ヘッドラインニュース

ふるさと大牟田で「第3の人生」を

光市立図書館から里帰りの路面電車
西鉄観光列車と相乗効果に期待

 戦中から戦後にかけて福岡県内の西日本鉄道(西鉄)を走り、引退した1975年から2011年まで36年間、光市立図書館で子どもの読書室として親しまれた後に大牟田市の市民団体の手で同市内に里帰りしていた「路面電車204号」が3月、大牟田駅西口前広場に移設され、同市の観光のシンボルモニュメントとして“第3の人生”を歩み始めた。(山上達也)

 204号は1943年に製造。西鉄の大牟田市内線を52年まで営業運転し、その後は福岡市内の路線も走って75年に廃車になった。それを知った光市の松岡満寿男市長(当時)が西鉄に要請して車両を引き取り、完成直後の市立図書館の中庭に置いて子どもの読書室として活用した。
 しかし車体が老朽化したため、光市は2010年に解体を決定。それを知った大牟田市の市民団体「204号の会」が光市に引き取りを申し出て、同会が大牟田市民から募ったカンパでチャーターしたトレーラーに積んで11年4月に大牟田市に持ち帰り、同会の支援者が経営する市内のうどん店の駐車場の一角に仮置きした。
 その後も同会は204号の車体を塗装し直すなど保存活動をしながら活用法を探っていた。すると西鉄が西鉄福岡駅―大牟田駅間に観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」を今年3月から運行するのに合わせて、市が大牟田駅西口の活性化へ観光案内施設を設けようとしていることがわかり、同会が204号を市に寄付する形で204号を観光案内所にすることになった。

整備された車内

整備された車内

車内の案内文書

車内の案内文書

 204号は西鉄とJRが相互乗り入れしている大牟田駅の西口広場に安置され、車内に係員は配置されていないが誰でも自由に出入りできる。車内には市内外の観光パンフレットが置かれ、ベンチも新調したので休憩所としても使える。
 西鉄は204号電車の活用を機に、周囲でマルシェなどを開いて市と協力して駅のにぎわいづくりに努める考えで、観光列車との相乗効果を期待している。
 本社にこのことを連絡してきた204号の会の世話人、古賀知行さん(70)=大牟田市=は「204号がふるさとで安住の地を得たことを光市の皆さんに報告したい。204号に思い出のある方は大牟田に会いに来てほしい」と話している。

【きょうの紙面】
(2)移転した光総合病院の外来診療スタート
(3)ヤマウチスポーツが創業50周年ゴルフ大会
(4)新南陽ゴルフフェスティバルで福祉に寄付
(5)11日から野村さんの林賞受賞写真展

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新規顧客と用途開拓へ

[この人に聞く]東洋鋼鈑下松事業所長 甲斐 政浩さん(54)

190508

 下松市の東洋鋼鈑下松事業所の新しい事業所長に甲斐政浩さん(54)が就任した。同社は昨年、東洋製缶グループホールディングス(GHD)の100%子会社になったが、地域経済に果たす役割はこれまでと変わらない。事業所の現状と展望を聞いた。(聞き手・山上達也)

