ヘッドラインニュース

石英レンズを中学理科教材に

東ソーSGMが下松市に寄付

 周南市の石英ガラス製造メーカー、東ソー・エスジーエム(手嶋寛社長)は4日、中学校の理科の教材で使ってほしいと石英ガラスで製作した凹と凸のレンズ3セットを下松市に贈った。市教委は市内3校に配って理科教育に使う。同社は近く周南市内の中学校15校にも贈る予定。

石英ガラスのレンズを説明する手嶋社長

石英ガラスのレンズを説明する手嶋社長

 同社は高純度の石英ガラスを制造する国内でも屈指の企業で、半導体、液晶パネル、光学製品など多彩な精密製品の素材を生産している。凹凸レンズは地元の中学生に科学に対する関心を高めてもらおうと、通常業務のかたわら従業員が研究を重ねて作った。
 寄贈したレンズは直径22センチ、厚さ最大2.3センチ、重さ約2キロ。レンズの純度が1億分の1と極めて高く、光の焦点を調べたり実験する理科の授業に役立つという。20セット作って同社の従業員が多く住む周南市と下松市に贈ることにした。
 レンズセットは手嶋社長(62)や吉村了治工場長(57)、高橋仁志総務部長(51)が市役所に持参した。手嶋社長は「子どもたちが少しでも科学に興味を持つきっかけになってほしい」と期待。受け取った国井市長は「ものづくりに子どもたちが一層関心を持ってもらえるように、中学校で有効に使わせていただきたい」とお礼を述べ、河村崇教育長と連名の感謝状を贈った。

【きょうの紙面】
(2)自民党県連が定期大会、新役員決定
(3)YMGUTSがトップスポーツクラブ指定
(4)東洋鋼鈑が下松市に300万円寄付
(6)15日、室積光さんの「遠い約束」公演

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日立英国鉄道陸送イベント

7月14日の日立英国鉄道陸送イベント
安全対策充実へ500万円のクラウドファンディングで募金開始

 下松市の日立製作所笠戸事業所(川畑淳一事業所長)で生産中の英国向け高速鉄道車両の第2回目となる陸送の公開イベントが7月14日に開かれるのを前に、事業費の一部を募るクラウドファンディング(CF=インターネット上の募金活動)が1日から始まった。7月1日までの1カ月間に500万円の募金を目指す。

記者会見で握手する弘中委員長(左)と国井市長

記者会見で握手する弘中委員長(左)と国井市長

 市や下松商工会議所などで作る実行委員会(委員長・弘中善昭同商議所副会頭)が5月30日に市役所5階会議室で開いた記者会見で発表した。
 それによるとCFは5千円から100万円までの11コースがあり、金額に応じて山下工業所製の打ち出し板金プレートなど特製記念グッズや、市内産の特産品がもらえたり、イベント当日に限定120人の特別観覧エリアが確保されるなどの特典がある。

販売を予定している日立グッズ

販売を予定している日立グッズ

 イベントの事業費は総額1,500万円。うち500万円をCFでまかない、警備員を昨年3月にあった陸送公開イベントの時の2倍の約200人確保するなど安全対策の充実に使うという。
 ただし募金額が締め切り日までに500万円に達しない場合、寄せられた金額は申し込み者に全額返金する。弘中委員長は「英国向けの鉄道車両の出荷は最終盤を迎えており、この公開は最後のチャンス。安全に楽しんでもらえるイベントになるよう、皆さんのご協力をお願いしたい」と話していた。
 イベントでは2両の鉄道車両を同事業所正門前から第2公共ふ頭までの約2キロをトレーラーがけん引する。くだまつスポーツセンターでは“HITACHI”のロゴ入りの箸、ものさし、バッグなど特製グッズや軽食、飲み物のブースを設けて販売する。
 記者会見に同席した国井市長は「官民共同の運営で多様なノウハウを活用してイベントを成功させたい。子どもたちに夢を贈りたい」と話して弘中委員長と握手していた。
 CFの特典の詳細は実行委のホームページやフェイスブックで公開している。問い合わせは下松商工会議所(0833-41-1070)へ。

