ヘッドラインニュース

【金曜記者レポ】児童クラブ

【周南】定員以上の利用も、共働き増え需要増
 核家族化、共働き世帯の増加などで放課後などに児童を預かる放課後児童クラブ(学童保育)の需要が高まっている。周南3市でも利用者が4年間で3割以上増えており、各市ではそれぞれ施設整備や支援員を確保して定員の拡大を図っているが、追いつかず、一部には定員を上回る施設も出ている。その現状を追った。(安達亮介)

建物を新設した周陽小校区児童クラブ

建物を新設した周陽小校区児童クラブ


下松市は定員超える利用
 児童クラブは共働きやひとり親など、保護者が昼間に家庭にいない児童を保育する施設。平日は放課後から夕方まで、土曜や長期休暇中は朝から受け入れ、児童はパート職員の支援員が見守る中で宿題や読書、ゲームなどをして過ごす。
 保育料は月額3,000円(周南市は月によっては2,500円)、8月は5,000円。このほかおやつ代は別で、延長すれば保育料が別途かかる。
 利用者数は周南市(25施設)の場合は2013年度が1,160人で17年度は1,396人▽下松市の「児童の家」(11施設)では13年度が501人で17年度は759人▽光市の「サンホーム」(13施設)では13年度が369人で17年度は524人と増加している。

170721g

 施設は空き教室や専用の建物を利用しており、利用者増に伴って教室や施設そのものを増やすなどして定員を拡大しているが、各市とも場所によっては整備が利用に追いついていない状況。
 特に転入者が増え人口増が続いている下松市では5月1日時点の利用者が定員575人に対して759人で定員の1.32倍と大幅に上回っている。光市も定員の1.05倍になっている。このため定員を超える場合は補助員を増やして受け入れている。

専用施設の新設も
 少子化が進む中での利用者の増加は共働きやひとり親世帯など家庭環境の多様化や、低学年だけだった対象を近年は全学年へと拡大したことも要因とみられる。
 周南市の周陽小校区児童クラブ(定員80人)では昨年、児童クラブ専用の施設を新設。利用者49人のうち半数近くが1年生で、平日はまず全員で宿題に取り組み、おやつの時間のあと室内外で遊ぶなどして過ごす。
 ある1日は、児童は8人が交代で勤務している支援員に見守られながら、静かに机に向かって宿題を片付けたあとお菓子を食べ、その後はお絵かき、オセロ、かるた、積み木、粘土遊び、読書などおのおのが気ままに楽しみ、迎えに来た保護者に笑顔で報告していた。

指名停止でも監理業務

【周南市議会企画総務委員会】防災無線の工事遅延問題
 周南市議会の企画総務委員会(青木義雄委員長)が18日開かれ、防災情報伝達システムの防災行政無線、無線LAN整備工事の実施設計の不備で工期が延長された問題で、現在も実施設計をした岐阜県岐阜市のビーム計画設計が工事の監理業務をしていることが取り上げられた。工事を請け負うパナソニック・徳機電設特定建設工事共同企業体(JV)が市に提出した「工事の遅れで同JVに発生した経費」の見積書についても執行部が説明した。

防災無線問題を審議する委員

防災無線問題を審議する委員

 この実施設計は同JVの調査で追加工事などが必要なことがわかり、6月議会で工事費を増額、工事期間も5カ月延長して2019年3月25日までとする議案が可決された。またビーム計画設計を7月4日から6カ月間の指名停止とした。
 委員会には小林智之行政管理部長、足達正男建設部長、川崎茂昭防災危機管理課長らが出席。ビーム計画設計の監理業務継続は魚永智行議員(共産)が取り上げた。監理の期間は工事開始の昨年9月から終了の再来年3月までで、市が支払う費用は3年間で約3,000万円。すでに16年度分は支払っている。同社は毎月、報告書を提出しており、この日はこの報告書を委員会に提出するよう執行部に求めた。
 JVの見積書は工事期間延長に伴って必要になった人件費、ビーム計画設計による設計見直しのための無線LAN回線調査、電波伝搬調査の支援費など。市は設計の不備で必要になった経費はビーム計画設計に負担させることにしている。
 委員会からの請求に応じて見積書は提出されたが金額は黒塗りで明らかにせず、現在、内容を精査していて8月末までに金額、支払方法を確定する予定だと説明した。
 これに対し古谷幸男議員(嚆矢会)、福田健吾議員(六合会)らが市の責任を明らかにすることや、ビーム計画設計の経営状態を調査しているのか問い、経費を支払えるのか確認を求めた。
 執行部は金額が確定した時点でビーム計画設計から支払いの確約をとる考えを示し、市は発注者として工事が遅れたことの責任はあると述べた。
 このほか委員会は全員協議会など執行部が議員全員に報告する場を設けるよう小林雄二議長に提案することを決め、委員会後に議長に伝えた。

