一言進言

いつから求職活動を?

いつから求職活動を? ~江本前駅長にみんなが唖然~

埼玉県桶川市の市広報9月号に、周南市の道の駅「ソレーネ周南」の駅長だった江本伸二氏を7月1日付で市職員に採用したと紹介されていた。我が社が同駅の赤字問題でインタビューしたのが7月末だった。もうその時点で、彼は他市の職員だった。堂々とインタビューに答えていたが、指定管理者として道の駅を運営する周南ツーリズム協議会の藤井代表理事も一緒だった。売り場面積確保のため、コンビニエンスストアの移設を申し入れるなど、改革案も語っていた。彼のインタビューはなかなか実現しなかった。ずっと出張中が理由だった。しばらくして職員を辞めてボランティアで駅長を続けることになったが、理由は「少しでも経費を削減する」だった。
前代未聞の展開に、周南ツーリズム協議会も行政も驚いた。「ソレーネ周南」の顔と言うべき駅長が密かに他市の職員になっていたのだから。昨年11月には桶川市に招かれ、カリスマ駅長として講演していた。いつから求職活動をしていたのか。東京出張も多かったが、自らの求職活動のためだったら、その経費はどう処理するのか。給料の二重請求だけではすまないだろう。
江本前駅長を責めるだけで問題は解決しない。行政、ツーリズム協議会が形式的でない、本音で経営を論議することだ。まずツーリズム協議会がもっと責任を共有して理事会を含めて再構築することだ。行政も設立の経緯を含め、検証作業を進めることだ。
周南地区ではJAが相当カ所の直売所を経営しているが、営業時間中の安定供給には苦心している。ソレーネ周南は市内の山間地など広範囲の高齢者たちが作る野菜も売れるようにヤマト運輸と提携、高コストの野菜を置いている。そうでもしないと農産物は集まらない。絶対的に農業者が足りないのだ。地産地消ばかりを強調するが、コストをかけて農産物を集めるシステムはビジネスとしては成り立たない。結局、小指の大きさの里芋まで売るようになる。ツーリズム協議会のメンバーに流通のノウハウを持つ人がいない。頼みのJAは設立当初から腰が引けていた。自分のところで精いっぱいだからだ。
□徳山商工会議所、周南観光コンベンション協会の一員として、設立に意見を言ってきた立場から、改めて当時の議論を思い浮かべている。江本前駅長は、人の意見を聞く態度ではなかった。最初から福祉の駅を作ると語っていたが、その意味を理解できた人がどれくらいいたのか。確かに高まいで、限界集落の人たちを救うことになるかもしれないが、まずは収益を上げないと不可能な課題だった。
□グッドデザイン賞という看板をもらい、桶川市でも大歓迎で受け入れられたようだ。渡り鳥のような生き方に良い、悪いは言えないが、周南市の多くの関係者に失望を感じさせたことは間違いない。一言、謝罪のメッセージぐらい欲しいところだ。(中島 進)

光市長選挙に望む

光市長選挙に望む ~民間人の活力、センスを引き出す市政を~
10月16日告示の光市の市長、市議会議員選挙まであと1カ月。かつては、市長選は当時は貞兼一県議と河野博之県議と派閥が明確で、市長選もそれが反映されて動いた。松岡満寿男元市長の影響も大きく、支援を取り付けるのに苦心していた。新日鉄も隠然たる力を持っていた。投票率の低下と比例するように、激しい争いも少なくなった。今回は無投票で再選されそうだ。新日鉄が新日鉄住金と新日鉄住金ステンレスになり、地方政治に注力しなくなって、ますます投票率が下がってきた。
市川現市長はボーイスカウトで培った行動力と繊細な気配りで、反対勢力の台頭を許さない体制を作った。市議会議員出身だが、行政を無難にコントロール、飛び抜けたアイデアは少ないが堅実だ。周南コンピュータカレッジの廃校後も専門学校の誘致に成功し、病院問題も終息に向かっている。
上関原発も工事再開の目途も立たないことから一時ほど話題にならなくなった。原発に賛成できないと明言する市川市長だが、賛成派からの反発もほとんど見られない。安定した市政運営ができそうだ。こうした時こそ、思い切った施策を実行できる。光市の宝は自然と多様な人材だ。
我が家のトイレには、光市の自然を描いたイラストのポスターが20年前からかけてある。「日刊新周南」でも連載していた奥田賢吾さんらが作った日本中どこに出しても誇れる素敵なポスターだ。年月が経っても色あせない。光市は人間国宝の山本晃さんをはじめ多彩なアーティストを輩出してきた。エコ活動家も多い。
行政の仕組みに民間人を参加させるのが一番難しい。どこもそうだが、施策を考え、決定するのは行政マンの役割だ。そう決めつけるのが従来の役所だ。周南市も民間人が動いて周南観光コンベンション協会を作った。観光事業を民間に託す大きなきっかけにと期待されたが、担当行政マンの人数を削減するわけでもなく、観光協会当時と感覚は変わらない。むしろ二重行政的になった。市川市長は若手職員を地域活動に参加させることに積極的だ。問題は民間の力を引き出す手法に工夫が足りないことだ。
いつまでも補助金で民間を応援している。発想を変えて、職員の削減を図り、浮いたお金で好きに使える予算を作り出すことだ。一人削減すると、少なくとも年間700万円程度は浮く。300万円出すから5000人集めるイベントを考えてくれと若者たちに委託することだ。施設の運営を民間に任せることだ。
若者たちは自由な発想で、イベントを楽しみ、施設の運営に知恵を絞る。そこに多様な人たちが集う。デザイナーだったり、大工さんだったり、経営者だったり、もっと柔軟な発想が生まれてくる。役所機構の中からセンスの良さを追求する思想はなかなか生まれない。(中島 進)

