ヘッドラインニュース

妊産婦の負担を軽減

【周南市】産前・産後サポーター派遣事業スタート
周南市は妊婦や出産後間もない母親などに助言や家事、育児支援をする「産前・産後サポーター」を自宅に派遣する事業を1日から始めた。
 少子高齢化、核家族化などで身近な家族による産前、産後の支援が受けられない人が多くなる中、家庭や地域での孤立感を解消して育児不安や負担の軽減を図るのが目的。今年度の事業費は約300万円。県内の市町では長門市も同様の事業に取り組んでいる。
 サポーターは市内の指定訪問介護事業者が派遣する、准看護士、介護福祉士や訪問介護員の資格を持ち、子育てに関する知識や経験がある人。妊娠や出産、子育てに関する悩みや困りごとの相談に乗って助言するほか、食事の準備や洗濯、掃除、買い物など家事、授乳やおむつ替えの補助など育児の支援もする。ただしサポーター1人に乳児の世話を任せることはできない。
 利用料は1日1回、午前8時から午後6時までの2時間以内で500円。市町村民税非課税世帯、生活保護世帯は無料。妊産婦1人につき20回まで利用できる。
 対象は市内の妊娠中か出産後五カ月未満の妊産婦のうち、日中に支援する人がおらず、心身に不調や強い育児不安がある人。利用希望日の1週間前までに市健康づくり推進課に利用申請書を出して申し込み、サポーターとの事前打ち合わせも経て派遣される。問い合わせも同課(0834-22-0850)へ。

やまぐちブランドに「西京の涼風」

やまぐちブランドに「西京の涼風(すずかぜ)」、日本酒27品も認定
 県が開発したリンドウ「西京の涼風」が、品質に優れた農林水産物などを選ぶやまぐちの農林水産物需要拡大協議会(山本伸雄会長)の「やまぐちブランド」に認定され、6月30日、周南市鼓海の徳山花市場で登録証交付式があった。

廻本部長(左)から登録証を受け取る藤井さんと「西京の涼風」

廻本部長(左)から登録証を受け取る藤井さんと「西京の涼風」

 西京の涼風は濃い青紫の花が咲き、通常のリンドウより早い時季に出荷できるのが特徴。主に周南、下関、山口市などで作られ、栽培面積は85アール、生産者は47戸。
 出荷時期は6月中下旬から7月下旬までで、ともに県のオリジナル品種の5月下旬からの「西京の初夏」、7月下旬からの「西京の星空」のシリーズで切れ目のない出荷ができるようになっている。
 今回は出荷が本格化することから、西京の初夏に続いてやまぐちブランドに選ばれた。
 交付式では同協議会事務局のJA全農やまぐち営農推進部の廻本(さこもと)学部長から県花卉園芸農業協同組合リンドウ部会長の藤井久生さん(81)に登録証が手渡された。
 通常のリンドウより早く出荷されることから各地で需要が高まっており、須々万で10年以上リンドウを育てている藤井さんは「生産者にとって大きな励みになる。高齢化などで生産が追いつかないのが課題だが、特産品として育て上げていきたい」と話していた。
 なお、今年度は日本酒27品も新たにやまぐちブランドに認定され、これで登録は95品目になった。
 周南では周南市のはつもみぢの「純米大吟醸原田西都の雫」▽山縣本店の「超特撰大吟醸毛利公」「純米毛利公」▽中島屋酒造場の「純米大吟醸寿」「純米吟醸中島屋」「純米吟醸西都の雫寿」が登録されている。

光ケ丘に再来年2月完成

新光総合病院が起工式 15科、総事業費97億円
 光市が光ケ丘に建設する新光総合病院の起工式が2日、50人が出席して現地で開かれ、神事で工事の安全などを祈願した。現在は虹ケ浜にある光総合病院が老朽化し、手狭でもあるため移転するもので、建物の完成は2019年2月、オープンは5月の予定。総事業費は96億7,000万円を見込んでいる。