自由闊達でエネルギッシュに

【この人に聞く】注目される製品育てたい
日本ゼオン執行役員徳山工場長 渡辺 誠さん(54)

170719

 周南市那智町の日本ゼオン徳山工場長に就任した。前職は富山県高岡市にある高岡工場長で、徳山工場は3度目の勤務となる。自動車タイヤの原料として注目される溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)の生産拠点で、世界初の単層カーボンナノチューブの量産プラントもある徳山工場の現状や周南コンビナートへの期待などを聞いた。(聞き手・延安弘行)

──徳山工場は4年ぶりということですが、工場長としてどの分野を伸ばしたいと考えていますか。
 渡辺 今の段階では2つあります。まず徳山工場は合成ゴムの基幹工場です。現在はシンガポールでも生産していますが、低燃費用のタイヤ原料として高性能を生み出せるS-SBRに力を入れていきたい。もう1つはカーボンナノチューブです。世界初の量産プラントがありますが、これから実際の展開が始まります。この2つが伸びていけばと期待しています。
──カーボンナノチューブは一昨年、プラントができ、用途を開発中のこれからの製品ですね。
 渡辺 用途はまだごく一部が出てきているところです。合成ゴムも改良された製品が次々に出て、低燃費で環境にやさしいタイヤとして注目されています。このほか重合法トナーがあります。
──これらの製品を育てるためにもどんな工場を目指しますか。
 渡辺 永遠にもうかる工場でありたいですね。研究部門もあるし、自由闊達、エネルギッシュな組織を維持したいと考えています。
──具体的にはどんな職場ですか。
 渡辺 一人々々が生き生きと仕事ができる職場です。上下や部門の壁を取り払って“オール徳山”でいきたい。そのために私自身が機会を見つけて対話を進め、部門の異なる人同士のつながりを広げたいですね。
──雇用面はどうですか。
 渡辺 団塊の世代が退職したころに継承が途絶えることがあり、これを教訓に一定のレベルでコンスタントに採用を続けています。ここ10年ぐらいは一定数の雇用を確保しています。
──設備投資も新分野を中心に積極的ですね。
 渡辺 新しい分野もあるし、既存の分野でも、効率化や省エネ、安全、環境への投資はやっていきます。
──コンビナート企業の連携強化や徳山下松港をもっと生かそうという動きも活発になっています。
 渡辺 もちろん参画していきたい。インフラや設備、物流など、やればやるほど互いの企業にも、地域にもメリットがあることですから。エネルギーの融通、原料や製品の共同配送といった物流関係でもやる余地はまだあると思います。
──徳山下松港の整備も進んでいます。
 渡辺 製品は輸出もしているので目の前から輸出できるというメリットは非常に大きい。また徳山に着任したからには周南の繁栄に貢献したい。徳山駅前のリニューアルも進んでおり、活気を呼び戻すお手伝いができればと思っています。
──ありがとうございました。

 [プロフィール]
 長野県出身。慶応義塾大学理工学研究科修士課程修了。入社して間もなく研究所に配属され、トナーの開発を担当した。30年の勤務のうち25年はトナーの開発、生産に携わった。
 徳山工場はまず、開発したトナーの生産開始時、2回目はこれも開発に携わったカラートナーの生産開始時に製造課長として赴任した。家族は東京で、この10年ほどは単身赴任を続けている。ゴルフは徳山工場に最初に着任した時に始めた。

 [徳山工場] 徳山駅にも近い周南市那智町にあり、従業員は360人。1965年にまず合成ゴムのスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムの製造設備が稼働、86年からS-SBRの生産を始め、91年からは重合法トナーの生産を始めた。
 2015年には単層カーボンナノチューブの量産工場が完成。カーボンナノチューブは炭素原子だけで構成されるナノ炭素材料で、軽量、高強度で電気や熱の伝導率が高いことからさまざまな用途への利用が期待されている。

