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15~19%が市外居住

3市職員・通勤は周南地域間が大多数
 全国的な人口減少の対策として各自治体で移住促進など対策が進められているが、その1つとして自治体職員も災害時の対応も踏まえ、その自治体内に居住すべきだと見る向きも多い。新周南新聞社は周南、下松、光市の職員の居住地割合を調査した。各市の市外居住は15~19%を占めたが、周南3市のいずれかから通う人が多く、周南地域以外に住む職員は1~8%と少数だった。(安達亮介)

 県外では市内在住かどうかで手当に差をつけるなどの取り組みをしている自治体も一部にはある。周南3市では管轄内の居住が原則とされる消防職員を除き、周南市は職員服務規定で「職員は市内に居住するものとする。ただし、特に許可を受けた場合はこの限りでない」と明記、光市と下松市は職員採用枠の1つ「UJIターン枠」に限って市内居住希望を条件にしている。
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 2016年4月1日時点の居住地は周南市の場合は市内が85%で下松9%、光2%、防府1%、1%未満のその他が計3%▽下松市は市内が82%、周南11%、光6%、その他1%▽光市は市内が81%、周南6%、下松5%、柳井と田布施が各3%、岩国2%、その他1%。市外に居住している理由は結婚による転居や親族との同居などさまざまだ。
 また周南地域のいずれかに居住する場合は周南市が96%、下松市は99%、光市は92%とそれぞれ大多数を占めている。
 昨年の周南市議会12月定例会の一般質問で手当に差をつけるなど職員の市内居住促進を提言した山本真吾議員(32)は「周南市では市外への転出超過が続いており、定住人口や税収の増加、防災、市民との共同のまちづくりの観点から職員が率先して市内に住んでほしい」と話している。

商店街に人気のパン屋さん

買い物客誘導へ34店集結 27日・徳山あちこちマルシェ
 周南市の徳山駅近くの商店街で27日午前11時から午後3時まで主に県内の人気のパン屋などが集まる「徳山あちこちパンマルシェ」が開かれる。商店街の活性化につなげようという初めての取り組みで、21日には主催する徳山あちこちマルシェ実行委員会(松本健一朗委員長、6人)がみなみ銀座の和光ビルで記者会見して発表した。

チラシを持つ松本さん(左)と石田さん

チラシを持つ松本さん(左)と石田さん


 来年2月に図書館やカフェを核施設にする徳山駅前賑わい交流施設(新徳山駅ビル)がオープンするが、商店街ではその利用者をどう誘導するかが課題となっているため、あちこちを歩いてもらうきっかけにしようと今回のマルシェを企画した。
 場所はみなみ銀座、銀座、新町通の3カ所で、21日時点でパンや焼き菓子などが18、コーヒー、カフェなどが6、ハンドメイドなどが10件の計34ブースが並ぶ予定。新駅ビルの指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブも来場者へのアンケート調査に協力する。
 今回はまちなかで働く人や主婦などに来てもらおうと平日の昼間にしており、今後もテーマを変えながら新駅ビルオープンまでに計6回ていどマルシェを開きたいとしている。
 実行委は商店街関係者などで作り、記者会見には松本委員長と石田俊介副委員長が出席。松本委員長は「パンは集客力があり、お土産に買って飲食店で食事をするなど、まちなかの店に足を運んでもらえる可能性もある。駅ビルオープンのPRも積極的にし、多くの人にまちの変化の足音を感じてもらいたい」と話している。

白須那カントリークラブ3月で閉鎖

38年の歴史に幕・経営権譲渡後も低迷続き
 下松市下谷のゴルフ場、白須那カントリークラブが3月末で閉鎖されることが決まった。約110万平方メートル、18ホールの「美しいレイアウトの中にも巧妙な戦略性を込めたチャンピオンコース」が幅広いゴルファーの人気を集めてきたが、近年は利用者数が低迷していた。1978年11月の開場から38年の歴史に幕を降ろす。