【きょうの紙面】
(2)住宅工事などのクナイグループが感謝祭
(3)光、新南陽商工会議所で従業員表彰
(4)周南市老連の輝き周南大学に65人入学
(5)徳山ライオンズクラブが石見神楽公演

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大津島回天神社創建へ

人間魚雷の戦没者祭る
馬島の記念館近くに

 周南市の大津島の馬島に人間魚雷回天の搭乗員の戦没者を祭る「大津島回天神社」が今年11月に創建されることになり、9日に現地で地鎮祭が開かれる。5月30日に同神社設立準備委員会(河村敏夫委員長)が宮の前の山崎八幡宮(河谷昭彦宮司)で記者会見して計画を明らかにした。

記者会見に出席した準備委員と原田さん(後列右)

記者会見に出席した準備委員と原田さん(後列右)

神社の完成予想図

神社の完成予想図

 人間魚雷回天は太平洋戦争末期に登場した旧海軍の特攻兵器。大型魚雷をもとに開発され、搭乗員が乗り込んだまま敵の軍艦に体当たりした。大津島にはその訓練基地が置かれた。搭乗員は20歳前後の若者だった。大津島には遺影、遺品、遺書を展示する回天記念館や慰霊碑はあるが、戦没者を祭る神社はなかった。
 神社の建設予定地は馬島の連絡船の桟橋近くで、観音像の隣。桟橋から記念館に向かう途中でもある。みかげ石で社殿、灯籠、鳥居などを造る。社殿には終戦まで訓練基地で楠木正成を祭っていた木製のほこらを納める。
 このほこらは「海軍上等機関兵曹八木誠之助命神霊外四柱命神霊」「海軍少佐樋口孝命神霊外六柱命神霊」「海軍中佐上別府宜紀命神霊外九拾四柱命神霊」の3基の霊璽(れいじ)とともに戦後、大津島の氏神の山崎八幡宮が預かり、毎年、11月20日に慰霊祭をしてきた。
 山崎八幡宮は帝人徳山事業所内にあった白浜神社に祭られていた回天烈士の御霊も同事業所の撤退で白浜神社がなくなることから2017年11月から預かっており、回天神社創建に伴って一緒にお祭りする。
 回天神社は山崎八幡宮の末社となるが、創建は前県議の河村さん(79)を委員長に設立準備委員会を作って進めている。土地は大津島出身の石丸輝太さんが創建に必要な敷地と周辺を合わせて256.25平方メートルを同八幡宮に寄付した。
 社殿などの建設に1千万円が必要だが、そのうち600万円は新南陽出身の溝口祥子さんが寄付した。溝口さんの夫の早稲田大学時代の友人が回天の搭乗員で、太平洋のマリアナ諸島近海で戦没した水知創一大尉だった。このため溝口さんの夫は生前、回天顕彰会(原田茂会長)が開く追悼式にも毎回出席していたことから協力した。200万円は帝人から寄付があり、残額は原田さんらが募金を呼び掛ける。
 河村さんは「子どものころ、徳山湾の島の砂浜に打ち上げられた回天の残骸を見たことがあり、以前から何とかしたいと思っていた」、記者会見に同席した原田さんは「神社を建てる場所からはコンビナート企業もよく見え、安全と世界の平和につながるよう祈りを込めてお参りしたい」と話していた。
 問い合わせは同八幡宮(0834-62-2410)へ。

【きょうの紙面】
(2)周南市が防災計画修正、7月豪雨検証反映
(5)光市の虹ケ浜で砂浜を走るビーチラン
(6)徳山商店街の周南「絆」映画祭に1,500人
(7)御即位記念「奉祝の雅楽」、9月29日開催

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五輪聖火リレー順路決まる

初日に「光→下松→周南」

 東京2020オリンピック・パラリンピック聖火リレー県実行委員会は2020年5月14、15日に県内を巡る五輪聖火リレーの順路を発表した。周南地区は初日に光市、下松市、周南市の順に回る。各市内の具体的なルートは年内をめどに決める。