燃料電池車の電気を家庭用に

【周南市】可搬型外部給電器を導入、イベントや災害時にも
 周南市は燃料電池自動車などの電気を家庭用電源に変換できる可搬型外部給電器を導入した。排気ガスや騒音も出さずに安定した電力が供給でき、今後、災害時の非常用電源や、各種イベントでも活用していく。
 これは本田技研工業(本社・埼玉県)が昨年3月に発売した「POWER EXPORTER 9000」。5月にはロックバンド「LUNA SEA」のライブでも使用されており、水素の利活用、普及啓発に積極的に取り組む市が税込み118万円で購入した。県内の自治体での導入は初めて。

給電器に触って説明する内海さん

給電器に触って説明する内海さん

 規格の合う燃料電池自動車や電気自動車の電力を使って最大9キロボルトアンペア(kVA)の出力ができ、市が市民に貸し出すカーシェアリング事業に活用している「ホンダ クラリティ フューエルセル」に接続した場合は一般家庭の約7日分の電力をまかなえる。市が導入しているトヨタ自動車の「ミライ」からも給電できる、
 重さは約51キロ。タイヤが付いているためキャリーバッグのように持ち運べる。
 14日には市役所公用車置き場でデモンストレーションがあり、実際に「クラリティ~」の電力で冷風機、投光機、マイクを作動させてみせた。本田技研工業環境車市場開発室グループリーダーの内海邦男さんは「静かなので、お祭りや野外カフェなどにも利用してほしい」と話していた。

徳山動物園で「ぞうさん堆肥」

【金曜記者レポート】園内のプラントで製造販売 環境、コスト両得
 周南市の徳山動物園(三浦英樹園長)は昨年4月からスリランカゾウなどのふんと敷きわらを原料にした堆肥を「ぞうさん堆肥」と名付けて販売している。農家などに好評で、6月までの1年間に50tを売って16万円の売上があった。以前は年間約400万円をかけて焼却処分していたが、環境に配慮して資源として有効利用することで経費の大幅な節減にもつながっている。(延安弘行)

10㎏入りの袋を持つ木原さん

10㎏入りの袋を持つ木原さん


次世代エネルギーパークにも
 同園は現在進めているリニューアル事業による新エネルギーなどの導入計画が2011年に経済産業省から「次世代エネルギーパーク」に認定され、昨年3月にオープンしたウサギやモルモットなどとふれあえる施設「るんちゃ♪るんちゃ」では井戸水を清掃などに使っている。
 また水素で発電する電気はゾウ舎などで使い、発電時に出る熱でわかした湯をゾウやカピバラの獣舎で使用する純水素型燃料電池コージェネレーションシステムの研究開発・実証試験も園内で続けられている。そのほか、リニューアル工事では太陽光発電装置も設置する。
毎日500~700㎏のふんを処理
 園内で1日に回収する動物のふんはゾウ、キリン、シマウマ、ダチョウや豚、ポニー、ヤギ、レッサーパンダ、ウサギやモルモットまで含めると500㎏から700㎏にものぼる。以前は市内に処理できる業者がなかったため、萩市で処理していた。
 住宅地の中にあるため、園内で処理するには悪臭対策が必要だが、大阪市の市街地にある天王寺動物園で畜産用の密閉型堆肥化プラントを使って処理していることがわかり、導入を決めた。
園内の堆肥化プラント

園内の堆肥化プラント

 導入費用は約2,200万円。2014年12月に設置されたプラントはタンク内に堆肥と敷きわらを入れ、1週間かけて微生物で発酵させるとふかふかの堆肥ができる。処理する過程で水分などが抜けるため出てくるときは3分の1ほどの重量になる。豚のふんを処理する場合で1日に2トンを処理する能力がある。
完成した堆肥

完成した堆肥

 導入してしばらくは水分量が一定にならないなど堆肥の品質が安定せず、知り合いの農家などに使ってもらうていどだったが、1年たって動物のふんに適した微生物になったのか、品質が安定するようになった。
有機肥料、市内は配達
 13年にスリランカから贈られた時は子どもだったゾウ2頭も大きくなってふんの量が増え、堆肥もたくさんできるようになったこともあり、昨年4月から本格的に販売を始めた。売り始めた当初は市広報に載せたり、永源山公園のつつじ祭りで見本を配るなどしてPRした。
 原料はふんと敷きわらだけの有機肥料で、値段は10キロの袋入りが200円、軽トラック1杯分の約300キロが2,000円、2トンダンプカー1台分の約1,200キロが4,000円。市内なら同動物園の職員が配達する。
 当初は稲作用に田植えの前に水田に入れる場合が多く、田植え時季以後、在庫が増えることもあったが、最近は野菜の畑やミカンなど果樹園にも使われ、ほとんどの人が1,200キロをまとめて購入するため、在庫がたまることはなくなった。
 環境負荷を減らし、イメージアップにもつながると始めた堆肥化事業だが、現在、同園ではゾウなどに与える牧草などを農家に委託栽培してもらっており、この堆肥で育てた牧草や葉物野菜などを動物に与え、その動物のふんを堆肥にするというサイクルを作ることも可能になっている。
 木原一郎園長補佐(48)は「将来はこの堆肥を使って育てた“ぞうさん野菜”を園内で販売できるのでは」と夢を膨らませている。問い合わせは同園(0834-22-8640)へ。