白須那カントリークラブ

白須那カントリークラブ


 白須那カントリークラブは楠木町のタクシー会社、メトロ交通(河村哲代社長)の創業者で県議会議長も務めた故河村五良さんが設立した白須那高原開発が造成。順調な経営が続き、99年5月期の収益は5億円を超えていた。
 しかし競合激化による利用者減少と客単価の低下が響き、2009年1月に31億5,000万円の負債を抱えて民事再生法の適用を申請した。
 翌年5月には元プロゴルファーの牛島義則氏が社長の広島市西区の関西緑建に譲渡され、サンヨー開発が運営して料金の見直しなどで経営の立て直しを図ってきた。
 同ゴルフ場の閉鎖は20日の市議会の新年度当初予算案の質疑で取り上げられた。
 同ゴルフ場の閉鎖で市内のゴルフ場は平田のくだまつパブリックゴルフだけになる。閉鎖後は大手ハウスメーカーへの売却や太陽光発電所への転用が取りざたされている。

徳山R.C.がタイの小学校に浄水器

会員が訪れ贈る 飲み水確保へ約16万円
 周南市の徳山ロータリークラブ(石川良興会長、50人)は9日から12日まで石川会長ら10人がタイを訪れ、中部のシンブリー県の小学校に飲み水を確保するための大型の浄水器1基を寄贈した。2015年11月に続いて2回目で、16日には市役所で木村市長に現地の様子やこの活動を報告した。

タイを訪れた会員たち=浄水器を寄贈した小学校で(徳山R.C.提供)

タイを訪れた会員たち=浄水器を寄贈した小学校で(徳山R.C.提供)

 浄水器の寄贈は国際ロータリーの6つの重点分野の中の「水と衛生」に関する事業の1つで、同国のバンコク・スリウォンクラブが取り組んでいるきれいな飲み水を得にくい田舎の学校に浄水器を設置する活動に賛同して協力したもの。今回も徳山だけでなく横浜、五所川原など日本の計7クラブが8つの小学校に8基を設置した。
設置された浄水器

設置された浄水器

 浄水器はろ過材が入った長さ約1・5㍍、直径約30㌢のステンレス製パイプを3本つないで使う仕組みで、徳山クラブは本体のほか基礎工事、メンテナンス担当者の教育費用も含めて約16万円で設置した。
 市役所にはタイを訪問した会員のうち石川会長と静間隆浩幹事、中野譲さん、河上史郎さんが訪れ、10日にサンチャオブーンタオコンのワット・トゥク・ラチャ・スクールを訪れ、贈呈式を開いたことなどを報告した。
 石川会長は子どもたちがうれしそうに「飲めるよ」と言ってきて、自分も飲んでみてきれいな水だと実感したと振り返り「健康につなげてもらい、将来日本に留学するなど親日になってほしい」と話していた。

しゅうニャン市に3,000万円

周南市・認知度アップを期待 シティプロモーション展開
 周南市は新年度予算案にシティプロモーション事業費として2,530万1,000円を計上した。ほとんどが1月にスタートさせた「しゅうニャン市プロジェクト」の費用。すでに2016年度補正予算に550万円を計上しており、合わせると3,000万円近くをこのプロジェクトに投入することになる。

補助なく全額が一般財源
 このプロジェクトは昨年1月に策定した「市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、市の魅力の全国発信を目指すもの。市や県の補助はなく、事業費は全額一般財源があてられている。
 昨年9月のインターネットによる認知度調査で「周南市」を知らないという人が65%だったため、これを減らすことを目標にしている。
 プロジェクトは周南市の愛称を「しゅうニャン市」とし、猫を居心地のよさ、自由のシンボルと位置付けて猫のように快適に暮らせるまち、「人がネコになれるまち」が市の目指すまちの理想の姿としている。