 ―事業所長に就任のお気持ちは。
 甲斐 安全と防災に一層力を入れ、安心して働ける職場環境づくりに取り組みます。
 ―具体的にはどんなことでしょうか。
 甲斐 リスクマネジメントを洗い出して設備上の課題を抽出し、設備面や管理面の対策を講じてきました。災害が起きにくい対策を継続的に進めます。
 ―GHDの100%子会社化で下松事業所に変化はありますか。
 甲斐 直接の変化はありません。2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を東洋製缶グループ各社で共有し、当事業所でも推進していきます。
 ―東洋鋼鈑といえば底の白い飲料缶の材料を供給していることで有名ですね。
 甲斐 それが苦戦しているんですよ。アルミ素材の飲料缶やコンビニなどのカップのコーヒーに押されて、スチール缶の市場がピーク時から大きく減っています。
 ―それは大変ですね。克服策は?
  甲斐 既存のお客様への供給責任をしっかり果たしながら、新規のお客様や用途を開拓していく必要があります。特に、ハイブリッド車や電気自動車などの電池材での需要の増加を目指します。
 ―暮らしの中にも東洋鋼鈑の素材は身近にありますね。
 甲斐 ユニットバスの壁材や、テレビやスマートフォンなどの液晶フィルム、パソコンのハードディスクなど暮らしのさまざまな場面で使われています。
 ―がん治療の遺伝子解析キットの開発はどうですか。
 甲斐 本格的な事業化に向けて関係者一同が全力で取り組んでいるところです。
 ―トルコ現地法人に赴任されましたね。
  甲斐 工場の立ち上げで2年4カ月滞在しました。工場の生産は順調なのに、現地通貨のリラ安で利益が薄い状態が続きました。業績回復が課題です。
 ―地域との連携はどうですか。
 甲斐 事業所開放デーの「TK WORKSフェスティバル」はもちろん、子どもたちの夢を育む下松市への寄付を続け、地域行事にも積極的に協力します。
 ―市民へのメッセージをどうぞ。
 甲斐 下松市は暮らしやすい素晴らしい街で、私の第2の故郷。新技術の開発や生産を通じて市政や地域に貢献していきます。

 [プロフィール]
 1965年、熊本県砥用(ともち)町(現美里町)生まれ。宇土高、熊本大学工学部卒、同大学院工学研究科材料開発工学専攻修了。89年に入社し技術研究所研究部長、本社技術企画部長、トルコ現地法人“Tosyali-Toyo Steel”取締役、執行役員下松事業所副所長兼生産部門長を務めた。妻と高校生、2人の中学生の計3人の娘と下松市西柳で暮らす。

【きょうの紙面】
(2)都市対抗野球予選の光シーガルズに光市旗
(3)大津島に島食堂ひなたがオープン
(4)鹿野の長野山で山開き、「天空カフェ」も
(6)19日まで冠山総合公園でばら祭

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「令和」始まる

初日に婚姻届
光市・市長が祝福、記念撮影も

 「令和」に改元された初日の1日、光市は市役所1階ロビーに婚姻届受付の臨時窓口と記念撮影コーナーを設けて、届け出に訪れたカップル7組を歓迎した。午前中は市川市長が常駐して祝福した。
 1日は大安でもあるため婚姻届が多く届け出されると想定し、シティプロモーションの一環で企画した。
 ロビーに設けた記念撮影用のバックスクリーンは市長室から移動させたもので、スクリーンに張った毛筆の「令和元年五月一日」の文字は市生活安全課の小田忠司課長の筆。かかった費用は記念品として渡したステンレス製のスプーン2本ぐらい。記念撮影用のブーケやメッセージボードも用意した。
 午前8時半の開庁と同時に来庁したのはともに島田の山崎金属工業に勤める手島和博さん(40)と望さん(41)=島田=。和博さんは三井出身、望さんは熊本県大津町出身で、山崎金属工業で知り合った職場結婚。すでに3月18日にハワイで挙式をしたが、和博さんが「同じ届け出を出すなら令和元年の初日に」と望さんを説得して、この日1番乗りで届け出をすませた。

記念撮影する手島さん夫婦と市長

記念撮影する手島さん夫婦と市長

 2人は「共に支え合って明るい家庭を築きたい」とうれしそう。市川市長から記念品を受け取り、一緒に記念撮影をして祝福した。
 その10分後には2番目の末岡宏章さん(37)と祐子さん(40)=室積=が届け出。2人は「明るく笑顔が絶えない家庭をつくりたい」と話していた。
 市川市長は「市から心ばかりの歓迎をさせてもらえた。たくさんの人に光市に住んでもらい、活力を与えて欲しい」と話していた。この日は出生届2件も提出された。

【きょうの紙面】
(2)遠石八幡宮で新帝陛下御即位奉祝祭
(3)稲穂祭・きつねの嫁入り、70周年へ実行委
(4)永源山公園つつじ祭りに2万7千人
(5)花岡八幡宮で子ども角力(すもう)大会

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村谷さん(下松出身)の小説

『ふしぎ荘で夕食を』
メディアワークス文庫賞受賞

 下松市出身の村谷由香里さん(31)のライトノベル『ふしぎ荘で夕食を~幽霊、ときどき、カレーライス~』がKADOKAWAの第25回電撃小説大賞のメディアワークス文庫賞を受賞した。古アパートの住人と幽霊の交流を描くファンタジーでメディアワークス文庫から発刊された。

