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時代に即したエネルギー供給拠点に

[この人に聞く]
時代に即したエネルギー供給拠点に
各社と連携、カーボンニュートラルへ

出光興産徳山事業所長 

三品 鉄路さん(53)

 周南市の出光興産徳山事業所の事業所長に三品鉄路さん(53)が6月25日付けで着任した。同社は6月、既存設備を活用した同事業所のアンモニアの輸入基地化などを検討すると発表。地球温暖化防止のための世界的なカーボンニュートラルへの取り組みなど、これまでと大きく変わる経営環境の中で、同事業所をどう引っ張っていくのかを聞いた。(聞き手・中島進新周南新聞社社長)


―徳山事業所の印象はいかがですか。

 以前勤務していた四日市製油所に似ていますね。当事業所が地域の人々や近隣の企業から温かい応援を受けていることを実感しました。これまで先輩方が積み上げてきた地域との信頼関係のおかげだと感謝しています。

―製油所時代から数えると60年以上の歴史がありますが、改めて同事業所の強みは何でしょうか。

 国際競争力を備えた周南石油化学コンビナートの企業との連携が深いことがあげられます。1月には従来と比べて約30%の省エネ効果を発揮できるナフサ分解炉が稼働し、より価格競争力のあるエチレンを各社に供給できるようになりました。

―現在建設中のバイオマス発電所は来年の稼働予定です

 当事業所だけでなく周南コンビナートの未来をつくるものとして、エネルギーの安定供給というミッションを果たしながら、脱炭素社会の実現に向けて精力的に取り組んでいきます。従来石油精製事業で使用していたインフラを活用して、効率的に実現していきます。

―アンモニア事業に参入する狙いは何でしょうか。

 当社は地域や社会が必要とするエネルギー、素材を供給することを生業としてきました。石油や石炭、石油化学原料が基盤事業の当社として、当事業所を時代に即したエネルギー供給拠点へ転換する必要があると考えます。バイオマス発電だけでなく、二酸化炭素を出さないアンモニアのナフサ分解炉での燃焼実証や、既存インフラでの貯蔵、供給設備などを検討して、将来的には近隣のコンビナート企業への供給を目指します。

―2019年4月の出光興産と昭和シェル石油の経営統合後、徳山事業所長としては三品さんが初めての昭和シェル石油出身者です。

 統合前は昭和シェルで統合準備室長、統合後は当社で統合推進室長、DTK推進室長を務めました。DTKは統合後のキャッチフレーズ「だったらこうしよう」の略です。文化が違う会社の人間が一緒になったので、一方のやり方に盲目的に合わせたり、全体をがらっと変えるのではなく、両方が柔軟な発想で話し合い、「だったらこうしよう」と決め一致団結して進んでいくことを狙いました。全社的なワークフローの見直し、テレワークの導入、労働時間の削減、人事制度の変革などにつながりました。

―一昨年から女性オペレーターの採用を始めていますね。

 当社は多種多様な人材の活躍を経営方針に掲げています。育児休暇やフレックスタイムなども充実させ、性別やライフイベントに関係なく様々な仕事に就いてもらうことを目指しています。当所における障がい者の雇用者数は20人に拡大し、雇用率3.9%は法定の2.3%を大きく上回っています。障がいを個性ととらえ、その個性を生かした社会貢献を当事業所で実現していただきたいです。

―周南地域への思いをお聞かせください。

 我々は地域と共にあり、地域社会と密接した事業所を目指します。また、グリーンエネルギーの活用拠点としてもコンビナートや地域社会へ貢献できるよう挑戦していきます。昨年は徳山下松港が全国6地域のカーボンニュートラルポート検討対象の一つに選ばれました。多くの二酸化炭素を排出するコンビナート企業にとって、その削減は極めて大きな課題です。当社も各社と連携してコンビナートの将来像を描き、具体的な取り組みを検討していきます。

【三品鉄路(みしな・てつじ)さんプロフィール】
 1968年、東京都生まれ。武蔵工業大学(現東京都市大学)工学部機械工学科卒業後92年に旧昭和シェル石油に入社。経営企画部長、統合準備室長などを経て、出光興産との統合後は統合推進室長、DTK推進室長を歴任。
 自宅は横浜市で単身赴任中。趣味は山登り。座右の銘は、山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」。




【きょうの紙面】
(2)アクアピアプール天井からさびのかたまり
(4)周南記念病院が従業員に「ありがと弁当」
(5)17日~・小林功於デジタル版画展


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