ヘッドラインニュース

㈱トクヤマの水素を周南SCへ

“地産地消”の実証実験スタート 水素Sta.―地場センターのパイプ供給も
 周南市御影町の㈱トクヤマ徳山製造所(安達秀樹所長)のカ性ソーダ工場で発生する未利用副生水素を回収して貯蔵・輸送・利用までを一貫して実施する「地産地消・地域間連携モデルの構築事業」の開始式が3月30日、周南市江口の周南スイミングクラブで開かれた。同クラブでは国内最大規模の100キロワットの純水素型燃料電池を運用することになり、この日、環境省の小林正明環境事務次官や村岡嗣政知事、木村市長など関係者約50人が出席して祝った。

周南スイミングクラブの燃料電池前でテープカットする参加者

周南スイミングクラブの燃料電池前でテープカットする参加者

 この事業は同社と東ソー、県、周南、下関市が環境省の委託を受けて進めており、水素は同クラブでの活用のほか、液化水素ローリーで道の駅「ソレーネ周南」の3.5キロワット燃料電池など市内や下関市にも運ばれて燃料電池フォークリフトなどに使われる。事業費は2015年度から19年度までで約15億円。
 同クラブに導入された純水素型燃料電池は東芝製で、徳山製造所からつないだ約1キロのパイプで運ばれる水素を1時間に約70~80立方メートル使って発電する。同クラブに必要な電力のほぼ全量をまかなえるという。
 この日は㈱トクヤマの楠木正夫会長、小林事務次官、村岡知事、木村市長があいさつし、東芝の提嶋毅中国支社長も加わってテープカットした。
 小林事務次官は「地域活性化の起爆剤にもなり得るもので、同様の工場にも輪を広げていきたい」と話していた。
水素ステーションから公道に配管敷設
 この日は鼓海のイワタニ水素ステーション山口周南から公道の地下を通る配管で周南地域地場産業振興センターの3.5キロワット純水素型燃料電池まで水素を供給して稼働させる、県の実証試験もスタートし、配管が報道陣に公開された。
水素ステーションと地場産センターをつなぐパイプ

水素ステーションと地場産センターをつなぐパイプ

 これは山口リキッドハイドロジェンと東芝燃料電池、長府工産、岩谷産業が取り組む「純水素型燃料電池コジェネレーションシステムの開発及び水素需要の拡大」の一環。
 安全性や安定性を調べる実証試験は今後、商業施設や一般家庭などに水素を供給するモデルケースとするもので、水素ステーションから公道に敷設した配管でほかの施設に供給するのは全国で初めてとなる。
 供給された水素は同センターの電気やレストランの温水に使われる。約250メートルの配管は約3,000万円で設置し、そのうち約2,000万円は県が補助した。

新斎場候補地は旧清掃工場跡

下松市議会行政説明会で報告 3市の7候補地から選ぶ
 下松市は同市と光、周南市の周南衛生施設組合(組合長・国井下松市長)が運営する河内の御屋敷山斎場の老朽化に伴う新築移転先に、西市沖の下松第2公共ふ頭に近い旧下松清掃工場跡地を候補地としていることを3月30日の市議会行政説明会で明らかにした。

候補地の旧下松清掃工場跡地

候補地の旧下松清掃工場跡地

 御屋敷山斎場は1971年に完成し、周南市の旧徳山市と旧熊毛町、下松市、光市から年間約2,500件の火葬を受け入れている。しかし老朽化した上にアクセス道路も狭く、新しい斎場が求められていた。
 同組合は昨年4月、構成3市の市長に新斎場建設候補地の選定を依頼し、各市から出た計7カ所の適地選定調査業務を民間業者に委託。土地利用、環境保全、防災、経済性、利便性で評価し、組合運営協議会の協議を経て昨年8月、3市の副市長の協議で新斎場の候補地を旧下松清掃工場跡地に決めた。かつては塩田だった土地で、現在は更地になっており、市道から3㍍ていど高い。
 市の規則で火葬場は「住宅、学校、病院などから220メートル以上離れていること」と定められているため、候補地から220メートル以内にかかる西市沖自治会(45世帯)と中島町自治会(110世帯)に昨年10月と1月の2回、地元説明会を開いた。まだ合意に至っておらず、市は引き続き説明会を開く。
説明する森田副市長