新病院の完成予想図

新病院の完成予想図

 新病院の敷地はひかりソフトパークの分譲地で、31,385平方メートル。建物は鉄筋コンクリート4階建て。延べ床面積は病院棟が17,890平方メートル、付帯施設が573平方メートル。210床で現在の13科に放射線科、総合診療科を加えて15科体制にする。
 急性期医療の中核病院と位置付け、がん治療にも力を入れ、大規模災害に備えたスペースも確保して医療品を備蓄する。ヘリポートもある。
 事業費の内訳は、用地購入費が6億5,000万円、工事費が72億円、設計監理が3億2,000万円。これに医療機器など15億円が加わる。

くわ入れをする市川市長

くわ入れをする市川市長


 起工式は施工者の戸田建設・時盛建設・末延建設特定建設工事共同企業体が主催し、市川市長や市議会議員、工事関係者、地元の自治会長などが出席。祝詞奏上のあと市長と戸田建設の平田俊男常務執行役員建築営業統轄部長、設計・監理の昭和・巽設計共同企業体を代表して昭和設計の千種幹雄社長がくわ入れをし、代表が玉串を捧げた。
 市長は神事のあとのあいさつでこれまでの経緯や病院の特色、高齢化で医療から在宅介護まで包括的な取り組みが必要になっている現状などを説明して「まちづくりの核であり、市民の心によりそった医療ができる、信頼される病院にしたい」と述べた。
 続いて中村賢道市議会議長、桑田憲幸市病院事業管理者、千種社長、平田常務執行役員もあいさつした。

情報、人材提供で伐採量増加へ

周南森林組合と野原工業が協定、木材生産体制強化を
 周南、下松市を管轄する周南森林組合(松田富雄組合長)と周南市久米の野原工業(野原譲社長)は6月30日、周南地域の木材生産体制強化に向けた協定を結び、互いの利点を生かした効率的な森林伐採を進めることになった。これを受けた5年後の木材生産量は現在の約7割増しを見込んでいる。

協定書を持つ野原社長(左)と松田組合長

協定書を持つ野原社長(左)と松田組合長

 戦後間もなくから植林されたスギ、ヒノキの人工林の多くが現在、利用期を迎え、伐採して新たに植える循環型林業の推進、木材の生産体制強化が求められている。
 同組合は1997年に設立された中核森林組合。周南地域の森林整備を主体に組合員の山林をはじめ市ややまぐち農林振興公社、森林研究・整備機構などによる植栽、保育や木材生産を中核的に狙っている。しかし高額な機械装備経費の負担や人材不足が課題となっている。
 一方、同社は伐採から運搬までできる最新鋭のハーベスタなど高性能林業機械を所有している木材の素材生産者だが、林地の地籍調査の極端な遅れで森林の所有者の境界の特定が難しいことから、まとまりのある森林の確保ができず、思うように伐採できないという問題を抱えている。
 このため同組合は長年の活動で蓄積された組合員の林地情報を、同社は高性能林業機械も持つ人材を提供することで互いに効率的な木材生産を図ろうと連携が決まった。
 5年後の木材生産量は同組合が現在の年間5,000立方メートルを9,000立方メートルに、同社は現在の4,000立方メートルから6,000立方メートルへ、あわせて67%の増加を見込んでいる。
 この日は毛利町の県周南総合庁舎会議室で松田組合長と野原社長が協定書に調印した。野原社長は「効率のいい木材生産を進め、所有者の利益還元にもつなげていきたい」と話していた。

若手移住者の活躍光る

【金曜記者レポート】「大津島海の郷」オープン4年、利用者増加傾向、課題も
 周南市の離島、大津島の市体験交流施設「大津島海の郷」がオープンから4年を迎えた。県内外の企業や学校などの団体が宿泊しながらカッター訓練や釣り、野外炊事、石風呂体験、平和学習にも取り組んでおり、利用者は毎年増加している。パートを含めた従業員は当初の5人から現在は8人と島民の雇用の創出にもつながり、昨年は20歳代の若者が移住するきっかけにもなった。現状や課題を追った。(安達亮介)