小学6年まで医療費無料の下松

小学6年まで医療費無料の下松~人口増の下松と、光、周南の違いは?~
地方自治体の力は目安を何にするかで評価が違ってくる。ちなみに10年前と人口を比較すると、光市は2,500人、周南市は6,200人ていど減少、下松市は2,000人ほど増えている。分母が違うのでそのまま比較にはならないが、3市の中で下松だけは増えている。周南市、光市は合併で中山間地域を抱えているのも要因だが、どこでこんな差が出たのか。
政策にどんな違いがあるのか。水道料金は確かに下松市が安い。特に違うのが子育て支援だ。下松市は8月から医療費を所得制限なしで小学校6年生まで無料化した。周南市の医療費は所得制限つきで小学6年まで無料、光市は所得制限つきで小学3年までだが高校卒業までの入院費が無料だ。下松市の政策は子育て世代には相当の魅力だろう。さらに、下松市は第二子以降は保育料が無料だ。
一時期、財政再建団体に陥った下松市は、緊縮財政を強いられたが、それをバネに見事な復活を遂げた。職員給与も圧縮、ケチケチ作戦をしてきたが、子育てには力を注いできた。インフラ整備ではザ・モール周南南側の道路計画は、見事なまでの碁盤目状で建設が進んでいる。店舗が張り付き、住宅がどんどん建てられている。子育て支援がそれをさらに促進している。
若者が1人定住すると、その自治体にどれほどの効果があるか。ある研究者の試算によると、所得にもよるが、生涯で3,000万~5,000万円もの税収増が見込まれると言う。子どもが増えればさらにその効果は増していく。将来を担う若者を増やすことは、最優先課題だ。防府市は市が商工会議所に委託して市内の企業約140社のカタログを作成、市内の高校生全員に配った。市内へ就職、定住してほしいと動いている。
山口県も若者定住を標ぼうする。Uターンを盛んに訴える。しかし、Uターンして創業する若者支援は、県内全域でわずか3件しか予算化されていない。優秀な若者を呼び戻そうなど、よくぞ口に出しているなと、あきれるばかりだ。行政の本気度が地域間格差を生み、将来を予想させる。周南3市ももっと連携して未来予想図を共同で描く作業を始めるべきだ。周南市はもっとしっかりして、そのリーダー役を演じることだ。未来予想図は老人の町ではない。(中島 進)