市役所玄関に掲示されているポスター

市役所玄関に掲示されているポスター

 1月22日に市長らが記者会見して発表したが、1年以上前から同市出身で東京在住のクリエイティブディレクターのアドバイスを受けながら準備してきたもので、昨年4月1日のエイプリルフールでは、市長が尻尾を付けるなど猫になって市のホームページで「しゅうニャン市になりました」と宣言した。
 補正予算ではインターネット上にこの日に合わせて特設サイトを立ち上げたほか、ポスター400枚としゅうニャン市サポーターズの缶バッジ5,000個を作ったが、無料で希望者に配った缶バッジは残り少なくなり、1,000個を追加した。特設サイトには1月22日から3週間で1万1,000件のアクセスがあったが、最近は1日200件ていどになっている。
 このほか市とのコラボレーションでポスターを掲示したり、ロゴを使った商品や記念品を製作する企業のパートナーズも募集して50社が申し込んでいる。

発注は随意契約で市外へ?
 新年度予算案の2,530万1,000円のうち同プロジェクト以外はポスター、冊子の製作など120万円だけで、ほとんどが「しゅうニャン市」のために使われる。予算案にはこのうち2,321万6,000円が業務委託料として計上されている。
 最も金額が大きくなるのがテレビ、ラジオなどマスメディアへの広告費で、担当する市広報戦略課によると1,000万円ていど。このほか特設サイトを充実させるための動画製作、市民が参加できる企画の立案実施、PRグッズの製作、インターネットによる認知度調査がある。
 このうちマスメディアによる広告、動画製作、市民参加の企画の発注先は参加者を公募する入札やプロポーザル方式ではなく、クリエイティブディレクターの助言に基づく随意契約を予定していて、地元企業が受注する可能性は低そう。
 このクリエイティブディレクターは市がまちづくりのスローガンにしている「共に。周南市」のロゴマークのデザインを寄贈したが、16、17年度ともアドバイザーの報酬として30万円ずつが支払われる。
 インターネットによる調査は前年度と同じ業者に委託。市内業者には100万円のバッジ、うちわ、TシャツなどPRグッズの発注だけが予定されている。
 同課は事業費がすべて一般財源であることに「ふるさと納税の呼びかけになる」と一定の収入につながると期待を話し、18年度以後については「市民に自発的にやっていただきたい」と次年度以後は市民活動に委ねる姿勢も見せている。

えっ!全部「山口」消印!?

日本郵便・地域区分局統合スタート 回収時刻繰り上げ、深夜窓口は廃止
 周南市の徳山郵便局が担っていた郵便物の〝地域区分局〟が山口市深溝に新設された山口郵便局に1月30日に移行されて2週間。県内の郵便ポストに投函された郵便物はいったん山口局に運ばれて集中処理されるため消印が一部の時間帯を除いてすべて「山口」になったことに違和感があるという声も聞かれ、最終便の時刻も繰り上げられた。24時間受け付けていた徳山局のゆうゆう窓口は午前8時から午後8時までに短縮されている。地域区分局の移転の影響を追った。(山上達也)

最終便時刻繰り上げの表示=光局

最終便時刻繰り上げの表示=光局

 県内では郵便番号の74台の郵便物が集中する徳山局と、75台の下関局が地域区分局に指定され、両局では職員が24時間詰めていることから両局の窓口も24時間営業だった。このため昼間に郵便局が利用できない人が書留郵便や小包などの差し出しや受け取りをするなど多様なニーズに応えていた。
 地域区分局の集中化は一昨年8月に埼玉県和光市に開設された東京北部局に続いて全国で2例目。日本郵便は2018年度までに全国にこうした〝メガ物流局〟を20局前後整備する方針で、山口局はそのモデル。1日約76万千通、ゆうパック18,000個の取り扱いを想定し、各局の職員も異動させ、各局の郵便物自動区分機は撤去された。
閉鎖前のゆうゆう窓口に長い行列
 徳山局が地域区分局でなくなった1月30日以降、大型トラックの出入りはなくなったが、ゆうゆう窓口は閉鎖の午後8時前に長い列ができ、八時以降も職員が断り切れず列が切れるまで対応を続けている。13日も午後7時50分に約20人の列ができ、8時前に列の後方にいた男性が「1人しか(職員は)おらんのか」と詰め寄る場面もあった。
下松市内で差し出した封書の“山口”の消印