カッター訓練=海の郷提供

カッター訓練=海の郷提供

釣り体験=海の郷提供

釣り体験=海の郷提供


【リピーター根強く】
 海の郷は2013年4月、本浦地区の大津島中旧校舎跡地にオープン。鉄骨造2階建て床面積602・68平方㍍で、最大100人が宿泊できる。解体も含めた総事業費は約3億円で、指定管理料は毎年約2,000万円。大津島研究所(小池良太代表)が運営している。
 利用人数は13年度が57団体の1,736人、14年度が58団体の1,985人、15年度が74団体の2,078人、16年度が93団体の2,654人。当初掲げた17年度に5,000人の目標には届きそうにないものの、順調に伸びている。
 増加を支えているのがリピーターの存在で、特に新入社員研修として利用する企業が多く、今年の4月は稼働率93%と過去最高の利用だった。
 しかし昨年度全体の稼働率は49%。5,000人の目標達成に向けて今後は利用率の低い冬場に馬島地区の大津島小体育館を活用したスポーツ合宿を増やすなどしていきたい考えで、2月には輸送用の2台目の車も導入した。

【奉仕作業で喜ばれ】
 4月1日現在で人口278人、高齢化率は79.9%という大津島。力仕事などは高齢者には大きな負担だが、島中の溝にたまったごみや木の枝、落ち葉などをさらうなどの奉仕作業が新入社員などの研修プログラムに組み込まれ、住民を喜ばせている。
 研修では大戦末期の特攻兵器、人間魚雷「回天」の発射訓練基地があったことから馬島地区にある回天記念館も訪れ、平和学習をしながら島の歴史を知ってもらう機会になっている。

溝をさらう奉仕作業=海の郷提供

溝をさらう奉仕作業=海の郷提供

吉本さん(左)と安在さん

吉本さん(左)と安在さん


【若手移住の呼び水に】
 昨年2月には20歳代の若者2人が市外から移住して海の郷に勤めて活躍している。
 熊本県出身の吉本岳史さん(24)は海の郷施設長の小池さん(33)がかつて勤めていた周防大島町の旧大島青年の家に中学時代から手伝いに通って高校卒業後にその運営会社に入社し、インドネシアで地域おこしをする業務も体験。その後、小池さんに誘われて海の郷に入ることになり、小池さんと2人でメーンの指導員として活躍している。
 一緒に移住した恋人の安在志穂さん(27)は長崎県出身で、大学卒業後は下松市内で働いていた。海の郷では4月から本格始動した利用者に食事を提供する「海の郷工房」の副代表を務め、大津島支所の臨時職員にもなっている。
 漁師を志していることもあって移住を決めた吉本さんは「釣りが日常的にできるのがうれしい」としながら「海の郷では“日本一厳しい”を目指し、同時に漁師の仕事もしたい」と抱負を語る。安在さんも当初は島に生鮮食料品の売店がないことや、使ったことがなかったボイラー式の風呂などに戸惑ったというが「いろいろな人に仲良くしてもらっている。工房では利用者の要望を聞いてなるべく応えていきたい」と話している。
 島ではほとんどが島内産というイノシシ肉のコロッケがお気に入り。最近は「新しく作った畑でスイカを収穫するのが楽しみ」と海辺で笑顔が光る。

フランス雑誌に周南市が登場

水素の先進的取り組みで、水素ステーションなど取材
 “水素先進都市”を掲げる周南市の水素に関する取り組みが、フランスの季刊誌「ハイドロジェニウム」に取り上げられた。木村市長がインタビューに答える形式で全国初の燃料電池自動車のカーシェアリング事業、漫画を使った小中学生への普及啓発活動などが紹介されている。

