ヘッドラインニュース

徳山海陸が木質ペレット

国内最大のバイオマス燃料基地へ
荷揚げから発電所に輸送まで

新設の連続式アンローダー=徳山海陸運送提供


 周南市の徳山海陸運送(山田多加司社長)が発電所のバイオマス燃料用木質ペレットの港湾荷役業務の取り扱いをすることになった。17日に晴海ふ頭にカナダから到着する木質ペレットを荷揚げする予定。今年は年間取扱量5万トンだが、22年以降は54万トンに増やす。
 木質ペレットは木くずを固めて作られ、鉛筆ほどの太さで長さは3センチから5センチ。貨物船で運ばれてくる。晴海ふ頭では新設した連続式アンローダーを使い、船から専用コンテナに移す。今回は1万トンを荷揚げする。
 この装置は1時間に400トンを移す能力がある。コンテナもこの事業のために750基を用意し、今後、増やす。これまでは大規模な倉庫が必要だったが、今回、コンテナによる保管、移送システムを開発した。コンテナを使用することで、陸上ではトレーラーでコンテナごと運べるようになり、火災のリスクも減らせた。
 同社は商社が輸入した木質ペレットの晴海ふ頭での揚荷役、コンテナ収納、公共ふ頭での保管、さらに国内各地の発電所へ運ぶ内航船の積み込み、海上輸送まで一連の港湾荷役業務を担当する。
 植物由来のバイオマス燃料は二酸化炭素の削減対策としても注目されている。同社は㈱トクヤマの100%子会社。パームヤシ殻も年間43万トンを扱い、こちらも22年以後は55万トンに増やす計画。木質ペレットと合わせて国内最大のバイオマス燃料基地の構築を目指している。

【きょうの紙面】
(2)光市の瀬戸風線の2027年完成積極姿勢
(3)下松市教委が成人式の企画運営メンバー
(4)林忠彦の「世界と日本のこころ旅」延長
(5)トヨタFC発電機、㈱トクヤマで実証運転


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周南市が緊急経済対策第2弾

[新型コロナウイルス感染症対策]

売上減少で20万円、業種も拡大
休業支援は1,193件の応募



 周南市は10日、新型コロナウイルス対応緊急経済対策第2弾として、20万円の「事業継続支援金」の受け付けを始めた。第1弾の店舗営業休業支援金を受けていない個人事業主、小規模事業者が対象。7月31日(金)まで受け付ける。
 同市は緊急経済対策第1弾で6日間以上、新型コロナウイルス感染拡大防止のために店舗を休業した個人事業主、小規模企業者を対象に20万円の店舗休業支援金の申請を受け付けた。第1弾と今回の第2弾を合わせて2千件の給付を見込んでいる。
 申請は6月1日で締め切ったが、1,193件の申請があり、12日までに86%の審査が終わり、84%にはすでに振り込んでいる。
 第2弾は対象要件を大きく変更。個人事業主、小規模事業者は同じだが、3~5月の売上額が前年同期より減少▽3~5月が1月、2月より減少▽4月が3月より減少、5月が4月より減少の場合も申請できる、店舗の有無や休業の有無は問わない、今年の2月29日までに開業した人を対象にして最近、オープンした店舗も対象に入れている。
 業種はバス、タクシーなどの道路旅客運送業▽衣服、食料、自動車、家具など主として生活用品の卸売業▽デザイン、司会、警備、イベント企画、展示会企画などの主としてイベント関連の専門サービス業を追加し、これまでの7業種と合わせて10業種にした。
 「小規模事業者」は「常時使用する従業員」が飲食店やサービス業は5人以下だが、役員は従業員に含まず、いくつかの業種を兼業している場合も申請が可能な従業員数が変わる。「常時使用」かどうかは経営者が判断できる。例えば食品関係でパンを自社で焼いている場合は製造業になり、従業員が6人以上でも申請できる。
 原則としてホームページから申請書をダウンロードして郵送で申し込むが、市役所にも申請書があり、申請書を受け付ける箱も置いている。
 市の支援金が利用できなくても県や国の制度の対象になる場合もある。市商工振興課では従業員が多い場合や、対象業種が異なるから申請できないと思わず、相談してほしいと呼びかけている。今後、緊急経済対策第3弾の発動も検討する。電話は専用ダイヤルの0834-22-8819。

【きょうの紙面】
(2)下松市が防災会議、指定避難所に2カ所追加
(3)周南3市で130件、昨年の新設法人
(4)陶芸の梅崎さん、平面の田村さんの2人展
(5)下松市の花いっぱい運動に感謝状