学校を減らすな

学校を減らすな~教育は最後のとりで~
就農支援など中山間地域に対する支援策は多岐にわたる。空き家情報などいろんな手を使って応援している。結果は、何千万円もかけてわずか数人の若者が移住しただけだ。一方、周南市に顕著だが、山間部の学校は多くが廃校になった。若者を増やせということと、合理化で学校をなくすことを並行させる矛盾に、中山間地域の難しさがある。
7、8月の集中的な雨で須金地区への国道ががけ崩れで通行止めになった。同地区には中学校がなく遠回りして須々万地区まで通う。中山間地区には当たり前の光景だ。しかし、こんなところに子育て世代の若者が定住するのだろうか。学校は子育てをするには切実な問題だ。
高校の統廃合もさらに検討されている。南陽工高、華陵高、光丘高などが対象にあがっているが、あまり話題にならない。卒業生はじめ、地域の無関心さにがく然とする。確かに2018年以降、生徒が激減する予定だ。限られた財源で高校を維持するのも大変だろう。しかし、地方にとって教育は最後のとりでだ。
効率や合理化の論理を教育現場に持ってくるのは究極の選択だ。公務員の数、無駄な公共投資、見直すべきことはほかにないのか。教育を放棄した地域に未来はない。子どもが多い方が教育には良いと語る人もいる。へき地で複式学級で学ぶ子どもは、そんなにいびつになのか。学力が衰えたのか。
高校がなくなることが地域の将来にどんな影響をもたらすか。大人たちの勝手な合理主義が、地域をどれだけ廃たれさせたか。落ち込みの激しい山口県は、何によって持ちこたえるか。産業だ、観光だと言うが、最後は子どもたちだ。子育てしにくい山口県に将来があるのか。教育費を削り、公務員は旧態依然。外郭団体への補助金もそのまま。目の前のハエを追い払うことだけに熱心な大人たちの姿に、子どもたちは何を思うか。
学校を失くしながら、若者定住を叫ぶ大人たち。こんな地域に魅力を感じる若者がいるわけがない。団塊世代が一斉に現役を退いて労働人口が激減した。政府は失業率が過去最低だと威張る。そりゃそうだ、働く若者が少ないのだから人手不足は深刻だ。
子育てを放棄した地域にどんな夢を持てるのか。10年先、20年先を見据えて施策を考えるのが大人の役目だ。20年先、子どもをどれだけ増やすのか、計画があるのか。教育は先行投資だ。子どもが少ないから学校を閉めるという発想ではなく、学校を維持するためにどれだけ若者を増やすかを考えることだ。Uターンしたい若者の相談窓口すら十分に周知されていない。優先順位を間違っている。(中島 進)

管理者不在の道の駅

管理者不在の道の駅~猛省し、早急な対策を~
中小企業の経営者は常に薄氷を踏む思いで経営にあたっている。ちょっと気を抜くとたちまち経営が苦しくなる。それが当たり前だ。周南市の道の駅「ソレーネ周南」は危機的状況だ。なんと現場トップの江本駅長が非常勤になっていた。すでに従業員でもなく、市の指定管理者の社団法人周南ツーリズム協議会の理事の1人だと聞く。彼はボランティアで仕事をしているそうだ。現場に出る義務もない。
現場に責任者がいなくてどう仕事が回っているのか。お金の出し入れに誰が責任を負うのか。2015年度の決算は、市への報告後しばらくして700万円もの記載が違っていたと訂正された。遅かれ早かれ、組織そのものが崩壊するだろう。周南ツーリズム協議会は自分たちの意志で作られた法人ではない。当初から、こんな経営母体ではだめだと、指摘してきたが、現実になってきた。
このままでは働く人、納品業者、テナント、傷つく人たちが大勢出てくる可能性が高い。ツーリズム協議会の構成団体は真剣に対策を考えるべきだ。厄介なのは、構成団体のうちの多くが、いまだに最後は市が補てんするなり、面倒を見てくれると信じていることだ。
全国で第3セクターによる開発が盛んなころ、多くの施設が破たんした。住民訴訟がそこら中で起こり、市長や町長へ弁済判決が出た。その後、各地の議会は首長に責任が及ばないよう議決し、行政に責任をかぶせないようにした。下関では、韓国との高速船事業で10億円を下関市が負担、住民訴訟で市長に支払えと判決が下りた。それを受けてか、株式会社徳山駅ビルは、社長を市長から副市長に変える事態にもなった。また2億円もの赤字を清算するのに、㈱トクヤマなど出資企業がすべてのみ込んだ。
かように役所がらみで商売するのは難しい。今回さらに厄介なのは、江本駅長の証言では「10万円以上はお金を出すことはありません」と協議会参加団体を勧誘していたことだ。彼は「市職員の立場で言いました」と断言している。これを真に受けた各団体がツーリズム協議会を作った。しかしそんなことはあり得ない、市長も過去、市が補てんすることはありませんと断言している。
解決への選択肢は極めて少ない。市が直営にするか、ツーリズム協議会が経営母体になりうる団体にお願いするか。少なくとも今の形態での経営は無理だ。傷口が広がらないうちに、1日も早く結論を出すべきだ。木村市長はじめ執行部の猛省が鍵だ。(中島 進)