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 周南地区のルートは柳井市から光市が受け継ぎ、下松市、周南市の順でリレーし、防府市に渡す。各市の走行区間は2~3キロで十数人のランナーでトーチをつなぐ。1人の走行距離は200~300メートルになる見込み。市と市の間は聖火をカンテラに移し換えて車で運ぶ。
 沿道に見物者が殺到し、関係の車列も長くなることから走路は幹線道になるとみられる。主な通過地は4日に県庁で開かれる「やまぐち2020オリンピック・パラリンピック等推進会議」で発表される。
 全県では周南3市を含む全13市を結ぶ。ランナーは2日間で計160~180人になる見通し。初日、2日目の終点の山口市、萩市では当日のリレーを締めくくるイベントが開かれる。
 他県とのリレーでは14日に福岡県から受け継ぎ、16日に島根県に渡す。
 県スポーツ推進課の田上敦則課長は「錦帯橋や秋吉台など県内の名勝地をルートに組み入れ、山口の魅力を国内外にアピールしたい」と話している。

参加ランナーを募集

 東京2020オリンピック・パラリンピック聖火リレー県実行委員会はリレーの参加ランナーを募集する。
 委員会の募集枠は44人。このうち著名人らを対象とする推薦枠があり、残りを一般公募する。対象は県にゆかりがあり、2008年4月1日以前に生まれた人。国籍、性別は問わない。
 応募用紙に応募動機や自己PRを書き、委員会事務局の県スポーツ推進課に送る。審査基準を設けて参加者を決める。他都道府県への複数応募は認めない。
 委員会枠のほか、聖火リレーのスポンサーの日本コカコーラ、トヨタ自動車、日本生命、NTTの4社の枠が計百数十人あり、各社にも応募できる。
 委員会枠の募集期間は7月1日~8月31日。問い合わせは県スポーツ推進課(083-933-2435)へ。

【きょうの紙面】
(2)周南市役所完成イベントに1000人
(3)光市で「雇用の日」メッセージフェア
(4)遠石八幡宮で夏越の大祓神事
(6)最後のシニアアートフェスティバル開催

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[金曜記者レポート]

バイオマス発電導入進む
周南コンビナート
CO2削減アピール

 周南コンビナートで木質系燃料を燃やして発電する「バイオマス発電」の導入が進んでいる。防府市で国内最大級の発電所が試運転を始めたほか、㈱トクヤマ徳山製造所、東ソー南陽事業所、出光興産徳山事業所(いずれも周南市)が稼働を軌道に乗せたり、大規模発電設備の建設に乗り出したりしている。各社ともCO2削減に迫られ、バイオマス発電で環境対策に取り組む姿勢をアピールしている。(井藤進吾)

試運転を始めたエア・ウォーター&エネルギア・パワー山口のバイオマス発電所(防府市)

試運転を始めたエア・ウォーター&エネルギア・パワー山口のバイオマス発電所(防府市)

 防府市のバイオマス発電所はガス事業のエア・ウォーター(大阪市)と中国電力(広島市)の出資する「エア・ウォーター&エネルギア・パワー山口」が運営する。出力は11.2万キロワット。バイオマス発電では国内最大規模で発電量は福岡市全体の消費電力に匹敵する。石炭とバイオマス燃料を50対50の比率で燃焼して発電する。
 カネボウ防府工場跡に建設し、試運転を始めた。発電した電力は固定価格買い取り制度(FIT)を通じて電力会社が買い取るほか、電力小売事業者に売電(うりでん)する。7月に営業運転に移行する。
 トクヤマは徳山製造所内の石炭火力を主とする発電設備5基(出力計55.2万キロワット)のうち3基で石炭とバイオマス燃料を混焼して発電している。電力は主に所内で自家消費し、一部を売電する。バイオマス燃料の混焼率は6%で将来的に15%以上に上げて石炭の比率を下げ、CO2削減を図る。
 製造所東工場では関連会社の周南パワーが出力30万キロワットのバイオマス発電所を建設中で2022年に運転を開始する。
 東ソー南陽事業所のバイオマス発電の導入は比較的早く、08年に運転をスタートさせた。現在は6基中4基で石炭、バイオマス燃料で混焼発電し、所内で消費している。今後バイオマス燃料の比率をアップさせる。
 出光興産は徳山事業所に出力5万キロワットのバイオマス発電所を建設する。年間発電量は3億6千万キロワットで10万世帯分の電力に当たる。100%バイオマス燃料で年23万~30万トンのCO2を削減できる。電力は一部を除いてFITで買い取りを受け、22年度の営業運転開始を目指す。