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看護学科、情報科学科設置

周南地域から入学30%、就職40%
徳山大学が「改革及び将来像」公表

会見する池田理事長(左)、高田学長

 周南市の徳山大学の高田隆学長と同大学を経営している徳山教育財団の池田和夫理事長は4日、同大学で記者会見して改革の取り組みなどをまとめた報告書「徳山大学の現状と大学改革及び将来像」を発表した。改革は地域貢献が柱。市立大学に移行させる公立化の意義、公立化後の看護学科のある人間健康科学部、理系学部の情報科学部創設、周南地域からの入学者を増やし、周南地域に就職する卒業生を増やす方策などを示している。

ロードマップ作成へ

 同大学は旧徳山市の支援で誕生した経緯もあり、昨年、公立化を周南市に要望した。今回の報告書もすでに市に提出。市は市議会議員にも配布した。市は今年度予算に公立化検討事業費1,384万7千円を計上しており、近く有識者会議を設けるなどして公立化について調査、検討を本格化させる。
 報告書はA5判32ページ。①大学の現状②大学の課題③将来像に向けた大学改革④公立化の意義⑤経営の見通しを記述している。
 改革の期間について、公立化は2021年の「設立50周年あたり」をめどとしており、新学部設置はその2年後。改革全体も「5、6年のうち」と説明し、現在、実現に向けたロードマップを作成している。

マネジメント強化

 大学の現状では学生数の推移、「知・徳・体」一体の教育など特色ある教育活動、地域ゼミなど地域貢献活動、経営・財務、建物の状況も説明。大学の課題として、周南地域からの入学者、就職者が少ないこと▽地域連携活動に対する認知度が高くないこと▽経営面ではスポーツ競技優秀者、留学生への奨学金負担が大きいことなどを挙げている。
 「将来像に向けた大学改革」では教学や事業運営のマネジメントの強化、教育、研究活動による地域貢献、産学連携の強化、大学院の施設などを列挙。このうち、マネジメント強化のための学長補佐任命、徳山大学地域共創センターの設置はすでに4月に実施している。

入学定員280人→400人

 学部、学科は現在の経済学部現代経済学科、ビジネス戦略学科、福祉情報学部人間コミュケーション学科の2学部3学科を、公立化後に経済経営学部経済経営学科、人間科学部スポーツ健康科学科、福祉学科、看護学科、情報科学部情報科学科の3学部5学科に再編。入学定員も現在の280人を400人に増やす。
 4年制の看護師養成機関は日本看護協会の重点政策だが、県内の4年制の養成機関は3大学しかなく、看護学科が実現すれば県東部では初となる。
 独立した情報科学部も山口県で初。情報科学分野の専門的人材に加えて、情報科学のわかるビジネスパーソンや医療・福祉人材を育成する。産学連携を情報科学部が中心となってリードし、地域創生の原動力にもなると位置付けている。

地域推薦枠、インターン必修

 同大学の2020年度の入学者のうち、周南市からの入学者は新入生の4.3%▽周南、下松、光市からは8.7%▽19年度の県内から入学する学生の比率は30.3%にとどまっている。報告書ではこれを周南地域から30%にする。
 就職も周南市内への就職率は18年度の場合で10.5%、県内は30.1%。これを周南地域で40%にする。記者会見では地域からの入学、地域への就職を増やす取り組みは今年度から着手し、「4、5年のスパン」で結果を出したいと述べた。
 このため、入学者増加策では高校との連携を強化し、高校生に大学での1日を体験してもらったり、ウェブ講義の参加などで大学の活動にふれる機会を増やす。公立化に伴っては地域推薦枠を設定する。
 魅力アップのために首都圏、近隣都市、海外の大学とのジョイントプログラムを開設し、オーストラリアの周南市の姉妹都市、タウンズビル市のジェームズクック大学との姉妹校提携も進める。
 卒業生の地域定着促進では、地域連携プログラムの強化▽学生が企業で実習するインターンシップの必修化▽地域業界別キャリアアドバイザープログラムの実施▽「産学連携 周南創生コンソーシアム」の活用などに取り組む。

