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国際バルクの展開に暗雲?

ENEOS、石炭事業から撤退表明
下松石炭基地の扱いは「未定」

ENEOS下松事業所の石炭中継基地

 下松市東海岸通りのENEOS下松事業所で展開している輸入炭の受け入れや貯蔵、出荷業務の扱いに暗雲が現れた。同社の持ち株会社、エネオスホールディングスが12日、石炭事業からの撤退を発表したためだが、同社は「下松事業所の石炭中継基地事業の扱いは未定」としており、同事業所の存在が国策で進む徳山下松港の国際バルク戦略港湾の中核施設だけに、今後の動きが注目される。(山上達也)

 これは12日、エネオスホールディングスのオンラインの決算発表記者会見で大田勝幸社長が明らかにした。脱炭素の世界的な広がりの中で「将来の当社のコア事業として持つ必要はないと判断した」と位置づけ、同社が保有するオーストラリアやカナダの炭鉱の権益を売却することを表明した。売却額は数十億円と見られる。
 ENEOSと下松との縁は深く、は旧日本石油時代の1929年に下松製油所を操業させた。以後は合併などで日本石油精製、日石三菱精製、日本石油加工、新日本石油精製、JX日鉱日石エネルギーと名称がひんぱんに変わった。石油精製業務からの撤退後は輸入炭の受け入れと貯蔵、中国電力の火力発電所などへの出荷業務を扱っている。
 10万トン級の外航船が接岸できる水深の深さが下松事業所の強みで、年間取扱量は270万トン。県は徳山下松港における国際バルク戦略港湾の推進のため官民一体の企業「やまぐち港湾運営」を設立し、出光興産、宇部興産、周南バルクターミナル、中国電力、東ソー、㈱トクヤマ、ENEOSが出資。すでに2018年には国が徳山下松港を「特定貨物輸入拠点港湾(石炭)」に指定している。
 それだけにENEOSホールディングスの石炭事業撤退表明は、関係者に衝撃を与えているが、下松事業所の今後は現時点で見通せない。取材に下松商工会議所の弘中伸寛会頭は「どうしたものかと気をもんでいる。近く商工会議所としての意見集約を図りたい」と話している。


【きょうの紙面】
(3)五輪聖火リレー中止で3市の対応さまざま
(4)徳山大公立化、周南市議会全協で説明
(5)下松中1年生が笠戸島研修で魚調理

 

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市長「市立化で人口減少緩和」

まちづくりの「知の拠点」へ

周南市議会

徳山大公立化・シンポ前に全協で説明

説明する藤井市長

 周南市がまとめた「大学を生かしたまちづくりの方向性―徳山大学公立化についての市の考え方(案)」の説明を聞く市議会全員協議会が12日に開かれ、藤井市長は徳山大学を公立化してこれまで以上に地域貢献する大学にすることが人口減少の速度の鈍化などにつながると述べ「新たなものの創造、改善には知の力が必要」と公立化した徳山大を知の拠点としたまちづくりを推進したいと訴えた。
 徳山大の公立化は2年前の市長選に藤井市長が立候補した際の公約。この日は以前に市議会が公立化の推進を決議していたこともきっかけだったと述べた。「考え方」は徳山大学公立化有識者検討会議が昨年9月から今年2月までの論議を経てまとめた報告書などをもとに市が策定した。
 その中で、大学を生かしたまちづくりの方向性として、大学を「地域の成長エンジン」とした地方創生▽地元から同大学に進学、卒業後、地元に定着する地域人財循環構造の確立▽若者によるまちの賑わい創出を掲げている。
 大学改革の推進では、周南市単独で設立するが、県東部全体の発展を目指し、理事長の選任や中期目標、中期計画の認定、評価委員会の設置などで運営をチェックすることなども記載している。
 現在の2学部3学科を経済経営学部経済経営学科▽人間科学部スポーツ健康科学科、福祉学科、看護学科▽情報科学部情報科学科の3学部5学科にし、入学定員も280人を400人に増やすとしている。このほか財政計画などを記載している。
 市長は、市民に寄り添い、誇りと品格のあるまちを目指す自身の市政運営と、知の拠点としての徳山大学は同じベクトルを持ち、「地域に貢献し、地域に支えられる大学」にすることがまちづくりになると強調。
 公開講座など生涯学習の場の提供で市民が積極的、自発的、内発的にまちづくりを推進するなどの地域貢献にとどまらず、学生が地域をフィールドとして学内では体験できないことを学び、地域がフィールドの主体、インストラクター、提供者、サポーターにもなる関係を提案した。
 最後に「今後、知の力でまちづくりを進める努力を重ねることで、選ばれる都市になり、人口減少対策にもつながるよう、地域の宝である徳山大学を磨き上げていきたい」と決意を述べた。全員協議会の会場の議場では20人ほどが傍聴に訪れていた。