周南市が特集されている「ハイドロジェニウム」

周南市が特集されている「ハイドロジェニウム」

 ラ・ドキュメンタシオン・パールモンテール社が発行。同社の別の季刊誌はフランスのヨーロッパ選出議員や上下院議員、主要都市の首長、公共・民間企業の代表などに定期購読されており、今回の「ハイドロジェニウム」は「季刊 2017年春 第1号」として発行された。タイトルは「水素+頂点」を表す造語。
 ヨーロッパでもエネルギー転換が課題となる中、フランスと日本の自治体や企業の先進的取り組みをまとめ、燃料電池バスを導入した東京も、小池百合子都知事を登場させて紹介している。
 周南市には2月に日本人記者が訪れて市長に話を聞き、市商工振興課が鼓海のイワタニ水素ステーション山口周南などを案内した。
 記事では「シビックプライド!」の見出しで、全国初の燃料電池ごみ収集車の実証実験や、徳山動物園などの電力・温水供給に水素が使われていることも紹介している。
 全20ページのうち周南市はインタビューが見開き2ページで掲載され、このほか背表紙に鼓海のイワタニ水素ステーション山口周南の写真、裏表紙には水素を製造している㈱トクヤマ徳山製造所の工場写真も使われている。
 同課は「世界に注目され、認めてもらえていることは驚きと同時に自信にもなる。引き続き水素の最先端の取り組みを市で進めていきたい」と話していた。

10年連続で中四国1位!

下松市・住みよさランキング全国30位 財政健全度が県内トップ
 東洋経済新報社は東京都の特別区を含む全国814市・区の都市パワーを統計から算出した今年度の“住みよさランキング”を「都市データパック2017年版」で発表した。下松市は昨年より12ランク下がって30位となったが、中国・四国の92市では10年連続で1位をキープした。(山上達也)
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 住みよさランキングは病床数や待機児童数などの安心度▽大型店面積など利便度▽汚水処理人口普及率や公園面積など快適度▽財政力指数や地方税収入額など富裕度▽持ち家世帯比率など住居水準充実度を算出し、偏差値で総合順位を出す。同社はこのほか財政健全度ランキングも発表している。
 下松市の最高位は2011年の13位。2014年度22位、15年度20位、16年度18位と3年連続で2ランクずつ上がったが、今年度は利便度が13位から17位に落ち込んだことなどで12ランク下がった。
 財政健全度ランキングは県内トップの155位。算出根拠の項目別順位も弾力性・自主性が76位と突出し、脱借金体質は138位だった。
 中四国で連続10年1位はマンションや宅地販売など人口増加の一層の追い風になりそうで、子育て世代の流入は続きそうだ。
 全国の住みよさランキング1位は千葉ニュータウンで人口増が続く千葉県印西市で6年連続。2位は富山県砺波市、3位は愛知県長久手市、4位は石川県かほく市、5位は石川県野々市市で、上位10位中、7市が富山、石川、福井の北陸3県。財政健全度の全国1位は愛知県みよし市だった。
 県内の100位以内は下松市のほかは52位の柳井市だけで、中四国では2位。光市は534位、周南市は546位だった。
 国井市長は「全国から“くだまつ”と読んでもらえる知名度の向上に努め、市民の皆さんが住みよさを実感できるまちづくりを進める」と喜んでいる。
 「都市データパック2017年版」は税込み6,480円で、書店で販売中。問い合わせは同社(03-3246-5467)へ。

徳山下松港の国際競争力強化へ

【周南】302億円投じ国際物流ターミナル整備、着工式に190人、2019年度完成へ
 国土交通省中国地方整備局と県は25日、徳山下松港の国際物流ターミナル整備事業の着工式を周南市築港町のホテル・サンルート徳山で開いた。この事業は下松、徳山、新南陽地区の港の水深を深くして周南コンビナート一帯に大型石炭船で共同輸送ができるターミナルを整備するもの。期間は2016年度から19年度まで4年間で、総事業費は302億円。
 徳山下松港は国が国際競争力の強化を目的に集中的に整備する「国際バルク戦略港湾」に宇部港とともに2011年に指定されている。大型石炭運搬船に対応していないことから企業は石炭を個別輸入する非効率さを強いられており、効率的な輸送体制確立が望まれている。
 今回の事業では最初に石炭を下ろす下松地区は水深19メートル、長さ390メートルの桟橋を整備してケープサイズ船(14万トン級)が満載入港できるようにし、徳山地区では今ある水深14メートルの岸壁の長さを現在の280メートルから390メートルまで延ばし、下松で一部積み下ろしをした同サイズの船が入れるようになる。
 新南陽地区でも水深12メートルの240メートルの岸壁を320メートルに延ばして減載したパナマックス船(8万トン級)が入港可能になる。それぞれで船が回転できるよう拡幅もする。
 整備後はコンビナート企業が共同で石炭を輸送することで今までよりコストが約2割削減できる見込み。