中心部にサテライトキャンパス

 公立化の意義では、「公立大学ブランド」と学費の低減で受験者が増加し、より優秀な学生が集まること▽地域の発展につながる人財育成や産学官連携を強化できる▽優秀な〝人財〟の流出を抑制し、周南市への若者の流入、定着を増やせる▽市のシンクタンク機能をこれまで以上に果たせるなど社会インフラ(公共財)として強化されることを挙げている。
 経営の見通しでは、公立化後は国から市に地方交付税が交付され、市から大学に運営交付金が交付される形になるが、外部資金の獲得にも努めるとしている。保健系や理科系の学部ができることも早期の経営安定につながると見ている。
 施設整備はすでに収容定員1,600人に合致した施設があるが、新学部設置に必要な施設整備案を作成し、市中心部へのサテライトキャンパスの設置も検討する。

【きょうの紙面】
(2)スターピアくだまつが制限つきで利用再開
(3)徳山周南法人会が総会、租税教育に成果
(4)徳山RCが三作神楽の保存会に衣装寄贈
(5)田中さんが「私的地名考」自費出版


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煉炭製造所誘致に関与

徳山発展の第1歩に

児玉源太郎の書簡から確認

周南市教委が調査報告書

 周南市教委は2017年度から3年がかりで取り組んだ児玉源太郎資料調査事業の成果を「児玉源太郎資料調査報告書」としてまとめた。調査の中で、周南市が工業都市として発展するきっかけとなった1905年の旧徳山町への海軍煉炭製造所誘致に児玉源太郎(1852-1906)が関与していることがわかる書簡が確認された。
 海軍煉炭製造所は海軍の艦船の燃料となる煉炭を大嶺炭田(美祢市)の石炭で製造するため、日露戦争中に作られた。その後、艦船の燃料は重油になり、同製造所は21年に石油精製の海軍燃料廠に発展し、戦後の石油化学コンビナートの建設につながった。しかし、これまで徳山町の煉炭製造所誘致に児玉の関与はなかったとされていた。
 日露戦争は1904年2月に始まり、児玉は陸軍中将で大本営参謀次長兼兵站総監だったが、6月には大将に昇進して満州軍総参謀長になる。
 今回見つかった書簡は児玉が海軍次官の斉藤実に宛てた書簡で、国立国会図書館所蔵。04年5月16日付け。当時、徳山町は練炭製造所の誘致に名乗りを上げていたが「町長で貴族院議員の野村恒造が上京したので面会して希望をお聞きとりくださるように」と書かれ、関与したことが明確になっている。

◇   ◇   ◇

 児玉は旧徳山藩士で戊辰戦争にも出陣した。明治維新後は陸軍に入り、西南戦争や日清戦争でも活躍し、日ロ露戦争では満州軍総参謀長として日本を勝利に導いた。台湾総督や陸軍、内務、文部大臣も歴任した政治家でもあった。
 今回の報告書はA4判、455ページで非売品。専任嘱託職員の元中央図書館長の花田佳子さんと元同館職員の中島正樹さんが中心になってまとめた。200部印刷して市内の小、中、高校、大学や県内の図書館などに配っている。印刷費は162万8千円、3年間の総事業費は1319万8千円。
 第1章は周南市と児玉の関わり。徳山藩時代の史料、ゆかりの地と石碑などを紹介している。児玉が創設して1945年に空襲で焼失するまで徳山の教育、文化に貢献していた図書館「児玉文庫」については特に詳しく、児玉が亡くなったあとの活動も報告している。
 第2章が書簡など。児玉の書簡は代筆や電報などを含めて305通が確認されているが、そのうち175通は活字化されていなかった。このうち33人宛ての158通を今回、初めて活字化して解説とともに掲載。活字化されていた書簡からも重要と思われる5通を掲載している。掲載書簡のうち後藤新平宛てが40通、寺内正毅宛てが26通ある。
 第3章は県外に残る児玉の足跡で、別荘があった鎌倉、日清戦争後、大陸から引き揚げてきた将兵の上陸地になり、水道敷設に携わった広島、自宅のあった東京・市谷を取り上げている。
 第4章は児玉の人柄が伝わってくる、台湾総督時代や戦場などで接した人の回想、逸話を集めたエピソード集、第5章が漢詩。 
 巻末に資料として32ページにもおよぶ年譜、児玉の発信書簡の一覧表、児玉に関する刊行物、周南市美術博物館、中央図書館の所蔵資料をまとめている。巻頭に児玉の肖像写真など27枚を集めたグラビアもある。
 問い合わせは市教委生涯学習課(0834-22-8621)へ。

【きょうの紙面】
(2)下松市の国井市長が2期目の所信表明
(3)長田町団地があと3区画、完売目指す
(4)コアプラザかのへの総合支所移転“不可”
(5)櫛浜小でサツマイモの苗植え体験


