する。誠に残念な状況だ。批判する側はよりそのあたりを研究すべきだろう。れいわ新選組が注目されたのは、代表の山本太郎氏の表現力によるところも大きい。だから街頭演説中心で全国を回る。政策だけで国民を説得する時代は終わりかけている。伝え方を工夫する時代だ。地方もそうだ。

(中島