下松市内で差し出した封書の“山口”の消印


 下関局の機能も山口局に移行した13日以降、県内で24時間対応のゆうゆう窓口は山口市中央の山口中央局だけになった。
全郵便物を山口局で区分け、押印
 地域区分局の集中化で郵便物回収の最終時刻も1時間ほど繰り上がった。局区内あての郵便物を局内で処理や配達する〝自取り自配〟も廃止し、いったん山口局に運んで区分、消印を押印して、配達する局に戻される。このため午後6時以降に投かんされた郵便物は局区内あてであっても翌々日の配達になる。
 さらに県内どこのポストに投函しても一部を除いて消印が「山口」となり、「不自然」と感じる人も多い。警察関係者から捜査上の支障を懸念する声も上がる。刑事畑だった元警察官は「昔ほど郵便を利用した犯罪はないにせよ、脅迫文などの犯罪捜査で消印の局名や日付、時間帯は捜査の参考になっていた」と話す。
 こうしたユーザーの反応に日本郵便はどう答えるのか。1月17日の山口局の披露式典で横山邦男社長は「ここをモデルに全国展開し、生産性向上、物流環境の変化に対応できるネットワークを構築する」とあいさつしたが、県内でユーザーが全国に先駆けて感じている不便さの改善策が問われる。
 日本郵便中国支社は「利用者の皆さんにはご不便をおかけするがご理解をいただきたい」と話している。

一般会計 12.2%増 過去最大708億円

周南市新年度予算案・新庁舎、駅ビル建設「にぎわい元年」テーマに
 周南市は14日、2017年度当初予算案を発表した。一般会計は新徳山駅ビル、庁舎建設など建設事業費の大幅増で前年度比12.2%増の708億3,900万円で過去最大になった。特別会計は3%減の354億1,138万9,000円▽企業会計は5.5%増の518億6,294万2,000円。
建設事業費7割増
 この日、市役所で記者会見した木村市長は来年2月に図書館などの駅ビルが開館して新庁舎も全容が形として現れるなど、新たな市のにぎわいを予感させるスタートとなることから「周南市のにぎわい元年予算」と名づけ、子育て支援にも力を入れたと説明した。

予算案を説明する木村市長

予算案を説明する木村市長

 一般会計の歳入は歳入総額の35.4%を占める市税が前年度比2.6%増の250億6,979万6,000円で、個人市民税は減ったが法人市民税、固定資産税などが増えた。総額の10.1%を占める地方交付税は基準財政収入額の大幅増が見込まれることから12.4%減の71億8,000万円。
 基金からの繰入金は49億3,263万1,000円で、145.6%増と約2.5倍、市債も118億2,700万円で76.3%増と大きく増える。
 歳出は人件費が1.8%増の110億2,009万円。建設事業費は71.6%増の150億5,557万1,000円で、そのうち庁舎建設事業が68億9,690万8,000円、徳山駅周辺整備事業が24億2,579万5,000円。
西消防署建て替えも
 新規重点事業は7件で、老朽化した西消防署を建て替えるための新南陽総合支所解体設計、同署設計(3,120万円)、子育てや転居などの事情で就業していない女性をセミナー、交流会などで支援する女性雇用マッチング(500万円)など。
 主な重点事業は産前・産後のホームヘルパー派遣も加えた子育て世代包括支援センター(1,713万8,000円)▽市民主体の地域づくりを補助金などで支援する共創プロジェクト(5,178万9,000円)▽徳山駅前図書館開館準備(2億5,500万円)▽市の愛称〝しゅうニャン市〟の発信などのシティプロモーション(2,530万1,000円)▽17年度オープンの自然学習館や18年度オープンの新ゾウ舎建設などの動物園リニューアル(6億1,102万1,000円)▽5カ所の補修工事などの橋りょう長寿命化修繕計画(1億5,200万円)。
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 特別会計は、国民健康保険が1%減の195億956万3,000円▽国保鹿野診療所が23.7%減の6,961万3,000円▽後期高齢者医療が6.9%増の23億4,759万9,000円▽介護保険が4.1%増の130億6,558万円▽地方卸売市場事業が12.8%減の2億7,431万4,000円▽国民宿舎が0.3%減の9,638万5,000円▽駐車場事業が137.9%増の4,833万5,000円。
 5企業会計は、水道事業が22.4%増の60億9,064万5,000円▽下水道事業が3.7%減の96億1,622万6,000円▽病院事業が6.5%増の37億3,704万6,000円▽介護老人保健施設事業が2%増の4億2,871万3,000円▽モーターボート競走事業が5.7%増の319億9,031万2,000円となっている。