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周南市議選で投票できず

憲法保障の参政権が不行使に
新型コロナウイルス感染症防止対策

 利用者数が50人以下のため施設内で投票できない小規模な高齢者入居施設で、新型コロナウイルス感染症対策が強化されて以降、入所者が投票できない事態が続いている。7日投開票の周南市議選(定数30)でも「投票したい」というグループホームの入所者の意思に、施設側が「外出禁止」を盾に応じなかった。憲法が国民に等しく保障する参政権の行使へ、行政側と施設側の対応改善が求められる。(山上達也)

入居50人の病院、施設内で投票可能

 病院や老人ホーム、障害者支援施設、保護施設で、おおむね50人以上の入居(入院)者がいる施設は、都道府県選管の指定を受けて不在者投票を受け付けることができる。
 指定には施設が市区町村選管を通じて都道府県選管に申請することが必要。山口県選管は「収容人員が50人以下の施設でも、不在者投票の執行や管理の機能があると認められれば、指定している例がある」という。

3市の小規模高齢者施設に800人

 しかしグループホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など小規模高齢者施設の大半は県選管の指定を受けていないため、入所者は施設内で投票ができない。
 周南3市では48施設があり、入所定員の総数は798人。実に3市で800人近い人たちが少なくとも施設内で投票できず、今回のコロナ騒動のようなことがあれば投票したくてもその機会を奪われることになる。
 周南市内のグループホームに入所中の女性(85)は、7日投票の周南市議選で家族の送迎で投票所に行こうとしたが、施設側がコロナウイルス対策で外出を許可しなかった。女性の家族は女性の投票意思を実現させてほしいと施設に何度も要請したが外出は認められず、女性は投票できないままだった。
 女性は取材に「投票したい候補者がいたのに、投票できなくて残念。私の外出でウイルスを(施設の)中に持ち込んだらと思うと、投票をあきらめるしかなかった」という。

小規模施設でも施設内投票へ申請を

 ではどんな改善策があるのだろうか。
 50人以下の小規模施設であっても、施設内で投票できるように施設側が県選管に申請することはできる。投票管理者や投票立会人を選任し、必要な準備や事務処理が可能な施設なら問題ない。
 市区町村選管も移動型の期日前投票制度を活用し、希望する各施設を職員が回って入所者の期日前投票を受け付ける対応が可能だ。
 実際に山口市ではワゴン車で山間部の集落を巡回する移動式の期日前投票制度を導入している。このやり方で希望する小規模の高齢者施設を回る形だ。
 入居先や自宅で投票用紙に記入し、郵便で市区町村選管に送る「郵便投票」の制度も改善が必要だ。
 現状では郵便投票ができる人は要介護5の人や重度の障害を持つ人に限られているが、要介護5は身の回りのことがほとんどできない人。郵便投票の対象者を要介護5~3あたりまで広げて、郵便投票の制度を幅広く使えるようにすべきだ。


憲法が保障する国民の参政権を最優先に

 県選管は取材に「病院や施設での不在者投票は病気や負傷で歩行困難な人や、歩行は可能でも自宅がある自治体以外の施設の入院、入所者のためのもの。コロナウイルス対策では特段の対応は考えていない」という。
 しかし投票率をアップさせようと啓発活動を展開しているのは、各自治体の選管自身ではないのか。そして選挙の主役は有権者自身のはずだ。
 その有権者には心身の状態でいろんな境遇の人がいる。どんな境遇であっても最大限に投票の機会を保証するのが選管の役目。選管には今一度、憲法が保障する国民の参政権の行使のあり方を再考するよう求めたい。
 施設側にもコロナウイルス対応を最優先するあまり、入所者の投票の機会を奪うことのないように、釘を刺しておきたい。

【きょうの紙面】
(2)ひまわり会が周南、徳山総合支援校にマスク
(3)徳山セントラルRCが留学生支援30万円
(4)新南陽学校給食センターが始動
(5)Yamakatsuがライジングホールで無観客ライブ


