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宇宙の歴史をたどる一歩

中性子星の構造解明へ

徳山高専
菊地准教授が共同研究


 周南市学園台の徳山高専の菊地右馬(ゆうま)准教授(37)らが参加する国際共同研究グループが、理化学研究所の巨大施設での実験で、宇宙の歴史の解明につながる新たな発見をした。昨年12月、アメリカ物理学会が発行している最も権威のある学術誌「Physical Review Letters」に論文が掲載された。

理研の巨大施設で実験

 同グループは、菊地准教授と理研、東京大、大阪大、東京工業大、フランス原子力庁の研究者で構成。
 菊地准教授は理研の外部研究員として2014年から研究に参画し、主に理論面で同グループを支え、実験前の条件設定、結果の分析にたずさわっている。
 今回の発見は、埼玉県の「RIビームファクトリー」と呼ばれる地下3階建て、数百メートル四方、重さ8,300トンの施設が舞台。リチウム-11という原子核を生成して、光速の70%にあたる秒速約20万キロで水素の原子核にぶつけた。
 原子核はあらゆる物質を作っている最小単位の原子の中にあり、陽子と中性子からなる。電池への利用で知られるリチウムは中性子の数の違いによっていくつかの原子核があり、人工のリチウム-11は中性子が8個。天然に存在するものより中性子が多い。今回の実験で「ダイニュートロン」と呼ばれる中性子のペアが原子核の表面を回っていることが確認された。

重い元素の起源解明へ

 この発見は、太陽と同じ質量で半径が10キロほどの中性子星の構造の解明に貢献すると期待される。
 中性子を多く持つリチウム-11はいわば中性子星のミニチュア。鉄、金、プラチナなどの「重い元素」は、中性子星の誕生、中性子星同士の衝突の過程でできたと考えられている。
 このため、ダイニュートロンに関する発見は、地球に存在する重い元素がどこでできたのか、宇宙がどんな歴史をたどってきたのかを解き明かす一歩にもつながるという。 
 菊地准教授は北海道出身。北海道大理学部で原子核物理学を専攻し、同大大学院で博士号を取得。理化学研究所、大阪大、大阪市立大での研究職を経て、2018年4月から徳山高専に准教授として着任し、2~4年生の物理科目を担当している。

15年越しの新発見

 実験の分析には1、2年を要するが、現在はグループメンバーと週2回、ウエブ会議でその後の実験の進ちょく状況や今後の実験プランの話し合いを重ねている。
 ダイニュートロンは自身が大学4年時に取り組み始めたテーマで、今回の発見は実に15年越しの成果。菊地准教授は「物理の一分野には貢献できたかなと思う。論文として形になったのは一つの大きな区切りで、スタートラインの目標がやっと達成できた。物理の研究は実はとても地道な作業。これからもコツコツをやっていく」と語った。

【きょうの紙面】
(3)徳山動物園リニューアル計画見直しへ
(4)遠石市民センター・万葉プラザが開館
(5)4月に地域密着型特養ひかり苑など開設


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サ高住クラスターで4人

県内は10人が感染

 県などは2日、10人が新型コロナウイルスに感染したことを公表した。このうち4人は周南市のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)クラスター関連の感染者。このクラスター関連の感染者は88人、周南市の感染者は195人、県内全体では1,250人になった。
 サ高住クラスター関連の感染者は40代の女性の病院職員1人、80代の男女1人ずつの入院患者、職員の家族で三次感染になる40代の女性1人。
 県内ではこのほか宇部市の医療機関クラスター関連で20代の女性の職員と70代2人、80代1人の女性の入院患者の計4人▽下関市で50代の女性、60代の男性の計2人が感染した。
 90代の男性と80代の女性が亡くなったことも公表した。県内の感染者の死亡者は23人になった。

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