中学生まで医療費無料

一般会計 3.3%減の208億円 光市新年度予算案・庁舎で積立金
 光市は14日、新年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3.3%減の208億8,000万円▽6特別会計は2.7%減の157億四4,729万1,000円。一般会計の歳入は企業からの法人市民税が3年ぶりに増加し、基金からの繰入金などを減額。歳出には建て替えが求められる老朽化した市役所本庁舎の整備に公共施設等整備積立金を新設、5億円を計上した。

予算案を発表する市川市長

予算案を発表する市川市長

 市川市長の3期目初の当初予算案編成で、この日市役所で開いた記者会見で「遠い海の彼方と自分の足元を同時に見つめる予算案」と表現した。
 一般会計の歳入は歳入総額の38%を占める市税が前年度比4.5%増の79億4,022万円。このうち個人市民税は1.7%増、法人市民税は市内企業の業績見込みから44.9%増を見込んだ。歳入総額の18.7%の地方交付税は39億1,000万円で、前年度比0.3%増。
 繰入金は33.1%減の9億4,996万4,000円で、財政調整基金から2億9,500万円、減債基金から1億7,100万円を取り崩して、新年度末の基金残高は23億1,000万円の見込み。市債は16%増の19億7,660万円。残高は236億6,743万円で、前年度比0.3%増の見通し。
 歳出は人件費が退職手当増などで前年度比6%増の33億8,171万円。新年度着工の新光総合病院の移転新築費用の4分の1、4億550万円を一般会計から出資するなど投資及び出資金・貸付金に26%増の8億6,526万8,000円を計上した。一方で事業の終了から普通建設事業費など投資的経費や物件費、補助費などが減額となっている。
 新規事業は55件で、目玉は子どもの通院医療費の無料化枠を所得制限つきで中学卒業まで拡大(1億3,058万6,000円)▽家庭の白熱電球、電球型蛍光灯を8月のひかりエコフェスタでLEDランプに無料交換(10万円)▽新婚世帯の住宅取得、転居、家賃を所得制限つきで一部助成する結婚新生活支援事業(360万円)▽コンビニエンスストアで住民票の写しなど証明書交付や市県民税など税金収納の2018年度からの導入準備(844万2,000円)。
 財政指標は経常収支比率は前年度比2.5ポイント改善されて98.8%、実質公債費比率は前年度比0.3ポイント上昇して10.1%と比較的良好。しかし財政力指数は1.4ポイント悪化の67%を見込んでいる。

エチレン生産量累計2,000万㌧

「周南コンビナート発展へ」出光興産徳山事業所・式典で節目祝う
 周南市新宮町の出光興産徳山事業所(八山光秀所長)は石油化学製品の基礎原料で、主に周南コンビナートで使われているエチレンの生産が累計2,000万トンを突破し、10日、同事業所で記念式典を開いて東京本社も含めた約50人で節目を祝った。