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スマートカメラ「NANDOかな」

周南市のSTVG JAPANが取り扱い

斉藤社長
ポールに取り組付けた「NANDOかな」スマートカメラ
カメラの体温測定記録



 周南市中央の「STVG JAPAN」(斉藤文護社長)が、顔認証と体温測定が同時にできるスマートカメラを販売する。カメラの名前は「NANDOかな」で7月の発売を見込む。
 このカメラは斉藤社長がベトナムに設立したJ・TECH社が研究を進め、現地のAI開発会社STVG社と共同で開発。縦40センチ、横23センチのパネル上部にレンズがあり、赤外線センサーを内蔵する。ポールに取り付けて使い、カメラの前に立つと顔認証と体温測定が同時にできる。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響はベトナムにも及び、感染予防は喫緊の課題。「NANDOかな」はカメラの前に立つだけで体温を測定、顔認証で人物を特定して記録する仕組み。通学や通勤で建物に入る人物の体温を入り口で瞬時に測定することで感染を防ぐことができる。顔認証センサーで不審者の侵入も防ぐことができ、同時に入退室時の記録がそのまま勤怠管理にも使えるメリットがある。
 J・TECH社は現地の大学内にあるベンチャー企業で、電子工学を研究し共同設立者でもあるベトナム人教授が開発の指揮を執った。教授の教えを受けるベトナム人学生が主体となってスマートカメラの研究を重ねた。情報通信技術にも精通した優秀な学生の頭脳が結集したおかげで、開発スピードが格段に早まったという。
 同仕様のカメラは他社でも販売されているが、ベトナムでの開発でコストが抑えられたことで、安く提供できるのが強み。現時点で小売価格を18万円と見込んでいる。
 J・TECH社は、人の動きを追跡し次の行動を予測して問題があれば警告を発信する発展形のスマートカメラの開発も進めており、斉藤社長は「コンビニエンスストアなどの店舗や商業ビルの周辺に設置することで、窃盗や強盗犯罪を未然に防ぐのにとても役に立つ。低価格で提供することで、ベトナムだけでなく日本での普及も目指したい」と話している。

【きょうの紙面】
(2)周南市がマスクの「寄付ボックス」
(3)周南市に台湾から布製マスク2,500枚
(4)笠戸島プチ海の駅、栽培漁業センターで再開
(5)周陽小が読書活動優秀実践で文科大臣表彰


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目の前のことに全力尽くす

甲子園へ優勝目指したが…
南陽工高・硬式野球部

練習を見守る山崎監督
練習を再開した部員たち

 新型コロナウイルスの感染防止のため日本高校野球連盟は5月20日、甲子園で開かれる夏の全国高校野球選手権大会の中止を発表した。これを受け、6日に県高野連が独自の代替大会を7月11日開幕で開くことにした。
 これまで春夏通算8回の全国大会出場を誇り、故津田恒実投手を輩出した周南市の南陽工高硬式野球部(山崎康浩監督、50人)は、休校明けの5月25日から普段通り全体練習を再開した。
 今回の大会中止の決定について就任16年目の山崎監督(58)は「予想していたこととはいえ残念」と一言。今年のチームは甲子園出場の手ごたえを感じさせるという。
 昨年秋の県体育大会は準決勝で敗退。これをきっかけに指導方法を見直し、監督やコーチのトップダウン方式から、練習のメニューや目的を部員が自ら考え実践する方針に転換した。
 自主性を発揮する部員の顔つきが徐々に変わっていき、プレー技術が日々向上するのを山崎監督は目にした。
 吉井謙二郎主将(17)は打撃力の向上を図り、飛んでくるバドミントンのシャトルを打ってミートの感覚やタイミングをつかむ練習メニューを考案。ひたすらバットを振り打撃に磨きをかけてきた。
 2月27日からの休校で部活動も休止となり部員は自主練習を余儀なくされたが、4月初旬に全体練習を実施した時、休校前よりも野球が上手くなっている部員の姿に、山崎監督は「子どもに備わる自分で伸びていく力を実感させられた」という。県予選の山場と想定した強豪高川学園の攻略法も万全だった。
 現時点では代替大会に向けて、目の前のやるべきことに全力で取り組むのみ。その先にあるのは優勝の2文字だ。吉井主将は「絶対に勝ちにいく」と言葉に力を込める。
 山崎監督は「部員たちが成長する姿を見るとワクワクする。一人のファンとしてこのチームと接しているような感じで、こんな気分は長年監督を務めて初めてだ。このメンバーと一緒にもうちょっと野球をやっていたい」と代替大会を待ち望んでいる。

─── ─── ─── ─── ─── ─── ─── ───

「最後に試合をやらせてやりたい」
「練習が大きな力に」

 広島カープで活躍した故津田恒実投手を擁した南陽工高と、その後、光高で監督として甲子園に導いた坂本昌穂さん(75)は、甲子園での大会がなくなっても「練習は大きな力になる」と話す。