村谷由香里さん

村谷由香里さん

190426f

 物語の主人公は大学生の青年。家賃4万5千円の夕食付きアパートに住む。建物は古びていて幽霊がすみついている。住人は個性的な人物ばかりで幽霊の存在を意に介さず、食卓に招き入れる。
 村谷さんは華陵高を出て山口大人文学部に進んだ。小説で描かれる大学や街は山口大と山口市がモチーフになっている。
 メディアワークス文庫賞は電撃小説大賞の部門賞で、日本で最大規模の小説の新人賞に位置付けられている。村谷さんの小説は「文章力があり、登場人物が個性的」と評価され、応募総数4,843作品の中から選ばれた。
 村谷さんは小学生のころから小説を書くのが好きで高校、大学では文芸部に所属した。大学を出てから販売店員やライター業で生計を立てながら小説を書き続けた。27歳の時に拠点を福岡市に移し、創作活動を本格化させた。ファンタジーを得意とし、今作品で作家デビューとなった。
 村谷さんは「小説に出る大学が山口大と同じように山のふもとにあるなど山口の雰囲気が色濃く出ているので地元の人なら身近に感じて楽しめると思う」と話す。
 文庫判304ページ。税別630円。県内では27日に書店に並ぶ。

【きょうの紙面】
(2)光、周南市が5月1日に婚姻届コーナー
(3)出光興産徳山事業所で新型分解炉起工式
(4)高・大生に周南市の企業ガイド、サイトも
(9)5月3、4日、永源山公園つつじ祭り

※次の発行は5月7日(火)となります。あしからずご了承ください。なお、本日は12ページとして、周南の「平成のあゆみ」を掲載しています。

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木村君(久保中2)日本一に!

都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス
男子シングルスで快挙

 3月26日から28日まで三重県伊勢市で開かれた第30回都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会・男子個人シングルスで下松市の久保中2年、木村颯(はやと)君(14)が優勝し、堂々の日本一に輝いた。23日には市役所を訪ねて国井市長に報告し、今後の精進を誓っていた。

メダルをかけカップを持つ木村君と国井市長

メダルをかけカップを持つ木村君と国井市長

 木村君は小学3年で下松ジュニアソフトテニスクラブに入り、6年の時に中国地区小学生インドアソフトテニス選手権大会の個人戦で優勝。中学入学後も練習に励み続けた。
 男子個人シングルスには各都道府県から2人ずつ、開催地の三重県は開催地枠2人プラスで計96人が出場。木村君は県ソフトテニス連盟の選考で同じ久保中2年の西岡青晴君と出場した。
 木村君は準々決勝で宮城県代表を3―0で降し、準決勝では山形県代表を相手に苦戦したが、後半の3セットで一気に勝ち越して4―3で辛勝。決勝は優勝候補に目された福岡県代表に4―2で競り勝った。準々決勝、準決勝、決勝とも相手はすべて上学年だった。
 木村君は「とくに準決勝では最後まであきらめずにプレーしてよかった。これからも一日一日練習を重ねて、夏の全国大会に出場して結果を残したい」と決意を述べた。
 市長も「日本一になったことは素晴らしい。これからの活躍を大いに楽しみにしています。下松の名を全国に響かせて下さい」と励ましていた。

【きょうの紙面】
(2)スリランカゾウに新居、26日から公開
(3)下松、光商議所青年部が総会
(4)28日、大津島に「島食堂ひなた」開店
(5)あいぱーく光に幼・保育園児のこいのぼり

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パナマから930億円受注

日立笠戸・モノレール168両
大統領が生産現場視察

 下松市の日立製作所笠戸事業所(川畑淳一事業所長)で、中米パナマ共和国のパナマメトロ公社から約930億円で受注したモノレール車両28編成168両の生産が本格化している。5日には同国のファン・カルロス・バレーラ大統領が同事業所を公式訪問し、同国向け車両の生産現場を視察した。現職の外国の国家元首の同市訪問は初めて。(山上達也)

