一言進言

オリンピック精神は日本では無理?

~自民党県議団で女性は1人だけ~

1998年、当時の二井関成知事は山口県初の女性副知事を迎えた。「現代好色5人女」と言う小説も書いた女性、大泉博子さん(71)だった。東大出身でユニセフや政府の役人を歴任してきたキャリア豊富なやり手だった。そのころ県庁にもしばしば出入りしていたので彼女と話す機会も何度かあった。初対面でいきなり「なぜ山口県はこんなに後れているの?」と聞かれた。専業主婦の割合がこんなに多い県はだめだ、と彼女は熱く語っていた。社会参加する女性の少なさに驚いていたのだ。

その後大泉さんは、山口県で2回国政選挙に出馬、落選した。驚いたのは、次に茨城県で見事当選を果たしたと知った時だ。しかし、その次は落選、今度はつくば市の市長選にチャレンジ、これも惨敗した。何ともバイタリティーあふれた女性だ。20年前、山口県のような完全な男社会の中では、彼女のような存在は受け入れてくれる余地はなかったろう。

森喜朗さんの発言で、今やマスコミは上や下への大騒動だ。「性差別」発言は、今は流行語だ。山口県の中年以上の男性のほとんどが驚いただろう。日頃自分たちが平気でしゃべっていた内容でこれほど世界中からもバッシングを受けるなんて。先日、食事をしていたら、隣の年配夫婦の会話が耳に入ってきた。「ねえ?なんで森さんの言うたことにあんなに騒ぐん?」「それいのう、わしもわからんにいや」。これが山口県の一般的な会話なんだろうか。

かつて、山口県は弘兼憲史の漫画「課長島耕作」を採用、株式会社山口県の代表取締役を島耕作とした。聞いたときは耳を疑ったが、県のえらいさん達は自慢げに発表の場に並んでいた。「課長島耕作」は数々の女性を踏み台にして出世した男性の漫画だ。案の定、観光客は一向に増えず、掛けた大金を数年後には水に流した。

今もそうだが、何十人もいる自民党県議の中で唯一ひとりだけの女性議員だった藤井律子周南市長は、「なんで女性の敵のような主人公を社長にするのか」と注文付けたが、男性県議たちは一応にニヤっとしただけで、とりあう県議も、役人も現れることはなかった。聞くと議事録からも削除されたという。

これが山口県の実体だ。未だに、数多い自民党県議団の中で女性議員は1人だけ。周南3市で保守系市議の中、女性議員は何人いるだろうか。森喜朗さんも世間から叱られて、「なんで?」と思ったに違いない。コミュニティー組織のトップ、安全協会や、体育協会、実に地域でも多くの団体、組織があるが女性のトップは何人いるだろうか。日本でオリンピック精神を広げるのは至難の業だ。

(中島 

議会制民主主義守れるか

~若者よ社会参加を~

40年前、こちらにUターンしたころは、国会議員と言えば地域の人たちにとっては別格の人で、地域の中では国会議員と親しくしているのが自慢の種だった。我が家の結婚式に出席してもらえれば鼻高々で、一族の誇りになる感覚がまだ残っていた。国会議員とのツーショット写真は家宝のような扱いだった。

県会議員も市会議員もみんなが「先生」と呼んでいた。地域の行事でもみんな上座に座り、「先生」に市民たちは頭を下げていた。それは選ばれた人の特権のようなありさまで、議員たちも泰然と座っていた。就職も仕事も「先生」のところに頼みに行く人が多かった。当たり前の風景だった。

いつのころからか議員と言う人たちから権威が薄れていった。並行して投票率は下がり続けた。地方議員に「先生」と呼ぶ人も少なくなった。地方も封権的な空気が薄れていった。一方で利己主義的な人が増え、地域の行事に対しても、常に批判的な人が登場してきた。朝のラジオ体操一つとっても騒音クレームで廃止せざるを得ない地区が続出した。