説明する森田副市長

 この日は選定の経過を斎場の地元である下松市議会に説明した。森田康夫副市長や小田修生活環境部長、内山教雄組合事務局長らが出席し、予定地の面積は約1万2,000平方メートルで現状より約2,000平方メートル広いこと、金属加工や石材加工など5つの工場に隣接しているが、予定地に直接隣接する民家はないこと、土壌の地質、汚染の問題もないことなどを説明した。
 さらに組合が昨年策定した新斎場整備基本構想では、事業着手から供用開始まで5年前後を予想し、総事業費は同規模の斎場を参考に28億1,000万円を想定していることを明らかにした。
 質疑では7議員が発言。地元対策を聞いた近藤康夫議員(政友会)に内山事務局長は「できることは対応する気持ちはあるが、まだそこまでの話に至っていない」と答えていた。
 小田部長は「タイムリミットは設けていない。地元のご理解がいただけるように今後も全力を尽くしたい」と話していた。

今秋 自然学習館、野鳥観察所オープン

“そぎ落とし”総事業費50億円維持 徳山動物園・15カ年のリニューアル事業
 周南市の徳山動物園(三浦英樹園長)は2013年度から本格的なリニューアル事業に着手し、昨年春の周南の里ふれあいゾーン「るんちゃ♪るんちゃ」に続き、今年秋には自然学習館、野鳥観察所がオープンする。並行して進めているゾウ舎は18年度に完成する。総事業費50億円をかけ、2027年まで続く事業の現状を報告する。(延安弘行)

スリランカゾウで計画変更
 同動物園は1960年にオープンし、北園と南園を合わせて約5ヘクタールの園内では昨年3月現在で112種類の動物を飼育展示している。2013年にはスリランカから国交樹立60周年を記念して贈られたスリランカゾウのナマリー、ミリンダが入園した。
 リニューアル事業は当初、2011年度から23年度までの期間で計画した。ところが、財源は事業費の半分まで利用できる国土交通省の社会資本整備総合交付金などを利用するが、東日本大震災で国の助成を受けられるか、不確かになった。

ゾウ舎などの予定地

ゾウ舎などの予定地

 さらに当初は先に北園を整備して動物を北園に移し、南園を整備する予定だったが、スリランカゾウの繁殖が可能な施設を先に作ることになり、15年に南園と北園を並行して整備するよう計画を変更した。期間も延長して13年度から27年度までの15年間にしたが、50億円の事業費は据え置いた。
建設中の自然学習館、野鳥観察所

建設中の自然学習館、野鳥観察所

 13年度は2億8,000万円の予算でまず北園の駐車場を整備、14年度は2億5,000万円、15年度は1億6,000万円で雨の日でも動物とふれあえる「るんちゃ♪るんちゃ」を作るとともに自然学習館などの建設にも着手。16年度は7億8,000万円をかけ、同館をほぼ完成させ、ゾウエリアの建設予定地を造成した。
 17年度は5億9,000万円で同館をオープンさせ、ゾウエリアの建設を進めて18年度に完成させる。ここまでで事業費は28億円。しかし最も費用がかかると見られる自然学習館、ゾウエリアが完成することから、総事業費は当初予定の50億円ていどにできる見通しという。
 今後は20年度にマレーグマ、コツメカワウソ、シロテナガザルなどのアジアの熱帯雨林ゾーン▽21年度にニホンザル、ツキノワグマなどの周南の里ゾーンと南園のエントランスと駐車場▽22年度に南園の広場ゾーンのフードコート、休憩所▽24年度に北園のオオカミ、トラ、トナカイなどの極東アジアや北極圏の自然ゾーン▽25年度に南園のキリン、シマウマ、カバ、ライオンなどのアフリカのサバンナゾーン▽27年度に北園にホッキョクグマエリアと南園の広場ゾーンの広場と、毎年のように新施設のオープンが続く。
 木原一郎園長補佐(48)は事業費について「動物の環境、お客様の満足を優先しながらできる限り無駄をそぎ落として身の丈にあった最低限必要なものにしている。ゾウ舎ではほかの動物園に比べて半額に抑えられた」と話す。