「Chixi」が10周年

日本初のイラストSNS 新サービス“黒歴史にっき”も
 光市上島田のステラリンク(石川博之社長)が運営するイラスト特化型SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「Chixi(ちぃ)」が10周年を迎えた。同社はこれにあわせて新機能“黒歴史にっき”の追加や記念イラストの募集もしているほか、今後1年間を通してイラストコンテスト、サイトのリニューアルなどの記念事業を展開する。

「Chixi」のトップページ

「Chixi」のトップページ

 Chixiは「絵を描く人同士が気兼ねなく交流し、一緒に共感したり笑ったりできる環境を作りたい」と個人の有志らが2007年7月7日に日本初のイラストSNSとして開設。国内最大手の「pixiv(ピクシブ)」よりも2カ月早いスタートとなっている。
 当時、周南市の会社でプログラマーとして働いていた石川さんが主に管理し、安定的なサービスをと09年6月からはステラリンクを設立して続けてきた。
 専用のソフトがなくてもサイト上で絵を描ける機能があり、利用者は絵や日記を投稿してほかの人の絵にコメントを残したり“goodボタン”を押すことで応援もできる。また線画と塗りを別々の人がする“こらぼ~ど”や、リアルタイムで複数人が絵を描いて交流できる“お絵かきチャット”などもある。
 新機能の〝黒歴史にっき〟はChixiに登録して初めて投稿した絵と直前に投稿した絵を同時に表示して「Twitter(ツイッター)」などを通じて発信もできるもの。黒歴史(なかったことにしたい過去を指すインターネット用語)とも呼べる未熟な絵と最新の絵を並べて成長を確かめることがイラストの楽しみ方の1つとして定着していることから導入した。
 現在は主婦など約1万人が登録し、これまでインターネット上の交流のほか、実際に利用者同士が集まる「オフ会」も東京などで開かれてきた。

石川さん

石川さん

 石川さんは「大変な時期もあったが、楽しく使ってくれている人がいるから続けてこられた。今後もより楽しく交流できるようなサービスをしていきたい」と話している。

女性の目線で工場案内

日新製鋼「コンシェルジェ周南レディ」が活躍
 周南市野村南町の日新製鋼周南製鋼所(早川淳也所長)で、女性社員8人で作る工場見学案内チーム「コンシェルジェ周南レディ」が活動を始め、女性目線のわかりやすい説明が関心を集めている。

「周南レディ」のメンバーたち

「周南レディ」のメンバーたち

 同製鋼所では年間約140件の工場見学を受け入れているが、品質保証チームの小山栄理子さん(54)が「これまで以上に満足してもらえる工場見学にして周南製鋼所の良さを知ってもらいたい」と発案して昨年11月に「周南レディ」が発足した。
 メンバーは品質保証、人事、総務、経理チームと所属する課もばらばらだが、勉強会を重ねて同製鋼所のステンレスの製造過程などを学び、1月から計5回、工場見学の案内役を務めた。
 通常の工場見学は取引先が多いが、周南レディが主に担当するのは学生、近隣住民など一般の人。そのためコイルを「トイレットペーパーのような」と言い換えるなど、専門用語を誰でもわかりやすく説明するよう心がけている。7、8月に開かれる「産業観光ツアー」でも案内役を務める予定。
 今後は事務系の女性社員全20人の参加を目指しており、小山さんは「近隣企業の工場見学にも参加し、いい所を学んでさらなるレベルアップにつなげたい」と話していた。

「できることから一つひとつ」

【この人に聞く】医師確保、地域と連携
光市病院事業管理者 桑田 憲幸さん(62)