 甲子園は高校球児の夢であり希望。そこにたどりつきたいと目標にしてきたのに、その目標がなくなってしまうことは言葉に言い表せない、かわいそうに思います。
 何かの形で甲子園の大会に代わるものを開いて気持ちにけりをつけさせたい。県大会もいいし中国大会でもいい、危険でないところで、気持ちにけりをつけられないものかと思います。
 試合で実際に打ったり投げたりする感触は一番の思い出。バットから手に伝わってくる感触、これが思い出になる。最後の試合をやらせてやりたい。
 甲子園に出るため、3年間、あるいは中学のときから何年にもわたって努力してきたことが貴重です。甲子園のメダルよりもっと輝いています。このメダルが大事です。これを思い起こして、3年間やった経験を思い出すことで人生を切り開いていけます。3年間、苦しい練習は大きな自信になります。

【きょうの紙面】
(2)周南市議選解、投票区別投票率
(3)周南あけぼの園の手づくりマスクが話題
(4)平郡島からフードバンク山口に感謝状
(5)周南市がイベント開催指針、段階的に緩和

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現職24人、新人6人当選

周南市議選

投票率は46.83%で最低を更新
上位進出の新人も

 30議席に昨年の補欠選挙で当選したばかりの2人を含めて現職24人と新人9人が立候補した周南市議選は現職24人全員と新人6人が当選した。選挙戦も選挙事務も新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらの市議選。投票率は前回の53.35%からさらに下がって46.83%と過去最低になった。(文中敬称略)

 2003年に周南市が誕生して補選を除いては5回目の市議選。投票できる年齢が18歳以上に引き下げられて初の市議選で当日有権者は11万7,976人だった。
 古参議員や現職の大手企業社員の議員ら6人が引退。新人は公明党公認の2人、国民民主党公認の1人と無所属6人が立候補。女性候補は現職4人、新人1人で全員が当選した。
 落選者のうち次点は国民民主党の新人、玉井伸昌、32番目はQRコードを大きく印刷したポスターなどで目を引いた橋本真治、最下位は4人が立候補し、そのほか出身者もいて激戦区となった熊毛地区の龍泉仁之だった。
 新人で福川地区出身の元教員、田中昭と、補選で無投票の熊毛地区の吉安新太も終盤の必死の活動で900票台ながら当選した。
 トップ当選は前回2位だった自民党公認の福田吏江子、続いて前回3位の山本真吾で、3千票台はこの2人だった。前回、前々回と4千票台で1位の島津幸男も2千票台に減らしながらも議席を維持した。
 そのほか久米の岩田淳司、公明党公認の金子優子、議長で9期目となる社会民主党の小林雄二、桜木地区の新人、細田憲司、新南陽の9期目となる福田文治が2千票台だった。最年長の立候補者だった桜木の田村勇一や、徳山市議から通算で11期となった古谷幸男も議席を守った。
 政党別では、公明党公認は現職の金子と遠藤伸一、新人の小池一正、江崎加代子がいずれも上位で当選した。日本共産党は新南陽市議から通算10期目の中村富美子、徳山市議から5期目の魚永智行と昨年の補選で初当選した熊毛地区の渡辺君枝の3人がそろって議席を獲得、3議席を維持した。
 無所属の新人は細田と最年少だった久米の小林正樹が上位で初陣を飾った。元帝人徳山事業所社員の篠田裕二郎と田中を合わせて4人が当選した。
 感染拡大防止へ、出陣式や個人演説会も大半の陣営が開催できず、握手などにも配慮しながらの選挙戦。知名度で劣る新人にとっては特に厳しい選挙戦となった。インターネットを使った情報発信に力を入れる候補もあった。
 新型コロナウイルス対策のほか、まちづくり、産業振興、福祉、医療、教育、中山間地対策などさまざまな分野で主張を展開し、街頭と選挙公報や任期満了に伴う市議選では今回から配ることができるようになった政策ビラなどで訴えた。

※4面に周南市議選関連記事、8面に当選者一覧を掲載。

【きょうの紙面】
(2)徳山商工会議所が留学生支援へ寄付募集
(3)徳山海陸とトクヤマロジスティクス統合へ
(4)周南市議選当選者の喜びの声
(5)熊毛北高生がケアハウス三丘へマスク