活字文化復活の拠点に

活字文化復活の拠点に~ツタヤ図書館に期待しよう~(8月25日掲載)
周南市の新しい徳山駅ビル問題はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者にようやくスタートした。未明までの議会を経て、賛成多数で決まった。駅ビル問題は当初から議論がかみ合わなかった。いわゆるツタヤ図書館を目指してのスタートだった。すぐ近くに中央図書館を持つ周南市と、中央図書館の運営を依頼した佐賀県の武雄市とでは、そもそもの条件が違う。木村市長の強い想いが実現したが、駅ビルに何を持ってくるか、議論は正直希薄だった。議会からの現実的な提案もなかった。従来の駅ビル、市民交流センター的な発想しかなかった。
病院やホテルなどの提案はあったが、具体的にアタックする人はいなかった。商業施設への期待も強かったが、無理だと決めつけた。結局、図書館に決まったが、最後に指定管理者の決定にあたって未明までの議会がおまけになった。決まった以上、何ができるかに議論を集中すべきだ。
文化は形に表せない難しいテーマだ。市文化会館がオープした時、こけら落としはN響のコンサートだった。本格的なオーケストラのコンサートは初体験の市民が多かった。演奏中、せきをする人、隣の人と会話する人などもいた。それが何年か経て四重奏のコンサートに行くと、素晴らしいマナーで、確実に音楽を楽しむ風景があった。これが文化だと思った。今では市民のオーケストラもスタートしている。
今度は活字を通してどんな文化をもたらしてくれるか。全国展開する本屋さんだ。著名な作家たちを周南に招く力がある。活字文化に興味を持たせる仕掛けはいくらでもある。単にカフェで雑誌を読む空間を作るだけでは、年間1億5千万円以上もかける必要はない。中央図書館も子どもたちへの読み聞かせ運動など、地道だが、相当の活動をしている。差別化を図り、もっと活字に興味を持たせる活動を期待する。
活字を扱う仕事を30数年してきたが、近年の活字離れはすさまじい。新聞を読まなくなり、本の売れ行きも激減している。ツイッターなどごく短い文章で伝える時代だ。向田邦子のように流れるような文章に感動する世代にとって、何とも悲しい時代だ。単に集客だけなら、家賃をタダにして東急ハンズなどを誘致すればよい。1億何ぼもお金をかけなくてすむ。駅ビルに図書館を選んだ責任はそこにあると思うが、どうだろうか。(中島 進)

経営以前の体制

経営以前の体制~決算もできない道の駅「ソレーネ周南」~

誰1人責任を取るつもりがない組織で運営されている周南市の道の駅「ソレーネ周南」が迷路に入った。なんと山口銀行が監査して報告された決算が、経営者たるツーリズム協議会に何ら報告がない段階で、市に決算に間違いがありましたと通告され、開催予定だった市議会の委員会も延期になった。江本伸二駅長にすべての権限を与えた協議会も無責任なら、その協議会を作った行政も無責任、ここにきて江本駅長の独断専行の業務にも大きな疑問符がついた。
この話にはまだ落ちがあって、監事、つまり監査をする人は山口銀行と西京銀行からの2人に決まっていた。しかし、今回の監査は山口銀行だけで、西京銀行は参加していない。西京銀行に聞くと、昨年、江本駅長から監事の依頼があって、対応していた。しかし、今回の決算は案内もなく、蚊帳の外に置かれた。
社団法人の監査が、監事が2人いるにもかかわらず、1人にしか依頼せず、しかも監査報告までさせて、結果、間違いがありましたはひどすぎる。引き受けた監事にすこぶる失礼で、案内もしなかったというのは、法律にも抵触するような業務だ。またそれをとがめず、決算を承認した協議会は、経営者の資格さえ疑われる。700万円もの経費の問題だと言うが、果たして決算の数字そのものが正確なのか。
年間1,400万円もの税金が注がれる施設だ。業務委託費は一体どう使われているのか。こんな団体、体制で信用できるのか。行政は、作ればもう自分たちには関係ないと高をくくっていたのではないか。働いている人への補償は誰がするのか。納入業者へどう弁明するのか。とりわけ、税金を納めている市民にどう説明するのか。市民の1人として怒りが収まらない。地産地消、福祉の駅など、掲げた理想とはかけ離れた、ずさんな経営に、木村市長はじめ関係者の責任は重い。
そもそも道の駅は、島津元市長時代の発案だった。市役所にいた知人は担当を命じられ、無理だと感じて早期退職をした。木村市長は道の駅構想はやめると公約に掲げて当選した。しかし、当初の予算を削ったことを理由に設置を正当化した。議会もそれを承認した。やり方によっては黒字化できるかもしれないが、少なくとも今の責任者のいない経営体制ではいけない。責任を取れる確かな経営母体を早急に見つけることだ。(中島 進)