170711

 光市立光総合病院と大和総合病院、介護老人保健施設ナイスケアまほろばを統括する市病院事業管理者(病院局長)に就任した。光総合病院長兼整形外科部長でもあり、同病院は2日に新築移転工事が起工、2019年度中の開院を目指している。04年の市町合併以来、常に市民から高い関心を集め、このほど大きく動き出した市の総合病院の新しいかじ取り役として、意気込みや今後の見通しなどを聞いた。(山上達也)

――病院が移転する大切な時期での就任ですね。
 桑田
 光と大和の両病院とまほろばを見ながら、医療環境の変化に対応できる経営をしていく時期での就任になりました。できることから1つ1つ取り組んでいきます。
――新しい光総合病院はどんなコンセプトですか。
 桑田
 「災害への強さ」と「緩和ケア」です。災害に強い病院になるよう、避難所になる講堂を1階に設け、ロビーや外来の空間を広く取って災害対策本部や多くの傷病者が出た場合、重症度を選別するためのトリアージスペースを想定し、ヘリポートも設けます。高台なので津波も安心です。緩和ケア病棟は景色のいい方角に部屋を集中させて、よりよいケア体制を整えます。
――開院が楽しみですね。管理者としてどんなことに心がけますか。
 桑田
 医師の確保です。前任の守田信義先生には参与で残っていただき、医局(山口大学医学部)との交渉に力をお借りします。地道に協議してお願いを重ねるしかありません。
――大和総合病院の経営はどうですか。
 桑田
 光を急性期、大和を慢性期と機能分化し、その中で大和には急性期機能を残しました。両病院とも黒字ですが、診療報酬の改定があれば対応していかないといけません。
――地域との連携はどうですか。
 桑田
 5月の看護の日のイベントが代表的ですね。病院は体が悪くならないと来ないところですが、イベントだと元気な人にも来てもらえます。そこから地域に開かれた連携を見いだしていきます。
――なぜ医師になろうと思ったんですか。
 桑田
 もともとパイロットが夢で、航空大学校にも合格したんですが、父の勧めで医学の道に入りました。
――専門は整形外科ですね。
 桑田
 特に手外科です。外科は生死よりどこまで治ったかの機能の問題。痛みもなく動きがいいのが一番です。手やひじは複雑な機能を持っているため適切に治療しないと日常生活に大きな支障が残ります。治療した患者さんのお元気な姿を拝見する時が一番うれしいですね。
――光に来てもう何年になりますか。
 桑田
 11年になりましたが、とても住み心地がいいです。雪が少なく温暖で、海も山も自然に恵まれ、優しい人が多く、いいところに赴任できました。
――市民の皆さんへメッセージをどうぞ。
 桑田
 市民の皆さんに信頼され、期待される病院と施設を目指していきます。よろしくお願いいたします。

[プロフィール]
 宇部市生まれ。宇部高、鳥取大学医学部卒。山口大学医学部医局に入り、手外科専門医として南陽病院(現周南市立新南陽市民病院)、山口労災病院、小郡第一総合病院などに勤務した。
 趣味は読書。中学高校はサッカー部で、長男の所属したサッカーチームでコーチをするうちスポーツドクターの資格も取得した。
 宇部市に妻を残して単身赴任。1男3女に孫が4人いる。

下松市内に歯科衛生士専門学校開設へ

広島の三宅学園が下松市と協定・2019年4月に開校
 下松市内に2019年4月に歯科衛生士を養成する専門学校の開設を予定している広島市の三宅学園(三宅雄次郎理事長)は6日、下松市役所で同市と6項目の基本協定を結んだ。市内での専門学校の開校は初めて。

協定書を持つ三宅理事長(左)と国井市長

協定書を持つ三宅理事長(左)と国井市長

 同学園は広島市で広島デンタルアカデミー専門学校や広島県海田町で海田幼稚園、海田保育園を経営している。歯科衛生士は全国的に不足気味で、新たな専門学校の進出先に広島からのアクセスがいいうえ、人口が増加し東洋経済新報社の〝住みよさランキング〟で全国上位の同市を選定したという。
 専門学校は3年制で1学年50人。講師は広島から派遣するほか下松周辺の歯科医師も考え、職員も地元雇用を優先するという。
 協定は市が専門学校の設置に協力し、支援することや「地域の関係医療機関等と連携し地域医療の充実に努める」「設置が迅速かつ円滑に進むよう相互に協力」するなどで、国井市長は「専門学校の開校で街に一層活気が出る」と歓迎した。
 歯科衛生士養成の専門学校進出は、中国地方で唯一、高校で歯科助手資格が取得できる綜合ビジネス科医療ビジネスコースを持つ光市の聖光高にとっても朗報。同校は「卒業生の受け入れ先が増え、歯科助手よりワンランク上の歯科衛生士を今まで以上に目指しやすくなる。どう連携できるかを考えたい」と歓迎している。
 場所は未定だが、三宅理事長は「2、3の候補地はあるが絞り切れていない。なるべく早く決めたい」と話している。