晴海埠頭に陸揚げされるバイオマス発電燃料のヤシ殻(徳山下松港)

晴海埠頭に陸揚げされるバイオマス発電燃料のヤシ殻(徳山下松港)

 バイオマス発電の燃料はヤシ殻や間伐材、木質ペレットなどで主に東南アジアから輸入している。徳山下松港の晴海埠頭に15万トンを保管できる面積1.7ヘクタールの専用ヤードがあり、徳山海陸運送(周南市)が陸揚げし、各発電所に運ぶ。
 バイオマス発電化の流れは地球温暖化を招くCO2の削減が企業に求められていることが背景にある。コンビナートの発電設備は主に石炭火力で、大量のCO2を排出している。バイオマス発電はカーボンニュートラル理論でCO2は増えないと見なし、CO2抑制の有効打に位置付けられている。
 FITの浸透もバイオマス化の理由に挙げられる。バイオマス発電や太陽光発電など再生可能エネルギーで生産された電力は国が助成する有利な固定価格で電力会社が買い取る仕組みで、この制度を使って発電事業に参入する事業者が全国に増えた。
 コンビナート各社は「バイオマス燃料の混焼率を上げ、CO2量削減を図る」(トクヤマ徳山製造所)、「地球温暖化防止を目的とした非化石エネルギーの活動拠点として生まれ変わる」(出光興産)と環境対策に熱心な姿勢を打ち出している。

【MEMO】
カーボンニュートラル バイオマス発電もCO2を排出するが、そのCO2はもともと植物が成長する過程で大気中から吸収したものと見なし、結果としてはCO2量は変化しないと考える。

【きょうの紙面】
(2)下松市民憲章制定50年標語、写真表彰
(3)周南地区食品衛生協会が功労者など表彰
(4)11月に県大会引き受け、光ユネスコ協総会
(5)下松小で夏を前にプールの清掃作業

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[Business Eye]

最大の観光客は「出張者」

周南市中心市街地活性化協議会
タウンマネージャー 平 義彦さん(50)

《profile》たいら・よしひこ
1969年長崎市生まれ。駒沢大中退。
新聞記者、ムラおこし雑誌編集、食品会社広報、事業者支援の仕事を経て長崎・五島列島で地域おこしに取り組む。

190530

―周南市はお土産がないと言われます。「出張先に持っていく物がない」と。
 周南市に赴任し、JR徳山駅のお土産屋さんをのぞいてお菓子の箱の裏を見たら下松市、防府市の製菓会社が目立っていました。中には熊本のメーカーも。「ご当地名物を作らなければ」と手始めにお土産開発の検討を始めました。
 商品開発のキモはターゲットを明確にすることです。6次化産業の流れもあって全国でご当地名物が開発されていますが、「誰に売るのか」があいまいでヒットにつながりません。

―ターゲットは女性ですか? それともお年寄り?
 ズバリ「出張客」です。周南市は工業都市で最大の観光客は実は「出張者」です。出張者はお土産を家庭用と職場用に2個買いますから客単価が高い。
 須金フルーツランドの生産者にナシを使った食品を提案しました。職場で配るから個包装にすべきでしょう。箱もキャリーケースに入るよう小さめにしたい。
 お土産はビジネスホテルのフロントで売ります。出張者は時間がありません。夜の新幹線に飛び乗るようにして帰って行きます。街なかのお土産屋さんに寄る時間がないのです。