くす玉を割る参加者

くす玉を割る参加者

 着工式には国や県、地元の関係者百91人が出席。あいさつでは中国地方整備局の丸山隆英局長、国交省の菊地身智雄港湾局長のほか村岡嗣政知事が「徳山下松港は山口県の経済の屋台骨。着実に進めてコスト低減、国際競争力強化につなげたい」と述べた。
 続いて来賓の高村正彦、岸信夫、桝屋敬悟衆議院議員、林芳正、江島潔、北村経夫、阿達雅志参議院議員、柳居俊学県議会議長、木村周南市長、国井下松市長もそれぞれ祝辞を述べた。
 最後に利用企業を代表して東ソー南陽事業所の田代克志所長が「事業完了後には常に共同輸送を図りたい」とあいさつし、関係者17人でくす玉を割って祝った。この後は下松市笠戸島の国民宿舎大城で周南、下松市の主催でこの事業に関する意見交換会もあった。

文化基金賞で最優秀賞

山口放送・ラジオ番組「メロディーの向こうに」7月9日に特別放送
 放送文化の発展へ優れた放送番組を表彰する第43回放送文化基金賞の受賞作品が発表され、番組部門ラジオ番組で周南市の山口放送制作のラジオ番組「メロディーの向こうに~童謡・唱歌の世界」が最優秀賞を受賞した。

授業する山田さん=山口放送提供

授業する山田さん=山口放送提供

 今年の同賞には全国の民放、NHKなどから計277件の応募、推薦があり、番組部門はテレビドキュメンタリー、テレビドラマ、テレビエンターテインメント、ラジオの4つで、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞が贈られる。7月4日に東京のホテルオークラ東京で授賞式がある。
 「メロディーの~」は3月26日放送。親子の愛情や命の大切さ、日本語の美しさなどの思いが込められた童謡、唱歌を子どもたちに広める活動をしている萩市の至誠館大学元教授の山田真治さんや、周南市出身の詩人で童謡「ぞうさん」などを作詞し、母校の徳山小の小学生を前に思いを届けた故まど・みちおさんなどを通してメロディーの向こうにある世界を探っている。
 「てらうことなく正面から取り上げて、関係者たちの証言も交えて紹介する。きまじめな態度が、聴取者の心を揺さぶる」と評価された。
 同番組を制作した大谷陽子ディレクター(45)は「童謡、唱歌は時代を生きた大人が人生を表現し、感性をぶつけた質の高い芸術であることを知ったが、音楽の教科書から少しずつ姿を消し、歌われる機会も減ったことは寂しく思う。改めて貴重な日本の文化として長く歌い継がれてほしい」と話している。
 同社は受賞を記念して7月9日午後1時から同番組を特別放送する。1時間。

木造校舎群を教育遺産に

【金曜記者レポート】周南市・地域の誇り伝える施設、休・廃校10校残る
 全国的に少子化のため休廃校する小中学校が増加、その校舎や跡地利用が課題となっている。その中で周南市では今では見ることも少なくなりつつある木造校舎が10校も残っている。負の遺産として見られがちだった木造校舎群だが、市ならではの“教育遺産”として生かす道はないのかを探ってみた。
(延安弘行)

