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患者、スタッフに「安全・安心」を

[新型コロナウイルス感染症対策]


周南記念病院にコロナ病棟開設
中等症状者を完全な密閉空間で

コロナ感染者用の密閉型の車椅子



 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、周南3市でもコロナの重症患者の病棟を持つ感染症指定医療機関、周南市の徳山中央病院(那須誉人院長、494床)を核に、3市の4病院に中等症状者と軽症者を受け入れるための病棟が設けられている。4病院のうち8日にコロナ病棟を開設した下松市生野屋南の周南記念病院(橋谷田博院長、250床)を取材した。(山上達也)

ゾーンを仕切る壁とナンバーロックのドア



非公開が多い中等症状者受け入れ病院

 県健康増進課によると、徳山中央病院は周南、柳井、岩国地域を含む県東部の感染症指定医療機関に指定。中部は防府市の県立総合医療センター▽西部は下関市の市立市民病院▽北浦は長門市の長門総合病院が感染症指定医療機関だ。
 感染症指定医療機関の下に「重症病棟」を持つ医療機関が並んでいるが、周南地域で対象の医療機関は徳山中央病院のみ。さらにその下の「中等・軽症病棟」を持つ医療機関は、県ホームページでは東部の医療機関として岩国市の岩国医療センター、柳井市の周東総合病院、周防大島町の東和病院「等」と掲載しており、周南3市の病院名は見当たらない。
 県健康増進課は「公表に消極的な病院が多いことに配慮するためホームページや記者発表資料では“等”としているが、病院側が自ら報道機関に積極的に公開するケースは問題ない」としている。
 周南記念病院は「積極的にコロナ病棟の開設をアピールすることで、皆さんに安心感を持ってもらおう」と本紙の取材に応じることになった。



エレベーター専用化、診察はオンライン

 周南記念病院のコロナ感染者病棟は10床で、3階の東病棟(約1,200平方メートル)に設けた。隣接の西病棟から出入りできないように、西病棟との境を半透明のプラスチック板で天井から床まで完全に仕切って密閉した。もちろん上下の階との階段は全面通行止め。ドアはナンバーロック式で、自由な出入りを規制している。
 まずコロナ感染者が院内に運び込まれる場合、通常の玄関ではなく裏口から入る。ここからエレベーターまでの通路も完全にプラスチック板で密閉した。
 患者は全体がビニールで覆われた「車椅子型アイソレーター」と呼ばれる車椅子で移動する。空気感染や飛沫感染の恐れがある患者の搬送のために開発されたものだ。
 エレベーターも1台をコロナ病棟の専用機にして、1階と3階以外には止まらないように工事をした。エレベーターの中も外も1階と3階のボタンしか作動しないので、間違って他の階で止まってドアが開くことはない。
 感染者の病室はすべて個室で、トイレやバスも完備。患者の診察はオンラインでもできるように、医師とやり取りができる専用カメラとスピーカーを各室に配備している。空気を清浄化する“HEPAフィルター”を取りつけた病室もある。

3ゾーン化で感染防止を徹底


 コロナ感染病棟のスタッフは20人。橋谷田院長は「全員が病院側の呼びかけに応じた医師や看護師たち。自らこの病棟勤務を希望してくれたことは、病院全体のみんなの誇り」と胸を張る。
 もちろんスタッフの安全対策も万全で、患者に接する時は宇宙服のような使い捨ての防護服を着用することが基本。コロナ病棟全体を、感染者がいるレッドゾーン▽感染から区切られたブルーゾーン▽両ゾーンの中間にあるイエローゾーンに分けて、スタッフがゾーンを超える時は防護服の着脱や消毒など、全員が徹底した感染防止対策をするようにマニュアル化している。
 こうしたコロナ病棟の設置は県が県内の各医療機関に打診したもの。コロナ病棟の設置に必要な費用の一部は県が負担している。
 橋谷田院長は「感染患者にもうちのスタッフにも、安全と安心が保障されるコロナ病棟を開設することができた。一日も早いコロナの収束に向けて、医療面でできることはすべてやりたい」と意気込んでいる。


【きょうの紙面】
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