―出張者を観光客と見る発想は目からウロコが落ちました。
 社員旅行の誘致も考えています。社員旅行は見直され、復活の動きがあります。広島や福岡など有名な観光地は誰しも既にプライベートで行っています。周南市は知られていないからそこを逆手に取るのです。社員旅行は個人では行かない所の方がかえっていい。
 周南市は山と海がコンパクトにまとまり、ここだけで完結できます。手ぶらで果物狩りができ、釣りができます。社員旅行の参加者は大掛かりな移動を面倒がります。新幹線に乗ったらすぐにビールを飲みたいのです。
 地方の大都市と同じ土俵で戦う必要はありません。一般的な観光戦略にとらわれず、独自の道を歩む方がいいでしょう。その際の起点は徳山駅にすべきです。新幹線のぞみの停車する利点を再評価し、フル活用しましょう。

―タレントの出川哲朗さんがバイクで全国を旅する番組で先日、徳山を訪れました。ランチで名物のフグが食べたいと店を探したのですが、昼に出す店がなく、出川さんは残念そうに次の目的地に行ってしまいました。
 港町の飲食店ですら旬の魚料理をお昼に食べられないことはよくあります。これまでの習慣やお客さんのニーズ、採算の問題からです。事前予約制でいいから情報発信してお客さんを受け入れたい。重要なのは本物のおいしさを言葉で伝えることです。

「楽しい、おいしい、美しい」

―JR徳山駅前の商店街はシャッター通りになりました。かつてのにぎわいを知る者にとって現状は寂しい限りです。
 高齢で跡取りのいない商店主に「一緒に頑張りましょう」と呼び掛けてもなかなか難しいとは思いますが、まずは話を聞いて再生の道を探り、その一方で若い起業家を呼び込みたいと思います。

―空き店舗に起業家を招く試みこれまでも取り組んできましたが、成果を上げられませんでした。
 フォローが足りなかったのだろうと思います。来る時だけ拍手で迎えて「あとは1人で頑張れ」では定住しません。「商売は順調ですか」「困ったことはありませんか」と耳を傾け、課題があれば解決に向けてすぐに動くことです。地域おこしに携わった経験から得た教訓は「やってみなければ分からない」「やるなら今」です。

―商店街の再生がタウンマネージャーの最大の仕事です。
 中心市街地活性化と言うと話が大きくなってどこから手を付けていいか分からなくなります。面で考えず、この店をこう盛り上げようとかこの通りでこう仕掛けようとか点や線で考えて実行に移し、それを積み上げていくべきです。
 中心市街地と言うと「シャッター街」とか「ゴーストタウン」とかマイナスイメージで語られますが、そんな中にあって営業を続けている店はあるわけです。その店の頑張りを伝え、プラスイメージを発信すべきです。
 「朝、店の前を掃除するおばちゃん」「通勤、通学者を改札から送り出す駅員さん」など日常の街の光景を写真や動画で切り取り、SNSで発信しましょう。
 古い商店街にも人、物、歴史の魅力があります。その魅力を磨き上げ、的確に情報発信することが大切です。口コミが一番頼りになり、そのお手伝いをしたいと思います。

―徳山駅前はホテルやマンションを核施設とする再開発が本格化します。
 現時点では「建物」が建つというだけでそれが再生の原動力になるかどうかは今後の具体的施策次第でしょう。巨大な箱モノを造って十分に使い切れない事例は日本中どこにでもあります。
 地域おこしのキーワードは「楽しい、おいしい、美しい」です。福岡の人里離れた山の中に人気のレストランがあります。料金も1人2万円と高いのですが、予約が何カ月先まで埋まっています。「おいしい」は人を呼ぶのです。中でも「新鮮な魚と野菜」は集客力があります。生産者直売所のアンテナショップを商店街に出し、山と街をつなぐ交流施設を設ける提案をしたいと思っています。

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[記者レポート]夏といえば…

泡のように消えゆくビアガーデン…
営業は健康パーク、松原屋、いっぷくの3店!!
平日営業は2店に激減

 夏といえばビアガーデン。心地よい風が吹く夜空の下で仲間や友人、家族と味わう冷たいビールとおいしい料理は、暑い夏の疲れをいやしてくれる風物詩だ。しかし周南地域ではビアガーデンが年々減り続けて今夏は3カ所だけに減り、平日も営業するのは2カ所だけになりそう。どうしてこんなに減ったのだろうか。(山上達也)