パナマ向けモノレール車両の予想図(日立ホームページから)

パナマ向けモノレール車両の予想図(日立ホームページから)

バレーラ大統領(ウィキペディアから)

バレーラ大統領(ウィキペディアから)

三菱、日立イタリア法人と3社で受注

 この事業は昨年8月31日、日立製作所と三菱商事、日立のイタリアの子会社のアンサルドSTSが共同で受注した。日立は笠戸事業所で車両を生産▽STSは信号、通信、変電システム構築▽三菱は商務関連を担当する。
 現地では今年中に着工し2022年の完成を見込む。同国では都市部の渋滞が深刻で、モノレールの建設による交通渋滞の緩和が期待されている。
 モノレールはパナマメトロ公社の“メトロ3号線”で、首都パナマ市から同国を縦断するパナマ運河を横断する形で西部の都市までの26.7キロを結ぶ。14駅を設ける。

経済活性化、一層の人口増に期待

 同事業所では近年、英国向け高速鉄道車両864両や台湾向け特急電車600両という大型受注が続き、関連企業を巻き込んで活況が続いている。
 さらにパナマのモノレール受注で、下松市は日立を中心に安定した経済活性化や人口増加が期待される。
 パナマは人口約400万人で、面積は北海道よりやや小さい7万5,517平方キロ。日本とは1904年に国交を樹立して以来115年の一貫した修好関係がある“親日国”だ。
 バレーラ大統領は4日に首相官邸で安倍首相と首脳会談を開き、伝統的な両国の友好関係の発展で合意。会談に同席した西村康稔官房副長官は自身のブログでバレーラ大統領の翌日の下松訪問を明らかにしていた。
 しかし大統領の下松訪問は非公開とされ、このことを知る人は市内でもわずかだったという。事業所内で誰と会談し、どんな視察をしたのかは不明だ。
 同市には台湾の総統に就任する前の民主進歩党の蔡英文主席(当時)が2015年10月に同事業所を訪問して報道機関にも公開されたが、この時は国交のない国の野党指導者という位置づけのためか、警察による国家元首並みの警戒態勢は敷かれなかった。

【きょうの紙面】
(2)下松市議会が中村議長、高田副議長を再任
(4)光市中学生リーダー講座、ジュニアクラブ開講
(6)28日、レノファ山口の下松市サンクスデー
(7)28日、虹ケ浜海岸で鯉のぼりの下に集う会

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病気予防、治療に気功、漢方

海風診療所に「未病センター」

 中国の伝統的な医療、中医・漢方の考え方を取り入れて病気の予防、治療の相談に応じる「未病センター」の開所式が19日、同センターが開設された周南市梅園町の海風診療所で開かれ、提携する中国の上海気功研究所から李所長と医師2人が訪れ、調印式などがあった。

沼田理事長(左)と李所長

沼田理事長(左)と李所長

太極拳の披露

太極拳の披露

 同センターは光市の合同会社「Health Design Association」(河内山昇代表社員)が開設した。同社は周南地区で健康、福祉に関する活動をしている周南病院、海風診療所の仁徳会グループ(沼田光生理事長兼同診療所長)、合同会社RYDEEN(山下浩一代表社員)、社会福法人光寿福祉会(河内山昇理事長)、合同会社P&C(岡村光浩代表社員)、AbundantLife(堀江由香社長)、ヒロ・コーポレーション(和木宏泰社長)がメンバー。
 同センターは中国最大の気功の研究所である上海気功研究所と提携することで同研究所の「気功養生文化センター山口基地」となり、看板も披露された。
 開所式で沼田理事長は慢性疾患が増えている中、健康に視点を置いて病気を予防し、体質改善で根本から治療する東洋医学の重要性が増していることを説明して同センターを通じた学術交流や病気の予防、治療への期待を述べた。
 李所長は、気功は患者の回復力を目覚めさせて治療し、慢性疾患に効果があると述べ「地元民衆に幸せをもたらし、医学文化交流の成功例になることを願っている」と祝辞を述べた。同研究所の医師による太極拳や日本側は琴の演奏などがあった。李所長から新元号にちなみ、気功の古典にある「導氣令和」の言葉の書も贈られた。
 同センターは10年前から関係者の間で暖めていた構想を実現させた。相談だけでなく、社員が元気に仕事を続ける「健康経営」のサポートや、中国と交流する医療ツーリズムなどにも取り組む。
 問い合わせは海風診療所(0834-33-0889)へ。

【きょうの紙面】
(1)5人に創意工夫功労者賞
(4)若手、女性委員会充実へ、周南市老連総会
(5)ライオンズクラブ地区大会に1,175人
(6)29日までガラスと線描画の2人展

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「しゅうニャン市」沈没!