議会が入園料値上げに意見
 リニューアル事業を17年度の場合で除いた動物園の経費は職員の給与、教育普及、飼育などを合わせて年間約3億2,000万円。このうち飼育事業費と教育普及費などソフト事業分は入園料でまかなうという考え方。
 入園料収入は27年度決算で5,583万8,774円と5,600万円前後だが、大人410円、子ども100円の入園料を、今年10月からはそれぞれ600円と300円に値上げする。大人は11年ぶり、子どもは31年ぶりの料金改定。市内の高校生以下の無料入園は続けるが、年間で約3,000万円の増収を見込む。
 この入園料の値上げ後でも全国53の公立動物園で金額は「中ごろではないか」という。昨年10月には市議会予算決算委員会の決算の審議に伴い「安い入園料は、いつでも行けるという心理が働くため、動物園リニューアルの付加価値を高めるためにも入園料を含め検討すべきである」という意見書も付けられていた。
 自然学習館は3階建てで、講義用のホールや会議室とレッサーパンダの展示場もあり、階段を昇りながら観察できる。野鳥観察所は半径13メートル、高さが8メートルのケージで50種類、150羽の小型、中型の鳥を飼育、ケージ内を歩きながら鳥のさえずりや果実や昆虫を食べる様子、水浴びなどを観察できる。
 同園は、今春は大道理芝桜まつりの入場券で入場料を半額にするなど、内外の観光施設などとの連携にも取り組んでおり、観光の拠点としても役割が大きくなっている。

20年延命へ改良工事完成

3市の可燃ごみ処理 恋路クリーンセンター・総事業費約60億円
 下松、周南、光市で構成する周南地区衛生施設組合(組合長・国井下松市長)の可燃ごみ処理施設、下松市河内の恋路クリーンセンターの基幹的設備改良事業が終了した。27日、同センターで完工式が開かれ、関係者約50人が稼働開始以来、22年ぶりの本格的な改良工事の完成を祝った。

あいさつする国井組合長

あいさつする国井組合長

 同センターは1995年に169億円をかけて建設され、熊毛地域を除く周南市と下松、光市の可燃ごみを年間約65,000トン処理している。また余熱を隣の下松市温水プール・アクアピアこいじに提供している。
 熊毛地域の可燃ごみは旧熊毛町時代に加入していた周陽環境整備組合が岩国市玖珂町で運営するごみ焼却施設に持ち込んでいるが、同組合が解散する2019年度以降は同センターで処理する。
完成した焼却炉の新設備

完成した焼却炉の新設備

 基幹的整備改良事業は施設の長寿命化が目的で、13年に着工し、運転しながら工事を進めて焼却炉3基など主な機器や設備をほぼ更新した。総事業費約60億円のうち約3分の1は国の循環型社会形成推進交付金。施工は三菱日立パワーシステムズインダストリー、工事設計と施工管理は日本水工設計。
 これで同センターの機能は今後20年先まで維持される見通し。排ガスの無害化や燃費の効率化で電力に換算して改修前より11.7%の二酸化炭素削減が達成できるという。
 完工式には市川光市長、木村周南市長も出席。神事に続いて国井組合長は「これで機能が一新され、より快適で安全な施設運営が可能になった」とあいさつ。三菱日立パワー社の牧浦秀治社長は「この設備の主治医としてメンテナンスもしっかりしていく」と述べた。