休校11校、廃校も10校
 光市でも1960年代に統合による廃校があったが、校舎が残っているのは2005年に廃校になった牛島小だけ。下松市ではこの3年ほどの間に笠戸島の小学校3校と深浦中が廃校になったが、校舎は公民館や江の浦小は郷土資料展示室「島の学び舎」として利用されている。深浦中は体育館は残っているが、校舎はすでに撤去されている。
 これに対し、周南市の休校中の学校は分校を含めて11校、廃校になった学校も長く休校だった鹿野地区の小学校を含めて2000年以後だけで10校を数える。
楽々谷(ささだに)、大田原小も
 休校中の11校のうち通学する児童、生徒がいないための自然休校は大津島中、大津島小だけで、9校は再開するめどはなく、跡地などの利用が決まらず、そのまま校舎が維持されている側面がある。
 このうち長穂小は市の公共施設再配置計画の中で新施設用地とすることが検討されている。しかしそのほかの八校は具体的な計画はない。
 そのうち木造校舎は小畑小、四熊小、中須小、須磨小峰畑分校、久米小譲羽分校の5校。大向小と須金中、中須中は鉄筋コンクリート造りになっている。
 最近、廃校になった10校では、校舎が新しかった大道理小は改修して向道支所などの大道理夢求の里交流館、翔北中は周南マンガヴィレッジに生まれ変わった。金峰小は跡地に金峰杣の里交流館が建てられ、渋川小は校舎の一部も使ってしぶかわ工房などになっている。
 大島小は借地だったため更地にして返却、長穂中跡は市有地だが、更地のまま。仁保津小も講堂が残っているだけ。木造校舎が往時のまま残っているのは向道湖ふるさと芸術村として使われている向道中、校舎の一部を地域で使っている粭島小、それに鹿野地区の大潮小の3校となっている。

大田原自然の家

大田原自然の家

旧粭島小の校舎

旧粭島小の校舎

旧楽々谷小の校舎

旧楽々谷小の校舎

旧楽々谷小の二宮金次郎像

旧楽々谷小の二宮金次郎像

中須小の校舎

中須小の校舎

向道湖ふるさと芸術村

向道湖ふるさと芸術村

四熊小の校舎

四熊小の校舎

中須小の校舎

中須小の校舎

小畑小の校舎

小畑小の校舎

 このほか廃校からかなりの年月がたっている学校では、須金地区の1970年廃校の楽々谷小の校舎が市の倉庫として使われ、校庭には二宮金次郎像や高村坂彦市長が題字を書いた「学び舎の跡」の碑も残る。
 大田原小は中須小大田原分校になったあと大田原自然の家として82年から使われているが、同施設は一部が土砂災害特別警戒区域になっているため早期の移転が計画されている。
景観、規模も多彩
 まとめると木造校舎が残っているのは小畑小、四熊小、中須小、須磨小峰畑分校、久米小譲羽分校、楽々谷小、大田原小、大潮小、粭島小、向道中の10校。校舎が造られた時代や規模、外観も違い、2階建ての校舎もある。
 海辺に立つ粭島小、錦川近くの向道中や楽々谷小、山間の大田原小、進藤兼人監督の映画「石内尋常小学校 花は散れども」の撮影にも使われた大潮小と、景観もそれぞれ特色がある。1校ずつが懐かしさを感じさせるだけでなく、校舎群として見れば近代教育のあり方や各地域の特色を伝えている。
 例えば各校ごとに、楽々谷小なら錦川の開発、粭島小はフグ漁や北洋漁業にも進出した粭島の歴史、四熊小は四熊小出身の教育者、水井文吉、大潮小は映画関係などをテーマに展示室を設ければ、地域の誇りとなるだけでなく、市外からも人を呼べるかもしれない。
 市教委では休校中の小中学校の校舎・跡地について「市長部局とも連携したい」と昨年度から庁内に検討委員会を設置し、地元との話し合いも進めていく方針。いずれも老朽化が進んでいるだけに市民ぐるみで民間の知恵も生かし、夢のある活用方法を早期に見出してほしい。