高度成長期はビアガーデンラッシュ

乾杯するホテル松原屋のビアガーデンのお客さん(昨年6月)

乾杯するホテル松原屋のビアガーデンのお客さん(昨年6月)

 周南地域で屋外でビールを楽しむビアガーデンが増え始めたのはビールが自由販売になった戦後から。周南市速玉町にあった「月世界」をはじめ、旧近鉄松下百貨店、旧徳山駅ビル、旧ホテル丸福(後のザ・グラマシー)、ホテル・サンルート徳山や、旧新南陽市の旧ホテル一福、下松市の旧ホテル幾久屋などビアガーデンが周南地域のあちこちに出現。
 味や価格などサービス合戦が激化し、高度経済成長期は予約を取るのが大変という人気のビアガーデンがいくつも存在したものだ。
 ところが最近は客足が遠のいたり、ホテルなど経営母体自体の閉鎖や廃業で少しずつ減り、本社の調査では今夏に周南地域で営業するビアガーデンは3店だけになった。

週末に営業集中で料理や飲み物充実

 今夏から金、土、日曜だけの営業に限定する下松市平田のくだまつ健康パーク(松本博明社長)は「平日は客足が少なく、営業を週末に集中させて料理や飲み物を充実させることにした」という。
 例年通り期間中は毎日営業する光市虹ケ浜のホテル松原屋(松原眞喜男社長)も悩みは同じ。光駅から徒歩5分という好立地が広域からの集客を可能にしており、回数券の販売の割引制度も続けて客層の拡大を図る。
 周南市平和通の居酒屋いっぷくは、店が入っているビルの7階で64席のビアガーデンを20日から始めた。2時間の焼き肉の食べ放題、飲み放題で、市街地の目抜き通りという好立地も集客の向上に反映されそうだ。
 最近は「家で飲む」という人が多くなったと言われるが、確かに「外飲み」のように金がかからずリラックスできるかもしれない。しかし、にぎやかな環境でおしゃべりを楽しみながら楽しく飲み食いすることは、自分自身を高めることにもつながらないか。ぜひともこの夏はビアガーデンなど「外飲み」に挑戦し、地域振興に貢献してはどうだろうか。

190529h

【きょうの紙面】
(2)きさんの里創立記念祭でボランティア活躍
(3)周南相続支援協会が相続の基礎学ぶ講座
(4)妙見宮鷲頭寺の荒神祭、下松工生がみこし
(5)女声合唱団Ⅰ定演で野村さん母子共演

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周南市の藤井市長が就任

「しゅうニャン市」は廃止へ
封筒は6月まで使用

 周南市の藤井律子市長(65)は27日、市役所に初登庁した。玄関では支持者や職員500人が歓迎、庁議室で課長級以上の職員100人が出席した就任式では「市民の信頼と職員の市民に寄り添う、おもんばかる力、市長の覚悟でより上質な周南市を目指したい」と述べた。その後の記者会見では「しゅうニャン市」プロジェクトなどのシティプロモーションは一端、廃止とする考えも示した。

市長に花を手渡す支持者

市長に花を手渡す支持者

徳山大生の歓迎を受ける市長

徳山大生の歓迎を受ける市長

就任式に出席した幹部職員

就任式に出席した幹部職員

封筒の6月まで使用のスタンプ

封筒の6月まで使用のスタンプ

市民の声届くシステムづくりへ

 藤井市長は4月にあった任期満了に伴う市長選に4期務めた県議から鞍替えして出馬、現職との一騎打ちとなった市長選を制して初当選し、25日に就任した。
 この日、市役所の玄関前ではたくさんの支持者が集まり、藤井市長が到着すると市役所と市連合遺族会からの花束が手渡され、徳山大学の学生は「律子市長と一緒に夢を語り挑戦!」と書かれた横断幕を掲げて迎えた。支持者はオレンジ色のガーベラを一輪ずつ市長に渡した。市長は支持者らと握手し、一階ロビーに並んだ職員に「いい街をつくるために頑張りましょう」と呼びかけた。
 就任式は、市民の声が届くシステムづくりに着手し、職員からの自由な意見も聞いていきたいと述べて「市民の日常を支えることに誇りと覚悟を持つことが大切」と呼び掛け、10分ほどで終えた。