むやみな餌やり、遺棄防止を

周南市・増える野犬へ啓発活動 動物との共生探る講演会も
 野犬の増加が問題になっている周南市は26日、野犬問題を考えるための講演会を毛利町の県周南総合庁舎さくらホールで開き、狂犬病対策などの話に約120人が聞き入った。講演のあとは市8カ所で自治会住民が中心になって動物の遺棄、むやみな餌やり、虐待禁止を訴えるチラシや啓発グッズを配るキャンペーンも展開した。

チラシなどを配って呼びかける市長、中嶋所長ら

チラシなどを配って呼びかける市長、中嶋所長ら

講演する下田さん

講演する下田さん

 講演会、キャンペーンは環境省、県との共催。2015年度に県内で捕獲された野犬1,354匹のうち約半数は周南地域で、特に同市の周南緑地公園付近で多く、市民から「怖くて子どもを遊ばせられない」「鳴き声がうるさく眠れない」などの声も多く寄せられていることから開いた。
 講演会は「野犬が増えて困っています~人と動物が共生する社会とは」をテーマに2人が講演。山口大学共同獣医学部助教の下田宙さんは、狂犬病は日本では半世紀以上、感染例がないが、同じくなかった台湾では近年になってイタチアナグマから確認されたことも紹介し、ワクチン接種の重要性を説いた。
 続いてカルフォルニア大学デイビス校研究員、日本獣医生命科学大学非常勤講師の田中亜紀さんが、犬は無責任な餌やりなどによるご飯と住みかがあれば繁殖してどんどん増えるとして「処分されることが可哀そうではなく、処分される動物を生み出すことが可哀そう」と訴え、動物の社会的立場、人の福祉と安全などを多方面から見る必要があると述べた。
 キャンペーンは周南緑地公園周辺の遠石、秋月、周陽、桜木、岐山、関門地区の自治会員ら約60人が地元のスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでチラシとポケットティッシュ、ペーパースコップ1,200セットを配って市民に協力を呼びかけ、アルク徳山中央店では木村市長や中嶋裕県周南環境保健所長も参加してPRした。

津田投手の顕彰碑修築

500人で披露式典 案内看板も新設、改修
 周南市和田出身でプロ野球の広島カープで活躍しながら病で32歳で亡くなった津田恒実投手の顕彰碑が修築され、26日、和田中で披露式典が開かれ、津田投手の妻、晃代さんや長男の大毅さん(28)、元広島カープ選手の池谷公二郎さん、長内孝さんらが出席して祝い、池谷、長内さんの野球教室もあった。

新しくなった和田中の記念碑のそばの左から松田会長、大毅さん、晃代さん

新しくなった和田中の記念碑のそばの左から松田会長、大毅さん、晃代さん


 津田投手は1960年生まれ。本名は津田恒美で、プロ野球に入って恒実に改名した。南陽工高時代には甲子園に春夏連続出場し、協和発酵に入って社会人野球で活躍したあと、81年に広島カープにドラフト1位で入団。新人王や“炎のストッパー”と呼ばれる活躍で最優秀救援投手賞などを受賞。86年のチームのリーグ優勝にも貢献した。
 その後、病に倒れ、93年には新南陽市民栄誉賞も贈られたが、この年の7月20日に死去した。2012年に“野球殿堂”入りし、市は市野球場を津田恒実メモリアルスタジアムと名付けて球場内に写真なども展示している。
 今回の顕彰碑の修築は津田恒美顕彰の会(松田富雄会長)が昨年11月から企業や和田地区の自治会、住民などに広く呼びかけて実現したもの。和田中に1994年に建てられて古くなっていた顕彰碑のステンレス板を取り替えて野球殿堂入りの記述を追加した。あわせて和田地区の2カ所のホームベースの形をした案内板を改修、津田投手の生家前に案内板、津田家の墓地に野球のボールの形をした記念碑を建てるなどし、パンフレットも新しく印刷した。
墓のそばに建つ記念碑