働く人、納入業者の不安を払え

働く人、納入業者の不安を払え~道の駅赤字に経営陣、行政は?~

□中小企業の経営者は、もしもの時は家屋敷を投げ出す覚悟で経営している。借り入れはすべて個人保証だ。オープン前、随分と周南市の道の駅「ソレーネ周南」について書いてきた。周南ツーリズム協議会なるものを市役所主導で作り、そこに管理を業務委託する構造に、果たして責任は誰が取るのかと疑問符を投げてきた。わずか10万円の出資で社団法人を作った。何億円の商いをするというのに、11団体の110万円の資本金なのだ。
□どう考えても無茶な話だった。赤字の時は市が補てんしてくれると信じての設立だった。市はそんなことは言ってないと言うが、江本駅長は設立前の市の臨時職員だった時、市役所の立場ではっきり「10万円以上絶対に負担することはない」と言ったと証言している。つまり、お金が足りない時は市が補てんすると言う意味だ。こんな子どもじみた話で周南ツーリズム協議会はスタートした。業務委託管理を引き受けた。
□3年程度はいいだろうが、徐々に苦しくなるだろうと予想はしていたが、2年目にして2,200万円もの赤字を計上した。テントを買ったり、臨時の出費が増えたからと江本駅長は説明している。江本駅長を責める気はない。一従業員だ。経営責任は経営側のツーリズム協議会にある。突然の決算報告で赤字を知った各団体は一応に驚いたようだ。
□月々の試算表作成は当然のことだ。出費が多い時、止めるのは経営者の務めだ。経理が手薄でちゃんと把握できなかったという説明だ。会社経営で最も重要な経理がずさんで、もうかっているか、赤字を出しているのか、まるでわからなかったのは、江本駅長だけの責任ではない。経営者としての自覚がツーリズム協議会になかった。根本はそうした団体を作り、経営にあたらせた行政に責任がある。
□借り入れをするにも誰も保証人になる人はいない。資産は皆無に近い。もし、資金不足で従業員への報酬が滞ったらどうするのか。納入業者への支払いが遅れたらどうするのか。当たり前の予測を片側に置いて、道の駅はスタートした。決算は終わっているはずの6月議会で、行政はすこぶる順調ですと胸を張った。また、こんな団体に委託することに市議会も目をつぶった。関係者全員が他人事のように感じていた。そこに働く人への配慮も、納品する業者への思いも至らなかった。
□犠牲者が出ないと問題にならない行政。無責任な議論で予算や指定管理の議案を通過させた議会。簡単に働く場、ものを扱う場を請け負った団体。日本の縮図を見るような無責任な構造に不安を覚えるが、また弁明の渦が巻きおこりそうだ。木村市長の本当の手腕はこんな時に出てくる。公約違反までして開設した道の駅だ。働く人、業者に不安を持たさないことを期待したい。(中島 進)