官製談合防止へプロジェクトチーム

 記者会見でも最初に取り組みたいこととして「市民の皆さんの声を聞く、市民の声が届く仕組みを作りたい」と述べた。
 報道陣からの質問に答えて、市長選の争点にもなった官製談合防止に向けては「不正が起こらないシステムづくりを検討するため、有識者にも入ってもらってプロジェクトチームを作っていきたい」と述べた。
 「しゅうニャン市」プロジェクトは、このプロジェクトだけでなくシティプロモーション全体を廃止する方針であることを明言した。一方で、公共施設などの「しゅうニャン市」のポスターや徳山駅の看板などの撤去は担当部署から説明を受けたうえで進めるとした。
 「しゅうニャン市」と書かれた市の封筒も封筒の裏面に掲載されている広告スポンサーが寄付する形となっているため、契約が終了する6月末まではその理由を記したスタンプを押したうえで使い続けると説明した。
 パートナーズに登録した企業、団体による猫のシルエットのイラストを使ったグッズの制作、販売などについては今後もイラストの使用を認めると述べた。
 シティプロモーション事業は今年度当初予算に1,691万3千円を計上、同プロジェクトなどで市民力を生かした取り組みやSNSなど各種メディアを生かした情報発信を計画していた。

大半の施策は継続

 市民の間に要望がある徳山駅前再開発の中での小ホール設置には「今の再開発の中に取り込むのは難しいと聞いている」と述べ、再開発対象地以外での建設を検討する考えも示した。
 市長選で公約に掲げた徳山大学の公立化はプロジェクトチームを設置するなどして「早急にやっていきたい」と述べた。野犬対策は条例の見直し、罰則強化へ県などと連携する考えを述べ、野犬にえさを与えている側からも意見が寄せられているが「市民が安心して暮らせない状況はまずい」と取り組みに意欲を見せた。
 そのほかの事業はすでに進行中ということもあって「今年度は継続していく」と明言した。人事では空席となっている副市長は「6月議会までにきちんとしたい」とし、そのほかの人事は「時間をいただきたい」と述べるにとどまった。

【きょうの紙面】
(2)光市広報が5月25日発行から月1回に
(3)商店街で酒楽しむとくやま夢横丁が1周年
(4)児玉源太郎顕彰会の2代目会長に山下氏
(5)米川で下松市防災訓練、住民200人が避難

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木村周南市長、涙の退任

職員、支持者に見送られて

 周南市の木村健一郎市長(66)の退任式が24日、新庁舎の庁議室で開かれ、課長級以上の職員100人を前に2期、8年間の取り組みを述べて「優秀な職員の皆様の応援があったから8年間市長職を務めることができた」と感謝した。4階から1階まで吹き抜きの階段を下りながら見送る職員に応え、涙ぐみながら玄関で車に乗り込み、市庁舎をあとにした。

職員や支持者に見送られる木村市長

職員や支持者に見送られる木村市長

引き継ぎ書に署名する木村市長

引き継ぎ書に署名する木村市長

職員に見送られる住田副市長

職員に見送られる住田副市長

退任式に参加した職員

退任式に参加した職員

 退任式では「マイナスからのスタートだった」と組織、政策の立て直しから始まった8年間の市政を振り返り、道の駅建設計画などさまざまな事業の見直しから新庁舎建設、学び・交流プラザ、新徳山駅ビル建設など、時には反対されながらも進めてきたと述べ「愛する周南市をさらに素晴らしいまちにしてほしい」と呼びかけた。これに対して住田英昭副市長(64)が職員を代表して謝辞を述べた。職員から花束も贈られた。
 1階では支持者が「市民に寄り添ってくれた最高の市長でした」と書かれた横断幕や花束を手に待ち受けていて市長を見送り、市長も何度も立ち止まって手を振って応えていた。
 閉庁時刻に合わせて、市長と同時にこの日限りで退任する住田副市長もたくさんの職員に見送られて市役所をあとにした。
 これに先立って25日に就任の藤井律子新市長(65)への事務引継ぎがあり、187ページの引き継ぎ書に新旧の市長が署名した。引き継ぎ書を渡したあと藤井氏にうながされて握手する場面もあった。