墓のそばに建つ記念碑

新しくなった案内看板

新しくなった案内看板

 顕彰の会の呼びかけに3月23日現在で目標額の2倍近い673件185万7,000円が集まった。
 和田中の碑の前で開かれた披露式典は住民や和田中の野球部員、スポ少の子どもたちやファンなど500人が参加。松田会長のあいさつに続いて同会の平野忠彦事務局長が経過を説明して「津田投手を和田の人的文化として20年、30年、40年先まで顕彰を続けていきたい」と述べ、碑が除幕された。
 晃代さんは「25回忌の節目に立派な顕彰碑を建ててもらってうれしく思います」とあいさつした。南陽工高野球部時代の監督、坂本昌穂さんは「津田君は人を思いやる優しさとマウンドで闘志あふれる姿の両方を持っていた。それが私たちを今もひきつけるのでしょう」と話してその人柄をしのんだ。
池谷さんらの野球教室

池谷さんらの野球教室

 式典のあと、大毅さんは周南市に津田投手の記念館を建設したいと述べ、近くインターネット上で広く協力者を募るクラウドファンディングで資金を募る予定であることも報告した。餅まきや墓地、生家の見学もあり、生家では新人賞などのトロフィーや賞状なども特別公開された。野球教室に続いて和田中、桜田中野球部の連合チームと岩国中の練習試合もあった。

松田鉄工所、光メタルセンター

産業技術振興で県知事賞
 中小企業の優れた技術開発と新規事業展開に対する第8回県産業技術振興奨励賞の受賞者が決まり、県知事賞は周南市港町の松田鉄工所(松田充史社長)の「二次電池電解液向けなど特殊充填(てん)容器の開発」と、光市浅江の光メタルセンター(阿部光範社長)の「ステンレス箔(はく)テープヒーターによる植物体局所加温システムの開発」の2社が選ばれた。
 表彰式は27日に山口市の県庁正庁会議室で開かれ、県知事賞のほか、光メタルセンターの受賞に貢献した徳山高専情報電子工学科教授でテクノ・リフレッシュ教育センター長の山田健仁さんに県知事特別賞、山口市のクリヤマ技術研究所(皆元一郎社長)の「プラットホーム縁端(えんばな)構造の開発」に県産業技術センター理事長賞が贈られた。
 松田鉄工所は特殊充填容器の高度な品質要求を達成するため、容器の内壁を滑らかにできる自動溶接システムを開発した。このシステムでは、溶接裏波と呼ばれる、部品同士を溶接した裏側である、容器内壁に形成される溶け込み部分を安定的に、均一に形成できる。
 このシステムを活用して禁水性、耐食性、高い洗浄効率が求められる不燃性電解液用容器を開発。さらに禁水性化学品用小型ボトルなどに応用、展開している。
 光メタルセンターは、金属箔を加工する技術を活用し、イチゴのハウス栽培に使う苗の根元部分を加温するテープヒーターを開発。従来の温風加温器に比べ、4~6割の大幅なコスト削減を可能にして省エネルギーを実現した。来年度から本格販売を予定している。

「特定空き家」周南市3件、光市1件

自主解決多数、課題も
 人口減少などに伴って全国的に増加している空き家の対策へ「空家等対策の推進に関する特別措置法」が全面施行されて2年近くが過ぎた。放置されて老朽化することで倒壊の危険や、防犯面、景観を損なうなど問題があり、周南各市でも空き家対策の条例を制定するなどしてその対策に取り組んでいる。解決に結びつく事例がある一方、所有者と連絡がつきにくいなどの課題もある。現状を追った。(安達亮介)

