一言進言

接種は高齢者施設から

~順番を守る仕組みを~

各市で新型コロナウイルスワクチンの接種券の発送が始まった。いつ接種できるか皆目わからないのに届いた。だから封を開けることもなく置いたままだ。何人からかたずねられた。「券が届いたけどいつ接種できるん?」「わからんね。そのうち案内が来るよ」。多くの高齢者がワクチン接種に期待しているが、ワクチンの供給数は未だにわからないようだ。

ニュースで問題化していたが、東京都の八王子市ではわずか千数百人分しかないのに、12万人もいる高齢者に先着順で受け付けて1時間足らずで締め切ったとあった。ある高齢者はずっと電話をかけ続けていた。役所まで歩いて行って結局断念した。想像力の欠けた担当者では、高齢者の不安を想像できなかったのだろう。

一番の原因は中途半端な供給しかできない政府のやり方だが、もう少し地方自治体もくふうしても良かった。接種の順番をどうするかは最初にどう決めるかが大切だ。世田谷区ではクラスターが一番多い高齢者施設からと決めている。今までのデーターから、飲食店のおよそ倍近く高齢者施設でのクラスター発生が多いそうだ。ここ周南でもそれは実証された。

できれば高齢者施設を優先して、まずはクラスター発生を防ぐことだ。その後は整然と年の順番を守ることだ。重篤化率が高いと知れ渡り、若い人より恐怖心が強い高齢者には、細かいルール設定が大切だ。1カ月でも年の上の人からの接種でないと不安が増す。

政府は6月になれば十分供給できると言うが、1カ月、2カ月が高齢者には長いのだ。順番が少しでも狂うと疑心暗鬼になる。それにしても世田谷区は対応が細やかだ。抗体を持った保育園児が多いのを探り、保育園でのPCR検査を綿密に実施、クラスター発生を防止している。もちろん高齢者施設でも定期的にPCR検査を実施、クラスター発生を最小限にとどめている。

高齢者施設に働くある介護士は「一時期、訪れる高齢者が減って、私たちの収入も減った」と嘆いていた。もちろんPCR検査など受けたことがない。長期滞在の老人施設で働く介護士も「もし、感染者が出たら私たちの誰かが原因。すごく怖いです」。彼女もPCR検査は一度も受けたことがない。ワクチンが届くまで、県や市は高齢者施設で働く人たちのPCR検査をできないものか。接種前のクラスターは何としても防がなくては。

(中島 

感染源は都会から

~もしロックダウンしていたら?~

新型コロナウイルスの猛威は止まらない。非常事態宣言は人々の気持ちを揺るがすことができなくなった。都会では気にする人が特に激減したようだ。毎日、テレビや新聞で何人感染、何人死亡と出るが、慣れとは怖いものだ。

若い人は無症状と言いすぎた。重症化し亡くなるのはほとんどが高齢者で、若い人は自宅謹慎程度だと伝播しすぎた。感染した人がネット上で叩かれるが、ほとんどが地方での話だ。都会ではだれが感染したか情報もほとんど入らない。ちなみにここ山口県では県が発表する前に情報が入ってくる。会社名、個人名がほとんど瞬時にわかってしまう。

地域コミュニティーがまだまだ残っているから厄介だ。家族に感染者が出ると子どもまでその影響がすぐさま出てくる。住んでいるところも知られるから、肩身の狭い思いで何カ月かは暮らすことになる。子どもを抱えた親たちは、会食も旅行にも出づらくなる。

地方になればなるほど自粛生活をする人が増えてきた。島根県知事が怒るのも無理はない。都会の感染拡大は一気に地方の飲食店などを直撃した。ここ周南地区でも市中感染はほとんどなかったが、子どもや家族のことを気づかって飲食を控えている。

感染が発生した原因は、ほとんどが東京など都会に行ったり、都会から帰ってきた人からだった。感染経路がわからない人は極めて少数だった。東京や大阪を1カ月、いや2週間ロックダウン(都市封鎖)していたら台湾のように収まっていたかも知れない。

ある飲食店の店主が嘆く。「ここも非常事態宣言を出してくれればいいのに。個人営業で月に180万円入ればなんぼでも店を閉められる」と。8時までの時短なんかでお茶を濁しているから感染は広がるばかりだ。結論的には都会で感染拡大を防ぐのはもう無理だ。田舎の人たちとの意識が違いすぎる。

皮肉なことに、誹謗中傷を恐れる田舎だから爆発的な市中感染を防げたという哀しい現実をどう解釈するべきか。隣、近所との関係がほぼない都会での暮らしは、どれだけ気が楽か。都会と地方とのギャップをとことん思い知らされたのが今回のコロナ騒動だった。感染を恐れるより、人の目を恐れた田舎の人たちに軍配は上がったのか。それにしても都会の人たちの身勝手さは悔しい。

(中島