藤井氏が初当選
初の女性市長誕生
災害対策、職員逮捕響く

 任期満了に伴う周南市長選挙は21日の投票、即日開票され、新人で前県議の藤井律子氏(65)が現職で3選を目指した木村健一郎氏(66)を破り、初当選した。女性市長は同市では初めて。新人、現職の一騎打ちとあって最後まで激しい選挙戦が続いた。藤井氏は「しゅうニャン市」プロジェクトや、入札情報漏えい容疑による職員の逮捕、起訴された事件を批判し、木村氏は8年間の実績、事業の継続を訴えたが“逆風”を押し返せなかった。

当選確実となり万歳する藤井氏(右)

当選確実となり万歳する藤井氏(右)

 藤井氏の得票は3万3,395票、木村氏は2万3,803票で前回を約1万3千票下回った。投票率は48.51%で、49.78%を下回り、3回連続して50%に届かなかった。
 藤井候補は1月中旬になって県議選から市長選への鞍替えを決意。強固な後援会組織に支えられて各地区で集会を開き、支持者に決断までの経緯を説明した。対する木村氏も各地で市政報告会を開き、告示前から激しい戦いが始まっていた。
 保守分裂の選挙だったが、藤井氏は「自民党県連副会長」の役職を続けた。木村氏には自民党新南陽支部や、労組の連合も推薦した。公明党は自主投票だった。
 市議では14日の市議補選で無投票当選したばかりの無所属の新人も含めて保守系の9議員が藤井氏を支援して活発に動いた。木村陣営も18日の市文化会館大ホールで開いた決起大会では連合推薦議員を含め13議員が顔をそろえた。
 藤井陣営は16日に櫛浜小、17日に勝間小、19日に文化会館大ホールで決起大会を開き、大ホールでは陣営発表で1,700人が参加。公明党の女性県議からの激励の電報や、柳居俊学県議会議長から「必勝鉢巻」が届けられて盛り上がった。
 木村陣営も18日の決起大会に陣営発表で1,500人を集めた。16日にサンウイング熊毛、17日にコアプラザかの、19日に学び・交流プラザで個人演説会を開いた。
 木村氏の市長選は今回が4回目。前回までの3回はいずれも島津幸男氏との一騎打ちだった。しかし、今回は自民党のベテラン県議だった女性新人が相手。一騎打ちの構図が固まった2月から出遅れ気味で、活発な活動で一時は巻き返したが、告示後、藤井陣営が長年培ってきた選挙戦術も駆使した「死にもの狂い」の運動を展開して勝利をもぎとった。

【きょうの紙面】
(3)西京銀行が周防大島町に500万円追加寄付
(4)徳山動物園で徳山中央保育園がこいのぼり
(5)光市で“きものでぶらり in 室積”
(6)周南水墨画連盟展に多彩な表現、実演も

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[周南市長選] 注目の熊毛地区

[周南市長選 21日投開票]
防災、災害復旧テーマに
熊毛地区で決起大会個人演説会

 周南市長選で動きが注目されているのが熊毛地区。新人の藤井律子候補(65)は17日に同地区の決起集会を勝間小体育館で開き、現職の木村健一郎候補(66)は前日の16日にサンウイング熊毛で個人演説会を開催。藤井陣営は地元の後援会などが主導、関心の高い7月豪雨際災害に多くの時間を割いたが、木村陣営は水道敷設などの実績を強調。両陣営の特色がでた集会となった。

 旧熊毛町時代は周南の工場地帯のベッドタウンとして住宅団地が造られ、一方でナベヅルが飛来する自然豊かな八代地区がある。国道2号を利用した場合、市の中心部からは一度、下松市を通過しなければならず、取り残されるのではという不振感を抱く人もいる。また豪雨災害の傷跡が色濃く残る地域だけに、注目地区でもある。有権者は13日現在1万3184人で男性6,221人、女性6,963人。