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終盤まで支持求めて懸命

周南市議選・7日投票
定数30へ、新人9人奮闘、現職24人全力

期日前投票の会場

期日前投票は順調

 任期満了に伴う周南市議選は7日(日)の投票に向け、定数30に33人が立候補して少数激戦の様相。新型コロナウイルス感染拡大の中、異例の選挙戦となったが、新人9人が奮闘して最終盤まで予断を許さない状況が続いている。
 同市では補選を除いて5度目の市長選。立候補者33人はこれまでで最少。有権者の年齢が18歳に引き下げられて初の市議選でもある。
 5月30日現在の有権者数は男性5万7,661人、女性6万2453人で計12万114人。投票率は毎回、下がり続けて8年前の前々回は58.75%、4年前は53.35%。今回、さらに下がるのではと見られている。
 最下位当選者の得票数も定数34に40人が出馬した12年前が1621票▽定数を30人に削減、40人が立候補した8年前が1492票▽定数30人に34人が立候補した前回が1431票。今回、投票率が下がれば、全体の得票数も下がる。新人、現職を合わせて数人が当落線上で競り合っていると見られているが、当選ラインも下がる可能性がある。

CCSが開票速報番組

 期日前投票は1日から6日までの午前8時半から午後8時まで、市役所本庁舎1階の多目的室▽イオンタウン周南内の新南陽総合支所▽ゆめプラザ熊毛▽鹿野総合支所の4会場で受け付けている。今回から投票済証も発行している。
 期日前投票を訪れた人は3日までの3日間で4,229人。これは4年前の3日間で3,019人を大きく上回るペース。今回は新型コロナウイルス対策で投票日当日の密集、密接を避けるため、市選管が期日前投票を呼び掛けた影響もありそう。
 当日の投票所は98カ所で一部を除いて午前7時から午後8時まで。開票は午後9時15分からキリンビバレッジ周南総合スポーツセンターメインアリーナで始まり、確定予定時刻は8日午前1時が目標。
 またシティケーブル周南・CCSでは新周南新聞社の協力で特別番組「周南市議会議員一般選挙開票速報」を午後11時から開票の終了まで放送する。

【きょうの紙面】
(2)周南市10万円給付は5月31日現在2%
(3)来年秋、徳山商議所が徳山駅前へ移転
(4)室積でクサフグ2千匹が集団産卵
(6)下松市が花と緑の式典中止で市民に花の苗


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現職24人に新人9人が挑戦

周南市議選半ばの情勢
熊毛地区が激戦に


 任期満了に伴う周南市議選は7日(日)の投票に向け、立候補者33人の地域経済活性化や教育、福祉など幅広い分野の訴えにも熱が入っている。選挙公報、政策ビラの配布などで有権者の関心もようやく高まっており、4年前の前回は53.35%だった投票率がどうなるのかも注目されている。新人を中心に選挙戦半ばの情勢を探った。(文中敬称略=延安弘行)

インターネットでも情報発信

 立候補者33人は前回の34人を一人下回り、周南市が誕生して補選を除いた5回の市議選では最少。現職が24人、新人が9人と立候補者の約3割が新人。女性の立候補は5人にとどまっている。
 政党公認は公明党が新人2人を含む4人で最多。4人とも手堅く票固めを進めている。日本共産党は3人。前回も3人が出馬したが一人が次点だったこともあり、懸命の訴えが続く。自由民主党、国民民主党、社会民主党も1人ずつを公認している。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「密集」「密閉」を避けて室内で個人演説会を開く陣営はなく、事務所に集まる支持者も少なくし、「密接」を避けるため握手にも配慮しながらの異例の選挙戦となっている。
 このためホームページやSNSなどインターネットを使った“空中戦”による情報発信に力を入れる候補も多くなっている。一方で、選挙公報にホームページなどのQRコードを掲載した候補は3人にとどまった。

新人に勢い、現職に影響
[徳山地区東部]

 徳山地区東部の久米、櫛浜地区は4人、中心部に住所がある立候補者は11人で、計15人と立候補者の半分近くを占める。
 このうち東部では、大島の新人、橋本真治(48)はフットサルなどの団体役員。自転車に乗って街頭で訴えるともにインターネットで“空中戦”を展開しているが理解が広がるか、懸念される。
 久米の新人の小林正樹(32)は鍼灸師で医療、福祉の充実を訴える。華陵高舞台芸術部で活躍し、卒業後も市民のミュージカル制作に携わった。出身地の熊毛地区の八代でも支持拡大を期待する。
 櫛浜地区の青木義雄(56)は5期目、久米地区の現職の岩田淳司(51)は4期目を目指し、いずれも地域での活動にも熱心で今後の活躍が期待され、地元を中心にした訴えにも力が入っている。
 周南団地は桜木地区から旧徳山市議で現職の田村勇一(78)と、新人で陸上競技や地元からの支持を広げる細田憲司(49)が競う。田村は長く防犯、防災など地域の活動に力を入れてきたが、今回は若手の細田に勢いがあり、地盤が重なる田村は地元では厳しい展開となっている。公明の現職、遠藤伸一(43)も桜木地区に住む。

