敬老祝い金の全員支給廃止に
2021年02月10日
下松市
一般会計213億円・新年度当初予算案は1.6%減
コロナ対策は3億8千万円

下松市は8日、16日開会の3月定例市議会に提案する新年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初予算案に比べて1.6%減、3億5千万円少ない213億円で、新型コロナウイルス対策関連予算は3億7,967万4千円。一方で井川成正前市長時代の2001年から続いてきた75歳以上の市民全員に毎年5千円を贈る「敬老祝い金」は、新年度から喜寿の77歳、米寿の88歳、100歳以上の「節目の支給」に変更し、これにより浮く財源4千万円は高齢者の公共交通対策やコロナ対策などに有効活用する。(山上達也)
歳出
経済面のコロナ対策支援充実
予算案は市役所で、国井市長が記者会見して発表。「新総合計画のスタートの年であり、市民力、地域力、産業力を結集した“オールくだまつ”で政策実現に鋭意取り組む」と方針を示した。
歳出のうちコロナ対策は総額3億7,967万4千円。健康福祉関係がワクチン接種事業2億9,049万3千円▽地域外来・検査センター運営費2200万円など。
産業経済関係が店舗のコロナ感染対策費を支援する〝中小企業応援!感染症そなエール補助金〟3,600万円▽経営支援の“業界団体支援!経営ささエール補助金”1,400万円など。財源は健康福祉関係が国費や県費なのに対し、産業経済関係は全額市費。
新規事業41件を含む主要事業は51件。第2久保児童の家建設(5,036万5千円)▽救助工作消防車更新(1億5千万円)▽豊井地区まちづくり整備(1億2,359万3千円)▽都市計画道路大海線道路新設(1億3918万4千円)▽旗岡市営住宅B棟建設(1億6,550万円)▽下松小建設第2期工事(1億140万9千円)などがあり、コロナ関連の予算増の中でも一般事業を並行して進める構えだ。
一昨年4月からの休館中の笠戸島ハイツは1,600万円で解体し、跡地の活用策を探っていく。
特別会計
大城の市民債一括償還へ
特別会計は国民健康保険52億1,400万円▽介護保険55億8,500万円▽後期高齢者医療9億9,800万円▽国民宿舎2億8千万円。国民宿舎特会は国民宿舎大城の建て替えの際に公募した「くだまつ市民債」の一括償還のため、前年度の7,800万円から大幅に増額している。
国民健康保険は医療分の税率を引き下げることにしており、1人当たり年間千円の負担減になるという。
企業会計は水道事業25億6218万8千円▽工業用水道事業2億8,837万6千円▽簡易水道事業3,017万3千円▽公共下水道事業24億1,368万7千円。
歳入
税収減ながら自主財源比率は県内最高
歳入は市税が91億9,290万円で、前年度当初比3.3%減。市民税の減少はリーマンショック翌年の2009年度以来。個人市民税は5.9%減の28億9,900万円▽法人市民税も18.1%減の5億8千万円。軽自動車税以外は軒並み減少した。それでも自主財源比率は県内の市でトップの55.5%だ。
基金・積立金からの繰入金は12億708万円▽市債は18億6,760万円。これで各基金・積立金残高は、財政調整基金14億2,346万8千円▽減債基金3億2,672万5千円▽その他の基金・積立金9億2,995万4千円。合計26億8,014万7千円の見込みで、前年度比11億5,054万4千円減。
2013年に80億円だった基金・積立金の残高は、わずか8年間で3分の1に大きく減ることになる。
市債などの地方債残高は342億39万2千円。前年度比1億707万3千円減で、大きな変化はない。
財政指標は実質公債費比率が4.4%で、前年度比で0.7ポイント悪くなったものの県内の市で最良の数値を維持。財政の弾力性を示す経常収支比率は104.4%で0.7ポイント改善したが、5年連続で100を超えた。財政力指数は2020年度の数値として0.895とした。
このほかの主要事業は次の通り。
新斎場周辺環境整備4,300万円▽小中学校新入学花いっぱい事業92万円▽徳山下松港開港記念行事負担金66万4千円▽花岡公民館講堂建設6,800万円▽市史編さん準備309万7千円
【きょうの紙面】
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