そんな中、若者たちの社会参加が急激に減少した。もちろん人数が減少したのが大きな要因だが、青年団など若者たちが学び活躍できる場所がなくなった。潜在的に若者はボランティア精神が高い。青年団には企業で働く若者、郵便局で働く若者など多様な職場の若者たちが集っていた。今は若者たちが集う場所が限定的になった。

社会と関わらない若者が増えるにつれ、投票率も急激に低下していった。ほとんどの地域で20代の若者の投票率は20%台ではないだろうか。健全な議会制民主主義を維持するには、これからは大変な時代を迎える。地方選挙で投票率が50%を切ってきたが、この調子だとあと10年後には40%を、20年後には30%を切るかも知れない。これで市民から選ばれた市長、議員と言えるのだろうか。民主主義の土台が崩れかかっている。

この1年間でも実に不細工で汚い生態を見せつける国会議員の多さに、若者たちが自分の1票が役立つなど思いもしないだろう。自民党の公認や推薦さえ受ければ当選するという今の政治家の生きざまに、若者たちが社会へ参加しようとは思いもしないだろう。地方でも1票ではなんら変わらないと思う若者が急増した。

震災などであれだけ多くの若者がボランティアに参加した。まだまだ捨てたもんじゃない。若者の社会参加を促すために何ができるか、大人たちは若者と真剣に向き合う時だ。地方選挙で40%を切ったら無効にするぐらいのことは考えなくては。

(中島

周南市内の中高生の部活しばらく休もう

~教育委員会として的確な判断を~

周南市を中心にコロナ禍の波は収まりそうにない。高校の剣道部でのクラスターはその中でも深刻だ。一生懸命練習に励んでいた高校生たちが感染した。彼ら彼女らに何の責任もない。かなりの防護策をしていた上での拡がりと聞いた。学生の親たちは総じて働き盛りの年代だ。職場など関連する場所が多い。

周南市は早速対策会議を開き、教育長は、部活は基本的に継続すべきと発表したが、判断を各校長に委ねた。市内中学校の校長会は全ての部活を一時中止すると判断した。県教委は、高校の部活はしっかり対策をして実施するとしている。同じ地域の中での取り組みがバラバラになった。何が問題かと言うと、知事や市長は教育の現場に物が言えないことになっていることだ。市の教育委員会は協議でもしたのだろうか。

感染者の多いところと、少ないところと県内でも地域差が激しい。この1カ月、周南市は他の地区に比べてかなりの数が出ている。今回でも20世帯以上に濃厚接触者が存在する可能性があった。一体最終的には何人の検査が必要になるのだろうか。不安の中、600人の検査を実施した。休校でもないのに、部活を一時休む決断を校長一人一人に委ねることは酷としか言いようがない。

県教委も地域によって判断を変える柔軟性がないと、このコロナ禍の中、適切な対応にはなるまい。まるで国と地方自治体の関係のようだ。そもそも全国一律の対応は適切ではなかった。関東地区だけでも早く隔離し、ロックダウン並みの対応していれば、かなりの拡散を防げたと思うが、間違いか。年明けになってようやく地域を限って宣言を出した。

先日、周南市の65歳以上の市民に2万円補助する制度を使ってPCR検査をした。総合スポーツセンターの駐車場に向かうと、広い駐車場にぽつりと検診車が止まっていて、私以外の車は1台もなかった。係員4、5人が手持ち無沙汰のように立っていた。早速問診票に記載、すぐに鼻に検査棒を突っ込まれ、あっという間に検査は終わった。その日検査に来たのは5人と言う。確かに検査を受けるのは恐怖心がある。

無心に竹刀を振って練習していた高校生たちの気持ちを想うと胸が痛くなる。なぜ自分が感染したのか?大切な家族への想いもつらかろう。「部活を継続するのが基本」だと教育長は語るが、せめて全体像が明らかになるまで市内の中高生の部活は休んでもよかったのではないか。ちなみに私の検査は陰性だった。

(中島