遠石地区でも競り合い
[徳山地区中心部]

 遠石地区は地元と位置付ける3人が競い合っている。新人で撤退した帝人徳山事業所の元社員、篠田裕二郎(47)が防災対策などを訴え、前議員や熊毛中時代の同級生、帝人の元同僚などの支持も受けて奮闘している。
 自民の現職、福田吏江子(38)は前回、2位で当選。今回はユーチューブ演説会も開いている。現職の佐々木照彦(55)は出身地の大津島は人口が減少。遠石地区などでの集票にも力を入れる。
 徳山小校区の商店街を地盤とする清水芳将(56)が5期目を目指す。元市長の島津幸男(74)も選挙事務所は新南陽地区だが住所は毛利町。前回、トップの勢いは衰えていない。
 新人は児玉町の国民民主の玉井伸昌(60)。広告関係の企業を退職、Uターンした。出遅れ気味だったが「愉快で元気な周南市」へ、県議の戸倉多香子の支援を受けて選挙運動も盛り上がってきている。
 今宿地区では、公明の新人、小池一正(61)は薬剤師、元企業経営者。「健康元気都市」「健康教育」推進を訴える。共産の現職、魚永智行(62)は18歳までの子どもの医療費無料化などを公約に掲げている。

ベテラン、新人交錯
[徳山地区西部、北部]
[新南陽地区]

 徳山地区の北部は須金地区のベテランが引退して立候補は3人。須々万地区の現職の藤井康弘(66)は前回、返り咲きを果たした。公明の新人で臨床検査技師の江崎加代子(53)も須々万。「子育て」「医療の充実」に取り組むと訴えている。中須地区の現職最古参で、徳山大交友会副会長や地区自治会連合会長を務める古谷幸男(71)も地元の人口が減る中で議席確保を目指す。
 西部では、社民の現職で現在議長の菊川地区の小林雄二(68)は東ソーOBで地元からの支持も厚い。戸田地区の4期目を目指す現職、土屋晴巳(63)は徳山医師会の元職員で医療関係者の支持も受ける。夜市地区に公明の現職、金子優子(56)がいる。
 新南陽地区は7人。ベテラン一人が引退したが、現職の井本義朗(43)はこまめに更新してきたホームページで活動を紹介。友田秀明(64)は地域バランスを考えた予算付けなどを訴える。山本真吾(35)は前回、無名ながら3位で初当選。4年間の活動が問われる。
 福田文治(69)は旧新南陽市議で上位当選の常連。福田健吾(44)もまちづくりや子育て支援を訴えて5期目を目指す。共産の現職、中村富美子(64)も元新南陽市議。新南陽市民病院の充実などを訴えている。3人とも福川地区から新南陽、市内全域への支持の拡大を図る。
 一方で新人の田中昭(59)が「30年後の周南市のために」の思いで福川から立候補。元小学校教員で教育問題を訴え、地元を中心に支持を求めているが、運動の本格的なスタートは3月の退職後で、当選圏突破に向けて出遅れを取り戻したい。

若手新人の出身者も参戦
[熊毛、鹿野地区]

 熊毛地区は現職で地元代表の尾崎隆則(68)が新清光台、新人の龍泉仁之(72)、昨年の補選で無投票当選した吉安新太(40)、岩徳線増便などを訴える共産の渡辺君枝(71)の3人はいずれも呼坂。
 龍泉は昨年の県議選に出馬した松並弘治の後援会長。自治会連合会長を務める勝間地区が地盤だが、後援会長などの経験を生かし、全市から集票できるかが浮上のカギを握る。
 吉安も実質的に今回が初陣。若さとともにポスターでは「住んできた熊毛」「生まれ育った鹿野」を強調しているが、得票につながるかは未知数。熊毛地区の在住者は4人だが、地区出身の新人の篠田、小林正樹もいて激戦区となっている。
 鹿野地区は現職の長嶺敏昭(64)が出馬している。同地区出身の坂本心次は市議から県議選に転じたが、人口減少に加え、吉安が鹿野地区で支持を拡大すれば影響を受けそう。
 選挙戦はまだ中盤で、当落に関しては最終局面で情勢が大きく動く可能性もあり、予断を許さない状態となっている。

【きょうの紙面】
(2)感染対策へ、給与、報酬削減3市そろう
(3)周南市議選アンケート・プロフィール編
(4)光市が84%に10万円給付終了
(5)遠石八幡宮で茅の輪くぐり


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