デジタルアート展に嫉妬する

デジタルアート展に嫉妬する~もっとわくわくするイベントを~

□「ポケモンGO」は国内でも一気に広がった。私も少しやってみたが、確かに現実の場面でモンスターを捕まえるのは面白い。周南市の永源山公園に多く出るとか、下松市のザ・モール周南の中にレアものが見つかったとか、話題はどんどん拡散していく。交通違反が6日間で400件を超えたとか、奇妙な社会現象になった。長く続くとは思えないが、しばらくは盛り上がるだろう。1、2件事故が起こると禁止令が出るかもしれない。
□任天堂の株価が急騰するなど、経済効果が先に出たが、スマートフォンの充電器も飛ぶように売れているらしい。持って歩くから充電が追い付かないそうだ。ジュースも伸びている。人を集めるツールには使えそうだ。商店街ではお金を出してレアなモンスターを購入、集客に利用するところも出てきた。周南地区でも今のうちにやってみる価値があるかもしれない。早い物勝ちだ。
□お隣りの防府市では現在「チーム・ラボ」によるデジタルの“学ぶ!未来の遊園地”が開かれている。自分が書いた魚が壁面を泳いだり、最新のデジタル技術を駆使した会場は連日にぎわっている。デジタルアートの技術は速いスピードで進化していて、大阪城を炎上させたり、プロジェクターを使った映像世界は国内外で大きな反響を呼んでいる。
□周南地区では手づくり感いっぱいのイベントは多々ある。それはまたいいが、最先端のデジタル技術が楽しめる場は新鮮で魅力的だ。コンビナート企業がひしめくここ周南で、たまにはこうした最先端の技術を使ったイベントが開かれてもよかろう。テレビ画面も有機ELを使った布状のものまで出現している。確か出光あたりが関わって開発したはずだ。各社が持つ最先端技術を使ったイベントも開催可能だろう。
□原料を供給しているが、その先の製品は世界中に広がっている。周南地区のそのすごさを具現化できたら、立派な展覧会になろう。周南地区に若者を呼び戻すきっかけづくりにどれだけ貢献できるか。旧徳山市時代に開いていた産業祭は企業のブースも設営され、地場企業の技術やものづくりが市民の目にふれる機会を作っていた。
□ステンレスで作った名刺は驚くような薄さだった。女性は鏡変わりに使えて、なかなか便利だと評判になった。半導体の原料もあれば、デジタル機材に欠かせない原料も作っている。デジタルアート展が周南地区ではなく、防府市で開かれたことに嫉妬する。宇部市のときわ公園でも「チーム・ラボ」によるイベントが開かれている。冬のツリーまつりのイルミネーションも珍しくなくなってきた。ここらあたりで、わくわくするようなイベントができないものか。(中島 進)

ツタヤ図書館で文化度向上?

ツタヤ図書館で文化度向上?~回遊できる街中できるか~(7月20日掲載)
■ 周南市の新徳山駅ビルの指定管理者がTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にほぼ決まり、ツタヤ図書館がいよいよ起動する。佐賀県武雄市から始まった図書館プラスカフェの流れは全国に広がった。抜群の集客力は若干陰りも見えるが、いまだに集客力に自信を持っている。スターバックスというカフェが持つ力も衰えていないようだ。
■ オープン当初は相当の人が集まるだろう。しかし、テーマはツタヤにどれだけ人が集まるのかではなく、集まった人がどれだけ回遊するかだ。また、大きな問題は、図書館を作り、管理をCCCに任せることで、市の文化度がどれだけ向上するかだ。
■ 現在の中央図書館で市民の不満を聞いたことはそうない。目と鼻の先に同じような図書館を作ったのでは、税金の無駄使いだ。市民は新図書館に何を求めるのか。市民に何をもたらすのか。図書館は何のためにあるのか。そもそも論から議論を深めることは極めて重要だ。市議会でどれだけ議論され、今後どんな議論が展開されるのか。課題は大きい。
■ CCC側からは旅行や料理に特化した図書館との声も聞いたことがある。本当にそれが年間1億5,000万円をつぎ込む価値のあるものなのか。文化にははかりがない。仕掛け方が多様でないと目に見えた効果は現れない。
■ 光市長を務めた松岡満寿男氏は絵画にも造詣が深く、市民が本格的な陶芸ができるようにと、市民窯を作った。そのおかげか、光市には陶芸家が続々生まれ、彫金の山本晃さんのような人間国宝まで生まれた。ここ周南地区で光市が他市より文化人が多いと感じている人は多い。ツタヤ図書館によって、どんな文化を広めていくべきか。興味は尽きない。
■ 駅ビルにいくら人が集まっても意味がない。地元への経済効果が問題だ。街中に足を延ばしてもらう仕掛けをどうするか。最大の難問だ。ここ数年、街中に40店あまりの出店があった。しかし、街中を回遊させるパワーはまだ足りない。誘導装置もない。商店主たちの意識改革も急務だ。銀南街でディスプレイコンテストを実施するなど、おしゃれな空間創造への取り組みも必要だ。中央街もバザール的な改変もあるかもしれない。デザイン力で街を変える決意が必要だ。駅ビルに人が集まっただけで胸を張っていてはいけない。(中島 進)