空き家解体後、駐輪場整備が進む周南市の櫛ケ浜駅そば

空き家解体後、駐輪場整備が進む周南市の櫛ケ浜駅そば

 空き家は少子高齢化や核家族化など社会的要因や相続問題、経済的理由などからも増加傾向にある。このため地域で生活環境に深刻な影響を及ぼすのを防ぐため特別措置法が作られた。
 同法では「倒壊など保安上危険となるおそれがある」「著しく衛生上有害となるおそれがある」「著しく景観を損なっている」などの状態の空き家は市町村の立ち入り調査を経て「特定空き家」と認定され、市町村は所有者に解体や修繕をするよう助言・指導する。解決されない場合は固定資産税などの税負担が上がる勧告、敷地内への看板設置を伴う命令もでき、最終的には強制的に解体することもできる。
 周南市は2013年10月に空き家の適正管理に関する条例を施行。市生活安全課によると、空き家に関する相談、情報提供は03年の周南合併以降、今年2月末までに146件あり、このうち「特定空き家」に認定されたのは3件。
 そのうち2件は市から勧告を受けている最中で、別の1件は勧告の次の段階の命令を受けて敷地内に看板も立てられている。
 一方、相談があったうち41件は所有者が自主的に解体するなど、立ち入り調査に進む前に解決。情報提供を受けた市が手紙などで所有者と連絡をとったことなどがきっかけとなっており、この事例として櫛ケ浜駅東側の長年、空き家が数軒並んでいた場所では、各所有者が15年度までにすべて解体し、現在は土地を市が借りて駐輪場の整備を進めている。
 光市も特別措置法施行前の14年7月から空き家の管理に関する条例を施行。市生活安全課によると、これ以降に「瓦が落ちてくる」「草木が繁茂して困っている」などの苦情や相談などが2月末現在で86件あった。
 そのうち1件が「特定空き家」に認定されたが、その後の助言、指導で所有者が自主的に空き家を解体して解決している。
 下松市では独自の条例は設けていないが、特別措置法施行以前から空き家の苦情などがあれば所有者に対策を依頼している。市住宅建築課によると、市民からの空き家に関する苦情や売却などの相談件数は15年度は16件、今年度は2月末現在で30件。
 基準がないため「特定空き家」の審査はできなかったが、今年3月に「市空家等対策計画」を策定。今後はこの計画の基準に基づいて対策を進めていくという。
 13年の住宅・土地統計調査によると、周南市は住宅総数71,920戸のうち賃貸用などを除く空き家は推計4,980戸。13、14年度に独自調査した下松市は住宅総数26,700戸のうち1,172戸。光市は未調査のため不明だという。

洋服は広島、ネットも

小学生持つ親の買い物は? 日刊新周南ミニバス交歓会会場で調査
 新周南新聞社は2月26日に光市総合体育館で開いた日刊新周南ミニバス交歓会の会場で出場チームの保護者などを対象に買い物や地元への期待などをアンケート調査した。「洋服を買う時に行く施設」では広島中心商業地が地元の大型ショッピングセンターなどを上回った。
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 この調査は回答用紙にその場で記入してもらう方法で145人から回答を得た。男女別では女性が104人、男性が41人。市別は周南市73人、下松市23人、光市47人、その他が2人。年代別では40代が最も多く、半数を上回る76人、続いて30代が50人だった。
 「洋服を買う時に行く施設」はゆめタウン新南陽、同徳山、イオンタウン周南、同周南久米、徳山駅前商店街、ザ・モール周南、サンリブ下松、イオン光、地元の量販店、地元の個人商店、防府市、山口市、岩国市の各ショッピングセンター、小倉、福岡、広島中心商業地、ネット通販から答えてもらい、一部複数回答で190件の回答があった。
 最も多かったのが広島中心商業地で18.4%、2位がザ・モール周南で17.4%、3位がサンリブ下松で12.6%だったが、4位はネット通販で、10%だった。
 5位は防府市のショッピングセンターの7.9%、6位はイオン光で6.3%、7位はイオンタウン周南の5.3%。これにゆめタウン新南陽4.7%、ゆめタウン徳山4.2%が続いた。この結果、周南3市以外がネット通販を含めると41%を占めた。
 市別では、周南市は下松市のザ・モール周南、サンリブ下松を合わせて23.8%だが、市内のゆめタウン、イオンタウンの合計も23.7%とほぼ同じで、ゆめタウン徳山も昨年秋にオープンしたばかりだが、5.9%あった。なお徳山駅前商店街は3市を通じて1人もいなかった。
 下松市はザ・モール周南、サンリブ下松で50%を占めたが、広島中心商業地も23.1%と高かった。光市は地元のイオン光が14.8%だったが、ザ・モール周南、サンリブ下松も各14.8%あった。
 自分が住む市の将来について「これからの〇〇市は明るい」の設問にも答えてもらったが、周南市は「明るい」が11%しかなく、「どちらかと言えば明るい」を合わせて48%だったが、下松市は回答した全員が「明るい」「どちらかと言えば明るい」と回答、光市でも「明るい」「どちらかを言えば明るい」を合わせて65.9%だった。