「市民サービス低下はない」

 その後、質疑があった。主な質問と市長らの答弁は次の通り。
 中村富美子議員(日本共産党)=人口減少に歯止めがかかるという根拠は。「考え方」にある公立化にあたっての市の覚悟とは。
 答弁 人口が増加するとは言っていないが、減少をゆるやかにできる。
 市の覚悟とは市が大学を運営し、学びの場を恒久的に保障し、市全体で学生を育て、知の拠点としていくなどの覚悟だ。
 長嶺敏昭議員(六合会)=魅力的なまちへ住環境が重要だ。
 答弁 学生の定員増も検討しており、しっかり整備したい。
 金子優子議員(公明党)=財政負担が生じて市民サービスが低下することはないのか。
 答弁 財政負担は一時的で、市民サービスの低下は起こらないし、あってはならない。
 小池一正議員(公明党)=学部学科増設にあたっての教員確保の見通しは。
 答弁 大学が全国的にリサーチしている。
 細田憲司議員(アクティブ)=スポーツが強いという徳山大の特性はどうなるのか。
 答弁 市の政策課題に対し、知恵を生かし、まちづくりを市民とともに進めたい。
 清水芳将議員(アクティブ)=学部の新設は公立化しないとできないのか。公立化後の市の関わりは。
 答弁 今のままでは新設は厳しいと聞いている。公立化後は市長が理事長を任命し、中期目標は議会が議決するなどさまざまにチェックしていく。
 小林雄二議員(市民クラブ)=まちづくりと公立化と聞いても今一つピンとこない。公立化官尊民卑の考えはないか。
 答弁 大学を生かしたまちづくりを進める。官尊民卑の考えはまったくない。徳山大学の建学の精神を発展させ、磨いていきたい。
 藤井康弘議員(アクティブ)=財政への影響を平準化するため、公立化による市の負担分を起債、借入でまかなうことはできないのか。
 答弁 起債も考えられる。

シンポはCATV、ネットで中継

 市は15日午後1時半から3時半まで、無観客で開催してインターネットのYouTubeとシティケーブル周南のCATVで中継する形で「徳山大学公立化検討シンポジウム―大学を生かしたまちづくり」を開く。
 沖縄県の公立大学法人名桜大学の砂川昌範学長の基調講演があり、砂川学長と藤井市長、徳山大の高田隆学長、同検討会議のメンバーがパネリストとして登場する。
 その後、6月中に4回の説明会も計画している。問い合わせは市企画課公立大学推進室(0834-22-8224)へ。

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周南市で10代1人

県内48人、2,279人に

 県などは13日、新型コロナウイルス感染者48人を発表した。周南地域は周南市の1人だけで、同市の感染者は374人、県内全体は2,279人になった。80代の女性の死亡も公表した。県内の死亡者は50人目。
 周南市の感染者は10代の学生の男性で無症状。防府市の学校クラスターの感染者で8日に発症、12日に検査で陽性が確定した。
 防府市は14人で、20代から80代の女性11人、10歳未満と70代、90代の男性▽岩国市は8人で、10、50、70、80代の女性、20代2人、30、70代の男性▽山口市は5人で、30代、50代2人の女性と30、40代の男性▽宇部市は3人で、30、60代の男性、60代の女性▽柳井市は2人で10代の学生の男女▽広島県在住者が1人。下関市も14人で、同市の20代から60代の男性9人と、10、20、30、40、70代の女性5人。

 

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