「暮らしと命を守る」
 藤井候補の決起大会は陣営の発表で300人が参加した。藤井候補は「しゅうニャン市」プロジェクトを止める、官製談合が起こらないシステムづくりなどを訴えたあと、昨年の7月豪雨を取りあげた。
 被災地に入り「県議としてやれるだけのことはやった」と述べ、砂防ダムの建設を進めることなどを説明。障害を持つ人など被災した人が今も困っている現状を指摘。市長の仕事を「市民を幸せにすること、市民の暮らしと命を守ること」とし、「政治の光のあたっていないところにあてるのが私です」と訴えた。
 光市の磯部登志恵市議と地元の尾崎隆則市議や古谷幸男市議が弁士を務め、市議補選で当選した吉安新太さんも藤井候補を支持する9人目の市議として紹介された。
 熊毛地区の後援会幹事長の笠井保雄さんが藤井候補の功績として、熊毛郵便局の集配業務再開、JAの施設での朝市開催、7月豪雨災害時の対応をあげた。ガンバローの音頭も地元の寺岡雅喜さんだった。
 参加者は「熊毛地区のこともちゃんとやってくれる」「頑張って周南市の顔になってほしい」「災害の時に来ていただいた」などと話し、最後の握手では藤井候補と抱きあう支持者もあった。

藤井候補の決起大会=勝間小体育館

藤井候補の決起大会=勝間小体育館

藤井候補の決起集会の「ガンバロー」

藤井候補の決起集会の「ガンバロー」

「具体的な政策」訴え
 木村候補の個人演説会は陣営の発表で280人が参加したが、市職員も一般と一緒に聞き入っていた。八代で踊りつがれている八代音頭の舞踊で始まり、近間純栄後援会長や小林雄二市議会議長、米沢痴達市議の応援演説に続いて木村候補が客席の後ろから登場。まず参加者と握手して回った。
 そして演説では、7月豪雨を振り返って「地域の力、周南市民のきずなの強さを実感した」と述べた。7月豪雨を教訓に、災害対策本部の設置基準などを見直し、民間の住宅になだれ込んだ土砂の撤去費用の助成制度を設けたことを述べた。この制度は4月以後の災害に適用される。
 また水道敷設では新たに浄水場を建設することなく、光市から給水してもらう方法で実現して経費も節約できたことや、八代で生活交通確保のためコミュニティバスを走らせていることなどを説明。「具体的な政策」の必要性を強調して「全力で挑戦し続ける」と述べた。最後は得重謙二市議の音頭で参加者全員で「ガンバロー」を三唱した。
 八代音頭以外、地元の支持者が誰も登壇しないまま演説会は終わったが、参加者は「20年、30年先のことを考えていることがわかった」「具体的な政策がよかった」「元気があって最高です」「期待が持てそう」などと感想を話していた。

木村候補の個人演説会=サンウイング熊毛

木村候補の個人演説会=サンウイング熊毛

木村候補の個人演説会の「ガンバロー」

木村候補の個人演説会の「ガンバロー」

【きょうの紙面】
(3)働く女性の酒「ROOM」中嶋酒店で販売
(4)アルゼンチンで柔道指導の山県さん帰国
(5)華陵高英語科1年生が英語漬けの1日
(6)20日・光市できものでぶらりin室積

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両陣営とも“手応え”

[周南市長選・21日投開票]
藤井候補「7日間、死にもの狂い」
木村候補「支持は右肩上がりに」
両陣営とも“手応え”

P=握手する藤井候補/握手する木村候補

 任期満了に伴う周南市長選は県議を4期務めた新人、藤井律子候補(65)と3期目を目指す現職、木村健一郎候補(66)が支持拡大へ懸命。藤井陣営が「県議選にはなかった反応の良さ」と勢いづけば、木村陣営も「前回以上の手ごたえ。支持拡大は右肩上がり」と両者、一歩も譲らぬまま最終盤に突入しようとしている。(延安弘行)=文中敬称略、届け出順