記念撮影する出席者

記念撮影する出席者

 エチレンは塩ビ樹脂などの原料になる。同事業所は1957年に徳山製油所として操業。エチレンは7年後の64年にこの年、完工した出光石油化学徳山工場で製造を始め、99年には累計1,000万トンを達成した。出光石油化学はその後、出光興産と合併した
 当初の年間生産能力は73,000トンだったが、増強を経て現在は62万3,000トンで、生産能力は国内で2番目。2割弱は同事業所内、8割以上は㈱トクヤマ、東ソーなどにパイプラインで供給されている。
ソヨゴを植樹する八山所長ら

ソヨゴを植樹する八山所長ら

 エチレン課のプラントで開かれた式典では、中村実エチレン課長(59)が2,000万トンは東京ドーム28杯分に相当することを紹介し、八山所長(53)らがソヨゴの木を記念植樹した。
 そのあと若手社員を代表して2008年入社のエチレン課の都野竜洋さん(29)が「過去の失敗や苦い経験を風化させることなく安全を最優先にし、周南コンビナートの中核装置を運営する自覚を持ち、よりよい職場環境づくりに努めて累計3,000万トンに向けまい進していく」と決意表明した。
 八山所長は「出光徳山が60周年を迎える今年に2,000万トンを達成できたことを一同喜んでいる。周南コンビナートの〟お客さんとは“エチレン托生”で、今後もコンビナートの発展に少しでも寄与できるよう取り組みたい」と話していた。

木質繊維で断熱材

マット、シートに加工 県産業技術センターと周南地域の3企業
 光市立野の西日本技術開発有限会社(西岡栄祐社長)と周南市今宿町の株式会社タケデン(竹村恭典社長)、下松市葉山の多機能フィルター株式会社(丸本卓哉社長)は宇部市の県産業技術センターと、木質繊維を瞬時に製造する技術や、木質繊維を使った断熱材など軽量材の開発を進めている。樹皮や繁茂が問題となっている竹など未利用の生物資源の有効活用が可能となることから期待がふくらんでいる。

マットの試作品などを持つ左から西岡、丸本、三国、竹村さん

マットの試作品などを持つ左から西岡、丸本、三国、竹村さん

 この開発への取り組みは6日、開発した西日本技術開発と多機能フィルターで実演をまじえて明らかにされた。
 木質繊維の製造は機械開発の西日本技術開発が以前に開発していた乾式解繊機「ファイバライザ」を活用。この装置は木材や樹皮、竹、紙などを粉砕する際、引きちぎるようにして細かくするため、植物の繊維が残り、薬品処理などで繊維を取り出す方法に比べて大幅なコスト減が見込まれている。
 同センターでは数年前からこの装置を生かせないか粉砕条件をさまざまに検討してきたが、容易に木質繊維や微粉を取り出す技術の開発に成功。合わせてこの装置で得られた木質繊維を使って断熱性能の優れたマットやシートを作成する技術も開発した。装置では種類の違う材料を複合粉砕することもでき、その組み合わせで高性能なマットやシート、ボードを作れることがわかった。
 そこでタケデンと多機能フィルターがこの技術を使って暖房用の断熱剤や農業用資材の製造を目指して試作を重ね、このほどほぼ狙い通りの機能を持つ製品の実用化の見通しが立ったため、同センターの協力で機能の測定、販路の開拓などを進めることになった。
 6日はまず西岡社長(77)、竹村社長(62)、県産業技術センター企業支援部の三国彰副部長(59)が西日本技術開発にあるファイバライザを使って報道陣を前に粉砕する様子を実演。多機能フィルターに移動して山口大学名誉教授でもある丸本社長(74)も加わって今後の可能性について説明した。
 粉砕した繊維を固めて多機能フィルターが長年、製造している緑化シートの不織布で包むことでマット状の断熱効果も高い断熱材ができることを紹介し、将来は緑化シートに入れているピートモスの代わりにこの繊維を使えないか、さらに研究を進めることも話した。
 県産業技術センターの呼びかけでこれまでつながりのなかった企業が連携して新製品の開発に結びついたことになり、丸本社長は断熱材は「1年以内には製品化したい」と意欲を見せていた。