無投票」砕く取り組みを

【金曜記者レポート】下松・来年の県議補選と市議選
県議補選に森繁市議・依然低調な市民の関心

 下松市では来年1月の県知事選に合わせて1人が欠員になっている県議会議員の補欠選挙、4月には市議会議員選挙(定数20)がある。同市はここ数年、市長選挙を含め無投票や無風の選挙戦が続き、今回も県議補選は無投票の可能性が浮上する一方、市議選は定員割れさえ予想される。県内の市町で唯一人口が増加し、東洋経済新報社の住みよさランキングでは中四国地方1位だが、選挙戦が低調なのは市民の市政への不満が薄いからだけなのか。2つの選挙の動きを探った。(山上達也)

三つ巴か無投票か不透明に
 県議補選は下松市区定数2のうち昨年4月に市長選出馬のため辞職した国井益雄氏(68)の欠員を補うもの。
 現時点で出馬の意向を示しているのは森繁哲也市議会議員(37)=駅南=だけ。森繁市議は2007年の県議選に自民党所属で27歳で出馬して落選。その後、10年の市議選には無所属で挑んでトップ当選し、現在2期目。

森繁市議

森繁市議

 今回は3月の自民党下松支部(守田宗治支部長)の総会で党公認を申請しており、ほかに申請者がいなければ来月にも県連が公認を決める見込み。こまめな街頭演説や後援会だよりを自身が歩いて支持者に配布するなど、出馬へ向けて浸透を図っている。
 同支部長で同市区の現職、守田宗治県議(65)は6月に副議長に就任した県政の重鎮の1人。補選の当選者が本選では対抗馬になるが、今回は「当選した人と下松のために力を合わせたい」と話す。
 このほか前回の県議選の次点で、民進党の森本真治参院議員(広島選挙区)の公設第1秘書、古賀寛三(ひろかず)前市議(47)=東豊井=、松尾一生市議(56)=古川町=に出馬を期待する声があるが、古賀さんは「現時点では白紙」、松尾市議は「結論は出していない」と話している。

注目される井川前市長との距離
 県議補選のカギを握るのは今も大きな影響力を持ち、国井市長の後援会長でもある井川成正前市長。市長在任中は、森繁市議とは距離があり、昨年4月の市長選も井川さんが続投なら森繁市議が立候補を予定していた。一方、古賀さんと松尾市議はともに井川さんに近い立ち位置だ。
 古賀さんは市議3期の間は井川前市長に近い会派の新生クラブ所属。民主党推薦・無所属で出た15年の県議選では敗れたが、翌年の市長選では国井候補へ民進党や連合山口の推薦を取り付けるために奔走した。
 松尾市議も古賀さんと同じ06年に市議に初当選し、現在3期目。新生クラブに所属して井川、国井氏の市長選挙戦では2人の支援へ積極的な動きを見せ、国政選挙でも自民党候補の支援に動いてきた。
 この2人の動き次第では激戦にも無投票にもなるだけに、その動きが注目される。

【市議選】複数の現職引退に新人の動きなく
 一方、市議選は6月の会派代表者会議で現在の定数20を維持する方針を全会派一致で確認した。しかし森繁市議ら複数の現職の、くら替えや引退がうわさされる一方で、新人の動きは現時点ではなく、無投票どころか定数に達しない可能性もある。
 前回の14年4月の時も告示3日前に新人が出馬表明するまで無投票が濃厚だった上、投票率は過去最低の46.56%だった。
 市議会は議会報告会の開催など市民に身近な議会にしようと動いてはいるが、市を二分するような課題が特に見受けられないためなのか、争いを避けたいのか、市民の市政への関心は薄い。
 また選挙管理委員会が候補者の経歴や公約を掲載する選挙公報は県内で市長、市議選で発行していないのは同市と美祢市だけだが、その発行なども論議にのぼらない。市民の市政への関心をどう高めるのか、議会の姿勢が問われている。