【きょうの紙面】
(2)周南市の藤井市長、市消防団が佐波川水防演習へ
(4)光ミックスが全国ママさんバレー大会出場
(5)楽しく第1しょうせい苑スポーツデー
(6)30日から、港・徳山夢とロマンの船舶模型展

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「市部長、課長にお中元とお歳暮」

【周南市官製談合事件】福谷元社長公判で証言 倫理規程違反の疑い

 周南市発注工事を巡る官製談合事件で官製談合防止法違反の罪に問われた元市都市整備部次長、国沢智己被告(60)の公判が22日、山口地裁で開かれ、工事を落札した同市の建設会社「福谷産業」の福谷徳三郎元社長(66)=公契約関係競売入札防止罪で有罪確定=が検察側証人として出廷し、「国沢被告のほか、市の部長、課長らにお中元とお歳暮を贈った」という趣旨の証言をした。利害関係者からの金品受け取りを禁じる市職員倫理規程に触れる疑いがある。
 福谷元社長は証言で2014年から17年にかけて毎年7月にお中元、12月にお歳暮を国沢被告の自宅に送ったことを認めた。「国沢被告は受け取りを拒まなかった」と述べた。金額と中身は明らかにしなかった。国沢被告から工事の設計金額を教わったことへの金銭の謝礼は「一切ない」と否定した。
 盆暮れの付け届けについては国沢被告のほかに「(工事に関係する複数の)市の部長や課長に贈った」という趣旨の証言をした。理由では「工事のことでアドバイスをもらい、お世話になっている」と述べた。中には「返却する職員もいた」としている。
 市職員倫理規程は利害関係者から金銭、物品、不動産の贈与を受けることを原則禁じ、該当職員は規定違反の疑いがある。
 福谷被告はまた、木村健一郎市長と中学校の同期生で長年親交のあることをひけらかし、市職員に市長の威光をかざしていたことを一定程度認めた。4月の市長選で木村市長が落選したことには「影響があった。迷惑を掛けた」と述べた。

「国沢被告から13~15件金額聞いた」

 福谷産業の福谷徳三郎元社長は元周南市都市整備部次長の国沢智己被告の公判で、起訴された周南緑地、徳山動物園の2工事のほかに「国沢被告から13~15件の工事の設計金額を聞いた」と証言した。
 工事の具体名は「覚えていない」と述べた。国沢被告の前々任者に当たる元市財政部技監(故人)からも「金額のヒントは聞いた」と話した。
 設計金額を聞く手段は電話で「自分から国沢被告に電話した」と証言した。周南緑地工事では入札の公告のあった2016年11月7日から入札日の同月24日にかけて福谷元社長と国沢被告の間で4回携帯電話の通話履歴があり、福谷元社長は「そのどれかで金額を聞いた」とした。
 動物園工事では入札日の7日前の17年11月29日の午前に両者の通話履歴があることが明らかになった。福谷産業から押収された工事額積算ソフトの履歴によると、通話履歴のあった日の午後、積算額が順次修正され、入札価格の下限に当たる判断基準額に近づいていく過程が残っている。
 福谷元社長は「国沢被告から聞いた金額は紙に書いて部下の積算担当者に渡した」と述べた。設計金額を積算ソフトに入力すれば判断基準額が算出できる。
 起訴状によると、国沢被告は周南緑地、徳山動物園の2工事の条件付き一般競争入札で福谷元社長に入札前に工事の設計金額を漏らした。福谷産業はこれに基づいて緑地工事で判断基準額と同額の2,447万3,540円、動物園工事で基準額に近い8,015万280円で落札した。国沢被告は金額漏えいの事実を否認し、無罪を主張している。

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