迫られる野犬対策

【周南市】2度の封鎖作戦で4匹捕獲 26日・講演会と啓発キャンペーン
周南市は14日、市街地に群れて怖い、ふんがひどいなど問題になっている野犬対策のため県周南環境保健所と共同でキリンビバレッジ周南総合スポーツセンター駐車場を封鎖して野犬捕獲に取り組み、2匹を捕獲した。26日には人と動物が共生する社会の実現を考える講演会やチラシ配りなどのキャンペーンも展開する。

おりの中の捕獲された野犬

おりの中の捕獲された野犬

封鎖された駐車場

封鎖された駐車場

同市では狂犬病予防法に基づいて県が野犬捕獲に取り組み、市も目撃情報の多い周南緑地公園の近隣住民とも協力して、無責任なえさやりも野犬が増える原因に考えられることから、えさを与えないよう呼びかけたり、巣穴をつぶすなどして増加を防ごうと取り組んでいる。
今回の捕獲もその一環で、正午から午後10時まで市民の立ち入りを制限して長さ4メートル、幅4メートルの捕獲用のおりを置き、環境保健所の5人がおりまで追い詰める方法で捕獲にあたり、市職員26人も封鎖に協力した。2月27日にも大迫田墓地で同様に取り組んで2匹を捕獲している。
現地では野犬捕獲に反対する団体が県の担当者に「手順書を出してくれ」「納得できるまで捕獲させない」などと詰め寄る場面もあり、実際に捕獲が始まったのは予定時刻の約2時間後だった。
同環境保健所によると、2015年度に同署管内の周南、下松、光市で捕獲された野犬は県全体の約半数となる685匹で、このうち捕獲後に136匹が譲渡された。それまでは一部の引き取り手が見つかりそうな犬だけをウェブサイトで紹介していた。
しかし16年1月からはすべての犬の情報を掲載し、今年度は2月中旬までに約740匹を捕獲し、そのうち約560匹が新たな飼い主の手に渡っている。
26日の講演会とキャンペーンは野犬による被害をなくすため、動物福祉や感染症予防の観点から市民に正しい知識を持ってもらうのが目的で、環境省、県、市の主催。
午前10時から県周南総合庁舎さくらホールである講演会ではカルフォルニア大学デイビス校研究員、日本獣医生命科学大学非常勤講師の田中亜紀さんと、山口大学共同獣医学部助教の下田宙さんが「野犬が増えて困ってます~人と動物が共生する社会とは」のテーマで話す。
このあと、木村市長や市職員らが徳山地区のスーパーマーケット、書店、徳山動物園などで野犬の現状とむやみなえさやりの禁止、動物の遺棄・虐待の禁止を訴えるチラシや啓発グッズを配布する。
講演会は誰でも参加できる。先着400人。問い合わせは市環境政策課(0834-22-8322)へ。