3万票めぐり攻防

 同市の有権者数は13日現在、12万1,039人。そのうち男性が5万7,955人、女性が6万3,084人。投票率は前々回が49.01%、前回が49.78%で、今回も50%前後であれば当選には3万票を超えなければならない。
 前回、前々回の市長選はいずれも木村と現在は市議の島津幸男との一騎打ち。木村は前々回3万6,238票で約1万3千票差、前回は3万6,860票で約1万5千票差と圧勝した。
 今回の相手は定数5の県議選周南市区でトップ当選を続けてきた藤井。一方、木村は「しゅうニャン市」プロジェクトへの批判や昨年7月の豪雨災害への対応、11月の入札情報漏えいによる市職員と相手業者の逮捕と逆風が吹く中での選挙。藤井か、木村か、当選ラインの3万票に到達するのはどちらなのか、それとも激戦が投票率を押し上げて当選ラインが高くなるのか注目される。

握手する藤井候補

握手する藤井候補

握手する木村候補

握手する木村候補

市議も両陣営に分かれて

 藤井の出馬表明は1月下旬と早くはなかったが、強固な後援会組織を持つだけに木村陣営にとっては脅威。各地区ごとに開いた集会の参加者数でも、各地区で木村が開いた市政報告会を上回る地区もある勢いだった。
 しかし、その後、木村陣営が盛り返したという見方が広がり、14日の出陣式はともに陣営の発表で1,500人を集めた。
 「しゅうニャン市」廃止、官製談合根絶、市民の声を市政にと訴える藤井に対し、木村は「具体的」な政策が示せるかどうかが争点とし、これまでの徳山駅前図書館、市役所本庁舎建設などの実績と取り組もうとしている事業を訴えて対抗する。
 藤井は島津を含めた周南市議8人の支援を受け、市陸上競技場前で開いた出陣式はこれらの市議のほか公明党の市議も同党の上岡康彦県議の代理として出席、登壇した。
 藤井は開始30分前に来場して支持者と握手して回り、出陣式のマイクを握ると「7日間、死にもの狂いで戦う」と決意を述べた。
 木村の出陣式は周陽公園で開き、河村敏夫、新造健次郎県議と15人の市議、推薦している労組の連合、経済団体の幹部が紹介され、地域活動、まちづくりのリーダー、労働組合員など幅広い顔ぶれ。陣営は「バランスがよい構成」で人数も前回より大幅に増えたと表情は明るい。

最終盤は決起大会が軸に

 告示後は両陣営とも各地区を遊説しながら街頭演説や個人演説会を繰り返し、藤井陣営は19日、木村陣営は18日に市文化会館大ホールで決起大会を開く。
 藤井陣営は支援する市議の数は少ないが、市議のOBの支援者が多く、地域ごとの後援会組織とともに運動を支えている。木村市政に不満を持つ人の多い熊毛地区や鹿野地区、新南陽地区の福川、もともとの藤井の地盤である櫛浜や久米、出身地の須金など徳山地区北部を固め、人口の多い周南団地や中心市街地への浸透を目指している。
 一方、木村陣営は支援している市議などがフル回転し、連合も出陣式や決起大会への参加を傘下の労組を通じて呼びかけている。自民党も県連の推薦こそ決まっていないが、市内の徳山、新南陽、鹿野、熊毛支部のうち熊毛を除く3支部が推薦を表明するなどしている。
 この結果、熊毛地区など一部を除いては周辺部も含めて市内全域に支持を広げ、地元でもある中心市街地や周南団地に深く浸透する。工場前で朝立ちもして大手企業の社員にも訴えている。
 両陣営とも相手陣営と同時に棄権との戦いも強いられている。有権者の半数前後が投票しない現状の中で支持者に「自分ぐらい投票しなくても勝てる」と思われることが最も怖いと言う。
 終盤では決起大会を軸に票固めを図る。両陣営とも国会議員などの来演予定はなく、地元スタッフで盛り上げる。県議選を勝ち抜いてきた後援会組織を持ち、「公平・公正・クリーン」を掲げる藤井か、幅広い支援者、支援団体に期待、「挑戦は続く」と事業の継続を訴える木村か、最終盤になっても予断を許さない状態が続いている。

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